製作:日本’94 113分
監督:相米慎二
原作:湯本香樹実
ジャンル:★ドラマ/ファミリー
【あらすじ】神戸に住む小学6年生のサッカー仲間、木山諄、河辺、山下の3人は、人の死に興味を抱き、近所に住む変わり者の老人・傳法喜八を観察しはじめる。初めは子どもたちを邪険に追い払う喜八だったが、次第に優しく接するようになり…。
老人と子供が出会って戦争について聞くという流れの物語はたくさんあるけど、これは説教臭さがなくて抵抗なく観られました。たぶん、出会いやおじいさんのお手伝い&交流を前半でじっくり描いているからだと思います。観察→ゴミ捨て→草むしり→花を植える→家の掃除と修復…というように、かなり段階を踏んで距離が近づいていってたからね~。その過程で、子供たちの得意分野がわかったりするのもよかった。
しかしこの作品、見ていて怖くなるシーンがたくさんあります。ホラーとかじゃなく、危なっかしくて見てられない!
序盤のメガネくんが陸橋の手すりの上を歩くシーンや、家の修復で屋根に登る子供たち、太っちょの子が井戸の蓋の上に立つシーンはマジでゾッとしました。しかも注意する大人がいないという(汗)
台風の夜に家を飛び出した子供3人を、最後まで追いかけてくる親は一人もいないというのも映画の都合ですよね。(自分が植えた花の様子が気になる子供たちにはホロリとしたけども)
困ったのは、キンキン声のメガネの子のセリフがよく聞き取れなかったこと。ただでさえ関西弁で聞き取りづらいのに。
あと、ビデオカメラの少年の存在意義がよくわからなかった。
一番の難点は、おじいさんが倒れた時に胸が上下しているので、通報せずに「なんで死んだんだ~!」と騒いでる子供のミスで死んだように見えること。カメラに映らない(子供が覆いかぶさってる時とか)時に息継ぎ指示できなかったんか…。このせいでちょっとモヤモヤしてしまった。
なんか気になった点ばかり書いてしまったけど、こうみえて感動したんですよ?
戦争の辛い体験のせいで奥さんに会いに行けなかったという気持ちを見抜き、お爺さんのために奔走する少年たちに感動しました。
庭に水を撒いて虹ができるシーンと、井戸から蝶がや蛍が飛び出してくるシーンが美しくて印象に残ります。