忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「メンフィス・ベル(1990)」観た

 | 戦争ドラマ  com(2) 

メンフィス・ベル(1990)
原題:MEMPHIS BELLE
製作:アメリカ'90
監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ
ジャンル:★青春/戦争

【あらすじ】24回の白昼爆撃任務を遂行した唯一の爆撃機、メンフィス・ベル。故郷に帰るまで最後の一回の飛行を前に、若き乗組員達はそれぞれの思いで前夜を過ごしていた。翌朝、メンフィス・ベルと10人の若者は飛び立ち…。

以前は顔を覚えられず早々に諦めつつ見てしまったけど、今回は再見ということで、わりと把握できたと思います。
あまり深く考えると引っかかる部分はあるものの、敵も味方も次々と死んでいく異常な状況下、一兵士である彼らの目線で観ると、いつの間にか引き込まれてました。
自分が死ねば仲間も死ぬかもしれないし、またこの任務のために他の兵士が送られる…。彼らはただ、自分が頑張ればそれだけ戦争は早く終わると信じて、任務を遂行するしかないんですよね。
出撃前のパーティでのそれぞれの様子や、お守りへの執着、女性や犬との触れ合い、想いを綴った詩など、(初見では気付かなかった)それぞれの不安の表れもしっかり描かれてました。
一方で、このプロパガンダのための作戦を成功させる事しか頭にない上官がちょこちょこイラつかせてくれるので、ますます彼らへの感情移入がしやすかったです(笑)
出撃後は、B-17の中が主になりますが、しだいに緊張感が高まり、いつの間にか彼らが全員無事に帰れるよう願いつつ観てました。
印象的なのが、撃ち落とした敵機に巻き込まれ、味方機が墜落するくだり。不慮の事故とはいえ、やるせない…。彼は一生忘れられないでしょう。
民間人をなるべく巻き込まないよう危険をかえりみず目的地上空に旋回するくだりも熱いです。美化してるだろうし、その後、米軍は方針を180度変え、彼らも東京などで無差別爆撃に加わったようですが、この時は”任務だから”ではなく良心もあったと信じたい!
いろいろ頭をよぎりつつ、それでも「帰れる!」とはしゃぐ彼らの姿に目頭が熱くなりました。
帰還中も詩を朗読した彼が負傷してハラハラ…ラストまで目が離せません。
再見してよかったです♪

■ Comment

字幕版を見ました☆

(吹き替え版も今月同じ局でオンエアあるようです)

こちらのタイトルとイラストしか知らなかったので「牧歌的な作品か」と誤解していて、途中からぎょぎょぎょの連続でした☆

このイラストのシーンは、多分、この映画での一番の良いシーンですよね、流石です! そしてこのシーンがあったからこそ、ラストに良い方向にいけたような気もします。

事実をドキュメンタリーで撮った当時の同タイトルの作品はもう今は見られないようですね・・・これは作りモノではあるけれども、詳しく戦闘機の中の事などを描いていて、やっぱりこんな連合軍に我が国が勝てるわけなかったのですよね~!!!

>一方で、このプロパガンダのための作戦を成功させる事しか頭にない上官がちょこちょこイラつかせてくれるので、ますます彼らへの感情移入がしやすかったです(笑)

まぁそうなんですけど、年齢的にあの上官たちにも、私はこころを寄せてしまいました(笑)。 

>印象的なのが、撃ち落とした敵機に巻き込まれ、味方機が墜落するくだり。不慮の事故とはいえ、やるせない…。彼は一生忘れられないでしょう。

多分こんな事は事実としては よくあったのでしょうけど、映画で見ることはほとんどなかったので、凄くビックリしたし、印象に残るシーンでした(涙)。

>民間人をなるべく巻き込まないよう危険をかえりみず目的地上空に旋回するくだりも熱いです。

これはちょっと信じられなくって、何で日本ばっかり(もちろん市街地への爆撃も含め)原爆を落とされたのか?と、思いました。

>この時は”任務だから”ではなく良心もあったと信じたい!

1943年のヨーロッパでの出来事なので、太平洋の前線とは全く違うようにも思いました。

>帰還中も詩を朗読した彼が負傷してハラハラ…ラストまで目が離せません。

彼が助かって良かったと、思った事は思いましたが・・・いまひとつスッキリしない映画でした・・・多分、自分が日本人だからなのでしょうね・・・こころが狭くて申し訳ありませんでした。


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2015/08/03 19:22  miri〔編集

>miriさん

いらっしゃいませ!
同じ局で吹き替え版と字幕版を近い時期にオンエアするなんて、気が利く局ですね。
イラストのせいで驚かせてしまったみたいですが、なかなか良い印象を持っていただけたようで良かったです。ホント、この作品にとってこのシーンは欠かすことのできない、心に残るシーンでした。

> 事実をドキュメンタリーで撮った当時の同タイトルの作品はもう今は見られないようですね・・・これは作りモノではあるけれども、詳しく戦闘機の中の事などを描いていて、やっぱりこんな連合軍に我が国が勝てるわけなかったのですよね~!!!

ドキュメンタリーの方はGyaoで見かけたような気がします。何故か頻繁に戦争記録映像を配信してるんですよ。
でも、仰るように作り物には作り物なりの良さがあって、わかりやすいし当時残せなかった部分も伝えていていいですよね。日本軍も情報をしっかり把握してれば、勝てないとわかっただろうに…。

> まぁそうなんですけど、年齢的にあの上官たちにも、私はこころを寄せてしまいました(笑)。

この部分、元の感想では(まあ、彼なりに祖国のことを考えてのことなんだろうけど…)という一文がありました。長いので結構削ってます(汗)
うざいなぁと思いつつ、憎みきれないところはありますね。

> 多分こんな事は事実としては よくあったのでしょうけど、映画で見ることはほとんどなかったので、凄くビックリしたし、印象に残るシーンでした(涙)。

ここも胸が痛くなるエピソードで、思い出したらうるっときました。実際によくあったんでしょうね…考えただけでも痛ましい…。

> >民間人をなるべく巻き込まないよう危険をかえりみず目的地上空に旋回するくだりも熱いです。
> これはちょっと信じられなくって、何で日本ばっかり(もちろん市街地への爆撃も含め)原爆を落とされたのか?と、思いました。

感想を書いた時にかなり調べたんですが、結局のところ最初は余裕もあったしプロパガンダに利用するため(日本やドイツに対しても)無差別爆撃は避けていたけど、それでは効果が薄く業を煮やしてという事みたいです。
旋廻するくだりは脚色でしょうし、精密爆撃と言っても当時の技術では目標にピンポイントで当たっても周囲に被害は出てたでしょうけど、彼らのような青年が自分の心を守るために「自分は無差別に殺してはいない」と思い込もうとして、こういうヒロイックな自分を演じることはありえないことではないなぁと思えました。

> 彼が助かって良かったと、思った事は思いましたが・・・いまひとつスッキリしない映画でした・・・多分、自分が日本人だからなのでしょうね・・・こころが狭くて申し訳ありませんでした。

いえいえ、別に謝ることじゃないですよ。
観て下さってありがとうございました!
2015/08/04 16:17  宵乃〔編集
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