映画「グース」観ました
暖かくなってきたのでイラスト再開。linux版アズペは色がいいね!
原題:FLY AWAY HOME
製作:アメリカ’96
監督:キャロル・バラード
原作:ビル・リッシュマン
ジャンル:★ドラマ/ファミリー
【あらすじ】母を交通事故で亡くし、カナダに住む父親と暮らすことになった14歳の少女エイミー。新しい環境に馴染めずにいた彼女は、伐採された樹木の側でグースの卵を発見する。元気な16羽の雛が孵るが、数ヵ月後には500マイル離れた越冬地まで渡らなければならず…。
久しぶりに再見しました。狙ったわけではないけど「風立ちぬ」に引き続き、実話を基に脚色した飛行機が出てくる作品です。
かなり最初っからウルウルしまくりでしたね。グースを拾って飛行機で渡りを教えるという大筋は覚えていたものの、お母さんにまつわるエピソードはすっかり記憶から抜け落ちていて、初見のように観られました。
まず、エミリーが初めてグースの卵を見つけて、母親のドレッサーに運んで優しく寝かせるように置いていくまでの流れがいいです。卵に触れる手が本当に優しくて、母性に満ち溢れてました。
自分と同じように母親を求める雛たちを、かいがいしく世話する姿はまさに母親。16羽の雛を見分けて名前で呼ぶなんて、私なら人間相手でもあんな短期間では無理かも。
グースたちもすっかりエミリーに懐いていて、後ろを付いてくる姿がとってもキュート。あんまり可愛くて、夢に見たほどでした(笑)
エミリーが母親を想って母の服や口紅で着飾る横で、雛たちが真似するように身づくろいするシーンも上手い。母の死を乗り越える少女の成長を、グースたちとの交流の中に丁寧に描いていたと思います。
そんな彼女をおおらかに見守る父親とその恋人もホントいい人で、「スリーメン&ベビー」でもあったけど、子供がいなくなったり怪我したかもしれないという時の必死な様子や、無事だとわかった時の心底ホッとしたという描写に弱いんですよ~。涙腺ゆるみまくり!
恋人さんの「母親は無理だけど、友達に」とグースを守りぬく事を約束するくだりもよかった。
いい人ばっかりで若干物足りなさもあるけど、子供と観る時や心洗われるような作品が観たい時にはピッタリの作品です。
また、環境保護を訴えるためなのか映像が素晴らしくて、グースたちと飛ぶシーンはもちろん、夕暮れの空や水面に映る影なども美しい。グースが並んで飛ぶ様子はどうやって撮影したのだろうと思ったら、実際にグースたちと渡った彫刻家のビル・リッシュマンさんによる何度目かの渡りの様子を空撮したんだとか。
BGMや主題歌「1万マイル:Ten Thousand Miles」も心に染み渡るようでした。愛する人とのしばしの別れを歌ったもので、グースたちと母親、ふたつの別れにかけているのかも。
あと、映画内では14歳の女の子が一人で飛行機に乗って結構な距離を移動するんですが、調べてみたらウルトラライトプレーンというもので、スカイレジャー、スポーツの位置づけ。免許(年齢制限)や許可が必要ない国(アメリカとか)も多いけど、本作の舞台となるカナダではやや厳しくて、許可が必要だし夜間飛行禁止でした。夜カナダ空軍の敷地内に侵入して、怒られただけで済むのはファンタジーですね(笑)