忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「SOSタイタニック/忘れえぬ夜」観ました

 | ホラー/パニック  com(5) 
Tag:イギリス 

SOSタイタニック/忘れえぬ夜
原題:A NIGHT TO REMEMBER
製作:イギリス’58 124分
監督:ロイ・ウォード・ベイカー
原作:ウォルター・ロード
ジャンル:★パニック/ドラマ

【あらすじ】1912年、不沈の船と言われる豪華客船タイタニック号は、2200人以上の乗客を乗せ処女航海に出た。だが、氷山との衝突によって想定外の損傷を負った船体は、ゆっくりと黒い海の中に沈み始め…。

実は先月上旬に見ました。音楽がというか、演奏シーンがとても印象的だったので、そのつもりで見たわけじゃないけど音楽映画祭の作品にしようか迷ったくらい。
さて、邦題は”SOS”の部分がちょっとダサいけども、これは傑作だと思います。タイタニックの事故のことを知りたいならこれを観ればいいし、キャメロン監督の「タイタニック」が好きな人にもぜひ観てもらいたい!

まず、1958年に作られたのに映像でガッカリすることはほとんどないというのが素晴らしいです。ショボく感じたのは氷山くらいかな?
モノクロの映像をテレビの小さい画面で見たにもかかわらず、船が軋み真っ黒い海に沈んでいくシーンは圧巻でした。たぶん構図とかも上手いんだと思います(キャメロン監督が真似したぐらいだし…)

それでいて映像に頼り切りというわけでもないんですよ。「この船が沈むわけがない」と思い込んでいる人たちののんきな様子と、一等客室(の女子供)を最優先で助けるのが当然という空気、それをわかっていて最後まで人々のために音楽を奏でる演奏家たち、そして、すぐ目の前で起こっていることに最後まで気付かなかったカリフォルニアン号の船員たち…。その様子が淡々と描かれており、どうなるかわかっている鑑賞者の焦りと恐怖を掻き立てます。

ホントもう、救難信号を必死に送り続ける通信士や、海水が侵入してくるなか修理を続ける機関士たち、母親とはぐれた幼い子供と彼を必死に抱くおじさん(演奏家のひと?)などを観ていると、『カリフォルニアン号許すまじ!!』って感じですよ!!!
あの船の通信士が眠ってなければ、通信に気付いた人が通信士を起こしていれば、船長が報告を真面目に受け止めていれば、甲板にいた船員が異常に気付いていれば、…あと、タイタニック号も救命ボートを人数分以上用意していれば、きっとほとんどの人が死ぬことはなかったのに!
あの場にいたのがカルパチア号だったら、と何度思ったことか…。

この事件の後、救命ボートの数と通信士の24時間体制のルールが追加されたらしいけど、ナレーションのように「この事故は無駄ではなかった」とは素直には思えなかったです。むしろ、ここまで死者を出さなければわからなかった、ということが腹立たしいし哀しい。その2つが見直されるのは当然のことで、それ以上に事故の予防、事故が起きた時の被害を減らす方法を徹底的に話し合ったかどうかが気になります。

船に残ると決めた設計士アンドリュースと、ボートでも周りの人たちを救ったライトラー2等航海士の自戒の言葉が印象的でした。

■ Comment

コメントを有難うございました☆

>これは傑作だと思います。タイタニックの事故のことを知りたいならこれを観ればいいし、キャメロン監督の「タイタニック」が好きな人にもぜひ観てもらいたい!

おっしゃる通りです!

>まず、1958年に作られたのに映像でガッカリすることはほとんどないというのが素晴らしいです。ショボく感じたのは氷山くらいかな?
>モノクロの映像をテレビの小さい画面で見たにもかかわらず、船が軋み真っ黒い海に沈んでいくシーンは圧巻でした。たぶん構図とかも上手いんだと思います

ハイ、もうその通りで、多くの人に見て頂きたいですよね~☆
(沈み方は事実(真ん中あたりで折れる)とは違うようですが、
 当時はまだ知られていなかったのでしょうね~)

>それでいて映像に頼り切りというわけでもないんですよ。

人間が描かれていましたよね~!
それも、多くの!

・・・いま私の目に浮かぶのは、虎の子のウイスキーを
何回にも分けてとうとう飲み干した船員さんです、切ない!

>最後まで人々のために音楽を奏でる演奏家たち、

一度やめるけど、やっぱりそれをし続けるという意志をもって
最後まで続けたことが、事実であり、ものすごいことですよね。。。

>そして、すぐ目の前で起こっていることに最後まで気付かなかったカリフォルニアン号の船員たち…。

よくもまあ、あんなにも、のんびりとしていられたこと!!!

>母親とはぐれた幼い子供と彼を必死に抱くおじさん(演奏家のひと?)

演奏家は、最後までやっていたし、あの人はかなり年取っていたので、
私はいわゆる「雑役夫」だったように思います。

>『カリフォルニアン号許すまじ!!』って感じですよ!!!
>タイタニック号も救命ボートを人数分以上用意していれば、きっとほとんどの人が死ぬことはなかったのに!
>あの場にいたのがカルパチア号だったら、と何度思ったことか…。

この映画を公開した大きな理由の1つは、要するにこの3点を
世間一般に広く知らしめることだったように思います。
その点、キャメロン版は、意味なし、駄作でしたね。

>その2つが見直されるのは当然のことで、それ以上に事故の予防、事故が起きた時の被害を減らす方法を徹底的に話し合ったかどうかが気になります。

世界大戦があったりして、けっこう時間がかかったように思いますが
WWⅡ以降は、きっとちゃんとしたと思います。

>船に残ると決めた設計士アンドリュースと、ボートでも周りの人たちを救ったライトラー2等航海士の自戒の言葉が印象的でした。

そうですね、二人ともそれぞれの立場で出来る事をし、
言えることをちゃんと示したと思います。

比べては何ですが、社長やあほバカ船の奴らと
とても同じ「人間」という種類の生き物とは思えませんね~?


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2016/12/05 19:09  miri〔編集

書き忘れました!

素晴らしいイラストです!
この映画の宣伝に使ってほしい、です☆


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2016/12/05 19:10  miri〔編集

>miriさん

いらっしゃいませ。
あまり知られてない気がするので、もっと宣伝してもいいくらいですよね。キャメロン監督もこの作品へのオマージュだとアピールしてくれていいのに!

> ・・・いま私の目に浮かぶのは、虎の子のウイスキーを
> 何回にも分けてとうとう飲み干した船員さんです、切ない!

彼も印象的でしたね~。お酒は飲みませんが、あんな事態に直面したら飲みたくなるかも…。

> 演奏家は、最後までやっていたし、あの人はかなり年取っていたので、
> 私はいわゆる「雑役夫」だったように思います。

そうでしたか。演奏家の人と服の雰囲気が似てたので。
海に流すシーンは本当に悲しかったです…。

> この映画を公開した大きな理由の1つは、要するにこの3点を世間一般に広く知らしめること
> WWⅡ以降は、きっとちゃんとしたと思います。

そうそう、お金稼ぎだけではなく伝えたいことのある作品でした。
船の安全向上に大きく貢献したことでしょう。

> 比べては何ですが、社長やあほバカ船の奴らと
> とても同じ「人間」という種類の生き物とは思えませんね~?

まったくです(汗)
生き残った方々の証言を基にしていると美化されてるところもありそうですが、悪い部分は容赦なく描いてましたね。

> 素晴らしいイラストです!
> この映画の宣伝に使ってほしい、です☆

ありがとうございます。モノクロだからこその海の怖さ、不気味さが伝わってくるシーンでした。
2016/12/06 15:39  宵乃〔編集

No title

こんばんは!!
面白そうな映画ですね~

お二人が絶賛してるだけで、見てみようかな??
という気になります!!(^.^)

最近、バタバタしたりゲームオブスローンズというドラマに嵌って
ブログも全く書けてません・・・(^_^;)

けど、この映画は見てみたいと思います!!
見たら記事を書きますね!!(*^_^*)
2016/12/07 19:37  take51

>take51さん

いらっしゃいませ!
この作品に興味を持っていただけて嬉しいです。淡々とした作風ですが、それが余計に怖い感じでした。もし自分があの場にいたらと思うと…ブルブル。

> 最近、バタバタしたりゲームオブスローンズというドラマに嵌って
> ブログも全く書けてません・・・(^_^;)

海外ドラマに嵌ると何シーズンも続いたりするから大変ですよね(笑)
ドラマも映画もブログもマイペースにやるのが一番です♪
この作品も余裕のある時で構いませんよ~。
2016/12/08 07:16  宵乃〔編集
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