映画「旅立ちの時」観ました
読み:たびだちのとき
原題:RUNNING ON EMPTY
製作:アメリカ’88
監督:シドニー・ルメット
原作:ナオミ・フォナー
ジャンル:★青春ドラマ
【あらすじ】20年前の反戦運動で指名手配された両親と、半年ごとに別人になり各地を転々とするダニー。今度はニュージャージーで暮らし始めるが、そこで音楽教師に才能を認められ音大進学を勧められる。そして、彼の娘ローナと恋に落ち…。
飼い犬を道端に残し「ここで待ってるんだぞ」と言ってそのまま車を走らせた時は、いったい何をしてるんだろうと思っていたんですが、まさか両親が指名手配されて逃亡生活をおくる家族の物語だったとは。出だしからかなり驚かされました。
しかも、こんな生活をおくる思春期の少年だったら、もっと荒んで親に反抗してもおかしくないのに、彼の優しさといったらもう…。夢と恋を同時に見つけたにもかかわらず、自分がここに残ったら両親が可哀想だと押さえ込んでしまうんですよね。苦しみを胸に秘めた彼の表情が印象的です。
そんな息子の思いに気付き自由な道を歩ませようと、ずっと避けてきた父親(ダニーの祖父)との再会を決意する母親…。傷ついた父と会うことで自分の罪の重さを再認識しながら、涙ながらにダニーの事を頼む姿に目頭が熱くなりました。
最後まで”家族の結束”を説いていた父親が、ふと自分の身勝手さに気付いた瞬間も上手く表現されていたと思います。
ただ一つ残念なのは、弟のハリーが”空気”だったこと。彼の存在価値が、母親がまだ自首できない理由と父親が子離れできた理由にしかありません。もうちょっと兄弟仲とかを描いても良かった気がします。
ちなみに原題は「虚しく走り続ける」という意味のようです。
- 関連記事
- 「評決」観ました