映画「襲われた幌馬車」観ました

原題:THE LAST WAGON
製作:アメリカ’56 99分
監督:デルマー・デイヴィス
原作:グウェン・バグニー・ギルガット
ジャンル:★西部劇
【あらすじ】保安官に連行されていた殺人犯のコマンチ・トッド。途中、幌馬車隊と合流することになるが、隙を見て保安官までも手にかけてしまう。さらに、子供たちが川遊びに行っている間に幌馬車隊はアパッチ族の襲撃を受け、トッドだけが生き残る。子供たちは生きるために彼を自由にするが…。
気持ちよく見終えられる西部劇でした。以下ネタバレあり。
子供たちと同じように、殺人犯のトッドを信じていいのか疑心暗鬼になりながら見られるので、この前のミステリー企画で見ても良かったかも?
なんせ冒頭から撃ち合いで人を殺してるし、かなり嫌な奴だけど保安官まで殺してしまうし、アパッチ族の襲撃で一人生き残った(車輪に手錠で繋がれてたのに!)なんて状況を見れば、信じていいものか迷うのは当然ですよね。むしろ、たった数分話しただけなのに少年ビリーとその姉ジェニーが彼を信用しているっぽいのにびっくりしました。…もう少し人を疑った方が(汗)
でも、荒野のど真ん中で馬車や荷物は壊され、いつアパッチ族に見つかるかわからない状況なら、どんなに怪しくても生き残る知識と技術を持つ彼に頼るしかありません。
白人でありながらコマンチ族として育てられた彼は、馬車の残骸から使える馬車をくみ上げ、無事な飲み水や食料、武器をかき集め、アパッチ族の目をかいくぐってなんとか無事に町まで行こうとします。
こういう時、言うことを聞かせるために武器を独占したり、知識を出し惜しみしたりするものですが、彼は自分を疑いまくってる相手に銃を渡したり、自分が死んだらあの場所を目指すんだぞと行き先をきちんと教えてくれました。
これくらい彼の行動を見てから「あ、いい人なんだ」と判断するならわかります。実際は約2名がとことん疑ってるんですが…。
この2名がお馬鹿さんで、蛇に襲われて悲鳴を上げて走り回ったり、むだに銃を使ってアパッチ族に気付かれたり足を引っ張りまくります。ここは若干イラっとしたものの、ピンチになったところをトッドや他の仲間がフォローする姿がかっこいいし感動なんですよね。
トッドは先住民を良く知っているから、二人の斥候を仲間の元へ帰さないために正々堂々正面から勝負を挑みます。戦士同士の戦いに野暮なことはできないと、相手側がちゃんと1対1で戦ってくれるところが素敵。
そして、蛇の毒で熱を出していた娘さんは、その腹違いの妹やトッド、ビリーらが分けてくれた残り少ない飲み水によって命を取り留めます。
この後の偵察でトッドとジェニーがイチャイチャしてるシーンは、ロマンチックなものの命懸けの偵察じゃなかったの?と思ったりもしたけど、ピンチを乗り越え殺人犯としてトッドが裁判にかけられる終盤はジーンときました。
ジェニーとビリーはもちろん、彼に反発し続けていた例の二人も「彼がいなかったら今の自分はない」と彼をかばうんですよ。「奪った命だけでなく救った命のことも考えて」とジェニーが訴えかけるくだりもグッときます。
その直前にトッド自身も熱く語っていて、裁判官?を務める将軍に南北戦争で何人の同胞を殺したのかと詰め寄るところも良かったけど、やはり彼との交流によって成長した子供たちの力強さに心打たれました。
さわやかなラストだったと思います。
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■ Comment
この映画、録画したんですが、もう見られないと思い
先日削除してしまいました!
あゝ残念!
再放送時には是非見たいと思います☆
(わりと有名な監督さんですしね・・・)
ところで、今さっき終わりました、Windowsの更新が♪
ご報告です。
これでまたしばらくこういう更新はないのですね?
このPCを買ってもうすぐ一年です☆
(こういう更新は3~5回?ありました)
いろいろとお世話になりました。
本当に有難うございます☆
今後もどうぞ宜しくお願い致します。
では、おやすみなさいませ~!
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2017/11/19 22:01 miri〔
編集〕
いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。
すでに削除されてましたか…。もうちょっと早く記事にしておけばよかったですね~。
なかなか良い作品なので、再放送の際にぜひ。
> ところで、今さっき終わりました、Windowsの更新が♪
おぉ、さすが新しいPCだと早いですね。
大型アップデートは年に2回行っていくそうです。次は4月頃からかな?
もし大型アップデート後にめちゃくちゃ調子が悪くなったら、USBなどにワードファイルやパスワードなど必要なデータすべてのバックアップを取って、「設定」の「更新とセキュリティ」→「回復」→「このPCを初期状態に戻す」で「個人用のファイルを削除する」を選んで再インストールすると改善することがあるので覚えておくといいですよ。
>気持ちよく見終えられる西部劇でした。
宵乃さんの書かれたとおりになかなか良い作品でした☆
11月放送の3本を削除してたんですが、今回のオンエアの3本かなあ?
全部見たいと思っています。
>殺人犯のトッドを信じていいのか疑心暗鬼になりながら見られるので、この前のミステリー企画で見ても良かったかも?
ホントにそういう作品ですね~!
> 少年ビリーとその姉ジェニーが彼を信用しているっぽいのにびっくりしました。…もう少し人を疑った方が(汗)
最初から信じてしまえるのは、キレイに言えば「神の名の下」でしょうし、
世俗的に言えば、保安官のやり方に反発もあったからかもしれませんね?
>こういう時、言うことを聞かせるために武器を独占したり、知識を出し惜しみしたりするものですが、
このあたりから、このヒトの過去には何かあると思いました。
まさかそこまで悲惨とは分からなかったけど普通ではないですものね。
>この2名がお馬鹿さんで、足を引っ張りまくります。ここは若干イラっとしたものの、ピンチになったところをトッドや他の仲間がフォローする姿がかっこいいし感動なんですよね。
この辺からこれは西部劇と言うよりも人間ドラマか?とか思い、目が離せなくなりました。
>戦士同士の戦いに野暮なことはできないと、相手側がちゃんと1対1で戦ってくれるところが素敵。
ここも良い作品と思えるところでした・・・英語でしゃべっていたのがちょっと気になったけど、実際はあちらの言葉だったんでしょうし、映画だから仕方ないです(笑)。
>この後の偵察でトッドとジェニーがイチャイチャしてるシーンは、ロマンチックなものの命懸けの偵察じゃなかったの?と思ったりもしたけど、
まあ遠かったのでね・・・ちょっと変化があった時は話をやめたし、まあいいかと思ったけど、あっという間に朝になっていたのはちょっと「?」とは思いました(笑)。
>ピンチを乗り越え殺人犯としてトッドが裁判にかけられる終盤はジーンときました。
>将軍に南北戦争で何人の同胞を殺したのかと詰め寄るところも良かったけど、やはり彼との交流によって成長した子供たちの力強さに心打たれました。
一瞬「殺人狂時代」か?と思うような展開に仰天しましたが、
あの青年たちは、きっとこの後の人生で、この数日間をこころの宝にして生きていったと信じられる良いシークエンスでしたね☆
>さわやかなラストだったと思います。
ネットで「町を去った」と書いてあるのは良いのですが、「コマンチ族の元に戻った」と書いてあったのにはビックリしました。
どこへ行ったのかは分からないけど、3人で幸せになるという余韻だけで良いですよね?
ネットは時々余分な情報もあって辟易します。
ところで、主演の俳優さん、有名ですし、どこかで見た顔だとずっと最初から最後まで思っていて、見終わってネットで見て分かりました!
昨日、そう昨日見た「オリエント急行殺人事件」のあの犯人役だったんですよ~!
もう笑えました。
自分の愚かさと、その2本の(年齢は違うけど)演じ分けをする俳優という職業の凄さと、その2本を続けて見た映画の神様のご配慮に、感じ入りました。
イラスト、良いですね、見る前は何で手をあげているんだろう?と思っていたんですよ(笑) 彼の表情と状況をあらわすのに、白黒がピッタリです☆ 素晴らしい!
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2018/03/01 18:58 miri〔
編集〕
いらっしゃいませ、こちらをご覧になりましたか。
miriさんも気に入られたようで嬉しいです。ミステリアスな導入から引き込まれますよね~。
> 最初から信じてしまえるのは、キレイに言えば「神の名の下」でしょうし、世俗的に言えば、保安官のやり方に反発もあったからかもしれませんね?
そうですね、そういえば保安官という嫌な奴代表が近くにいました(笑)
子供たちの純真さがなかったら、見ていて疲れてしまったかも。
> このあたりから、このヒトの過去には何かあると思いました。
さすがです!
主演の方の演技力や監督の見せ方もしっかりしているから、西部劇と一言では括れないドラマに仕上がってました。先住民をただの悪役と描いていない作品自体、結構少ないですもんね~。
> ちょっと変化があった時は話をやめたし、まあいいかと思ったけど、あっという間に朝になっていたのはちょっと「?」とは思いました(笑)。
ここと英語の件がちゃんとしてたら名作になっていたかも?
> きっとこの後の人生で、この数日間をこころの宝にして生きていったと信じられる良いシークエンスでしたね☆
ホント、そう思います。少数でも誰かの人生に光を与えるような人はもう立派な英雄ですよね。
> ネットで「コマンチ族の元に戻った」と書いてあったのにはビックリしました。
> どこへ行ったのかは分からないけど、3人で幸せになるという余韻だけで良いですよね?
映画の中ではそんなこと言ってなかったと思うし、私も3人はどこかで幸せにやってると思います。ネットの情報は映画ライフを豊かにする時もあれば水を差す時もあって困りものです…。
> 昨日、そう昨日見た「オリエント急行殺人事件」のあの犯人役だったんですよ~!
> 自分の愚かさと、その2本の(年齢は違うけど)演じ分けをする俳優という職業の凄さと、その2本を続けて見た映画の神様のご配慮に、感じ入りました。
あはは、すごいタイミングでしたね。まさかそんな直前に見ていたとは逆に気付きにくいかも。さすが映画の神様に愛されてます!
> イラスト、良いですね、見る前は何で手をあげているんだろう?と思っていたんですよ(笑)
ありがとうございます。確かに知らずに見ると変なポーズのおじさんにしか見えないかも(笑)
「帰らざる河」のトミー・レティッグ!
知らずに見始めて、彼の名前が出てきて、うれしかったです。なんたって、マリリンの相手役男優(!)だもの。
映画としても、とても面白かったです。
夜中に、こっそり川に水泳に行くのは、おいおい、いつも、そうやって遊んでるんかい!と、ちょっと思いましたが。
幌馬車隊のメンバーで生きるか死ぬかを分けた出来事としては必要だったわけか、と(笑)。
考えてみれば、主演のリチャード・ウィドマークだって、かつて、マリリンの相手役でした。(「ノックは無用」)
> なんたって、マリリンの相手役男優(!)だもの。
あはは、あの年にしてマリリンの相手役とは!
知らずに見て好きな俳優さんやそれにまつわる方が出ていると嬉しくなりますよね。
> 夜中に、こっそり川に水泳に行くのは、おいおい、いつも、そうやって遊んでるんかい!と、ちょっと思いましたが。
夜中の川遊びの危険をきちんと描きつつ、物語としてはこれがひとつのターニングポイントだったというのがホント上手いです。
> 考えてみれば、主演のリチャード・ウィドマークだって、かつて、マリリンの相手役でした。(「ノックは無用」)
そうでしたか、その作品は見たことあったかな…?
色んな作品で色んな役を演じている実力派俳優さんなんですね~。