忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」観ました

 | 伝記/自伝/実話  com(6) 
Tag:イギリス 

イミテーション・ゲーム
原題:THE IMITATION GAME
製作:イギリス・アメリカ’2014 115分
監督:モルテン・ティルドゥム
原作:アンドリュー・ホッジェズ
ジャンル:★サスペンス/戦争/伝記

【あらすじ】1939年。ドイツ軍の暗号機“エニグマ”を解読するため、イギリスではMI6のもと解読チームが組織された。だが、その中で数学者アラン・チューリングだけは単独で解読マシンを作り始める。孤立を深めていく彼だったが、新しく加わったクロスワードパズルの天才ジョーンが彼のよき理解者となり…。

かなり見ごたえある作品でした。チューリングさんのことは全然知らなかったんですが、アップルのトレードマークのリンゴは彼にまつわるものだという都市伝説があるんですね。コンピューターの生みの親の一人であり、最強の暗号機エニグマを破った天才の生き様を115分にギュギュっと詰め込んでいたと思います。さすがアカデミー賞の脚色賞を受賞してるだけあるし、監督さんが事実に忠実であることを大事だとしながら”チューリングの感情”を最優先して描いたのが生きてると思いました。

若干分かりにくいと感じたのは、戦後である1951年と戦時中の描写にあまり違いがないところ。しばらく時間が前後してることに気付けませんでした。1951年におけるチューリングさんの決断は彼を描くには欠かせないものだけど、普通に時系列通りにやってもよかった気がします。結局、何であの刑事は最初チューリングを目の敵にしてたの?

そこは気になったものの、全体的にチューリングへの敬意が伝わってくる作品で、普段は演出かな?と疑うようなところも素直に受け取れました。実際に彼と話してたらかなり嫌な奴だと思いそうだけど、彼が好きでそんな反応を返してるわけじゃないというのが伝わってくるんですよね。むしろ、何で自分(チューリング)にわかるように話してくれないの?と思えてきます。天才ゆえの孤立をわかりやすく噛み砕いて描写してました。

そこに現れるキーラ・ナイトレイ演じるジョーンがまたいいんですよ。チューリングを演じてるのがカンバーバッチさんでいつもながら才気あふれる雰囲気なんですが、それに負けない存在感で良きパートナーとなっていく流れも説得力あります。子供の頃に自分を勇気づけてくれた言葉を彼女にかけるところが、ラストに繋がるのもよかった。
彼女が取り持って仲間たちと和解していくところも微笑ましかったけど、やや駆け足気味だったのは残念。というか「こんなやり方じゃいつまで経っても解読できない!」→「手伝わないチューリングのせいだ!」とか訳の分からない言いがかりをつけてくる仲間で、和解できたからと言って役に立つの?と思ったり…(汗)

暗号解読機の「クリストファー」も良かったです。まず見た目からすごいですよね。物々しいほど大きくてガシャンガシャンうるさくて、いかにも機械という感じです。インタビュー記事やWikipediaで調べたら、インパクト重視で大きくしたり配線などが見えるようにしたみたい。赤いケーブルは”血管”をイメージしていて、「クリストファー」の名前の意味を知るとラストのチューリングの苦悩と決断がますます切なくなります。
暗号解読までの流れも良く、「ドイツは愛で戦争に負けた!」と歓喜するくだりでは観てるこっちまで嬉しくなりました。

あと、法廷で自分が戦争の英雄だと言えば見逃してもらえたのかはわかりませんが、最後まで秘密を守ったのは責任感だけからではなく、切り捨てた人々のことを忘れられなかったからだと思います。家族を失おうという同僚とのやり取りは、解読成功時との落差でグサッときました。
悲しい幕引きだったけど、この作品を思い出すときは彼が”クリストファー”と一緒に成功を掴むところを思い出したいです。

ちなみに、タイトルの「イミテーション・ゲーム(模倣ゲーム)」はチューリングさんの論文「計算する機械と知性」の中で考案したテストの名前。邦題はちょっと冗長かな。

■ Comment

こんにちは☆

見てから1年半経っているので、大まかな事しか分からず、
コメントの内容がなくて申し訳ありません。

イラスト、イイですね、
たしかにこんな感じでやっていましたね!

>「クリストファー」の名前の意味を知るとラストのチューリングの苦悩と決断がますます切なくなります。

クリストファー君ね、良かったんですが
私にはどう見ても結核には見えなかったんです、残念でした。

内容が重いのにタイトルがお軽くて(原題なので仕方ないけど)
ちょっと残念だったのと、
この映画を見た後に調べて、21世紀の今現在にも同性愛で死刑になる国が
あると知って、非常に驚きました。

そのくらいしか思い出せないけど、(大まかには分かりますが)
宵乃さんがこの映画にとても感激なさった様子が分かって
記事を読ませてもらって、私まで嬉しくなりました♪


.
2018/02/12 09:49  miri編集

こんにちは

本当に見応えのある作品でしたね。
私的には10本の中に入るかもしれません。
感想を書いたURLを入れましたので、お暇な時にどうぞ!
and
真冬のファンタジー作品で「マイマイ新子と千年の魔法」を観ました。
2018/02/12 14:19  しずく編集

>miriさん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
イラストは一生懸命「クリストファー」を作ってるところですね。やはり、この作品の肝はここだと思って。

> 私にはどう見ても結核には見えなかったんです、残念でした。

ですね~。そこは私も疑問でした。もしかしたら一度回復して体力が戻ったから学校に来てたけど、休みに入って風邪か何かで一気に急変したのかも?
学校では咳こむ様子もなかった気がしますし。というか発症した状態で学校来れるんですかね?

…ちょっと調べてみたら、彼のは牛結核症という未殺菌の牛乳などから感染する欧州に多い病気で、『病巣の形成が急速に進展する病気の急性期が感染過程で起きることがある』(by生態系の動物とヒトの接点における牛結核 http://www.vet.kagoshima-u.ac.jp/kadai/V-PUB/okamaoto/vetpub/Dr_Okamoto/Zoonoses/Zoonoses%20in%20Humans/Bovine%20tuberculosis.htm)だそうです。たぶん私たちと欧州の人では結核のイメージが違うんでしょう。

> この映画を見た後に調べて、21世紀の今現在にも同性愛で死刑になる国があると知って、非常に驚きました。

本当に嫌ですよね…。ただ権力を振りかざしたいだけに見えます。

> 宵乃さんがこの映画にとても感激なさった様子が分かって
> 記事を読ませてもらって、私まで嬉しくなりました♪

ありがとうございます。頑張って書いたかいがいありました!
2018/02/12 14:38  宵乃〔編集

>しずくさん

いらっしゃいませ、しずくさんもお好きな作品だったんですね。
主演俳優があまり好きじゃなかったんですが、この作品で印象が変わったかも。
戦争の英雄と同性愛者への迫害、そしてチューリングが追い求め続けた”愛”の物語でした。

ファンタジー企画の方もご参加ありがとうございます♪
2018/02/12 14:45  宵乃〔編集

No title

 宵乃さん、こんばんは
 先程はコメントありがとうございました!

チューリング・テスト
>破れない壁と言われてた機械・人間を識別するテストを通過してしまうAIも出てきたようで、怖いです。(笑~「エクス・マキナ」という作品でもチューリングテストが出て来ました)

この作品のカンバーバッチとキーラが良くて印象に残っています、特にキーラはこの作品で顔を完全に覚えました。
カンバーバッチも異質で孤独な天才という役にピッタリで、キャラクターが被っているとはいえ適役だったと思います。
2018/02/12 20:34  鉦鼓亭編集

>鉦鼓亭さん

いらっしゃいませ。
ついにチューリングテストを突破するAIも登場してしまいましたか!
これは近い将来AIによる反乱が…(笑)

> カンバーバッチも異質で孤独な天才という役にピッタリで、キャラクターが被っているとはいえ適役だったと思います。

ですよね~。いつも同じような役やんけ!とは思うものの、今回もはまり役でした。仕事選びが上手いです。キーラさんも彼と親友だけあって息ピッタリでしたね。
2018/02/13 07:27  宵乃〔編集
名前
タイトル
URL
本文
非公開コメント

■ Trackback

.