映画「西部に賭ける女」観た
原題:HELLER IN PINK TIGHTS
製作:アメリカ’60
監督:ジョージ・キューカー
原作:ルイス・ラムーア
ジャンル:★西部劇/ロマンス
【あらすじ】旅回りの演劇一座「ヒーリー劇団」は、花形女優アンジェラが問題を起こすたびに夜逃げをする貧乏一座だった。今回も男に貢がせるつもりが失敗して、借金から逃げてきたところだ。だが、今度はポーカーに大金と自分自身を賭け、流れ者のガンマン、メイブリーに負けてしまう。
やや時間を長く感じたけど、ほんのりコミカルなロマンスものの西部劇として楽しめました。
時間を長く感じた理由は、ヒロインの前半のバカ女っぷりが目に余るんですよ。本人は手練手管はお手の物と思ってるかもしれないけど、まったくできてないという(苦笑)
それで本人だけドツボに嵌ってるならいいんですが、一座の団長トムが彼女に惚れていて”彼女の借金=一座の借金”になってしまうんですよね。
仲間は役者の母娘と、おじさんの俳優と道具係くらいだったと思うんですが、解散ということになれば食べるのにも苦労しそうな状態。振り回される団員たちが可哀想で、華麗に衣装を着こなすソフィア・ローレンがヒロインでも笑って許せませんでした。
でも、再び彼女が問題を起こして、借金や殺し屋からの逃避行が始まってからは面白くなってきます。
自分自身と大金を賭けて負けた事をトムに言えないアンジェラと、その賭けに勝ったガンマンのメイブリー、何も知らず用心棒としてマドリーを歓迎するトム。
そんな緊張感ある三角関係も楽しめたし、先住民に襲われシャレにならない状況になっていくのも、冒頭のからは想像できない展開で見ごたえありました。
とくに、メイブリーとの関係に気付いてしまったトムの傷ついた表情と、落ち込んで夢も諦めてしまうところが哀愁漂ってます。どれだけ彼女を愛していたのか伝わってきて切ない…。
一方、メインキャラ以外もしっかり描き込まれていて、母親にいつまでも子ども扱いされるデラの描写も印象的です。20歳なのに少女のような役ばかりやらされているデラが、世の中の厳しさを目の当たりにして変化、成長していきます。
彼女を演じるのマーガレット・オブライエンは、「若草の頃」の四女を演じてたとかで有名な子役だった人なんですよ。実際の彼女と被る役柄だったということで、どうりで印象に残ったわけです。はまり役でした。
ラストは、アンジェラが「ほしいものは手に入れる」性分を思いっきり発揮して、なんとも豪快な解決方法を取ってくれます。この展開はホント予想もつかなかった、さすがキューカー監督!
これで前半のアンジェラへの評価も一気に覆ってしまいました。愛に生きる女、可愛いです。トムってば観る目ある!
ちなみに、原題の意味は「ピンクのタイツをはいた厄介者」かな?
小悪魔と訳している方もいるみたい。原題のままのタイトルの方が良かったかも…。
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