映画「リトル・フォレスト 四季」観た
製作:日本’2013
監督:森淳一
原作:五十嵐大介
ジャンル:青春/ドラマ
【あらすじ】自分の居所をみつけられず、都会から東北の寒村”小森”に帰ってきたいち子。スーパーやコンビニもない村での生活は自給自足に近く、食べるものは自分で育てたり採ってくるしかない。四季に触れながら、いち子は自分と向き合っていく。
Gyaoで鑑賞。スローライフを描いたウンチク漫画の映画化らしくほとんど主人公のモノローグで進行。よく映画化したなぁと思うものの、東北の夏の風景が美しく私的には懐かしいし、橋本愛が生地をこねたり、汗だくで農作業したり、おいしそうに自分の作ったものを食べる様子は健康的エロスがあって見てて楽しいです。
モノローグもウンチクばかり言ってるわけではなく、彼女の個性的な母親とのやり取りなども語られ、ユーモアがあってクスリと笑わせてくれました。
たまに入るファンタジックな表現も面白く、湿度の高さや雑草のしぶとさをCGでユニークに表現してます。
あと、料理とかは言葉で説明されるより目で見た方がわかりやすいから普通に参考になるし、私の嫌いな分割画面も効果的に使っていて見やすかったです。
ただ、普段の会話の声が小さすぎて聞き取れなかった。これも漫画の背景や遠景に描かれるようなシーンを再現してるのかな?
主人公が毎日農作業してるにしてはキレイすぎる気もしたけど、「ニューシネマ~」で若干落ち込み気味だった私には癒しの56分(劇場では2話同時公開)間でした。
<追記:7/31に「秋」を鑑賞>
秋編ではCGがなく、代わりに分割画面がちらほら。失踪したという母親のように野菜炒めがつくれなくて、ある日ふと筋をとっていたんだと発見して、かつての母とシンクロする演出はなかなか良かったです。
淡々とした流れなので、ここと手紙の下りは良いアクセントになってました。
この作品はやっぱり現実とはまるで違う(あれだけの仕事を若い女の子ひとりでやってるにしては小奇麗で余裕すぎる)理想のなかの田舎暮らしなんだけども、日本の四季が美しいし、家庭菜園や料理が好きな人なら「お!」と思うような知識も得られるかも。
ただし、秋編は鴨をさばくシーンがあるので、そういうのが苦手なら観ない方がいいと思います。
あと、にゃんこを飼ってるのに前回書き忘れるくらいちょろっとしか登場しないのが寂しい。
<追記:9/27に「冬」を鑑賞>
春夏秋と同じ調子なので安心して観られます。でも、どうもあの男は浮いてる気がする。チラッとしか出てこないクセに説教臭いセリフを言う役で、いち子の親友が言ってた「あんたはそんなこと言えるほど経験積んだの?」はこいつにも言ってほしい。鑑賞者はいち子が頑張ってるシーンしか見てないんだから、彼にセリフで言わせるんじゃなく本人が気付く展開の方がいいと思う。彼がいなければ、かなり私好みの作品だったのになぁ。