忘却エンドロール

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映画「ベルンの奇蹟」観た

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Tag:ドイツ 

ベルンの奇蹟
原題:DAS WUNDER VON BERN/THE MIRACLE OF BERN
製作:ドイツ’03
監督:ゼーンケ・ヴォルトマン
原作:クリストフ・ジーメンス
ジャンル:★ドラマ/スポーツ

【あらすじ】1954年夏、敗戦後ドイツの工業地帯エッセン。サッカーが大好きな11歳のマチアスは、地元のサッカー選手ラーンを心から慕っていた。だがある日、戦争で捕虜になっていた父リヒャルトが11年ぶりに帰ってくる。厳格な父親であろうとする父に、マチアスや家族は戸惑い…。

とても優しい気持ちになれる作品でした。
1954年のワールドカップを題材にしているものの、メインはある家族のドラマです。
個人的にはサッカーパートはあんまり印象に残ってなくて、むしろスイス合宿での青い空が印象に残ってますね。主な舞台が薄暗いドイツの炭鉱町なので、そのギャップが主人公の心情にリンクしてました。
戦争帰りで家族との距離を埋められず、つい威圧的になってしまう父親のせいで、大好きなサッカーから遠ざかってしまうんですよ。彼にとってサッカーは希望そのものなので、ラーンが行ってしまえば太陽も翳ってしまいます。
しかも、この父親が不器用すぎて見てられない…。悪い人ではないというのはわかるものの、もし主人公と同じ立場だったらあんなふうに理解を示すことはできないと思います。
主人公の周りの人は誰も彼もがいい人で、彼が辛い時は必ず支えてくれる人がいるし素晴らしい助言をくれたりするので、できすぎだなぁと思う瞬間はあったものの、素直な気持ちで観れば感動ものでした。
実は主人公は出征後に生まれたので父親とは初対面なんだけども、だからこそ捕虜として過ごした辛い日々の事を聞けたし、父親も素直に話すことができたのかなぁと思います。やはり辛い気持ちを吐き出させる事が第一ということでしょう。父親の話をサッカー中継より優先したとこは尊敬します。
同じ表情で笑う父子、新聞記者と奥さん、主人公の友達の女の子なども良かった。
ただ、誕生日のくだりは…バケツの中を映す必要があったの?
↓以下ネタバレ注意!

日本だとウサギは捨てるところがないと言われていたし、ドイツと言えば腸詰というくらいで食べつくすイメージなんですが…。
調理技術がなかったのかもしれないけど、あんな体験をした父親が、まだまだ貧しいのにあんなに可食部や毛皮を棄てているのは違和感があるというか、それをわざわざ見せるのはショッキングなシーンを入れたかっただけなのではと疑ってしまいます。
ショックを受ける表情と悲鳴だけでよかったような…?
ここさえなければ私的にほぼ満点だったので残念です。

■ Comment

コメントを有難うございました☆

>とても優しい気持ちになれる作品でした。

とても温かい気持ちになれるイラストです☆
あのお父さんの、厳しいお顔だけが目に浮かぶので、
このイラストは本当に素晴らしいです!

>主な舞台が薄暗いドイツの炭鉱町なので、

実は「遠い空の向こうに」の直後(次に)見た作品なんですよ~(笑)
なので「また炭鉱町???」っていう言葉で始まった感じです(笑)

>しかも、この父親が不器用すぎて見てられない…。悪い人ではないというのはわかるものの、

見てはいけないモノを見たり、捕虜の生活は、それを知らない世代には何も言えないと、私は思ってしまいます。

>もし主人公と同じ立場だったらあんなふうに理解を示すことはできないと思います。

でもやはり、あの父親が自分の父親だったら、主人公みたいにはなれないと思います。 会った事もない人だし・・・。

>素直な気持ちで観れば感動ものでした。
>同じ表情で笑う父子、新聞記者と奥さん、主人公の友達の女の子なども良かった。

それらは本当に良かったし、それに加えて、サッカーそのものの描写も良かったと思いました。

>ただ、誕生日のくだりは…バケツの中を映す必要があったの?
>それをわざわざ見せるのはショッキングなシーンを入れたかっただけなのではと疑ってしまいます。
>ショックを受ける表情と悲鳴だけでよかったような…?
>ここさえなければ私的にほぼ満点だったので残念です。

残念ですネ~!!
私はもう詳細は忘れたのですが「ギャー!」って思ったことは覚えています。
そのシーンも含めて、お父さんには許せないような、可哀想なような、複雑な気持ちでいっぱいになってしまいました。

だからこそ、こちらのこのイラストは、そういう部分を忘れて(ディズニ―式?)良い部分だけを思い出せそうな瞬間を美しく再現されて、本当に素晴らしいです!

宵乃さんご自身が、ご自分の描かれたイラストで癒されますよう、時間が少し経って、良い部分だけ思い出せる作品になりますように~♪と心から思います。


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2014/11/08 21:16  miri〔編集

>miriさん

> あのお父さんの、厳しいお顔だけが目に浮かぶので、
> このイラストは本当に素晴らしいです!

喜んで頂けて嬉しいです。一目で親子愛が伝わってくる良いシーンでしたよね~。
「遠い空の向こうに」の直後にこの作品に当たったということで、舞台が炭鉱町というだけでなく、父子関係の修復という共通点も!

> 見てはいけないモノを見たり、捕虜の生活は、それを知らない世代には何も言えないと、私は思ってしまいます。
> そのシーンも含めて、お父さんには許せないような、可哀想なような、複雑な気持ちでいっぱいになってしまいました。

本当に、実際に体験した人でなければわからない苦しみだと思います。
それを支える家族も、彼らのように上手くいくこともあれば耐えられなくて家庭崩壊してしまうこともあると思うと哀しいです。
ウサギのシーンも、あの子の受けた衝撃を理解するには必要だったとも言えるかもしれないけど…。簡単には割り切れないですね…。

> サッカーそのものの描写も良かったと思いました。

監督が元サッカー選手らしいですね。サッカーはよくわからないし、選手の顔もほとんどわからず、わたし的にはラストの試合のくだりは驚くほど静かな気持ちで観てました。お父さんや主人公がサッカーをやるシーンははっきり覚えてるんですが、他はさっぱりです。

> 良い部分だけを思い出せそうな瞬間を美しく再現されて~
> 宵乃さんご自身が、ご自分の描かれたイラストで癒されますよう、時間が少し経って、良い部分だけ思い出せる作品になりますように~♪と心から思います。

ありがとうございます。たしかにディズニー式!(笑)
いつかこのイラストを見返したら、きっと優しい気持ちになれる部分がよみがえってくると思います♪
2014/11/09 12:49  宵乃〔編集
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