映画「モリエール 恋こそ喜劇」観た
原題:MOLIERE
製作:フランス’07
監督:ローラン・ティラール
ジャンル:★歴史劇/ロマンス/コメディ
【あらすじ】1644年フランス。駆け出しの劇作家兼役者モリエールは、劇団の経営難で債権者に追われる日々を送っていた。そんな時、金持ちの商人ジュルダンが、借金を肩代わりする代わりに演劇の指南役を依頼。司祭“タルチュフ”と名乗り末娘の教育係としてジュルダン家に潜り込んだモリエールだったが…。
なんというか、私的にこの作品の主人公は”稀代の間抜け”を演じていたジュルダンでしたね。彼が終盤、夫としての自覚と尊厳を取り戻すことにより、不倫も”荒療治”だったと思えるというか…。引き際が良かったのもあって嫌悪感はほぼなかったです。
実は観たのがファンタジー企画の頃で、はっきり覚えてるのはジュルダンのシーンばっかり!
若く美しい公爵夫人にのぼせ上がり、才能もないのに詩や芝居を披露しようと頑張ったり、舞い上がって大仰な挨拶を繰り返したり、まるで少年みたいに自分も周りも見えなくなってしまっている姿が憎めません。
夫としても父親としても最低なのに、きちんと喜劇としてみせてくれるんですよね~。
お気に入りは、憧れの公爵夫人の本性を知るためとある方法で潜入し、真実を知って冷静になり、彼女にささやかな反撃をするシーン。あの格好で真剣な表情、痺れるセリフを言うものだから、カッコいいやら笑えるやら!
また、奥さんが浮気している事に気付いても相手についてはぜんぜん思い当たってなくて、よりによってモリエールに相談してしまうところは、もはや間抜けを通り越して人を疑う事を知らない純粋な人なんじゃないかと思えてきたり(笑)
商人として成功してるから、慎重で狡猾な部分もしっかりあるはずなのになぁ…。
とにかく、ファブリス・ルキーニ演じるジュルダンが魅力的で、前半の間抜け面から後半のキリリとした表情の変化、ギャップがたまらないです。
ネタバレですが、財産目当てで政略結婚をさせようとしていた伯爵を追い払うため「火事で財産を全部失った」と一芝居うつ時の、冷たさを秘めた表情もいい!
気持ちよく見終えることができました。
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