忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「或る夜の出来事」観ました

 | ロードムービー  com(6) 

或る夜の出来事
原題:It Happened One Night
製作:アメリカ’34
監督:フランク・キャプラ
原作:サミュエル・ホプキンス
ジャンル:★ロードムービー/コメディ/ロマンス

結婚に反対する父親によって豪華船に監禁されていた富豪の一人娘エリー。恋人に逢いたくて脱走した彼女は、NY行きのバスで失業中の新聞記者ピーターと出会う。父親は懸賞金つきで新聞に広告を出し、それを読んだピーターは特ダネをモノにしようとエリーの旅の手助けをするが…。

クビになったのに仲間には自分から辞めてやったという顔をしつつ、やっぱりどこか放心状態なピーターとか、結婚に反対する父親から逃げるため河に飛び込む行動派なお嬢様エリーとか、最初から一気に引き込まれました。
そんな二人が出会って、衝突しながらも惹かれ合っていくというありきたりな物語なのに、何一つ無駄がなく、笑って楽しんで胸キュンしてと、この作品の影響を受けているだろう作品群のいいところ全部をぎゅっと濃縮してるというか、これが薄められて他の作品ができたというか(笑)、とにかく休む暇なく楽しめます。
ピーターがカッコいいんですよね~。特ダネのためとはいえ、あの世間知らずのわがままお嬢様をそつなくフォローして、上手くいかない事があっても、文句を言いつつ慣れない旅で疲れているお嬢様を気遣っています。
ギャングごっこに夫婦ごっこと、何だかんだで楽しそうだし、ヒッチハイクのくだりでお茶目な一面も見せてくれるし、これは惚れるのも当然!
まあ、さすがにアイロンがけはねーよと思いましたが(笑)
一方、お嬢様の方は、若干猫背が気になってお嬢様らしくないなあとは思ったものの、つんけんしてても親切にされれば素直になるし、野宿中に彼がいなくて泣き叫ぶ姿を見たら、守ってあげなきゃという気持ちになっちゃいますよね。
おなかはすいていても不味いものは嫌と生のにんじん(野生?)を拒否してたのを、彼が自分のために頑張っている姿を見て思いなおし、素直にかじるくだりも可愛かった!
自分の過ちを反省して本当に娘の事を想って償おうとする父親や、ピーターの特ダネがデマだと落胆していたのに、記事を読みピーターの様子からすべてを?察して優しく声を掛ける編集長などもしみじみ良かったです。
ラストは、娘が幸せな結婚をしたのになんで父親は一人で酒盛り?と思ってしまったけど、鉦鼓亭さんに”淋しさを紛らす「ヤケ酒」”と教えてもらい、とても納得できました。本当に娘が大好きなんだね~♪

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■ Comment

No title

 宵乃さん、こんばんは

いいところ全部をぎゅっと濃縮してるというか>
仰るとおりで無駄がなく、それでいて伝えたい事は全部伝わり、面白くて、洒落ていて、観終わった後、心がホンワカ温まる。
素晴らしい作品だと思います。

さすがにアイロンがけはねーよ>
はい、ないです!
少なくとも、我が国には居ません。
もしかして、ピーターに一番足りない才能は「新聞記者」だったりして。(笑)

本当に娘が大好きなんだね~♪>
ハンスト中の娘にステーキの匂いを嗅がせるオヤジですけど。(笑)
ラスト15分くらいは、この親父さんが主役でした。

イラストのシーン>
高慢ちきで我侭で思いっきりイヤな女だったエリーが、初めて見せる、可愛い顔(寝顔)。
ピーターも満更でもなさそうで・・・。
お約束だけど、目覚めた時のエリーのドギマギ振りが微笑ましかったです。
素敵なイラストですね。
2013/12/09 23:25  鉦鼓亭編集

>鉦鼓亭さん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます♪

> さすがにアイロンがけはねーよ>
> はい、ないです!
> 少なくとも、我が国には居ません。

ですよね~。ピーターって実は父子家庭で育って、日常的に家事をやっていたのか?とか想像してしまいました。

> もしかして、ピーターに一番足りない才能は「新聞記者」だったりして。(笑)

あはは、特ダネもものにできなかったし、先がおもいやられます(笑)

> ハンスト中の娘にステーキの匂いを嗅がせるオヤジですけど。(笑)
> ラスト15分くらいは、この親父さんが主役でした。

ステーキのくだりも娘の健康を想うからこそで、上手いなぁと思いました。
この作品を観て最終的に印象に残るのが主人公より父親っていうのもどうなんだろう(笑)

> 高慢ちきで我侭で思いっきりイヤな女だったエリーが、初めて見せる、可愛い顔(寝顔)。
> ピーターも満更でもなさそうで・・・。
> お約束だけど、目覚めた時のエリーのドギマギ振りが微笑ましかったです。
> 素敵なイラストですね。

ありがとうございます!
キス未遂シーンとどちらにしようか迷ったんですが、スーツをぎゅっと掴むのが可愛いこちらのシーンにしてみました。お約束もどこか新鮮に感じてしまうのがこの作品のすごいところですね!

> 「火事だ~!!」(笑)

鉦鼓亭さんもお好きでしたか。ホームズが何をしようとしているのか分からないまま、うろたえ気味に叫ぶ様子がおかしかったです。

> 「ぶなの木屋敷の怪」と「まだらの紐」はヒロインが好みなので好き。(笑)
> あとシリーズの中では「ギリシャ語通訳」、「ボヘミアの醜聞」、「踊る人形」、「銀星号事件」、「ブルース・バーティントン設計書」が特に好きです。

お~、好きなエピソードがぱっと浮かぶなんて、本当に大好きなんですね。
デジタルリマスターを見始めて気付いたんですが、ヒロインが毎回毎回、役柄にぴったりな美人さんが多くて感心してます。
「ギリシャ語通訳」はマイクロフトさんが素敵だし、「踊る人形」は暗号を解きつつ人形のポーズをとってみるホームズが可愛かった(笑)
どのエピソードも面白くて、ドラマの質に驚き!
2013/12/10 07:09  宵乃〔編集

No title

宵乃さんがこの名作を未見だったとは!(^^)

>キス未遂シーンとどちらにしようか迷ったんですが・・・

TBした7年前のMY記事には「二人のキスシーンは無かった」と書いています。未遂のままで終わってたんですよね?

上の鉦鼓亭さんとのコメントのやり取りの終わりの方はシャーロック・ホームズのお話でしょうか?
ドラマのお話のようですが、中学校の頃によく短編小説を読んでいたので「踊る人形」というタイトルには覚えがあります。今はあまり読まれないのか、小さな本屋さんには置いてないみたいで寂しいですね。
2013/12/10 11:36  十瑠〔編集

>十瑠さん

いらっしゃいませ!
そうなんですよ~、噂には聞いていたんですが、なかなか観る機会がなくて。
しかし、噂にたがわぬ名作でした。観られてよかったです♪

> TBした7年前のMY記事には「二人のキスシーンは無かった」と書いています。未遂のままで終わってたんですよね?

ええ。目が合って、ピーターが引き寄せられそうになるんですが、ハッとなって何事もなかったかのように振舞ってました。ベタだけどキュンとするシーンです。

> 上の鉦鼓亭さんとのコメントのやり取りの終わりの方はシャーロック・ホームズのお話でしょうか?

お、十瑠さんもシャーロック・ホームズお好きなんですね♪
原作にもっともイメージが近いと名高い、ジェレミー・ブレット版のドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」が、今BSプレミアムで放送中なんです。

> ドラマのお話のようですが、中学校の頃によく短編小説を読んでいたので「踊る人形」というタイトルには覚えがあります。今はあまり読まれないのか、小さな本屋さんには置いてないみたいで寂しいですね。

置いてある学校や図書館は多いけど、本屋さんとなるとなかなかないのかな?
今は電子書籍も流行ってるから、古典作品はそちらで読む人が多そうです。
でも、紙の本もいいですよね~。
2013/12/10 14:37  宵乃〔編集

遅くなり、申し訳ありません☆

素敵なイラストで、本当にレッド・バトラーだけではない彼が素晴らしい☆
彼女はよく知らないけど、この作品で花咲いて素敵ですね!

>・・・ありきたりな物語なのに、何一つ無駄がなく、笑って楽しんで胸キュンしてと、この作品の影響を受けているだろう作品群のいいところ全部をぎゅっと濃縮してるというか、これが薄められて他の作品ができたというか(笑)、とにかく休む暇なく楽しめます。

まぁ、ある種の映画の「カタチ」を作った作品ですよね、そうでなければ21世紀にまで見られるはずもないと思うので・・・。

>まあ、さすがにアイロンがけはねーよと思いましたが(笑)

これは、私は結構スムーズに受け入れられました。
今の感覚では、おかしいかもしれないけど、
やはりモノがない時代の方が、人間はよく動いた、という意味で・・・です。

>若干猫背が気になってお嬢様らしくないなあとは思ったものの、

ほほほ・・・全然気付きませんでした、宵乃さん鋭いですね~!!!

>記事を読みピーターの様子からすべてを?察して優しく声を掛ける編集長などもしみじみ良かったです。

このヒトも良いですよね~!

本当に見て頂いて、良い印象で、私も嬉しいです☆
ほぼ高校時代の目線のまま見られる、数少ない作品のうちのひとつですので!


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2013/12/10 15:07  miri〔編集

>miriさん

> 素敵なイラストで、本当にレッド・バトラーだけではない彼が素晴らしい☆
> 彼女はよく知らないけど、この作品で花咲いて素敵ですね!

いらっしゃいませ♪
観ている間レッド・バトラーの俳優さんだとは気づきませんでした。雰囲気がぜんぜん違いますよね~。
ヒロインは眉毛が気になって、描く時に現代風にしたら普通に美人さんだとわかりました(笑)
この時代の化粧の流行は理解できません…。

> まぁ、ある種の映画の「カタチ」を作った作品ですよね、そうでなければ21世紀にまで見られるはずもないと思うので・・・。

こういう作品に出会えると、映画は様々な人が時間をかけて作り上げていったんだなぁと感慨深くなります。これからも新たなカタチが生まれていってほしいです。

> これは、私は結構スムーズに受け入れられました。
> 今の感覚では、おかしいかもしれないけど、
> やはりモノがない時代の方が、人間はよく動いた、という意味で・・・です。

よく考えたら今でも主夫とかいるんだし、あり得ないことではないですよね。
ただ、彼のイメージではなかったので驚きました(笑)

> ほほほ・・・全然気付きませんでした、宵乃さん鋭いですね~!!!

顔を見分けるのが苦手な分、骨格や姿勢に目がいくのかも?
首のあたりがもっとシュッとしてればなぁと思ってしまいました。

> 本当に見て頂いて、良い印象で、私も嬉しいです☆
> ほぼ高校時代の目線のまま見られる、数少ない作品のうちのひとつですので!

私の方こそ観られてよかったです。miriさんの記事を読んでからずっと観たいと思っていて、録画はしてあったのにこんなに遅くなってしまって…アハハ。
わたしにとっても思い出の作品になりそうです!
2013/12/11 07:41  宵乃〔編集
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或る夜の出来事
(1934/フランク・キャプラ監督/クラーク・ゲイブル、クローデット・コルベール、ウォルター・コノリー、ロスコー・カーンズ、アラン・ヘイル、ウォード・ボンド/105分)
テアトル十瑠|2013-12-10 11:37
「或る夜の出来事」
 「或る夜の出来事」(「IT HAPPENED ONE NIGHT」1934年・米)    監督 フランク・キャプラ    脚色 ロバート・リスキン    原作 サミュエル・ホプキンス・アダムス    撮影 ジョセフ・ウォーカー    出演 クラーク・ゲイブル        ク...
セピア色の映画手帳|2013-12-09 23:48
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