忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「チェンジリング(2008)」観ました

チェンジリング(2008)
原題:CHANGELING
製作:アメリカ’08 142分
監督:クリント・イーストウッド
ジャンル:ミステリー/ドラマ

【あらすじ】1928年、ロサンゼルス。クリスティン・コリンズの9歳の息子ウォルターが忽然と姿を消した。5ヶ月の捜索の後、イリノイ州で見つかったという朗報が入るが、警察が連れてきたのはウォルターとは全くの別人だった。何度訴えても取り合ってもらえず、ついには親としての責任を逃れようとしていると言われ…。

化け物ばかりが出てくる作品。気合を入れて、やっと観る気になりました。
これが実話を基にしてるなんてにわかには信じられません。顔が判別できない状態ならともかく、そうじゃないのに5ヶ月程度で我が子の見分けがつかなくなるだなんて本気で言っているのか?
実際はこれっぽっちもそんなこと思っていないんでしょうが、そう決めつけるだけでどうにかなると警察が考えていたなら、それこそ頭がおかしいんじゃないかと。…ここまでなら大丈夫、というボーダーラインが長年の傲慢でわからなくなっていたんでしょうね。

主人公の気持ちになって見ていると本当にぞっとする状況でした。まさに”人間の皮を被った悪魔”が目の前にうじゃうじゃいて、知らぬ間に世界を支配されていた気分です。
他人の命や感情なんてまったく気にならないという刑事や医療従事者たちの顔が恐ろしく、彼らの理不尽な言動には強烈な怒りと恐怖を感じます。同じ人間だなんて信じられないし、信じたくない。
リアルな話のはずなのに、いつの間にかホラー映画を見ていたのかと錯覚するほどです。

ただひたすら息子に会いたい、抱きしめて安心したいという気持ちで、そんな化け物たちに立ち向かっていくクリスティンの強い意志にぐいぐい引き込まれました。アンジェリーナ・ジョリーはちょっと苦手だったんですが、この作品ではそれが気にならないほど熱演していたと思います。
彼女自身、母親としてクリスティンの気持ちが痛いほどわかって、自分のことのように演じていたのかもしれません。自分が腐った権力と闘っている間、息子も必死に怪物と戦っていたんだとわかって一筋の涙をこぼすシーンが印象に残っています。

そして、今も生きていると信じる彼女の「希望」という言葉。心からそう思っていると感じられる瞳のおかげで、この陰惨な事件を忘れ去りたいとは思わずに済みました。
鑑賞後、実際の「ゴードン・ノースコット事件(Wineville Chicken Coop Murders)」を調べてみたんですが、関係者の名前はすべて実名でほぼ史実通りだということです。でも、あまりに惨いエピソードは削られ、一つ都市伝説的なエピソードが付け加えられています。ここを史実通り描いていたらトラウマ作品になっていたと思うので、個人的には脚色してくれて助かりました。観られてよかったです。

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■ Comment

アンジェリーナ・ジョリー

アンジェリーナ・ジョリー×クリント・イーストウッドの組み合わせで記憶にある映画ですね。
細かいところは忘れちゃったけど、アンジーは良かったなと。いまでは、監督もやっていますけどねえ。
2018/03/08 23:39  ボー編集

>ボーさん

いらっしゃいませ。
この監督さんとアンジーってことで、公開当時からかなり気になってた作品でした。
ホント、必死にたたかう母親を見事に演じてたと思います。
最近は監督もやってるんですか。クリント・イーストウッドと気が合うのかもしれませんね~。
2018/03/09 08:04  宵乃

名作にふさわしい、心にしみるイラストです!

>気合を入れて、やっと観る気になりました。

宵乃さんにとっては今が「この作品を見る時」だったのですね!
お疲れ様でした。

>これが実話を基にしてるなんてにわかには信じられません。
>主人公の気持ちになって見ていると本当にぞっとする状況でした。
>まさに”人間の皮を被った悪魔”が目の前にうじゃうじゃいて、
>他人の命や感情なんてまったく気にならないという
>彼らの理不尽な言動には強烈な怒りと恐怖を感じます。
>同じ人間だなんて信じられないし、信じたくない。
>リアルな話のはずなのに、いつの間にかホラー映画を見ていたのかと錯覚するほどです。

おっしゃる通りです。
本当にそこらへんのホラーなんか完全に負けます。
私もいつかずっと先で、肝試し企画で見たりして?(笑)

>クリスティンの強い意志にぐいぐい引き込まれました。

引き込まれました。 そして彼女のその強い意志がなかったら、私たち鑑賞者も最後まで見られなかったようにも思います。

>彼女自身、母親としてクリスティンの気持ちが痛いほどわかって、自分のことのように演じていたのかもしれません。

私は現実には「その気持ちは分からない」と思うんですが、この作品に限らず、上手と思う俳優さんたちは、そういう人に「寄り添う気持ち」をすごく持って演じられると思うんですよ。
それでアンジーさんはこの作品で見事にクリスティン自身になっていたと、私は思うし、それはすごい事だと思います☆

>自分が腐った権力と闘っている間、息子も必死に怪物と戦っていたんだとわかって一筋の涙をこぼすシーンが印象に残っています。

怖かったところを多く詳細に覚えていて(涙)そのシーンは今は出てこなくて残念です。

>そして、今も生きていると信じる彼女の「希望」という言葉。

すごい人だと思いました。 ただただ頭が下がります。

>でも、あまりに惨いエピソードは削られ、

今回調べて初めて知ったことがあるのでそれだと思いますが、私も脚色してくれて良かったと思います☆

>観られてよかったです。

イーストウッドさんの監督作品の中では(もちろん他にも良い作品はありますが)突出した出来の良い作品でしたね~。
お互いに「良い時期」に見られて良かったと思います☆


.
2018/03/09 11:28  miri〔編集

こんにちは

コメントありがとうございました。

この作品、ほんと胸が痛いというか犯人許せないというか、
アンジーの心境+親類みたいな気持ちになってしまいましたよね
実際の事件は凄惨だったようですが、
そこらへんはふわっとした演出だったのが、
本当に幸い
誰も、自分の幼い子が、性欲の犠牲になり最終的には骨にされるだなんて思いたくないですもの
それにしても、イーストウッドさんの監督としての巧さがこの頃からもあふれ出ている凄まじさ。
アンジーの熱演も良かったです。

大変失礼になりますが、
またもまたーも 引っ越しました;;
宵乃さんへのコメントお返しは引っ越し先のブログにて
お返しさせていただいてます。

宜しくお願い致します。
2018/03/09 16:33  maki編集

>miriさん

いらっしゃいませ。いつもイラストにも感想ありがとうございます。
見るのに勇気がいる作品ですよね。やっと”その時”がやってきたという感じで、思ってた以上に見ごたえある作品でした。

> 本当にそこらへんのホラーなんか完全に負けます。
> 私もいつかずっと先で、肝試し企画で見たりして?(笑)

自分のことだったらと思うと背筋が寒くなります。警察や病院の人たちの顔を見てたら「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」を思い出しました。

> 彼女のその強い意志がなかったら、私たち鑑賞者も最後まで見られなかった
> アンジーさんはこの作品で見事にクリスティン自身になっていたと、私は思うし、それはすごい事だと思います☆

ですよね。彼女の強い意志がなかったら映画にして人々に伝えたいという情熱は生まれなかったかもしれないし、アンジーを抜擢した監督の確かな目、様々なプレッシャーに負けずに彼女をこの現代によみがえらせたアンジーの女優魂などがあって、初めてこの作品が完成したと思えました。

> 怖かったところを多く詳細に覚えていて(涙)そのシーンは今は出てこなくて残念です。

ずっと先のいつか、再見する気持ちになったらこのシーンを初めてのような気持ちでご覧になってください。

> 私も脚色してくれて良かったと思います☆
> イーストウッドさんの監督作品の中では突出した出来の良い作品でしたね~。
> お互いに「良い時期」に見られて良かったと思います☆

脚色がなかったら完全にトラウマ作品になってましたよね。私も出来の良さなら彼の作品でこれが一番だと思います。
コメントありがとうございました♪
2018/03/10 09:59  宵乃〔編集

>makiさん

いらっしゃいませ。
そうそう、瞬く間に主人公に感情移入していて、犯人や警察、病院の人間を演じた人たちすら憎らしく感じてしまいました。

> そこらへんはふわっとした演出だったのが、本当に幸い

監督の匙加減が絶妙でしたね。そして、アンジーが演技派女優だということを、この作品で思い知りました。

> またもまたーも 引っ越しました;;

お知らせの記事を読んで「えぇ!?」と声に出して驚いてしまいました(笑)
でも、今回はお引越しの手間がかからないようで安心です。ずっとお引っ越し作業が続いていたから、これ以上はmakiさんの体が!と心配だったんです。
はてなブログなら有料版にすればかなり快適そうですね。古いブログを畳んでから独自ドメインとURLを引き継げますし。makiさんの安住の地になるといいですね~。
2018/03/10 10:09  宵乃〔編集
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