忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

TV映画「アメリカン クリスマス・キャロル(1979)」観ました

アメリカン クリスマス・キャロル(1979)
原題:AN AMERICAN CHRISTMAS CAROL
製作:アメリカ’79
監督:エリック・ティル
原作:チャールズ・ディケンズ
ジャンル:★ファンタジー/ドラマ

【あらすじ】ニューハンプシャー州のある街で暮らす強欲な老人ベン・スレード。クリスマスの前日にも関わらず、彼は容赦なく街の人々から家具などを差し押さえ、街の労働者の肩を持つサッチャーも解雇してしまった。そんな彼の元に、今は亡きビジネスパートナーのレーサムが現れ…。

あけましておめでとうございま~す、と言いつつクリスマスな映画の記事をアップするズレたブログですが、今年もどうぞよろしくお願いします。イラストはまた暖かくなってきたら描きます。
この作品は冒頭から老人の特殊メイクが少し安っぽくて、映像もTV映画っぽいなぁと思ってたらやっぱりTVMでした。主演のヘンリー・ウィンクラーさんはTVドラマの出演が多く、「穴/HOLES」のお父さん役もやってるみたい。覚えてないなぁ…。
でも、前回観た「クリスマス・キャロル」と比べても脚本や演出がかなりいいと思います。
原作を知らないから実はこっちの方が忠実なのかもしれないけど(作中にディケンズの初版本が登場するので、時代設定とかは違う)、スレードの子供時代から映していて彼がお金にこだわる理由が描かれていたし、改心していく流れも自然で説得力があるんですよね。
とくに、彼の葬式でみんなが踊り騒ぐ描写はあまり好きじゃなかったので、こちらの彼の遺品を競売にかけて長年の鬱憤を晴らす下りは、酷い事には変わらないけど実際こうなっちゃうだろうなぁというリアリティがありました。
それに、改心してからのお金の使い方も、きちんと使うべきところに使ってるので余計な心配はしなくて済んだし(笑)
クライマックスは彼の子ども時代の描写が生きる流れで、爽やかに終わるところも好感。
印象に残ったのは、若い頃に想いを寄せていた女性が現在幸せに暮らしている様子を見て、「前よりキレイだ」「幸せな女性は美しい」と精霊と話すところや、未来で息子を亡くした父親が家族に言った台詞…
「家族はずっと一緒にいられるわけじゃないが、離ればなれになっても愛された魂は消えない。だから約束してくれ、ジョナサンの事をずっと忘れないと」
悲しい思い出に蓋をするように過去の大切な人たちを忘れようとしていたスレードの事もあって、胸に沁みました。
地味ながら良質なファンタジードラマだったと思います。

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