映画「女と男の名誉」観た
原題:PRIZZI'S HONOR
製作:アメリカ’85
監督:ジョン・ヒューストン
原作:リチャード・コンドン
ジャンル:★犯罪/コメディ/サスペンス/ドラマ/ロマンス
【あらすじ】NYのマフィア、プリッツィ・ファミリーの一員で殺し屋を務めるチャーリー。彼はファミリーの結婚式でアイリーンという美女と出会い、一目惚れしてしまう。間もなく、ふたりは恋に落ちるが…。
冒頭で小さい子供のクリスマスプレゼントが金属製のナックルだったからコメディだと思ったら、ブラックの方でした(笑)
でも、主人公チャーリーが殺し屋のくせにどこか純で、そのアンバランスさがコミカルで可愛いんですよ。
元婚約者メイローズが父親に酷いことを言われ傷ついた時、彼は一目惚れした女性を探すので忙しいという態度で「なんてやつ!」と思ったんだけども、その想い人アイリーンと出会ってからの様子が微笑ましい!
本当に彼女に夢中で、瞳を見つめながら「(お互い)母親を知らなくても、母親から与えられなかったものを与えてくれる相手を、お互いに見つけ出した。運命の相手だ!」というような事を語るロマンティスト。
他の作品だったら、彼女のとある嘘によって、誰を信じていいかわからないようなサスペンスフルな展開になるところだけど、彼はけっこうあっさり信じてしまうんですよねぇ(笑)
その上、メイローズに言われてまさかの結婚!
その辺りから、メイローズの中でくすぶっていた黒い炎が見え始め、怖~い女の復讐が始まります。なんたって「アダムス・ファミリー」のモーティシア役の女優さんだから、含みのある笑顔にゾクッ!
化粧でやつれたように見せ、デタラメを言って父親がチャーリーを殺すようにし仕向け、ファミリーの名誉の問題だと逃げ場をなくし、興奮した父親に「お水を飲んで」と酒を飲ませた時の笑顔(イラストのシーン)が怖い怖い…。
彼女の思惑通りになったのか、チャーリーとアイリーンの想いがずれていく終盤はハラハラしてしまいました。
”シシリアン・マフィアは、金を手放すくらいなら子供を食べる”というアイリーンの元夫の言葉から、チャーリーを試すアイリーンが切ない…。
そして、打ちひしがれたチャーリーが求めるのは、やはりメイローズ。彼からの電話に、表情を輝かせるのと同時に朝日が差し込む演出が印象的。
「女と男の名誉」…その違いを考えさせられるブラックユーモア溢れる作品でした。ちなみに原題の意味は”プリッツィファミリーの名誉”です。
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