忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「海底47m(かいてい47めーとる)」観た

 | ホラー/パニック  com(3) 

海底47m
原題:47 METERS DOWN
製作:’2017 90分
監督:ヨハネス・ロバーツ
ジャンル:★パニック/ホラー

【あらすじ】メキシコでバカンスを楽しみに来た姉妹リサとケイト。地元の若者たちと意気投合した2人は、“シャークケージ・ダイビング”に誘われる。行動的な妹ケイトに押し切られる形で挑戦することになるが、ワイヤーが突然切れてケージもろとも深さ47mの海底へ落下し…。

8月31日に鑑賞。ホラー企画の〆はサメ映画でと気楽に観始めたら、怖いし絶望的なやつでした…。
ジャンルとしては「ロスト・バケーション」や「オープン・ウォーター」に近いですね。実際にサメにケージを壊され侵入されたという事故が2016年頃にメキシコで起こった(被害者ゼロ)ようなので、それから着想を得たのかも?
評価が割と低めの作品なんですが理由はわかります。映画としてもホラーとしてもアレはね…。でも、悪意すら感じるその絶望が嫌いじゃなかったんですよ。何故かというと、リサの想いが切なすぎるから。

実は鑑賞後にリサとケイトが姉妹だと気付きまして(友人だと思ってた)、それで色々納得できる点があって余計に私の中で好感度アップでした。
このシャークケージダイビングに無理やり姉を参加させたケイトと、終盤で今までの弱気がウソのように妹を守るため必死に戦ったリサ。リサは自分が引っ込み思案で内向的で正反対の妹にコンプレックスを抱いているものの、リサの方もそんな姉に対して虚勢を張っているところがあるんですよね。ケージから脱出し「連絡の届くところまで泳いで行くから待っていて」とリサに言い聞かせていた時はまるでお姉さんのようなのに、いつサメが襲ってくるかわからない恐怖の中、やっと船と連絡がついた時は「怖いの」と泣き出しそうな声で助けを求めます。

きっと姉にコンプレックスを抱かれてるというのは昔から感じていて、姉があんなに気弱なのは自分のせいかもしれないと責任を感じたり、だからこそ自分がしっかりしないといけないと常に気にかけてたのかなぁと。
せっかく地元の若者といい雰囲気になったのにダイビングでは姉妹一緒に行動していたのも、ケイトにとって男より姉が重要だからでしょう。むしろ地元の男性と仲良くしてたことすら、姉を焚きつけるためだったかもしれない。
やけに大丈夫大丈夫と気楽に言っていたのも、姉が不安な時はいつも彼女が元気づける、そういう役割をずっと担ってきたからじゃないのかと思えました。

一方、妹にコンプレックスを抱いていたリサも、本当は妹を守れるお姉ちゃんになりたかったんですよね…。気弱じゃなければそうなれたかもしれないと思えるエピソードもあって、方向を見失ってパニックに陥りかけていた時、ケイトから明かりが見えるかどうかで方向を確認したのは素直にすごいなと感心しました(私ならパニくって絶対思いつけない)。なので終盤、彼女がサメを追い払って妹を連れて船まで辿り着いた時は「ロストバケーション」の時みたいに燃えました。
だからこそ彼女の妹に対する想いに心打たれたわけで、あのオチも姉妹愛映画としてはありだなと最後に納得できました。リサにとって、もっとも残酷な結末でしたが…。

実際にダイビングに詳しい人が見たらツッコミどころが多いかもしれませんが、姉妹愛がメインでもパニックホラーがメインでも映画的な曲解は演出としてアリだと思いました。…エアの持ち時間とか、モグリっぽい業者の指示内容とか。
何匹いるかわからないサメが、血の匂いを辿って暗い海の向こうから何度か現れるのは割とリアルに感じたし、冷たくて暗い海底47mの恐ろしさ、エアが減っていく恐怖も「絶対にダイビングなんてしたくない!」と思えるほど怖かったです。

たまにエアが足りないのにキャーキャー騒ぎすぎという人がいますが、強い恐怖を感じると脳の酸素消費量が上がるんだから呼吸を抑えようとしたくらいでコントロールできるものじゃないと思います。酸素消費量が増えたのに呼吸を抑えたら酸欠になるよ?
オチに関しては窒素中毒だけじゃなくて、足の痛みや寒さ、精神的ショックと酸欠状態などが重なって、体が休息状態に入ったんじゃないだろうか。半分寝てたと思えば、あれもおかしくはないんじゃないかと。
私的にはこの映画が今年のホラー企画の〆で良かったと思える作品でした。

■ Comment

サメと姉妹

あのシチュエーションでは、なにかケージに異常があったら、おしまいでしょ、と思いましたよ。(まあ、そういう映画ですから、はじめから予測はついてしまいますが)
2019/09/07 11:45  ボー編集

>ボーさん

こちらもコメントありがとうございます。
ホント、あのボロ設備じゃあ不安しかないですよね。
最後まで助けようとしてくれてたのがちょっと意外でした。
2019/09/08 08:05  宵乃〔編集

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2019/09/11 08:44  
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