忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「500ページの夢の束(ごひゃくぺーじのゆめのたば)」

 | ロードムービー  com(4) 

500ページの夢の束
原題:PLEASE STAND BY
製作:アメリカ’2017 93分
監督:ベン・リューイン
原作:マイケル・ゴラムコ
ジャンル:★ドラマ/ロードムービー

【あらすじ】ソーシャルワーカーの支援を受け、自立に向けて奮闘していた自閉症のウェンディ。大好きな「スター・トレック」の脚本コンテストがあると知り、彼女は応募のため執筆を始める。しかし、書き上げた頃には期限ギリギリで、郵送では間に合わないため彼女は直接ロサンゼルスまで届けることを決意し…。

おぉ、ダコタ・ファニングだったのか。大きくなってて気付かなかった…。それに自閉症の役に成りきっていたから、あまり俳優が誰かとか気にならなかったです。
にしても「スタート・レック」は大人気ですね~。もしかしてお金を盗まれてバス代がなくなってしまった時、「スター・トレック」の脚本を届けなきゃいけないんです、と大声で言っていたら誰か助けてくれてたかも(笑)
全体的に良かったけど、スタートレック好きな孫がいるらしき老婦人が、事故の後一度も出てこなかったのが引っかかってしまいました。ここ省略したら、亡くなったと取られても仕方ないよ?

でもまあ、それでもロードムービーとして成長物語として良く出来た作品だったと思います。良い人も悪い人も無関心な人も出てきて、ままならない旅にいつの間にかウェンディのことを応援している自分がいました。
毎日、暗記した予定通りに行動して何とか日常生活を送っていた彼女が、予定と違うことをするというのはものすごく勇気がいる事だったはずです。しかも一人(と一匹)で街を出てロサンゼルスへ行くなんて初めてのこと。どれくらいバスに乗ればつくのか、バス代がいくら必要かもわからないまま出発して、しかも途中でバスを下ろされてしまうなんて!
バスの運転手やチケット売り場の人などは、別に悪意があるわけじゃなく仕事(他のお客様に迷惑をかけられない)をやっていただけなんだけども、状況を知っているとちょっと冷たすぎないかと思ってしまうくらいでした。

でも一方で、お金を騙し取られそうになっていた彼女を助ける老婆がいたり、落とした原稿を拾って持ってきてくれるソーシャルワーカーの息子がいたり、怯えさせないためにクリンゴン語で話しかける警官がいたりしてほっこり。
何より何も言わずについてきてくれた小さなナイト、チワワのピートに癒されました。バスでおしっこしちゃったり、途中で疲れて歩けなくなったりしてたけど、ピートが傍にいてくれたから頑張れたんだよね。終盤、自分一人でもやり遂げようと思えたのも、ピートとの旅が彼女に勇気をくれたからだと思えました。

あと、何気に役立っていたのが、アルバイト仲間がくれた音楽集。街のさわがしい音に過剰反応してしまう彼女にとって、この音楽が鎧であり安心感を与えてくれるものだったことが、iPodが盗まれたことで鑑賞者に伝わります。音楽集をもらった時はめちゃくちゃ素っ気なかったけど、たぶん内心とても喜んでいたんだなぁと。
この旅でお姉さんからの信頼も得られたし、スタートレック仲間も増えたし、職場には彼女のよき理解者もいるし、彼女の明るい未来を信じられるラストでした。

そして、彼女だけでなく姉のオードリーにとっても特別な出来事だったというのが、個人的には一番心に残りました。序盤で久しぶりに会ったウェンディの発作を目の当たりにして、車の中で泣いてしまうくだりが切なくて…。「自分が至らないせいで妹を傷つけてしまう」と、彼女自身も苦しんできたんですよね。
妹との思い出がつまったピアノさえも遠ざけようとしていた彼女が、この出来事をきっかけに妹を信じる強さを手に入れ、我が子を抱いてみてと渡すラストが感動的でした。

■ Comment

こんにちは☆

>我が子を抱いてみてと渡すラストが感動的でした

暖かくなって、イラスト再開の第一弾が
この作品のこのシーンなんですね♪
姉妹の想いが伝わってきます☆

>スタートレック好きな孫がいるらしき老婦人が、事故の後一度も出てこなかったのが引っかかってしまいました。

私は引っかからなかったです、たしかに描写はなかったけど
居眠りでスピードは出ていなかったから、きっと怪我ですんだと
宵乃さんの記事を読むまでずっとそう思い込んでいました!

>いつの間にかウェンディのことを応援している自分がいました。

私はそういう目線にはなれなかったので、
宵乃さんのように思えればもっと楽しめたと思います・・・。

>お客様に迷惑をかけられない)をやっていただけなんだけども、

その通りだと思いました・・・彼女は「ぱっと見」が
とってもしっかりとした成人女性・綺麗で賢そうに見えるから
事務員や受付の人は冷たいとは全然思いませんでした。。。

>この音楽が鎧であり安心感を与えてくれるものだったことが、iPodが盗まれたことで鑑賞者に伝わります。音楽集をもらった時はめちゃくちゃ素っ気なかったけど、たぶん内心とても喜んでいたんだなぁと。

ここは同感です、最後にお礼にデイスクを作って渡していましたよね!?
あれが彼女にとって精一杯の感謝のしるしだったんだと思います♪

>彼女の明るい未来を信じられるラストでした。

・・・う~ん、姉には夫がいますしね、
夫は他人ですしね、妻子が大事ですから、
この妹を受け入れるとは、私にはとても思えません。

>そして、彼女だけでなく姉のオードリーにとっても特別な出来事だったというのが、個人的には一番心に残りました。

私も姉というか姉夫婦に気持ち寄せて見ていたんですが、
最後に残った印象が随分違って(笑)。

まあでもアメリカの映画ですし、きっと宵乃さんの受け止め方の方が
製作者の意図を理解しているんのでしょうね・・・
ひねくれもので、すみません(笑)。

感想文をアップしましたので、お時間頂けたらお願いします☆


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2020/04/10 13:43  miri編集

>miriさん

> 姉妹の想いが伝わってきます☆

いつもイラストにもコメントありがとうございます!
家族愛が伝わってくるラストシーンでしたよね。

> 居眠りでスピードは出ていなかったから、きっと怪我ですんだと
> 宵乃さんの記事を読むまでずっとそう思い込んでいました!

私は気になって気になって…(汗)
一瞬顔を見せるだけで済むのになぜ映さないのかと腹が立ってしまいました。

> 事務員や受付の人は冷たいとは全然思いませんでした。。。

その方たちはまあいいんですが、あんな何もないところで降ろしたバスの運転手さんだけはダメでしたね~。若い女性に限らず、せめて次の町か村までは運ぶようにしないと(乗客の命を守るための場合を除く)危険すぎると思いました。

> ここは同感です、最後にお礼にデイスクを作って渡していましたよね!?
> あれが彼女にとって精一杯の感謝のしるしだったんだと思います♪

そうそうお礼のディスク作ってましたね~。あの二人はこれからも仲良くやっていくんだろうなと微笑ましかったです。

> 夫は他人ですしね、妻子が大事ですから、この妹を受け入れるとは私にはとても思えません。

えっと、もしかしてあの後ウェンディと同居したとお考えでしょうか?言ってましたっけ?
彼女が受けていたのは自立支援だったと思うので、私はあの後1~2年間くらいは短期間のホームステイを何度か行って、家事などに慣れてきたら近くのアパートで一人暮らしするんだろうなぁと思ってました。
序盤で家に帰りたがっていたのは不安があったからで、今回のことで離れていても姉は自分を家族だと思ってくれていたと実感できただろうからゴネたりはしないでしょうし…。

> 私も姉というか姉夫婦に気持ち寄せて見ていたんですが、最後に残った印象が随分違って(笑)

miriさんなら姉夫婦寄りの目線でご覧になるだろうなぁと思ってました。
後ほど伺いますね~。
2020/04/11 08:14  宵乃〔編集

こんにちは。

妹の成長でもありましたが、姉の成長でもありましたね
子供が生まれて、遠ざけてしまったという罪悪感。
最後に我が子を抱かせることで、姉妹愛が伝わってきました。
グループホーム(かな?)での毎日の規則をちゃんと守りつつ、
時には「シャワーがない。一日くらい大丈夫」とか、
自立心を持ちつつも自分の脚本のために頑張る姿、とても応援してしまいました。
最後のハリウッドの郵便係さんとの掛け合いも、冒頭の3秒しか相手を見ることが出来ない状況からすると、とんでもない勇気のいる事だったと思えるし。
本作では姉の立場で見ちゃうのかなと思っていたら、病気は違うけど私もそうだから、障害者目線で見てしまいハラハラしどおしでした。
そうそう、宵乃さんが懸念してらした、あのお婆さん。私も気になりました。ただ、大事故ってわけでもなさそうだしウェンディも無事だったから、頭を打つとかして同じ病院に入院くらいはしているかもしれませんね。
2020/04/26 13:30  maki編集

>makiさん

> 妹の成長でもありましたが、姉の成長でもありましたね

ですよね。数々のトラブルを乗り越えてのラストシーンには希望を感じました。同じような悩みに直面した時にはヒントになりそうです。

> 時には「シャワーがない。一日くらい大丈夫」とか、
> 自立心を持ちつつも自分の脚本のために頑張る姿、とても応援してしまいました。

彼女にとってはシャワーひとつ、郵便係との会話一つでもきっと一大決心だったでしょうね。今まで姉に受け入れてもらえる自分になろうと必死に努力してきたのが伝わってくるし、大好きなもののためにもう一歩、もう一歩と成長していく姿に私も応援せずにはいられなかったです!
私も知らない人と話したり知らない街に行くのは怖いし苦手なんですよね~。

> あのお婆さん。私も気になりました。ただ、大事故ってわけでもなさそうだしウェンディも無事だったから、頭を打つとかして同じ病院に入院くらいはしているかもしれませんね。

「イタズラなKiss」の作者さんが自宅で頭をぶつけて亡くなったという話が印象に残っていて、若くて元気でもちょっと頭をぶつけただけで人間は死ぬものだというのが頭から離れないんですよね~(汗)
2020/04/27 07:58  宵乃〔編集
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