サイコパスなシガーさんの存在感が素晴らしく、割と引き込まれました(とくに店主との会話)。でもサスペンスというよりホラーですね。通行人がほぼいなくてシガーさんやりたい放題。神出鬼没で、彼に狙われたら逃げ場なんてどこにもない!興味深かったのが殺す前にお喋りをすること。「私を殺す必要なんてない」とみんな言うんだけど、たぶん彼には「お前のこだわりなんて無意味だ」と聞こえていると思う。悪役が良かったのにラストが締まらないのが…。保安官で終わるのは良いけど、セリフに頼らず荒野などにたたずむ画だけで伝えてほしかった。武器に見えない屠殺用の武器が怖かったです。
5/23「ワン・フロム・ザ・ハート(わんふろむざはーと)」
フラニーが夜のベガスへ去っていく辺りからファンタジックな描写が割と楽しめました。合成を駆使してるのかと思ったら、全部セットで組んだベガスだったようで(合成を使ってないとは限らないけど)。現実感の薄いところが、主人公たちの一夜の夢ですよ(美化されてる)という感じで良かった。でも、映画より舞台の方が向いていたんじゃないかなぁ。物語にまったく魅力がないため興行的に失敗したのも納得です。ライラちゃんを悲しませたのが許せん。
5/25「終電車(しゅうでんしゃ)」
旦那が地下に…とわかってからはなかなか面白かったです。カトリーヌ・ドヌーヴ演じるマリオンが魅力的でした。彼女が惹かれる男をドパルデューが演じていて、若い頃はこんなに細かったのかぁと思ったり。公開初日の成功にホッとして、マリオンが思わず彼にキスしちゃうところが好きですね。本人に覚えがなかったところとか可愛い。夫のことも愛していると思えたし、何より戦時中でも人々を笑顔に出来る劇場を、舞台劇を、心から愛しているのが伝わってきました。
5/27「ドクター・ストレンジ(どくたーすとれんじ)」
たまたま見かけたテレビCMのあらすじで「なんだそりゃ?」と思ったので視聴。「インセプション」を連想するCGはすごかったけど目新しさはなかったです。ちょっとコミカルなところは笑えました。わんこみたいに懐く暴れん坊マントが好き。しかし、ラスボス戦がなんというか…(笑)やる方も精神的に参るはずなのに何ともなさそうなのが怖い。
5/28「真実の行方(1996)(しんじつのゆくえ)」
当時はどうか知らんけども、今となっては使い古された感のあるストーリーでオチが見え見えでした。主演二人の見え方が最初と最後で180度変わるという対称的な構図は良かったです。でも、法廷ものとしては微妙で、事件の全体像を思い返すと色んな部分がぼやけているというか…。「真実とは陪審員の頭に形作られたものだ」ってこういうこと?全貌をハッキリさせた上で陪審員にはどう見えたかということではないのか…。エドワード・ノートンさんの演技が評判なようだけど、私にはアーロンは”いざとなったら仲間を裏切って見捨てる臆病者タイプ”にしか見えなかったので、なんでみんな簡単に彼を信じるのか謎でした。