原題:TWO THOUSAND MANIACS!(2000 MANIACS)
製作:アメリカ’64
監督:ハーシェル・ゴードン・ルイス
ジャンル:★ホラー
【あらすじ】南部の小さな町プレザント・ヴァレー。車に乗って流れ着いた6人の旅行者が、百年祭の主賓として歓迎される。祭は2日間かけて盛大に行われ、滞在費や食事の費用もぜんぶ町が持つという。先を急いでいた教師のトムは断ろうとするが、住人たちに強引に引き止められ…。
<ややネタバレあり>
肝試し第3弾はスプラッタ映画のさきがけと言われるこの作品。
いやぁ、なんか憎めない作品でした!
ホラー映画にありがちな設定なんだけど、底抜けの明るさと、狂人たちがふと見せる”虚しさ”のコントラストが素晴らしい。
2000人は盛りすぎだけど、画面に映る30人くらいの住人たちのなかにも、復讐に満足してるひともいれば、冷めてしまう人もいるんですよ。計画してる時は楽しかったのに、やってみたらなんかスカッとしないぞ?みたいな(笑)
たぶん、この”記念すべき日”に、お祭り騒ぎをすること自体が復讐なんですよね。『あの程度のことで、俺たちはへこたれねーぜ!』という気概を感じました。
スプラッタのさきがけというだけあって、そういう描写は現代のものと比べるとまだ大人しい方で、あっても血糊感丸出しだからグロさはあまり感じなかったです(個人差あり)。いちばん痛々しかったのは、最初のナイフと樽のくだりかな。
むしろ、お祭り騒ぎで楽しそうに処刑の準備する住人たちが不気味であり、愉快でもあります。
色仕掛けとか、「主役が来なきゃバーベキューが始められませんよ(ニヤニヤ)」とか、電話交換手による罠とか、みんな笑顔で協力し合ってます。真っ黒こげのバーベキューを放置して歌い踊りまくってるし!
それに、実行委員のふたりがいい味出してるんですよ。祭を盛り上げようと大張りきりで、子供がいたずらを考えるみたいにワクワクしながら処刑ショーを考えたんだろうなぁと容易に想像がつきます。
普通は登場人物がバカだとスリルがなくなってしまいますが、主人公は結構機転がきくし、狂人たちは底意地が悪く、賢いかと思えば天然かよというマヌケさもあって、それが絶妙なバランスに。
大人たちの行動をまったく疑問に思わず残酷なこと(にゃんこが…)をしている子供も、キャンディーや車の誘惑には弱かったりと、素朴な一面があってほのぼのしてしまいます。
とくに底なし沼の件は大笑いで、オチがこれかよ!っていう驚きに、なんかもうすべて許せてしまいそう(笑)
『ヒィーーーーーーヤハァ!』という掛け声が印象的なBGMも好き♪
6人にこだわる理由がよくわからなかったものの、とても満足できるB級ホラー映画でした。
グロ描写が強化されてるリメイク「2001人の狂宴」もいつか観てみようかな?