映画「ラブド・ワンズ」観た
原題:THE LOVED ONES
製作:オーストラリア’09
監督:ショーン・バーン
ジャンル:★ホラー
【あらすじ】オーストラリアの小さな町に暮らす高校生のブレントは、交通事故で父親を亡くしたショックをまだ引きずっていた。そんな時、冴えない同級生ローラからプロムに誘われる。恋人がいるからと当然のように断ったブレントだったが…。
<ネタバレあり>
こんなほのぼのイラストだけど、きもだめし企画の5本目のホラー作品です。
何気にかなり狂ったシーンなんですよ!
グロというより痛々しく、血はたくさん出てるものの犯人のズレた思考回路の方が怖い作品。
この作品の面白いところは、イケメンなブレント君と冴えない友人(名前は忘れた…)それぞれの、まったく違うプロムナイトが並行して描かれるところですね。
キチガイ親子に誘拐されて血みどろになっていくブレント君と、またとないチャンスで童貞卒業できそうな友人Aの対比がもう!!可哀想すぎて泣ける!(笑)
しかもこの友人、”○○してると殺される”というホラーのお約束にけっこう抵触してるので、この二人がどうなるのか結構ハラハラ。
ホッとしたところを、またブレント君パートで恐怖のどん底に落とされる緩急の付け方も上手いです。
また、「ミザリー」系監禁ホラーかと思いきや…な展開には思いっきり心を鷲掴みにされてしまいました。
ホラーのなかでも監禁系や拷問系はあんまり好きじゃなかったのに、この犯人の狂い方がちょっといじらしいというか…それでいて思いっきり被害者のブレント君に同情できて最後まで目が離せないんですよね。
ここからは完全にネタバレなので、未見の方は知らずに観た方がいいと思います。
この愛が重い系ヒロイン(犯人)のローラちゃん、最初はプロムに誘ったブレント君を無理やり誘拐してラブラブするのが目的かと思われたんですが、実はブレント君なんて端から眼中にありませんでした。
それじゃあ何が目的かと言うと、溺愛する娘のために自宅でささやかなプロムパーティーを開こうと、何から何まで準備してくれたパパの気を引くためなんですね〜。
むしろパパもローラのムチムチバディに目が釘付け状態で(嫌われるのがまだ一線は越えてないっぽい)、今の関係からステップアップするためのきっかけというか、前戯みたいなものなんですよ。
このパパがローラに負けないくらい、いやそれ以上にイカれていて、実はローラのママもブレント君と同じ被害者。ローラは大好きなパパの気を引くためにパパと同じことをやっているわけです。
ただ、彼女がそうなってしまったのも、考えてみればロボトミー手術をされた母親がまともに子育てできるわけもなく、キチガイな父親の愛情のみを受けて育ったためで、ある意味可哀想な子なんですよね。
でも、一番可哀想なのは、間違いなくそんなことのために利用されたブレント君や被害者、そしてその遺族たち。終盤の反撃は思わず応援してしまいました。
…まあ、遺族の女の子がホント最後まで救われないので、見終わってスッキリとはいきませんでしたが、オーストラリア産ホラーも侮れないです!