映画「クリスマス・キャロル(1970)」観ました
原題:SCROOGE
製作:イギリス’70
監督:ロナルド・ニーム
原作:チャールズ・ディケンズ
ジャンル:ミュージカル/ファンタジー
【あらすじ】クリスマス・イブの晩、ケチな老人スクルージのもとに、死んだ共同経営者マーレイの亡霊が現れる。その亡霊はスクルージに、過去、現在、未来の幽霊を紹介し、スクルージの行く末を見させるが…。
「クリスマス・キャロル」は有名なのに、まともに観たのは初めてです。こういうにぎやかであったかいミュージカルが好きなんだなぁとしみじみ思いました。未来での町の人々が歌い踊る様子はちょっと…だったものの、子供たちの歌声は反則もの可愛いさ!
クリスマスの楽しさと、コミカルかつ幻想的な幽霊たちも良かったです。
主人公は、クリスマスを呪い、人間を呪い、人生を呪うスクルージ。口は悪いしケチだし、空気は読まない主義らしいけど、そこまで悪い人ではありません。自分の過ちを許せず、自分とその人生を愛せなくなってしまった不幸な人だったんですね。
幽霊たちに突きつけられる忘れようとしていた過去…それを目の当たりにして、ふと昔の気持ちが蘇ってきたり、胸が張り裂けそうな後悔に襲われる様子が印象的。
でも、自分では気付いていないけれど、彼の周りには彼を信じていてくれる人が身近にふたりもいます。その上、最後のチャンスまで与えられるなんてややご都合主義っぽいですが、むしろ善良な彼らに対する奇跡がスクルージをも救ったのかも?
改心した彼が、今までの分も取り返さんばかりにクリスマスを皆と分かち合おうとするラストは、(今のところ)お金しかないという感じで物悲しさを感じたり、このままじゃすぐ無一文になって元の彼に戻らないかと不安がよぎったり、それで一家のパパを雇えなくなるんじゃないかと心配になったりもしたけど、あの一家の(とくに病気の坊や)の感謝の笑顔を見たら、前向きに頑張っていけるかもしれないと思えました(商売は得意だろうし)。
人生を愛することの素晴らしさを伝えた良作です。