映画「沓掛時次郎」観た

製作:日本’61
監督:池広一夫
原作:長谷川伸
ジャンル:時代劇
【あらすじ】渡世の義理から三蔵に一太刀浴びせた時次郎。だがその後、依頼人の助五郎が三蔵の女房を奪うために止めを刺す。それを知り、逆に助五郎らに立ち向かった時次郎は、三蔵に託された女房おきぬと伜太郎吉を連れて逃げるが…。
勧善懲悪で、いかにもという感じの義理と人情の股旅ものでした。
市川雷蔵が嵌ってましたね~。ホント爽やかで気持ちの良い男を演じています。
股旅ものの王道パターンを、陳腐に見せない演技と存在感。さすがにキマってる!
それに歌がたくさん聞けます。幼い子供を元気付けるため、とっても優しい表情で歌うのがいい。
おきぬが病に倒れれば、何里も先にある彼女の実家に走っていって、勘当された彼女を許してほしいと頼みに行くし、無下に断られても、飴売りをして薬代を稼ごうとします。
赤の他人のためにそこまで尽くし、恩のある徳兵衛(志村喬さん)がピンチとなれば助っ人として駆けつける…まさにヒーロー!
それらがしっくりくるのが時代劇のいいところ。大切な場面では、悪役は黙って待っているのもお約束です。
ネタバレですが、おきぬが虫の息の時、おきぬを手に入れるために事を起こした張本人は蚊帳の外。自分の部下が彼女を気絶させようとして死なせたのに、時次郎とのかーなーりー長いお別れをじっと黙って待っているのには笑わされます。もう後ろから刺しちゃいなよ!(笑)
あと、幼いたろきちが可愛かったですね。ちょっと舌足らずに”おっかちゃん”、”おいちゃん”と呼ぶのがホント可愛い。悪漢に一緒に旅している男の名前を聞かれ「おいちゃんって呼んでるけど、心では”おとっつぁん”って呼んでるんだ」というような事を言うのにはきゅんとしてしまいました。それがラストに繋がって…わかってるけど爽やかな感動が。
たまにはこういうコッテコテな人情時代劇もいいですね~。
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■ Comment
宵乃さん。こんばんは。今日から師走です。寒くなりました。
>「沓掛時次郎」をご覧になったんですね。確か記事にしてたはず。
カ行になかったので、「沓掛時次郎 忘却エンドロール」で検索して、ここに来ました。
>勧善懲悪で、いかにもという感じの義理と人情の股旅ものでした。
そうなんですよ。一宿一飯の義理から六田の三蔵を斬る事になった時次郎。三蔵の腕を斬る程度に止める。しかし、三蔵の女房のおきぬ(新珠三千代)を自分のものしようという溜田の助五郎一家に三蔵は殺されてしまう。
いかにも股旅ものです。
>恩のある徳兵衛(志村喬さん)がピンチとなれば助っ人として駆けつける
志村喬が大御所と言う感じで良かったです。杉村春子が演じる桔梗屋の女将も見逃せません。
2015/12/01 19:43 間諜X72〔
編集〕
こんばんは。もう12月なんですね〜、早いなぁ。
でも、確かに冬らしく寒くなってきました。
> カ行になかったので、「沓掛時次郎 忘却エンドロール」で検索して、ここに来ました。
すみません、読み方がわからなくて、調べてからやろうと思って忘れてたかも(汗)
先ほど、追加しておきました。
> そうなんですよ。一宿一飯の義理から六田の三蔵を斬る事になった時次郎。三蔵の腕を斬る程度に止める。しかし、三蔵の女房のおきぬ(新珠三千代)を自分のものしようという溜田の助五郎一家に三蔵は殺されてしまう。
彼の人となりがわかる、わかりやすい導入部でした。
実は股旅ものはそんなにみたことがないんですが、王道という感じが伝わってきます。
> 志村喬が大御所と言う感じで良かったです。杉村春子が演じる桔梗屋の女将も見逃せません。
おぉ、そういえば志村さんが出てたんでした。女将さんのことは思い出せないけれど、良い役者さんが揃った作品なんですね。
コメント有難うございました♪
>ちょっと舌足らずに”おっかちゃん”、”おいちゃん”と呼ぶのがホント可愛い。
そうですね。太郎吉を演じた人に関して調べたら・・・。
「1962年のTVドラマ(詳細不明)の出演を最後に、芸能活動はしていない。その後、京都大学医学部を卒業し、現在、放射線科医師となっている。」そうです。
>自分の部下が彼女を気絶させようとして死なせたのに、時次郎とのかーなーりー長いお別れをじっと黙って待っているのには笑わされます。
>もう後ろから刺しちゃいなよ!(笑)
まあ、そこが股旅ものの良い所かも知れません(笑)。
2015/12/03 07:41 間諜X72〔
編集〕
またまたコメントありがとうございます。
あの舌っ足らずな子役くん、お医者さんになったんですか~。なんだかイメージ湧かないけれど、頑張ったんでしょうね。
彼にとってこの作品は、子役時代の輝かしい思い出になってるかな。なにせ雷さまと共演ですから。
> まあ、そこが股旅ものの良い所かも知れません(笑)。
あはは、お約束ってやつですね!
市川雷蔵主演「ひとり狼」を見ました。1968年製作。
オープニングや主題歌が、「中山七里」や「沓掛時次郎」の時代よりも進んで雷蔵映画の後期と言った感じです。
この頃の彼の身体は病魔に蝕まれていたと思います。それでも熱演していたかと思うと悲しくなります・・・。
>あの舌っ足らずな子役くん
>子役時代の輝かしい思い出
彼の人生にとって励みになったと思います。
2015/12/08 21:06 間諜X72〔
編集〕
いらっしゃいませ!
そちらの作品は未見ですが、後期の作品となると彼の体調の方も気にかかってしまいますよね。
でもきっと、ご本人は観客に映画の世界を心から楽しんでほしいと思っているんじゃないかな~。
今はネットで簡単に情報が入って便利ですけど、知りすぎて失う物もあるのかも…。
それでも間諜X72さんのように、昔の作品も積極的に観てくれる方がいて喜んでいると思います♪