映画「雲のむこう、約束の場所」観た
英題:The Place Promised in Our Early Days
製作:日本’04 91分
監督:新海誠
ジャンル:★青春/SF/ファンタジー
【あらすじ】米軍統治下の青森。同級生のサユリに憧れを抱いていたヒロキとタクヤは、ユニオン占領下の北海道に建設された謎の塔を目指し、小型飛行機をつくっていた。だが中学3年の夏、サユリが突然東京に転校してしまう。それをきっかけに飛行機作りを投げ出し、別々の道を歩み始めた2人だったが…。
久しぶりに再見したら面白かったです。そういえば初見時はビデオデッキもテープも劣化してあんまり内容が理解できていなかったかも。…まあ、今回もちゃんとストーリーを説明できるかというとできませんが(汗)
とりあえず、研究施設が「ヱヴァンゲリヲン」っぽいのが気になったし、ユニオンとかお祖父ちゃんのやりたかったことが謎過ぎるんですが、求め合う2人の強い想いが溢れんばかりに描かれていて好きですね~。「君の名は。」はこれも下敷きになってたんだとわかる描写もあって、中二病全開なのが大丈夫ならおススメ。
北海道が謎の勢力に占領された世界だとか、並行世界と入れ替える兵器とか、そういう設定は単なる雰囲気づくりだと割り切って、一人ぼっちの夢の世界に閉じ込められたヒロイン・サユリを助けに行く王子様のお話だと思えば良いと思うよ!
考えるな!感じろ!!
しかもこの王子様、何も言わずに姿を消したサユリのことを思い続けて、思い続けて、思い続けるあまり、サユリが弾いていたバイオリンの曲をマスターしちゃったり、夢の中で彼女のメッセージを受け取ったりしちゃうんですよ。…なんという一途さ!
同じくサユリに想いを寄せていたタクヤ君の方はモテモテで、未練はありつつも新しい出会いを大切にしようかなぁなんて思っている一方で、未だに寝ても覚めてもサユリのことばっかり考えてるんですよ?
そりゃあ奇跡の一つや二つ起こせますよね。
一途だけど長いこと何もしてなかったヒロキと、現実を見て自分にできることをしてきたタクヤとの対比や、そんな二人が何年かぶりに再会して衝突しつつも、すぐ昔みたいに息ピッタリで飛行機を整備し始めるところも良かったです。
いつ開戦するかわからない状況で、一人の女の子を助けるために運命に導かれるがごとく”彼女との約束”を果たそうとする姿はまさに主人公。「どうか、どうかお願いだから…」と強く願う二人のモノローグが重なって、ちょっぴり感動しました。
何と言っても、透き通るような青い空をバックにそびえ立つ白い塔と、その周りを優雅に飛ぶ小型飛行機ヴェラシーラの画に痺れます。監督はこのシーンが描きたかったんだろうなぁ。
でも、このシーンの美しさも前半の甘酸っぱい青春時代の描写あってこそでしたね。今が永遠に続けばいいのに、と素直に感じられる青春の一ページ、途切れがちな会話や遠い地への憧れなど青春のエッセンスがこれでもかというほど詰め込まれてました。
その象徴となる白い塔と白い飛行機が二人を祝福しているかのようです。
…最後に文字通り爆弾落としていくけど(汗)
とりとめのない文章になってしまいましたが、私はこの作品、好きです。
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