忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「見知らぬ乗客」観ました

見知らぬ乗客
読み:みしらぬじょうきゃく
原題:STRANGERS ON A TRAIN
製作:アメリカ’51
監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:パトリシア・ハイスミス
ジャンル:サスペンス

【あらすじ】テニス選手のガイは、列車に乗り合わせた男ブルーノに声をかけられる。彼は自分の憎らしい父親と、浮気を繰り返すガイの妻との交換殺人を持ちかける。相手にしないガイだったが、彼は勝手に計画を実行に移してしまい…。

犯行の瞬間の見せ方や、排水溝に落ちたライターを拾うまでの手の演技。犯行を思い返しながら少女を見つめる犯人と、息子が殺人犯だと言われても笑っている異常な母親。そして暴走メリーゴーランド…。
ストーリーやシチュエーションが(今観ると)ありきたりでも楽しめるのは、こういう印象的なシーンがあるからだと痛感しました。
まさしく”サスペンス映画”という感じです。

<再見追記:2015/3/14>
冒頭からブルーノがいかにも胡散臭さをぷんぷん漂わせてますね。交換殺人をするなら、片方が実行するのと同時に、もう片方がアリバイをつくるの必須ですが、そこを決めずに進めちゃうところがブルーノという感じ。一方で、ガイが忘れていったライターを目ざとく見つけて、計画の一部に加えてしまう機転の良さもあって。
そんなブルーノの性格がわかったところで、今度はあの母親でしょ。彼女の描いた絵が写されると一気にホラーに!(笑)
こりゃあ、ガイは相当ヤバイ立場に立たされるなと予感させられ、さらに奥さんも嫌な女なもんだから色んな意味で主人公に同情してしまいます。
この後、超理解のある将来のお義父さんと、品行方正な恋人、ミステリーとか好きそうな解説役の妹が登場しても、まあそれくらいのご都合主義はいいかと思えたり。…サスペンスの興奮を伝える映像も素晴らしいですし。
盗聴器や指紋照合が出来ない時代のようで、主人公の反撃らしい反撃は終盤のメリーゴーランドでブルーノと対決するシーンのみでしたが、それでも十分今でも通用します。
ただし、メリーゴーランドの方に向かって発砲するアホ刑事はどうにかして!
ラストはちょっぴり人間不信になってしまったガイよりも、ブルーノを失った両親がどんな様子か知りたかったかなぁ。さりげなく父親の方がショックを受けてそう。そして、あのお母さんは………。
想像すると怖っ!

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■ Comment

こんばんは☆

すごいイラストですネ~!
「暴力脱獄」でも描かれていたメガネ(サングラス)その醸し出す雰囲気が・・・お上手ですネ☆
「裏窓」 → 「マーニー」 → 「見知らぬ乗客」と、今、旅をして来ました。

>まさしく”サスペンス映画”という感じです。

どれもこれもそれぞれに、ヒッチさんらしい作品ばかりですネ!(コメントがなくてビックリよ)
ブロンドと赤い口紅がお好きでなかったら、つまらないかな? でもグレース・ケリーはやっぱり他の女優とはちょっと違うと思いますけど・・・。 (ヒッチが好きなのがブロンド♪)

「裏窓」は見る機会がなく初見でしたが、期待はずれでした・・・「覗き」がちょっとね~。やっぱり映画には思い入れがないと、かなり下がってしまうぅ~と思いました。(若い時に見ていたら絶対に良かったと思う)

「マーニー」「見知らぬ乗客」は、今年・去年再見して、やっぱりそれぞれに面白かったです☆
今日の旅を通じて思った事は、これからはもっともっと過去記事を攻めたい、という事です☆
2010/12/12 19:11  miri〔編集

>miriさん

> 「暴力脱獄」でも描かれていたメガネ(サングラス)その醸し出す雰囲気が・・・お上手ですネ☆

ありがとうございます!
めがねってきれいなバランスで描くのが(わたし的には)難しくて、それだけ気合が入ります。だから、描くのはよほど印象的なシーンだったという場合が多いですね。

> どれもこれもそれぞれに、ヒッチさんらしい作品ばかりですネ!(コメントがなくてビックリよ)

ははは、短い感想なのでコメントしづらいんじゃないでしょうか。とくに「マーニー」は嫌悪感まるだしですし。(この作品の監督のエピソードを知り、いろいろと嫌な気分になっていたのです)

> ブロンドと赤い口紅がお好きでなかったら、つまらないかな? でもグレース・ケリーはやっぱり他の女優とはちょっと違うと思いますけど・・・。 (ヒッチが好きなのがブロンド♪)

この作品は家にあったモノクロのDVDを観たので、まるで気になりませんでした。グレース・ケリーは確かに特別なオーラがありますよね。でも、わたし的にはオーラがありすぎて主役の男や役柄とつりあってない印象を受けてしまいました。彼女は王侯貴族の役が似合うと思います。

> 「裏窓」は見る機会がなく初見でしたが、期待はずれでした・・・「覗き」がちょっとね~。やっぱり映画には思い入れがないと、かなり下がってしまうぅ~と思いました。(若い時に見ていたら絶対に良かったと思う)

わたしは確か高校生の頃にリメイクをみて、その直ぐ後にオリジナルを観て感動したんですよ。「覗き」はほんと今でも気になるところですが、やはり思い入れのたまものですね。

> 今日の旅を通じて思った事は、これからはもっともっと過去記事を攻めたい、という事です☆

いつもありがとうございます♪
過去にさかのぼればさかのぼるほど内容が薄くなっていくと思いますが(笑)、これからもよろしくお願いします。
2010/12/13 09:42  宵乃

こんばんは!

この映画で最も恐ろしいのはあのママですからね!
息子をあのように育ててしまった自覚もなく、
善悪の判断すらつかなく、
もはや完全に精神が崩壊してしまっているとしか思えない、
世にも奇怪な肖像画を描く!
いちおう絵を描いている人間として、
あのおぞましさには怖気と同時にある種のあこがれもありました(笑)
あんな変な絵を描いてみたい!
2015/03/15 22:22  スパイクロッド

>スパイクロッドさん

ホント、あのお母さんの静かな狂気が怖いですよね~。彼女ではなく、彼女の生み出したものを描くことで怖さを伝えるというやり方も斬新です。
そして、あんな母子と暮らしていて、あまり危機感を抱いていない父親も正常とはいえないかも(汗)

> あのおぞましさには怖気と同時にある種のあこがれもありました(笑)
> あんな変な絵を描いてみたい!

わかるわかる!
今回の再見のもう一つの目的は、あの絵をじっくり観察することでした。
あれだけ人の意識を引き付ける存在感ある絵を描けたら、もう思い残すことは何も無いですね(笑)
2015/03/16 07:51  宵乃〔編集

是非、再見したいです☆

><追記:2015/3/14>
>一方で、ガイが忘れていったライターを目ざとく見つけて、計画の一部に加えてしまう機転の良さもあって。

ここはよく覚えています!

>まあそれくらいのご都合主義はいいかと思えたり。…サスペンスの興奮を伝える映像も素晴らしいですし。

まぁこの時代の作品なので、映画館を出た人達がニコニコしていそうなのが想像できるから・・・良いと思います☆

>ブルーノを失った両親がどんな様子か知りたかったかなぁ。

このあたりは思い出せないので、やはり再見したいですぅ~!!!


.
2015/03/23 09:29  miri〔編集

>miriさん

こちらもコメントありがとうございます。
ブルーノのキャラ立ちはホント良く出来ていて、色んなシーンが印象的ですよね。

> まぁこの時代の作品なので、映画館を出た人達がニコニコしていそうなのが想像できるから・・・良いと思います☆

やはり映画館と自宅鑑賞では趣が違います。監督はみんなで映画館で楽しんでほしいと思って作っていたんだろうなぁ。
再見されたらまたお話しましょうね~♪
2015/03/23 11:11  宵乃〔編集

こんばんは☆

再々見しました☆

>ただし、メリーゴーランドの方に向かって発砲するアホ刑事はどうにかして!

これね~「よーく」見たんですけど、やっぱそういう方向になっていました、ビックリ! 犯人(と思い込んでいる人間)を狙っては いるのですが、お子ちゃまが一杯乗っているのにね~驚きましたが、多分、ソフトのない時代にはスーッと過ぎてしまったかもしれませんね~???

>ブルーノを失った両親がどんな様子か知りたかったかなぁ。

父親という人が最初の方に少ししか出て来なかったのでね~なかなか難しいですが、私的には

お母さんが今度は完全に狂ってしまって、ブルーノが生きていると思い込んで、数々の失言等があって、お父さんは入院させたいができず、ブルーノにしてやれなかった事(仕事をやめて?貯め込んだお金ありそうですもんね?)妻と一緒に一日中過ごす・・・を実行して、それなりに妻は幸せに亡くなる日まで過ごし、夫はその後、二人の墓参もするが、良い女性に巡り合えて老後を穏やかに過ごす・・・いかがでしょうか?

我ながら驚きの、嫌いなはずのキレイごとを書いてしまい、赤面です☆
明後日に他の作品と共に記事をアップしま~す♪


.
2015/07/28 19:23  miri〔編集

>miriさん

いらっしゃいませ!
メリーゴーランドのシーンを確認されましたか。
ホント、いくら古い作品と言えどもこれはダメですよね~。確かに録画やレンタルが出来ない時代に気付く方は少ないかもしれないけど、撮影してる時に気づかなかったのか(笑)

> 我ながら驚きの、嫌いなはずのキレイごとを書いてしまい、赤面です☆

いえいえ、家族に対して無関心だったとはいえ、あのお父さんは悪人ではないですからね~。
あまり世間にいじめられないように、それなりに平穏な毎日を奥さんとすごして、いつかはいいひとと出会って、今度は家族を大切にしてほしいです。
では、記事の更新をお待ちしてます♪
2015/07/29 13:41  宵乃〔編集
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見知らぬ乗客
(1951/アルフレッド・ヒッチコック 監督/ファーリー・グレンジャー、ロバート・ウォーカー、ルース・ローマン、レオ・G・キャロル、パトリシア・ヒッチコック、ローラ・エリオット/101分)
テアトル十瑠|2015-03-22 22:29
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