映画「世界の果ての通学路」観ました
原題:SUR LE CHEMIN DE L'ECOLE
:ON THE WAY TO SCHOOL
製作:フランス’2012
監督:パスカル・プリッソン
ジャンル:★ドキュメンタリー
【あらすじ】危険な道のりを毎日何時間もかけて学校に通う子どもたちの通学風景に密着した教育ドキュメンタリー。世界の過酷な通学路4つを紹介し、それでも学校に通い続ける子どもたちと家族の想い、そして教育の意義を見つめていく。
想像してたよりはるかに危険でビックリしました。
毎日がアドベンチャーでロードムービー。映画を何本も作れるレベルです。
週に何日通ってるのか知らないけど、10歳前後の兄妹がサバンナを15km小走りで通うとか…。2時間かけて水とカバンと木の棒をもって通う様子は、本気で冒険の旅に出てるようにしか見えません。
途中、象の群やキリンの群がいたら遠回りしていかなければいけないし、とくに象は何人も通学中の子供が襲われてるらしく、うっかり出くわせば命に関わります。
撮影中も一度出くわして、必死に逃げて岩陰に身を潜めるという状況に。
象が去った後、泣きじゃくる妹にサボテンの実をみつけ、それを食べたらにっこり笑って、ふたりで「天の神さま、地の神さま~♪」と歌うシーンが印象的でした。
学校に行くだけでこの大冒険、日本で暮らしている私たちには想像もつかない世界です。
また、馬に二人乗りして登校する兄妹や、険しい山道を毎週(寄宿学校に)通う女の子、歩けないお兄ちゃんのボロ車椅子を押して通学する3兄弟など、”通学”というより”試練”みたいな道のりをゆく彼らに驚かされました。
それでも頑張って通うのは、勉強することで自分の夢を実現できると信じているからなんですよね。家族とともに貧しい暮らしから抜け出すためでもあるし、学校で学ぶことが希望の鍵なんです。
家族にとっては子供たちが希望で、教育ママのように押し付けるのではなく、夢や希望を信じる心を育てつつ子供たちを支えているのが伝わってきました。
印象に残ったのは、寄宿学校に通う女の子が鶏を1羽手提げ袋に入れていて、たまごを食べるのか、それとも授業料?と思ってたら、大量のお菓子と交換したところ(笑)
一週間かけて、友達と交換したりしながら食べるのかなぁ。どこの国でも女の子はスウィーツが大好きですね!
あと、車椅子のお兄ちゃんを押して、道なき道を行く弟二人が健気でねぇ。「急げ、遅刻するぞ」とか「道が悪いから倒すなよ」とか声を掛けてるだけのお兄ちゃんを大変慕っています。
タイヤを直してもらっている時(修理代は?)も、兄は末っ子はおしゃべりし、しっかり者の次男だけがお店の人の相手をしてる。(その後、末っ子と一緒にタイヤを直せるようになっているところはさすが!)
そんなお兄ちゃんだけども、勉強して将来は立派な医者になると決めていて、痛いのを我慢してストレッチや歩行練習をしています。
障害を前世の悪行の結果だと考える人が多いインドですが、そんな彼の頑張る姿を見ているから、みんな応援してくれるんですよね。
やらせっぽいところもあったものの、学ぶことの大切さや、自分がどれだけ恵まれているか気付かせてくれる作品でした。