映画「僕はラジオ(ぼくはらじお)」観ました
原題:RADIO
製作:アメリカ’03
監督:マイク・トーリン
ジャンル:★ドラマ
【あらすじ】1976年、ジョーンズ・コーチの指導のもと、猛練習に励んでいたハナ高校アメフトチーム。知的障害を持つ黒人青年へのいじめをきっかけに、ジョーンズは彼を気に掛けるように。青年は練習を手伝ううちに、”ラジオ”の愛称でみんなに愛されるようになるが…。
実話を基にした地味に良い話でした。
最初は”ラジオ”が選手として頭角を表すのかと思ったら、チームの一員でもムードメーカー兼、監督助手という感じで、チームに一体感を与えてくれるんですね。先日観た「モア・ザン・ア・ゲーム」でもチームが家族のように信頼し合って初めて発揮できる”つよさ”というものがあるんだなぁと思ったので、彼がチームにもたらしたものはとても大きいと感じました。
持ち前の優しさと明るい性格で学校中に愛される存在となったラジオもさることながら、まだ偏見の強い時代に彼を受け入れた彼らもすごい!
冒頭から見ていると、この町の人たちはスポーツで強く繋がっていて、試合後はいつも選手の父親たちと理髪店に集まり、ジョーンズの報告を聞いたり、今後の事を話し合ったり、とっても仲がいいんですよ。
その結束があり、彼らからの信頼厚いジョーンズが気に掛けているということもあって、ラジオを受け入れることができたのかもしれません。
もちろん、彼の存在を快く思わない連中もいますが、たとえ悪意を向けられても、ラジオはただ純粋にスポーツやチームを愛していて、それが意地悪な少年にも伝わったのにはウルッときました。
ラジオを心から愛する母親との描写もあたたかく、彼女がいたからラジオがこんなにも純粋で優しく育ったんだと納得。
家族よりもラジオや選手たちに時間を割いていたジョーンズが、ラジオとの交流を経て、家族、とくに寂しがっていた娘と向き合うエピソードもよかったです。ラジオを救う事が自分を救う事に繋がったとわかる、過去の”何もしなかった自分”の事を告白する姿にジーンときます。
ラストは実際の彼らもみられて、その心からの笑顔に、本当に実際にあったことなんだと改めて感動。
人と人とを結びつけるスポーツの素晴らしさ、優しさは循環していくものだと伝えてくれる作品でした。