忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「モンスターズ/地球外生命体」観た

 | ロードムービー  com(4) 
Tag:イギリス 

モンスターズ/地球外生命体
原題:MONSTERS
製作:イギリス’2010
監督:ギャレス・エドワーズ
ジャンル:★ロードムービー/ロマンス/モンスター

【あらすじ】2009年、地球への帰還目前の探査機が上空で大破し、メキシコの北半分が地球外生命体によって危険地帯となる。6年後、アメリカ・メキシコ両軍による封じ込め作戦が続けられる中、現地を取材中のカメラマン、コールダーは、社長令嬢サマンサをアメリカまで送りとどける事になり…。

ロマンスのカテゴリに入れたいくらいですね~。モンスター映画だと思って観てたら思わぬ着地点に涙が…。
ロードムービーや海洋ドキュメンタリーが好きな人にはおススメです。生命の神秘とふたりの切ない恋の相乗効果で、好きな人にはたまらない作品になってます。
モンスターの幼体を宿す動くキノコや、終盤の街の廃墟感、地球外生命体の神秘を目の当たりにするシーンなど、不気味で不思議な世界観がありました。
新作「ゴジラ」の監督さんか~。正直、最初はCGが微妙でどうなる事かと思ったけど、低予算なりに見せ方が上手ですぐ気にならなくなりました。
まあ、主人公達が惹かれあうまでの経緯がぜんぜん足りない気もしたけど…。
でも、 生活の為に戦場カメラマンみたいな事をしているコールダーが、少女の遺体を前に一瞬迷った挙句コートをかけて花を手向けるシーンとか良かったです。
その前に、彼女に「ひとが不幸にならないと成り立たない商売ね」みたいに言われて、「君のお父さんがかわいそうな子供の写真にいくら出すか知ってるか?幸せな子供の写真なら?」と返すところが効いてた。
彼も不幸な人を撮るためにカメラマンになったわけじゃないという事です。
それに、見方を変えると物事がまったく違って見えるという事の伏線にもなってると思います。
危険な陸路で彼らを護衛してくれる現地の人が、「モンスターたちは刺激しなければおとなしい。軍が攻撃してる時はとても危険だ」と話していて、気をつけなければならないのがモンスターではなく味方の軍の攻撃だというね…。
共存の道を感じさせるものがあるんだけど、軍の空爆?でやはり台無しに。

ややネタバレかもしれないけど、このモンスターズというタイトルが示すのは、地球外生命体ではなくアメリカ軍のことで、かなり反戦映画というか、アメリカ軍批判的なところのある作品でした。
この作品で人が死ぬ原因は、ほぼ軍による攻撃で凶暴化したモンスターによるものか、市民を巻き込んだ軍の攻撃によるもの。もちろん、主人公達の運命を決めたのも…。
ラストの恋が盛り上がったところで悲しすぎる事実に気付かせる構成も、余韻が残るし訴えかけるものがあります。
「第9地区」とかが肌に合わなかった人なら楽しめるかも。

■ Comment

おはようございます☆

>それに、見方を変えると物事がまったく違って見えるという事の伏線にもなってると思います。

素晴らしいイラストと記事で、びっくり暁天!
この映画は、そんなふうに見られたのですネ~反省反省☆

少し前にオンエアで見たのですが、その怖いと思い込んでいたものが〇〇そっくりで笑えてしまって以降、どうにもこうにも・・・。

宵乃さんの記事を読ませて頂くと、深くて良い作品のように思えてきます・・・どうにもこうにも自分的には書かれてある事を、ご都合良いとかひねくれた受け止め方しかできず、どうもすみませんって感じです(笑)。

・・・記事にも書かれていますが、もう少し「序盤」に 「二人の心の触れ合い」を 描いてくれないと、私のように思う人の方が多いような気が???


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2014/08/04 08:42  miri〔編集

>miriさん

> 素晴らしいイラストと記事で、びっくり暁天!
> この映画は、そんなふうに見られたのですネ~反省反省☆

いらっしゃいませ、ご覧になってたんですね!
わたしはロードムービーに甘いので、最初からかなり好意的に観てます(笑)
でも、もったいない部分はたくさんあったけど、いい作品だと思いますよ。
〇〇にそっくりなのは、たぶん地球外生命体のサンプルとやらが〇〇の遺伝子を取り込んで、地球環境に適応したんじゃないでしょうか?
最初はきのこに取り付いたみたいですし。
〇〇ってメキシコでも食べられてるんですね~。

> 宵乃さんの記事を読ませて頂くと、深くて良い作品のように思えてきます・・・どうにもこうにも自分的には書かれてある事を、ご都合良いとかひねくれた受け止め方しかできず、どうもすみませんって感じです(笑)。

いえいえ、捉え方は人それぞれですので。
わたしはあの〇〇の求愛シーンで感涙しちゃったので、細かい不満点はぜんぶ吹き飛んでしまいました。
わたしがモンスター映画に求めてるのは、”人間もモンスターも生きてるだけ”というのを描いたものなんだと分かりましたよ。その上で生き残りをかけて戦ったり、逃げたり、共存していくみたいな。
なので生態が伝わってこないゴジラは苦手かも…。

> ・・・記事にも書かれていますが、もう少し「序盤」に 「二人の心の触れ合い」を 描いてくれないと、私のように思う人の方が多いような気が???

本当にここがもったいないですよね~。
まあ、これが長編デビュー作なので、これから勉強してくれればいいかなと思ってます。
「GODZILLA ゴジラ」で叩かれれば成長するかも(笑)
2014/08/04 14:15  宵乃〔編集

こんにちは

OPとEDのつながりにラスト付近に気づいて、膝を打った私です
予算をかけなくとも、荒廃したゾーンを、
壊れた物体や人々を映し出すことで活かす事が出来ていたし、そのへんはなるほど、演出がこの監督は巧いんだなーと思いました
ゴジラの監督抜擢も納得!
タコ異星人でしたが、そうかあ、ドキュメンタリーね…
生命の神秘みたいなNHKのネイチャー番組でありそうなラストでしたよね
相手をみつけることが奇跡といわれる中で、見つけた伴侶。と同時にその交尾の美しさと奇跡に感動する男女。
そもそも人類が招いたことでしたもんね、宇宙生物の襲来は。そう考えると彼らも「生きている」だけなのかもしれませんね
2015/10/12 17:11  maki編集

>makiさん

> そのへんはなるほど、演出がこの監督は巧いんだなーと思いました
> ゴジラの監督抜擢も納得!

ですよね、低予算作品ほど監督のセンスが問われるというのは本当だなと思いました。
ゴジラってあまり見ないけれど、この監督が撮るなら観てみようかな~。

> 相手をみつけることが奇跡といわれる中で、見つけた伴侶。と同時にその交尾の美しさと奇跡に感動する男女。

そうそう、平和なところで観ていると「だから?」と思うかもしれないけど、あの心も荒廃した世界では純粋に「生きようとする姿」が胸を打つのだと納得できました。

> そう考えると彼らも「生きている」だけなのかもしれませんね

共感して頂けて嬉しいです♪
主人公たちは残念だったものの、きっと軍の人たちもいずれは「生き残ること=相手を殲滅」だけではないと気付くでしょう。上手く棲み分けできるといいんですけどね~。
2015/10/13 11:30  宵乃〔編集
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