忘却エンドロール

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映画「リトルプリンス 星の王子さまと私」観ました

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Tag:フランス 

リトルプリンス 星の王子さまと私
原題:THE LITTLE PRINCE
製作:フランス’2015 107分
監督:マーク・オズボーン
原作:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
ジャンル:ファミリー/ファンタジー

【あらすじ】母親により勉強漬けの毎日を送っていた孤独な9歳の女の子。名門校の学区内に引っ越した彼女は、隣に住む元飛行機乗りのおじいさんと出会う。おじいさんの書いた王子さまの物語に夢中になり、母親の目を盗んではおじいさんと無邪気に遊ぶ女の子だったが…。

「星の王子さま」の映像化とその物語に触れて成長する女の子のエピソードを絡めたアニメーション作品。ほんとうに大切なものは目に見えない、大切な人はいつまでも心の中にいる、子供の頃に感じた気持ちを大人になって忘れてはいけない、というようなメッセージが込められた作品で「テラビシアにかける橋」を連想するところも。
「星の王子さま」パートはストップモーションアニメになっていて、原作をほとんど知らない私でも感動する完成度。これだけで一つの作品として完成させたバージョンを出して欲しいくらいです。

CGアニメで描かれる本編も、女の子とおじいさんの友情や子供らしさを取り戻していくところが素晴らしく、後半の「大人になってすべて忘れてしまうかもしれない」という不安との戦いを描いたイマジネーションの世界にも違和感なく入れました。ただ、その不安の象徴である「大人になった彼」が…。結構ショックが大きいというか、原作ファンは受け入れられるんだろうかと心配になります。ストップモーションで描かれた「星の王子さま」のエピソードが素晴らしかっただけに、この物語に必要だとしてもあんな姿は見たくなかったという気持ちが…(汗)

ただ、このエピソードは制作者の解釈で「星の王子さま」の続きを描いたというわけではなく、あくまで女の子がおじいさんに教えてもらった物語を今の自分の不安に当てはめて想像した物語という感じなんですよね。
私的にこの作品に出てくる「星の王子さま」は、誰か大切な人を亡くしたおじいさんが悲しみを乗り越えるためにつくった創作物だと思っています。なので、大切な友人であるおじいさんから物語を受け継ぎ、さらにイメージを膨らませて悲しみを乗り越えた少女の成長に、おじいさんとの深い絆を感じられました。
閉じこめられた星がぶわーっと空に舞い上がるのに乗って、飛行機で飛び出すシーンは本当に美しく、幻想的です。

また、ラストで母親がちゃんとおじいさんに「ありがとう」と言って、娘と星空を見上げているのも良かったです。ただの”つまらない大人代表”で終わらず、思い出すことはできると伝えていて…。横にちょこんとキツネのぬいぐるみがいるのもいいですよね。
子供(中高生くらいから?)だけでなく、親御さんも一緒に見てほしいと思える作品でした。

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