製作:日本’08
監督:中西健二
原作:重松清
ジャンル:ドラマ
【あらすじ】東ヶ丘中学2年1組に臨時教師の村内先生がやってきた。彼は着任早々、転校した野口の机を教室に戻させ、その机に向かって「野口君、おはよう」と語りかける。過ちを忘れ去ろうとしていた生徒たちは動揺し…。
地味だけとよかったです。
吃音者の先生が、いじめた側の責任を言葉少なめに語っていて、それが至極もっともな内容で納得できました。説教くさくはなくて反発することなく聞いてられるんですよね。邦画はこういうのが下手な作品が多いからちょっと意外。
あと、先生の”本気の言葉には本気で応える”という態度が真摯で素晴らしい。反省文を書かせて終わらせようという教師たちとは違うし、ふと普段の自分の事を反省させられます。
苛立つ彼らが、先生のもっともなお話をあんなふうに聞けるのかという疑問もありますが、一対一で相手の目を見て、本気で聞こうとするあの姿勢を見れば、やはり納得できてしまいます。
相手はあの大きな先生だし、本気で向き合われたら、たとえ周りに仲間がいたとしても一人と変らない。自分がただのかんしゃくを起こしている子供だと気付いてしまうのでしょう。
忘れてはいけない、その責任を受け入れた子供たちの迷いがふっきれた表情が印象的でした。
重いテーマながらラストは爽やかだし、考えさせられ、気付かされる作品だったと思います。学校などで見てほしい!