忘却エンドロール

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映画「殺しが静かにやって来る(ころしがしずかにやってくる)」

 | 西部劇  com(2) 
Tag:フランス イタリア 

殺しが静かにやって来る
原題:IL GRANDE SILENZIO/LE GRAND SILENCE[仏]
製作:イタリア・フランス’68 102分
監督:セルジオ・コルブッチ
ジャンル:★西部劇

【あらすじ】賞金稼ぎロコに夫を殺された未亡人ポーラが、“サイレンス”と呼ばれる男に復讐を依頼する。この町では仕事を奪われ野盗となった者たちが、町の権力者ポリカットによって次々と賞金を懸けられていたのだ。自らも賞金稼ぎの非道には思うところがあるサイレンスは、さっそくロコに狙いを定めるが…。

舞台設定とキャラクターがとても魅力的な異色西部劇でした。
まず舞台が、賞金稼ぎによる合法的な殺人がまかり通っていた時代の、雪に覆われた町スノーヒルというのが他の西部劇とは一味違います。
賞金首はポリカットの策略によって仕事を奪われた貧しい町人たち(無実の人もいるらしい)で、賞金稼ぎは金儲けのために人間狩りをしています。山に籠っていた賞金首たちが食料を求めて降りてきたところを皆殺しにしたり、家族を騙して「殺しはしない。牢に入った方が安全だから」と油断させて騙し討ちにしたりと、法のもとで好き勝手やるサマは無法者よりも性質が悪い。

そこで登場するのが主人公のサイレンス。彼は遺族に雇われた殺し屋で、相手を挑発して銃を抜いたところで正当防衛により賞金稼ぎたちを殺していきます。
殺し屋なのに嫌な感じが全くしないどころか、悲しい過去を背負う姿は完全にヒーロー。町に新しくやってきた保安官も、賞金稼ぎたちより彼を信頼していました。
この保安官バーネットさんもいい人で、何よりも大切な愛馬を食料として野盗に奪われたのに、この村の状況を知って野盗たちを守ろうとするんですよね。もうすぐ恩赦が出るからと、村のはずれに大量の食料を置いて悪さしないよう伝えたり。
また、サイレンスに依頼したアフリカ系アメリカ人のポーラも素敵で、肌の色の違う二人による美しいラブシーンが印象的。

敵である悪逆非道な賞金稼ぎロコと判事兼?銀行家のポリカットも文句なしの悪人で、雪の町を血で染めていきます。
けれど、その血を流すのは誰か…それは最後まで見ないとわかりません。
正直このエンディングには茫然としてしまって、これがあるから手放しにおススメはできないんですよね。だからと言ってこの作品の好きな部分を全否定するようなものでもなく…なんとも言い難いエンディングでした。

ただ、終わった時に流れるテロップの内容はどうなんでしょうね?
実際にあった事件を元にしてるのかな?と思って調べてみたところ、そう書いているのは日本語の記事ばかりで信用していいのかどうかわかりませんでした。私が思うに、真実なのは賞金稼ぎによる人殺しが横行していた時代があったということだけじゃないかと…。
もし元となる事件について詳しく書かれている日本語以外の記事があるなら教えてください!

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■ Comment

No title

この映画について、中島らも先生が「アホかっ」で済ませていたのが印象的です。個人的には、前衛文学でもあるまいし、やっちゃいかんだろ、としか思えないんですが、友人の映画マニアは異様に気に入っていたなあ。
2020/05/04 23:54  ポール・ブリッツ〔編集

>ポールさん

あはは、一喝ですか。
普通に勧善懲悪の西部劇だったら万人におススメできたんですけどね~。
私もあのラストには疑問です。

>友人の映画マニアは異様に気に入っていたなあ。

ラスト以外は魅力的だったので、ラストが受け入れるなら入れ込むのもわかります。カルト的人気もあるみたいですし。
あと邦題が珍しくカッコいいし内容に合ってるのもポイント高いです。
2020/05/05 08:12  宵乃〔編集
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