映画「リード・マイ・リップス」観た

原題:SUR MES LEVRES
製作:フランス’01
監督:ジャック・オーディアール
ジャンル:★犯罪/サスペンス/ロマンス
【あらすじ】土地開発会社で働く35歳の独身女性カルラ。秘書として毎日せわしなく働いていたが、難聴のため心を閉ざし常に孤独を感じていた。そんなある日、ストレスで倒れ、上司の勧めでアシスタントを雇うことに。彼女は刑務所帰りで保護観察中のポールを雇うのだったが…。
またまたGyaoで鑑賞。なるべくなら期間内に記事にしたくて、TVで観た映画がすでに4本後回しになってたり…。頑張らなきゃ!
この作品、どこが好きかと聞かれるとよくわからないんだけども、観ている間、ぐいぐい引き込まれました。
難聴で読唇術ができるため、陰口もわかってしまい孤独な日々を送っているカルラと、刑務所帰りでやっぱり孤独なポールの、共犯関係というか依存関係に限りなく近い恋愛関係未満みたいな?
ふたりの浅ましい利己的な想いがリアルに描かれてて、ロマンスというにはちょっと…なんだけど、下品ではないし、妙に艶かしい。
刑務所帰りのポールを雇って見返りを期待しているカルラと、彼女の体に興味はあるものの、自分の生活が一番なポール。お互いに必要とあらば相手の技術を利用し、しだいに共犯関係に変わっていきます。
利用しているのか利用されているのか、そこに信頼や愛はあるのか、さりげなく緊張感が高まっていく中、カルラが彼の気を引くためにオシャレしたり、会話をシミュレーションしたり、こっそり持ち帰った彼のシャツを素肌に纏ったりする姿が印象的。
そんな依存と紙一重のような関係も、なんだか観てて悪くないんですよね~。
タイトルの意味がわかる終盤のやりとりも良かったです。愛が生まれたとしたら、あの時だろうなぁ。
その後の展開はちょっと後味悪いし、保護観察のおじちゃんのエピソードは必要なのか疑問だったけど、最後までセックスなしでふたりの間にエロスを感じさせるところがすごい。
不思議と見ごたえある作品でした。
- 関連記事
- 「真夜中のピアニスト」観た
■ Comment
そうそう、この映画、今Gyaoでやっているんですよね!
数年前なのですが、最初に出会った時は「ちょっと変わった恋愛映画かな~」くらいの気持ちで観始めたのですが、宵乃さんの仰るように「ぐいぐい」くる魅力に参ってしまって遂にはDVDも買ってしまいました^^
フランス映画って、ハリウッド映画とはまた違った変化球で楽しませてくれる魅力があるので「今度はどんなのがくるんだ!?」と毎回ドキドキしてしまいます。以前のブログには感想を書いていたのですが、あまりにテキトウな内容過ぎたため(笑)現在は削除したままなんです^^;ちょうど"もう一度鑑賞したら再Upしたい映画"としてとってあったので、これが巡り合わせかな!?再見してみようと思います。
宵乃さんのイラストが楽しみです♪
2014/03/24 23:59 はなまるこ〔
編集〕
いらっしゃいませ。
この作品、はなまるこさんのお気に入りでしたか!
なんだか不思議な魅力を持った作品で、一気に観終えてしまいましたよ~。
主演ふたりがあえて冴えない風貌で演じていて、そのおかげか自然と内面に目がいく感じで引き込まれました。
> フランス映画って、ハリウッド映画とはまた違った変化球で楽しませてくれる魅力があるので「今度はどんなのがくるんだ!?」と毎回ドキドキしてしまいます。
そうそう、ハリウッド映画に慣れてると、この意外性が心地よくて嵌っちゃうんですよね。
このエロティックな雰囲気もフランス映画ならではでしょうか。
> ちょうど"もう一度鑑賞したら再Upしたい映画"としてとってあったので、これが巡り合わせかな!?再見してみようと思います。
> 宵乃さんのイラストが楽しみです♪
はなまるこさんにとって良いきっかけになったのなら嬉しいです♪
観終わったらまたお話しましょうね。
イラストも頑張ります!
とにかく2人のなんともいえない共依存関係みたいな、
恋愛なんだろうけれどそこまでいかない…みたいな、
相手のことが気になりつつも深みにはいらない…みたいな、
地味で淡白的な描き方が凄く良かったですね
ハリウッドラブストーリーに良くある美男美女でないところも(小汚い男と「ブス」の女)というところもよかったです
カルラが、鏡にむかって下半身丸出しのシーンだとかエロティックでしたよね~
そんなセクシャルな関係じゃないのに、なんだかとても色っぽくみえちゃったのです
後半、カルラがオシャレしのつもりで髪にパーマをかけたりしましたが、美しくなるどころかむしろ野暮ったく感じるのもリアルで、そこもお気に入りのひとつです
> 恋愛なんだろうけれどそこまでいかない…みたいな、
> 相手のことが気になりつつも深みにはいらない…みたいな、
そうなんですよね~、こんなにも抑えた表現でぐいぐい引き込まれるのが不思議にも思えましたが、美男美女でもなく、自分を見失うような恋というわけでもないところが、逆に感情移入しやすいのかなぁ。
> カルラが、鏡にむかって下半身丸出しのシーンだとかエロティックでしたよね~
その後の事を見せないで想像させるところも品があって、見せ方がうまいなぁと感心させられました。
> 後半、カルラがオシャレしのつもりで髪にパーマをかけたりしましたが、美しくなるどころかむしろ野暮ったく感じるのもリアルで、そこもお気に入りのひとつです
そうそう!
あ~、これはあるよね~、と他人事とは思えず(笑)
コメント返信でも書かれていた、会話のシミュレーションのくだりもホントいじらしくて、その後わかる”デート”の本当の目的を知った時の失望感も堪らなかったです。
>彼女が障害者でも、しっかりと働いている部分、それだけでも素晴らしいのに、彼女はそれ以上を求めているわけですよね
難聴で電話対応する仕事をしているとわかった時点で、すごいひとだな…と圧倒されちゃいました。その上、キャリアアップのチャンスを逃すまいと目を光らせてるなんて、ホントいい意味で貪欲ですよね~。
あの後、ふたりで人生をやり直していってほしいです!
.