忘却エンドロール

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映画「セクレタリアト/奇跡のサラブレッド」観ました

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Tag:ディズニー 

セクレタリアト/奇跡のサラブレッド
原題:SECRETARIAT
製作:アメリカ’2010 123分
監督:ランドール・ウォレス
原作:ウィリアム・ナック
ジャンル:★ドラマ/伝記

【あらすじ】1969年、アメリカ・バージニア州。競走馬の生産牧場“メドウ・ステーブル”のオーナーが病に倒れ、専業主婦となっていた娘ペニーは兄たちの反対を押し切り牧場経営に乗り出す。調教師ルシアンの協力もあり経営を立て直し始めた彼女は、1頭の仔馬と運命の出会いを果たす。

この作品ならあと20分長くても許せるね~。というか、前半の家族との衝突や牧場経営の立て直し、馬の成長部分はかなり端折られているので、そこら辺をしっかり描いてくれたら感動も3割増しだったかも?
ただ、この作品は家族と楽しめるディズニー映画だし、123分でも長めにとった方なのかも(同じくディズニーの「戦火の馬」は146分もあるけど!)。物足りない分は想像力で補うしかないですね。

<この馬について知らない人にとってはネタバレあり!>
内容としては、実際に存在した伝説の競走馬セクレタリアトと、主婦から馬主に転向した女性ペニーの信念と成功を描いたドラマです。競馬ファンなら知らない人はいないという名馬セクレタリアトが人々を沸かせたレースシーンは、疾走感と迫力があって見応え十分。この”31馬身差”というのがいかにとんでもない記録なのか、競馬を知らなくても映像から伝わってきました。
30年経った今でも、この記録は破られていないそうです。

そして、主人公であるペニーさんの意志の強さには痺れますね~。普通の(けっこう裕福な家庭の)主婦だったのが、父親の言葉を信じ、自分を信じ、セクレタリアトを信じて競馬界を突き進みます。
牧場経営を独学で身に着け、父の代からいた悪徳調教師とはキッパリ縁を切り、自分と同じ負けず嫌いな調教師ルシアンと騎手のロンを見つけ出して味方につけるんですよ。彼らを口説き落とすエピソードは彼女の性格がよく表れています。
もとから綺麗な人なんだけど、自分の生きがいを見つけてからは生き生きと輝いてました。

また、脇を固めるルシアンやロン、黒人の厩務員エディや牧場事務のハムさんも魅力的です。
とくにペニーの父親の最も信頼する秘書ハムさんが印象的で、それに敬意を表してセクレタリアト(事務局)という名前をつけたほど。
大事な試合の前に落ち着きがない彼女が「私に役立てることがあまりにもわずかで」と言った時、ルシアンが「私もいつか君の半分でも役立てるように頑張ろう」と言ってあげるシーンがすごく素敵。思わずジーンときてしまいました。
そして、このルシアンを演じているのがマルコヴィッチさんだったとは…。どうりで親しみのある顔だと。
セクレタリアトの運命のレースの前に、今まで持ち歩いていた”負けた馬の記事”を全部燃やすところがグッときます。

全体的にとても感動したんですが、夫と兄の反対を押し切って牧場と一家とセクレタリアトの運命を賭けて突き進むペニーさんには、やや引いてしまうところもありました。無理をさせればセクレタリアトの命にもかかわることだったし、人間の都合で走らされて死んだりしたら…と思うことも。
でも、彼が本当に走るために生まれてきたような馬だと伝わってきたので、次第にそれも気にならなくなっていきました。
セクレタリアトは、例えるなら闘争心の固まりだった「ロッキー」のようなタイプ。お馬さんは賢い生き物ですし、レースの意味も、勝利の味も、人々の称賛の視線もぜんぶ理解していたはずです。
もしペニーが走るのをやめさせていたら、それこそ彼にとって”人間の都合で”自由を奪われたことになるとすら思えます。
ルシアンやロンが言っていたように、彼は本当に走るのが大好きなんだと信じられました。

残念ながら、オンエアでは実際のレース映像などは見られませんでした(DVD特典なら観られる)が、ペニーさんはカメオ出演しており、ちらほら画面に映っています。記者会見の時とか、応援席の時とか。

ちなみに、この映画だけ観るとセクレタリアトとの出会いが幸運だったとも取れますが、こちらの競馬に詳しい方の記事を読んだら印象が変わりました。映画では描かれなかったセクレタリアトの先輩馬リヴァリッジのことも覚えておきたいです。
…その前に「セクレタリアト」が覚えられないどころか、すらすら言えないんですけどね!

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