なんとなく90年代SF映画のテイストが感じられる猥雑な未来世界が好きです。序盤で他民族との友好を深めていくところから始まって、宇宙進出で異星人とも同じように友好を深めていくくだりが面白い。人間とはかけ離れた見た目の人々にも握手に込められた意味は通じたのに、日本人だけ差し出された手に気付かずお辞儀してて空気読めてないところが(笑)この監督、日本人のこういうところが好きなんだろうなぁ。あと、次々と衣装チェンジ(というか変身)して踊り続けるショーも良かったです。セクシーで可愛くて、こりゃあ男性じゃなくても目が釘付けになりますよ。あっさり退場してしまうところが悲しいけど、原作があるみたいだから仕方ないのかも。全体的な物語としてはあまり印象に残らないものの、137分間が長く感じないくらいには楽しめました。
9/23「まじょとねこどん ほうきでいくよ」
「ほうきの上に私の場所はある?」と尋ねられると、狭くても快く乗せてしまう魔女さんと、おっちょこちょいな魔女をいつも支えてきて少しやきもち焼きのねこどんのお話。おっさんみたいな顔のねこどんがだんだんと可愛く見えてくるんですよね。やはりアニメは動いてこそ魅力が伝わります。次々増えていく同乗者を疎ましく思っていたのに、いざ魔女がピンチになった時、手を貸してくれた犬、鳥、蛙が頼もしく見える展開が熱い。情けは人のためならずを地で行く魔女さんでした。
9/28「ベイブ(べいぶ)」
何度かに分けて再見。たぶん固定観念に囚われないで興味のあることには挑戦していいし、初めてに挑戦する人を受け入れる広くて自由な心を持ちなさいということなんだと思うけど、ベイブ以外の豚は食われているわけで…。才能のない無能な奴に選択の自由なんてないよと言われている気分になってしまいました。まあ95年の作品だし、原作の書かれたのは差別されてる人たちが人権を得るには才能が必要な時代だったのかな。固定観念に囚われている牧場の動物たちが「分をわきまえて自分の役割を全うするしかない」と言う姿が、差別で虐げられてそれが普通になってしまった人たちと重なりました。にしても動物たちの演技がすごい。
10/1「デトロイト(でとろいと)」
重すぎて途中で気持ち悪くなってしまいました。こういう恐怖と暴力で支配するシーンが長い作品は苦手です。実際にデトロイトで1967年に起こった事件ということで臨場感がすごかった…。登場人物の見分けがあまりできなかったものの、あの黒人を撃ちたくてたまらない若い白人警官だけはもう目に焼き付いて消えない。よくあんな役を引き受けたよ。でも、いたずらで競技用の銃を撃ったとすぐ言わなかったのはどうしてなんだろう。すでに一人撃たれてたんだっけ?証言から再現した作品らしいけど、亡くなった人は話せないわけで本当にこの通りだったとは限らないし記憶の混乱もあるんだろうね。この時の恐怖が忘れられずスターの道を諦め、地元の聖歌隊に入ったというのが印象に残りました。…ただ、序盤でブラインドの隙間から外を見ようとした少女が、狙撃手と勘違いされて射殺されたっぽいエピソードの方が痛ましい気がする。あれも実際にあったことなんだろうか?ニュースになったのかさえ描かれないのが引っかかります。