映画「雨に唄えば」観ました

原題:SINGIN' IN THE RAIN
製作:アメリカ’52 102分
監督:ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
ジャンル:ミュージカル/コメディ/ロマンス
【あらすじ】トーキー出現によりハリウッドは騒然としていた。スターだったドンはトーキー映画に出演せざるを得なくなるが、パートナーのリナの声はとても人に聞かせられるものではなかった。試写での評判も散々で絶望する彼に、親しくなった新人女優キャシーに手伝ってもらおうと友人コズモが言い出し…。
実はあまり再見する気の起きなかった作品で、名作と名高いのにどうしてだろうと思って重い腰を上げてみました。
そうしたら前半は思いのほか楽しかったです。
自惚れ屋のドンがキャシーに出会って”好きな子に意地悪しちゃう不器用な青年”みたいになっていくところは面白かったし、コズモの壁登りが見られるところや、三人の「グッドモーニング」、有名な「雨に唄えば」など歌も踊りも最高。観てるだけで楽しくなりますよね。
でも、「踊る騎士」のブロードウェイのくだりが長ったらしくて、せっかく盛り上がっていたのに、いつの間にか真顔で観てる自分が…。そうか~、ここが苦手だったのか。
これって主演の男が口出したんじゃないの?と思ったら彼も監督やってたし。ただ、他に文句を言ってる人もあまりいないみたいなので、私の好みの問題なんでしょう。
また、リナさんとコズモの扱いが悪いのが、いまいち乗り切れない理由みたいです。
リナさんのあの絶対的な自信!周りがどんなに微妙な空気を出していても、気にせず(気付かず)自分の演技や声に自信満々なところはさすがスターだし、宣伝向けのドンの言葉や態度を真に受けてしまう単純なところも可愛いじゃないですか。
確かにキャシーに対する仕打ちは酷いけど、あの映画会社もドンも彼女なしには今の成功はなかったはずです。最初からリナを守る方法を真剣に考えていれば、彼女だって強硬手段に出たりしなかったでしょう。いちおう彼女は自分の持つ正当な権利を主張しただけなのに、あそこまでコケにして心が痛まないのか。
ただ、ふてぶてしいリナさんなら、きっとコメディエンヌに転向して復活できるんじゃないかと思っていたり。最後まで脇役扱いだったコズモと組んで劇場を笑いの渦に…とかいいよね。
大好きな作品とはならなかったけど、どこが苦手なのかハッキリしたし、楽しめた部分も多かったので再見してみてよかったです♪
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■ Comment
宵乃さん、こんばんは
この作品、折り紙付きの名作扱いだけど僕もそれ程面白いと思わなかったなぁ、幾つかのミュージカルシーンは良いのだけど、何かそれだけって感じで。
(弟も大体、僕と同じ感想なので宵乃さんの仲間は結構多いと思いますよ)
近年に観たけど既にラスト忘れてしまいました。(汗)
多くの方がお好きな映画ですネ~。
イラストは本当に良い部分ですネ~!
この映画を、企画前にアップなさりたかったのですネ♪
>大好きな作品とはならなかったけど、どこが苦手なのかハッキリしたし、楽しめた部分も多かったので再見してみてよかったです♪
宵乃さんにとって、良い再見になって良かったですネ♪
私はこの映画は一度しか見ていないけど(2010年初夏)
もちろんあの歌などは中3から知っていて見たくて見たくて
とても楽しみにして見た作品ですが、
たしかに良い部分が多く、楽しめたけど、
どうしてもどうしても「ラストが酷い」と思ってしまい、
その印象が一番強くて、大嫌いな作品なのです。。。
当分は再見したくないのですが、
いつかずっと先で、今回の宵乃さんのように良い機会があれば・・・と
この記事を読ませて頂いて、そう思えるようになりました、本当に有難う♪
.
2016/02/12 19:32 miri〔
編集〕
いらっしゃいませ!
よかった、仲間がいた~。あんまり名作として知られていると「良かった」以外の感想が言いづらくて(汗)
> 幾つかのミュージカルシーンは良いのだけど、何かそれだけって感じで。
そうなんですよ、よくピックアップされるミュージカルシーンは確かに素晴らしいと思うんですけど、映画全体をみると結構アンバランスで…。主人公が自分たちの恋を優先しすぎて、せっかくいいキャラが揃ってるのに生かせてない気がします。
> 近年に観たけど既にラスト忘れてしまいました。(汗)
リナさんが可哀想なことになってます…。でも、彼女ならきっと不死鳥のごとく返り咲いてくれるはず!
再見するにしても、好きなミュージカルシーンだけで十分かもしれませんね~。
そうなんですよ、このシーンを企画前に描いておきたくて。
一目で「あの映画だ!」とわかるようなシーンがあると描きたくなるんですよ。
やっぱり「雨に唄えば」といったらこのシーンですよね。
> たしかに良い部分が多く、楽しめたけど、
> どうしてもどうしても「ラストが酷い」と思ってしまい、
> その印象が一番強くて、大嫌いな作品なのです。。。
あ~、やっぱりラストは受け付けがたいものがありますよね!
実際、トーキーに馴染めず役者をやめざるをえなかった人たちもいたのに、それをあんなふうに描いて。
長年楽しみにしていたのに、ショックだったでしょう…。
> いつかずっと先で、今回の宵乃さんのように良い機会があれば・・・と
> この記事を読ませて頂いて、そう思えるようになりました、本当に有難う♪
私の記事でそんなふうに思っていただけて嬉しいですよ~。
いつか良い機会に恵まれるといいですね♪
いつもコメントありがとうございます。
僕はどうもジーン・ケリーのミュージカルは嫌いみたいで、これもそうだし「巴里のアメリカ人」もあんまり楽しめないんです。
ストーリーが脱線する所も嫌だし、人間関係も素直に受け入れがたい所もあったりして・・。
アルコールでも入れて、ダンス&シンギングシーンだけを観る分には楽しいんでしょうけどね。
>名作と名高いのにどうしてだろう
>どこが苦手なのかハッキリしたし
もやもやが解消できて良かったですね。
僕にも納得できない名作が沢山ありまして、今後の予定に入れています。中には、やっぱり凄いやと評価が覆るものもありますけど。
2016/02/15 11:24 十瑠
いらっしゃいませ!
十瑠さんも苦手でしたか。「巴里のアメリカ人」は楽しめなかった覚えがあるし、同じくジーン・ケリーが苦手なのかも。
> ストーリーが脱線する所も嫌だし、人間関係も素直に受け入れがたい所もあったりして・・。
あ~、今回私が感じた苦手部分もまさにそこですね。再見はyoutubeのピックアップで事足りるかなとか思ってます(汗)
> 僕にも納得できない名作が沢山ありまして、今後の予定に入れています。中には、やっぱり凄いやと評価が覆るものもありますけど。
たまには気に入らなかった作品を観返すのも面白いです。
お互い、これからも新たな発見がある再見をしたいものですね~。
コメントありがとうございました。
演じたのはジーン・ヘイゲン。僕はウィキペディアで知って腰が抜ける程驚いた事。
>『雨に唄えば』での終始甲高い声で喋っている姿の印象が強いが、
>実際には穏やかな声の持ち主であり、『雨に唄えば』での劇中劇のリナの台詞をキャシーが吹き替えるシーンでの台詞も、
>ジーン自身が吹き替えたものが使われているほか、終盤のリナがキャシーの吹き替えで「Singin in the Rain」を歌うシーンでの歌声も彼女自身が歌っている。
ショックでした!子供の頃、この映画を見た時は「何だ!この嫌な女優は!」と思ったのですが・・・(ごめんなさい!)
>1977年8月29日喉頭癌のため54歳で死去。
さらに悲しい気持ちになりました。
この映画の大ヒットは彼女のおかげでもあると思います。
2016/02/16 20:32 間諜X72〔
編集〕
> ショックでした!子供の頃、この映画を見た時は「何だ!この嫌な女優は!」と思ったのですが・・・(ごめんなさい!)
子供の頃にご覧になったんなら、嫌な奴と思っても仕方ないですよ。実際悪役扱いでしたし。
演技であの声なのは先日教えてもらって知っていたのですが、キャシーの吹き替えということになってた声がご自身によるものだったんですね~。どうりでキャシーの声にしては違和感があったわけです。
美声だったのに喉頭癌で…ご本人も本当にショックだったでしょうね…。
> この映画の大ヒットは彼女のおかげでもあると思います。
そうですね、彼女の好演あってのものでした。
コメントありがとうございます!
彼が走って壁を登って、一回転!すごい運動神経!
契約期間の関係で彼の出番が減ったのが残念です。
>美声だったのに喉頭癌で…ご本人も本当にショックだったでしょうね…。
無念だったと思います。
2016/02/18 07:45 間諜X72〔
編集〕
> 彼が走って壁を登って、一回転!すごい運動神経!
> 契約期間の関係で彼の出番が減ったのが残念です。
あのシーン大好きなんですよ。
見せ場が少ないと思ったら、契約期間中に撮影が終わらなかったということでしょうか。
有名なコメディ俳優のようだし、引っ張り凧だったのかもしれませんね。うーん、もったいない!
ジーン・ケリーはダイナミック、フレッド・アステアはエレガント、とMGMの2大ミュージカルスターをざっくり考えています。
ケリーは踊るのが好きなんでしょうねえ。自宅でみんなを集めてパーティをするのも大好きだったらしい(マリリンも参加したことがあるようです)、たぶん「俺様」的なところがあるのでは?と。
スターらしいといえば、そうですね。
長い(芸術的な)ダンスシーンをやりたがるのも分かります。
いらっしゃいませ!
MGMが何かわからなくて調べちゃいました(汗)
有名な映画スタジオだったんですね。製作会社の名前に疎くて。
> ケリーは踊るのが好きなんでしょうねえ。自宅でみんなを集めてパーティをするのも大好きだったらしい(マリリンも参加したことがあるようです)、たぶん「俺様」的なところがあるのでは?と。
あはは、目に浮かびます。少なからずそういうところがないと、スターになんかなってませんよね。
あの”長い(芸術的な)ダンスシーン”もわかる人にはわかるのかなぁ…。
もう20年以上前。気になる女性同僚が「「雨に唄えば」が好きです。」と言うので、共通の話題作りの為に一人で名古屋の映画館に行って見ました。昭和の雰囲気が残る古い映画館。幕が薄汚れて、トイレは消毒剤のニオイ。だけど、味がある映画館でした。もう既にないですね・・・。
>有名なコメディ俳優のようだし、引っ張り凧だったのかもしれませんね。うーん、もったいない!
中盤でドナルド・オコナーが出て来ない場面があります。たぶん契約が終わってから撮影した場面なのでしょう。やっぱり物足りない感じは否めないです。
2016/03/04 07:43 間諜X72〔
編集〕
いらっしゃいませ!
同時上映は「サンセット大通り」でしたか。そちらはまだ未見なんですよね。
> 気になる女性同僚が「「雨に唄えば」が好きです。」と言うので、共通の話題作りの為に一人で名古屋の映画館に行って見ました。
素敵な思い出です♪その映画館がなくなってしまったのは寂しいですが、きっとたくさんの映画ファンの心に残り続けるんでしょうね。
> 中盤でドナルド・オコナーが出て来ない場面があります。たぶん契約が終わってから撮影した場面なのでしょう。やっぱり物足りない感じは否めないです。
そうですよね~、彼が添え物扱いされてなければ、この作品も一層面白くなっていたと思うと残念です。
コメントありがとうございました!
こんばんは!!
企画でこの映画を見ました!!(^^♪
>「踊る騎士」のブロードウェイのくだりが長ったらしくて、せっかく盛り上がっていたのに、いつの間にか真顔で観てる自分が…。そうか~、ここが苦手だったのか。
ですよね・・(^▽^;)
僕は記事で「分からない部分」と書きましたが、
このシーンの事でした。何だったんでしょう??(汗)
>また、リナさんとコズモの扱いが悪いのが、いまいち乗り切れない理由みたいです。
コズモはドンと一緒に踊ってた人でしたっけ??(^▽^;)
リナはあの後も逞しく生きていて欲しいです・・・
あの自信は凄かったですね!!(笑)
トーキーに挑戦し始めの時、花壇や肩にマイクを入れて失敗するシーンは
本当に微笑ましくて良かったです!!(^.^)
しかし皆さん、歌に踊りが素敵でしたね!!(^^♪
いらっしゃいませ!
take51さんも「踊る騎士」のくだりで置いていかれたクチですか。あれって主演の方が目立つために入れただけですよね…(汗)
そう考えると、リナさんと大して変わらないふてぶてしさだと思います。
> コズモはドンと一緒に踊ってた人でしたっけ??(^▽^;)
そうですそうです、壁を駆け上がって宙返りするところが印象的でした。後半、彼との友情を掘り下げた方が「踊る騎士」を延々とやるより絶対面白かったのになぁ。
> トーキーに挑戦し始めの時、花壇や肩にマイクを入れて失敗するシーンは
> 本当に微笑ましくて良かったです!!(^.^)
ですね~。可愛いところもあったし、吹っ切れたらコメディエンヌとして返り咲いてほしいです!
> しかし皆さん、歌に踊りが素敵でしたね!!(^^♪
音楽映画祭にぴったりの作品でしたね♪
宵乃さん。昨年中はありがとうございました。
今年もよろしくお願い致します。
>風邪ひいてました~。
大丈夫でしたか?お身体には気をつけて下さい。
>新人女優キャシー
演じたデビー・レイノルズ。
娘のキャリー・フィッシャーが亡くなった次の日に彼女も・・・。
2016年は大物俳優・アーティストの訃報が多い年でした。
2017年が皆様にとって良い年になりますように!
2017/01/03 21:35 間諜X72〔
編集〕
こちらこそ、いつもコメント頂けて元気貰えました。
今年もよろしくお願いいたします♪
風邪の方はだいぶ改善してきてます。ご心配して下さってありがとうございます。
間諜X72さんも、風邪にはお気を付け下さいね。
> 娘のキャリー・フィッシャーが亡くなった次の日に彼女も・・・。
> 2016年は大物俳優・アーティストの訃報が多い年でした。
一緒についていったんでしょうね~。愛情深いお母さんです。
彼らの遺した素晴らしい遺産を、これからもみんなで観ていきたいですね~。