忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「蜘蛛巣城」観ました

蜘蛛巣城
読み:くものすじょう
製作:日本’57
監督:黒澤明
原作:ウィリアム・シェイクスピア
ジャンル:★時代劇/サスペンス

【あらすじ】謀反者を討ち取った帰りの森で、不気味な老婆に自分の未来を予言された鷲津武時。間もなく予言通りに事が運び始めるが、城主になるという予言を大殿に知られれば命がないという妻の言葉に、武時はついに大殿を暗殺してしまう。

予言を信じ欲をかいたがためにその通りの末路を辿るという話で、どっかで聞いたような内容だなと思って観ていたんですが、シェイクスピアの「マクベス」を戦国時代に置き換えたものだったんですね。黒澤監督も大胆なことをします。まあ、マクベスの内容は殆ど知らないので、どう大胆なのかは私に分かるはずも無いんですけど…。
今回も例の如く、音質劣化と難聴ぎみなせいでセリフが7割くらいしか聞き取れませんでした。ですが、役者の緊迫感溢れる表情と映像からにじみ出る不気味な雰囲気から目が離せず、あっという間に観終えてました。
とくに武時の奥方が怖い!!
欲に目が眩んで夫を自在に操るさまは、さながら魔女のようです。
それがどうして武時より先に…と少々不満もあるんですが、人間の心は一見して分かるものじゃないですからね。
そして、ラストの大量の矢が降ってくるシーン!
始めは「意外と避けられそうだな…」と思えるくらいの本数しか飛んでこなかったのが、だんだん兵士たちの怒りが高まるが如く勢いを増し、最後はもう本当に死んじゃうんじゃないかと心配するほどの大量の矢が!!
実際、三船さんは「俺を殺す気か!」と怒っていたようです…。
ホント、黒澤監督ってすごいなぁ…色んな意味で。

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■ Comment

こんにちは!

こんにちは!
ランキングサイトから検索してきました

やっぱり凄い人なんだな、黒澤さん…と改めて思う作品でしたね★
とにかく印象が強烈。
奥方のゆっくり去っていく後ろ姿と衣擦れ音がまた物凄く怖くなります><
ラストの三船さんの恐怖の表情もとてもよかったですねー!いまのCGや小道具なんかじゃ到底あらわせられない、本気で怯え怖がってるのがわかりますよね^^

黒澤さんの作品って、今の邦画にはない、何かしら製作者側の「熱気」のようなものがありますよね。

TBもさせてくださいね♪
2008/10/31 00:02  ヨヨ編集

弁護士 鉦鼓亭

宵乃さん、大概の人達と同じく黒澤映画の台詞の聞き取りにくさに閉口していらっしゃる。
僕、どういう訳か嗅覚は悪いんですけど、聴覚はいいみたいなんです。
黒澤さんも、殆んど聞き取れちゃう。
(単に音声の悪い白黒TVとラジオの時代に育ったからなんだけど)
「蜘蛛巣城」、これでも画期的なくらいDVDは改善されてるんですよ。(笑)
ホントに聞き取りにくいのは物の怪の妖婆くらい(これも肝心な所は聞き取れるからOK、多分、録音時、テープの回転数を変えて録音してるから余計、解り難い)
これ、名画座で観た時は、本当に酷かった。
三分の一は何喋っているか解らない。
(運よく「マクベス」は映画「ロミオとジュリエット」の影響で読んでたから、話は解りましたけど)
この作品が国内より海外でウケるのは、向こうは字幕が付くからって言われてます。

ここからは、敬愛する黒澤監督の為に弁護にならない弁護をしてみます。(笑)
これを作ってた時、東宝はステージ、機材の一斉リニューアルの大工事中で、使えるステージも殆んどなく、セット撮影はバス通りに一番近いステージで行われたそうです。
そのステージもボロボロで、外のバスの音がセット内でも聞こえる程らしかったです。
(また悪い事に、この付近は登り坂でバス停まである、その為、バスが余計に噴かす)
録音機材も年数の過ぎたボロしかなく、外の音を拾わないように絞って使い、オマケにダビングに使う録音室も仮設に近いものだったとか。
だからなのか、いつもにも増して三船さん、怒鳴ってる。(笑)
この作品にセット撮影が少ないのは、そのセイがあるのかも。
リニューアル後の「どん底」は、あれだけ台詞だらけなのに格段と聞き易くなってますね(僕基準)。
録音の矢野口さんには、バイト時代、何度も暇つぶしの話し相手をしてもらったんだけど、怖くて聞けませんでした、尤も、当時、そこまで詳しくなかっただけなんですが、でも大後悔です。

黒澤監督に「こちらの苦労は、お客さんには全然関係ないことだ」って怒鳴られそうだけど、ちょっと、僕なりに弁護してみました。

2012/05/16 22:53  鉦鼓亭編集

>鉦鼓亭さん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
鉦鼓亭さんは黒澤映画のセリフもきちんと聞き取れるんですか~、羨ましい!
慣れもあるかもしれないけど、映画に対する集中力が違うんでしょうね。

> 「蜘蛛巣城」、これでも画期的なくらいDVDは改善されてるんですよ。(笑)

さすが!様々なメディアで見比べてるだけあります。テープの回転数とか、いろいろお詳しいんですね。そうか、前はもっと酷かったのか~。

> この作品が国内より海外でウケるのは、向こうは字幕が付くからって言われてます。

あ~、確かに。邦画でも字幕をつけたら、もっと多くの人が楽しめるかもしれません。
逆のパターンでは、とあるセリフの物凄い多い邦画で、字幕を追うので精一杯な外国人が「日本に生まれたかった!」と嘆いたそうです(笑)

> これを作ってた時、東宝はステージ、機材の一斉リニューアルの大工事中で、使えるステージも殆んどなく、セット撮影はバス通りに一番近いステージで行われたそうです。~
> だからなのか、いつもにも増して三船さん、怒鳴ってる。(笑)

そうだったんですか。追い込まれるほど能力を発揮する黒澤監督でも、ボロイ機材や入ってくる騒音まではどうにもできませんしね。そんな中で撮った作品でも、こんなに引き込まれるものに仕上げただけでも素晴らしいことだと想います。

> 録音の矢野口さんには、バイト時代、何度も暇つぶしの話し相手をしてもらったんだけど、怖くて聞けませんでした、尤も、当時、そこまで詳しくなかっただけなんですが、でも大後悔です。
> 黒澤監督に「こちらの苦労は、お客さんには全然関係ないことだ」って怒鳴られそうだけど、ちょっと、僕なりに弁護してみました。

おお~~!黒澤作品の撮影現場でバイトなさってたんですか!?
お詳しい訳ですね。貴重なお話を聞かせてくれてありがとうございます。
黒澤監督だって、鉦鼓亭さんの映画愛はわかってくれると思いますよ~!
2012/05/17 07:46  宵乃〔編集

水墨画

宵乃さん。こんばんは。
この白黒作品「水墨画のような美しさだ!」と言った人がいます。
僕も同じ意見です!
三船さんが豪快に馬に乗る場面とか。

>不気味な老婆に自分の未来を予言された鷲津武時

本当に不気味でした・・・(苦笑)。

>「ヤングマスター」
>中国の映画で風呂入ってるシーンなんて見たことあったっけ?

まあ、あれは我々日本人から見ると、風呂って感じではないですね。
手桶で水をすくって身体にかけるだけ・・・(^^;

2017/12/10 21:32  間諜X72〔編集

>間諜X72さん

いらっしゃいませ!
水墨画のような美しさですか~。ズバリな表現ですね。
馬を駆るシーンは忘れてしまいましたが、画から伝わってくる不気味な雰囲気は印象に残っています。

> まあ、あれは我々日本人から見ると、風呂って感じではないですね。
> 手桶で水をすくって身体にかけるだけ・・・(^^;

あはは、そうでしたか。お風呂が好きな人種は日本人とギリシャ人くらいだった気がしますし、水をたっぷり使う贅沢なものだから、ちょっと昔の庶民を描いている場合はそういうシーンが少なくなるのも当然かもしれません。
2017/12/11 07:51  宵乃〔編集

鷲津浅茅

おはようございます。

>欲に目が眩んで夫を自在に操るさまは、さながら魔女のようです。

山田五十鈴。凄い演技です!
5年前に95歳で天寿を全う。
娘の瑳峨三智子は大映の映画によく出ていました。
お母さんとは対照的な人生でしたね・・・。

>水をたっぷり使う贅沢なもの

日本は水に恵まれた国なんですね~

さて、自転車出勤です!
2017/12/13 07:56  間諜X72〔編集

Re: 鷲津浅茅

> 山田五十鈴。凄い演技です!
> 娘の瑳峨三智子は大映の映画によく出ていました。

彼女がいなかったらそこまで印象に残る作品ではなかったかも。
娘さんもお母さん目指して頑張ってたんでしょうね~。

では、自転車出勤お気をつけて。
2017/12/14 07:55  宵乃〔編集

不気味な老婆

「鷲津様はやがて国の主となろう。
そして、その後を継ぐのは三木様の子であろう・・・」
本当に不気味でした・・・。

「物の怪の妖婆」を演じた浪花千栄子。
その後、オロナイン軟膏(大塚製薬)のCMに出演し、ホーロー看板にも登場した人。
今の若い人達は知らないかな・・・?

>娘さんもお母さん目指して頑張ってたんでしょうね~。

キャリー・フィッシャーも同じだったかも知れませんね。
2017/12/21 07:45  間諜X72〔編集

Re: 不気味な老婆

> その後、オロナイン軟膏(大塚製薬)のCMに出演し、ホーロー看板にも登場した人。

あはは、想像できません。あの不気味なお婆さん役の人がそんな宣伝を!
公開当時でも言われなければ老婆を見てもその女優さんだと気付かなそうですね。
2017/12/22 16:50  宵乃〔編集

こんにちは☆

この映画を見ました☆(初見です)
イラスト、良いですね、ホント印象的でした!

>セリフが7割くらいしか聞き取れませんでした。

私は半分くらいしか分からなかったと思います(笑)。
もう諦めかけているけど、公共放送くらい字幕付けろと思います☆

>ですが、役者の緊迫感溢れる表情と映像からにじみ出る不気味な雰囲気から目が離せず、あっという間に観終えてました。

そうそう、言葉がなくても分かるって感じで、フランス語の原語版のようなものですね(笑)。
三船さんは三船目玉野郎とでも言いたい(笑)。
あと、皆さんお上手でした、千秋さんも志村さんも。

>とくに武時の奥方が怖い!!
>欲に目が眩んで夫を自在に操るさまは、さながら魔女のようです。

主人公はこっちだったかも?(笑)
五十鈴さんも多少若くて、とにかく恐ろしかったです!

>それがどうして武時より先に…と少々不満もあるんですが、人間の心は一見して分かるものじゃないですからね。

あれは死産のショックだけだと、私は思います。

>そして、ラストの大量の矢が降ってくるシーン!
>実際、三船さんは「俺を殺す気か!」と怒っていたようです…。

凄かったです!!!
最後のだけトリックで、あとは全部・・・?

>ホント、黒澤監督ってすごいなぁ…色んな意味で。

矢の事もですが、森が動くというのが、そうきたかって感じでした!
やっぱりお上手だとは思いましたが、ほぼ何の感激もなかったです(笑)。


.
2019/03/28 12:22  miri〔編集

>miriさん

いらっしゃいませ。初見でしたか!
もうイラストのシーンの意味すら覚えてませんが、色んな意味で大迫力な作品だったことは印象に残ってます。

> もう諦めかけているけど、公共放送くらい字幕付けろと思います☆

ですよね~。テレビを持ってない人からも金をむしり取ろうとしてるくせに、こういうところは不親切です。どうせ何度も再放送するんだし古い名作邦画は優先して字幕を付けて!

> そうそう、言葉がなくても分かるって感じで、フランス語の原語版のようなものですね(笑)。

舞台っぽさがあって演技で魅せてました。百年後に今の映画の音声も劣化したら、この作品に見劣りしてしまうかもしれませんね。

> 主人公はこっちだったかも?(笑)
> 五十鈴さんも多少若くて、とにかく恐ろしかったです!

この怖さは目に浮かぶほどです。一番印象に残ってますし主人公と言っていいかもしれません。

> あれは死産のショックだけだと、私は思います。

死産のこともすっかり忘れていて…。再見すればよかったかな(体力が足りない!)

> 凄かったです!!!
> 最後のだけトリックで、あとは全部・・・?

調べてみたら詳しい人の解説がありました(https://togetter.com/li/1212175)
トリックとは言え、やはり矢を向けられるのは恐ろしいですね。三船さんの表情が物語ってます。心臓の弱い人は気をつけた方がいいショッキングなシーンでした(汗)

> 矢の事もですが、森が動くというのが、そうきたかって感じでした!
> やっぱりお上手だとは思いましたが、ほぼ何の感激もなかったです(笑)

私も感激より衝撃が多かったかも?
元がドロドロなマクベスですからね~。
コメントありがとうございました。
2019/03/29 09:16  宵乃〔編集
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