忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「アイランド(2005)」観た

 | SF  com(8) 

アイランド(2005)
原題:THE ISLAND
製作:アメリカ’05
監督:マイケル・ベイ

【あらすじ】近未来。大気汚染から守られ、管理の行き届いた安全で快適なコミュニティで暮らすリンカーンたち。彼らの夢は、地上最後の楽園“アイランド”への移住者として選ばれることだった。だがある日、リンカーンは換気口から迷い込んだ一匹の蛾を見て、ある疑念を抱き…。

<ネタバレあり>
初見時はツッコミどころの多さと、おそらくTVカット版だったためにアッサリ感が強くて楽しめなかったんですが、それを割り切った上で完全版を観たら意外と楽しめました。けっこう笑えるシーンもあったし。
もっとミステリー展開が長い方が好みではあるものの、監督の得意分野で勝負したのは正解かも。アクション満載の二人の逃亡劇はスピード感あって見応えありました。
見た目は大人、知能は15歳並み、でも脳細胞はピッチピチの3年ものなので、ものすごい勢いで学習していくんですよね。しかも、人体の神秘とばかりに、オリジナル本人の”記憶”も不完全ながら持っているというロマンティックな設定。
外に出たばかりの時は、マッチの文字と同じ標識を見つけただけで無邪気な少年のような笑顔を見せていたリンカーンが、友人の死やさまざまな危機を乗り越えていくうちに狡猾さや冷淡さも身につけていくのが寂しいような、怖いような…。
だって、一日二日の間に出産と殺人を目撃し、命を狙われ身を守るために相手を殺し、さらには敵を欺いて邪魔者を殺させたりしてるんですよ?
「人間は生きるためなら何でもやる」と誰かさんのセリフを使い、それを実行していく姿は、いつか彼が彼をつくった人間たちと同じ穴のムジナになってしまうのではと不安になります。
これから先、彼らがどうなるのか考えると(とくにリンカーンは危険人物として拘束されそうで)、ハッピーエンドとは思えないし…。
まあ、不安を煽るラストは近未来ものの定番だし、だからこそ「命とは何なのか」「人の侵してはいけない領分とは」など、色々考えられると思えば、これもいいかなぁと思いました。

いちおうツッコミどころも書いておくと…

  • ・いくら植物と変わらないと言っても、姿形が人間と変わらなければ反対する社員、団体が必ず現れると思う。
  • ・命を持たない(から臓器売買可)と証明するために、政府だかに研究報告して不正がないか調べるのでは。
  • ・世界的に注目され、産業スパイや人権団体による攻撃に晒されながら、クローンたちにもバレてはいけないとかコスパ悪そう。
  • ・クローンたちは、男女の接触を禁じられるのを何と説明されて納得していたのか?
  • ・あんな生活してたのに二人とも運動神経と反射神経よすぎ。ついでに運も。

■ Comment

おはようございます☆

ユアン・マクレガーさんのイラスト、この映画を現わしているようで良いですよ~♪
5年半前に見て、当時はこういう作品をほとんど見た事がなかった時期だったので、非常に印象に残っています。 今・初見なら埋もれてしまったかもしれないけど・・・ヨハンソンちゃんも当時から好きでしたし(笑)。

でも、まぁ詳細が分からないので・・・宵乃さんの記事と自分の感想文で色々と思い出しましたが、シッカリとしたお話はいつか再見してから・・・という事で・・・。

>アクション満載の二人の逃亡劇はスピード感あって見応えありました。

本当にそういう映画でした!

>これから先、彼らがどうなるのか考えると(とくにリンカーンは危険人物として拘束されそうで)、ハッピーエンドとは思えないし…。

自分の感想としては、「人間たちは、臓器だけを培養しているつもりでも、心がついてきたんだものね。 ラスト以降、この国はどうなるのかな?と思うけど、これ以上、作らないようにして、今あるものは、人間として扱う、これだけしかないよね。 きっと希望のあるラストだと思いたい。」と締めくくっていました。

他に「アグネイドを知ったとき、悪寒がした」と書いてあります。 すごく衝撃でした・・・。

>・・・とかコスパ悪そう。
>あんな生活してたのに二人とも運動神経と反射神経よすぎ。ついでに運も。

仰る通り、笑わせて頂きました~!!!
いつか再見したいと、こちらの記事のお陰ではじめて思いました☆


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2015/10/06 08:58  miri〔編集

>miriさん

> ユアン・マクレガーさんのイラスト、この映画を現わしているようで良いですよ~♪

この少年のような目!キラッキラしてました(笑)
そう言って頂けて嬉しいです♪

> 5年半前に見て、当時はこういう作品をほとんど見た事がなかった時期だったので、非常に印象に残っています。

結構な衝撃だったでしょうね。私も印象には残っていたから衝撃を受けたんだと思います。彼らの正体とか、それを知りながら平気な顔して一緒に過ごしている社員とか…。
ヨハンソンちゃんには、再見にも関わらず気付きませんでした(汗)
顔が、ぜんぜん、覚えられない!

> きっと希望のあるラストだと思いたい。」と締めくくっていました。

まあ、彼らは完全な被害者ですし、ここぞとばかりに他国政府や人権団体とかが攻撃してくると思うので、手厚い保護は受けられるはず。そこから、一人ひとりが自分のアイデンティティを確立し、居場所を見つけるまでのドラマが繰り広げられると。
良くも悪くもリンカーンが一番注目されるから、その時の対応しだいで彼が”ヒーロー”になるか”危険人物”になるか変わってきそうです。
でも、大波乱の予感がするのは、ヒロインや他のアグネイドたちが妊娠・出産する時でしょうね。人類がそれをどう捉えるか…。実は続編を考えていたりしなかったのかな~と考えてしまいました。

> 仰る通り、笑わせて頂きました~!!!
> いつか再見したいと、こちらの記事のお陰ではじめて思いました☆

そんな風に思って頂けて光栄です!
本当に採算とれるのかな?というくらい、いい暮らししてましたよね。
その分、警備がおろそかだったみたいですが(汗)
いつか再見されたら、またお話しましょう♪
2015/10/06 12:02  宵乃〔編集

こんばんは

たしかに、めちゃくちゃコスパ悪そう。
いくら金持ち専用といったって。

これ公開当時は結構この手のSFがなかったので、
衝撃的だったような気がしてます
とくに、臓器医療の問題なんかは、クローン羊の話なんかくらいで、人間まではちょっと…みたいな風潮があった最中だったような気がするので、たしか世情と合致してたような。
この頃のユアンはきらきらしてたし(そう思うと今は老けたんだなあ)スカちゃんは愛らしかったですよね~
この二人がカップルになっても不思議ではない世界観というのも今じゃ考えにくいかもー
テンポもよく、また、擬似世界の中の設定が、いちいちつぼにはまり、「ベーコンは…」とか「この作業は何のため…」とか面白い部分もあって飽きさせられません
「世界」にでていったあとも、結局なんの解決にもならないラストまでツッコミどころはありますけれど、
なんか凄い大作をみた感があったので、どっぷり映画の中にはまってたんだと思います
2015/10/06 19:18  maki編集

マイケル・ベイ

ベイ監督、「ザ・ロック」「アルマゲドン」「トランスフォーマー」など、けっこうアクションもので楽しませてもらってます。
スカちゃん出てたんだなあーと、なつかしく思いだします。くわしいストーリーは思いだしませんが…(苦笑)
10年たってしまったのか!
2015/10/06 21:05  ボー編集

>makiさん

> たしかに、めちゃくちゃコスパ悪そう。
> いくら金持ち専用といったって。

そうそう。だから料金も高くなって、一般人は手が出せない→富裕層ばかり長生き→経済格差の拡大…ということになりそうです。

> とくに、臓器医療の問題なんかは、クローン羊の話なんかくらいで、人間まではちょっと…みたいな風潮があった最中だったような気がするので、たしか世情と合致してたような。

そういえばニュースでよくやってましたね、テロメアが短くなるから寿命も短いとかなんとか。…これは間違いだったみたいですが。
農家の方ではもう定番の技術となっているものの、動物・人間となると「う~ん?」と考えてしまいます。まして臓器移植のためにだなんて、最初に思いついた人が怖い…!
その”怖い”をみごとに映像化してくれた作品で、公開時期のこともあって印象に残っていたのも納得です。

> この頃のユアンはきらきらしてたし(そう思うと今は老けたんだなあ)スカちゃんは愛らしかったですよね~

ホント、2人ともまだ若くて、ヨハンソンは初々しさすら感じました。
今のユアンはもうおじさんですかね?
ヨハンソンはゴージャスな雰囲気で釣りあわないのかな?

> テンポもよく、また、擬似世界の中の設定が、いちいちつぼにはまり、「ベーコンは…」とか「この作業は何のため…」とか面白い部分もあって飽きさせられません

序盤のワクワク感は、SF好きならたまらないですね♪
あれだけ健康管理されてても血糖値か何かに異常がでるというのは、しょっちゅう目を盗んで食べてたんでしょうか(笑)
細部を丁寧に描いているSFっていいですよね~。
2015/10/07 10:49  宵乃〔編集

>ボーさん

> ベイ監督、「ザ・ロック」「アルマゲドン」「トランスフォーマー」など、けっこうアクションもので楽しませてもらってます。

あー、私が苦手なジャンルを多く撮ってる監督のようで…。「アイランド」を楽しめたのは設定が好きだったからかも。

> 10年たってしまったのか!

そうなんですよ、もう10年も!
今はクローンよりiPS細胞が話題の中心ですよね。培養肉とか。
どちらもSF映画のネタにはなりそうにないです…。
2015/10/07 11:29  宵乃〔編集

宵乃さんこんにちは

内容的には魅力的でしたがストーリーよりもアクションがメインになっちゃったのは
CGをふんだんに使ったアクションゲイがが得意のマイケル・ベイなため
という気がします。
やはり監督らしく時間も2時間超えですしね・・・
内容的には『ガタカ』のようなドラマチックなSF作品になったかもしれません
その辺当時も再見の時ももったいないなって気がしました。
またショーン・ビーンさんが責任者役だったのであ~悪い施設だな
って予想がついちゃいました(^^;
個人的にはスティーヴ・ブシェミさんが好きなのであんな形殺されたのは
残念です。
ノリが軽い作品なので死人が出なくても良かったと思うのだけど・・・
2017/07/08 17:10  ねむりねこ

>ねむりねこさん

いらっしゃいませ!
マイケル・ベイ監督なら、アクションシーンが多くても長くても仕方ないかという感じです(汗)

> 内容的には『ガタカ』のようなドラマチックなSF作品になったかもしれません
> その辺当時も再見の時ももったいないなって気がしました。

「ガタカ」は私も大好きな作品です。どちらもSFらしい題材を扱っているのに、全く違う方向性でした。

> 個人的にはスティーヴ・ブシェミさんが好きなのであんな形殺されたのは残念です。

主人公と友達だった職員でしたっけ。ホント、彼の退場は残念でした。逃亡後も彼が協力して…という流れだったら、全く違う作品になっていたかも。いつか別の監督がリメイクしたら観てみたい作品ですね。
2017/07/09 07:26  宵乃〔編集
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「アイランド」
(c) 2005 Dreamworks LLC and Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved. 面白かった。優待券をもらってタダで観たから、というわけではない。仮に、前売券代1300円を出しても惜しくなかっただろう。(最近は前売券を買うので、正規料金の1800円は、めったに払っていない。) 100パーセント、...
或る日の出来事|2015-10-06 20:52
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