映画「ダージリン急行」観た
原題:THE DARJEELING LIMITED
製作:アメリカ'07
監督:ウェス・アンダーソン
ジャンル:★ロードムービー
【あらすじ】長男フランシスの提案で、インド北西部を走るダージリン急行に乗り合わせた次男ピーター、三男ジャックのホイットマン3兄弟。バイク事故で瀕死の重傷を負ったフランシスは、疎遠になっていた兄弟の結束を取り戻そうとしていたのだ。それぞれに問題を抱えた3人はすぐに衝突してしまうが…。
遅くなってしまったけど、ファミリー企画最後の作品です。
リッチな3兄弟のゆる~い珍道中がツボにはまって割と楽しめました。っていうか、ロードムービーだから評価甘すぎかも(笑)
家族との絆を取り戻そうと立ち上がった兄の寂しがり屋っぷりとか、うざいくらいの仕切り屋っぷりが良いですね。他の兄弟も後先考えてなくて、毒蛇を買ったり、突然車内で香水のビンを割ったり(鼻は大丈夫か)、何考えてるかわからないんですけど、そのかみ合わなさが独特の雰囲気を生み出してます。
インドの列車っていうのも異国情緒があるというか、新鮮でいい。
ドリンクサービスのついでに額に染料をつけていったり、列車が迷子になったり。
彼らがジェネリック大国インドに来て真っ先にやったのが薬を買う事っていうのも(笑)
気になったのがフランシスの怪我で、河に飛び込んだ後のシーンで右目が真っ赤になってて、本当に感染症になったんじゃないかと心配になりました。終盤、兄弟の前で初めて包帯をとった姿を見せるシーンがあるけど、あの時ちゃんと巻きなおしたの?
あと、心臓マッサージもせずに諦めるのも引っかかるし、ここら辺はかなり強引な流れでした。
登場した母親には、こんなんだから彼らがこんなに不安定なんだと納得。愛してないわけじゃないんだろうけど、母親に向かないタイプです。
そんな母親と父親の思い出のカバン(重荷)も投げ出して、兄弟の絆があるから大丈夫と前進し始めたのはよかった。
変な儀式のシーンとか、なんなのその踊りという感じで可愛かったし(笑)
列車の室内を横から映すシーンが楽しくて、列車以外の人たちの様子もまるで列車の中みたいに表現してたのが面白くてセンスあります。飛行機に乗ってるアルビノの人とか、家で待ってる妊婦とかね。
ヘビが乗務員にちゃんと飼われてるのがわかるし、何気にビル・マーレイ(冒頭乗り遅れた人?)も虎もいてサービス精神旺盛です。
ラストの「オー・シャンゼリゼ」の曲も何故か合ってました。
個性的な兄弟と、冒頭とラストが素晴らしい。