映画「アナと雪の女王」観た
読み:あなとゆきのじょおう
原題:FROZEN
製作:アメリカ’2013 102分
監督:クリス・バック、ジェニファー・リー
原案:アンデルセン
ジャンル:ファンタジー/アドベンチャー/ミュージカル
【あらすじ】アレンデール王国の王女エルサとアナは仲良し姉妹だったが、冷気を操るエルサの魔法の力がアナを危険にさらしたのをきっかけにエルサは部屋に閉じこもってしまう。国王夫妻は娘の力を抑える方法を探すも不慮の事故で逝去。やがてエルサは新女王として戴冠式に臨むが、再び魔法の力が暴走し…。
ファンタジー企画参加作品第一弾はこちら。序盤からご都合主義全開で若干もやもやしましたが、全体的には家族と楽しめる作品でした。
両親に関しては舞台装置も同然の描かれ方ですよね。想い合うアナとエルサがすれ違う様子を描くために、そのお膳立てをする役でしかなくて、自分で考えて行動する1人の人間にはとても見えなかったです。
子供を心配するあまり失敗するのはよくあることですけど、仮にも王族ですから政治から完全に遠ざかることなんてできないと思うんですよ。どこまで自分たちでやって、どこから臣下に任せたのか?
旅立つ時に子供たちを頼むといった様子も描かれないから、王族であり親でもあるというキャラクターがふわふわしたものになってました。これなら肖像画以外で顔を見せず、童話の導入部みたいに語りで過去の話をした方が良かったのでは。中途半端に描くから「この国よく滅びなかったな…」と余計なことを考えてしまう(汗)
でもまあ、正反対な姉妹は可愛かったし、臭いとかなんとか言われてるクリストフの扱いの残念さも面白かったし、ミュージカル部分も良かったです。
とくにCMで何度も流されていたあの曲のシーン。前後の話が分からないから人気だと聞いても「ふーん」という感じでしたが、わかってみるとエルサの決意とアナを想う気持ちが伝わってきて良かったです。
二度と城には戻らない、つまり今まで以上の孤独な生活が待っている彼女が、そんなものには屈しないと宣戦布告しているようですよね。寂しい、怖いという気持ちを押し込めて、今まで恐れ嫌っていたいた自分の能力も、ここでなら思う存分使えるから問題ない、自分は弱くない、一人でやっていけるとありのままの姿を肯定して、自分を鼓舞してるみたいな。
元の歌詞がどうかはわかりませんが「これでいいの 少しも寒くないわ」「ほっとしているの さびしくないわ」の歌詞に込められた裏腹な気持ちを考えると切なくなりました。
やってることは昔と変わらず「他人と距離を置く」ことなんですが、自分を受け入れる事は相手を受け入れる準備としてエルサに必要なステップだったと思います。
ただ、あんな高いところの高いお城から外を眺めれば、一目で国中が氷に覆われてるのはわかったんじゃないかなぁ、とは思いました。
そして後半の転の部分ですが、個人的にはあの王子がアナのファーストキスを奪わなかったのが生ぬるいな…と思ってしまいました。子供向け作品に何を期待してるんだ私は(汗)
でも期待してキスしたのにどうして…となった方が刺激的だし、アナが真実の愛について考えるきっかけにもなったと思うんですよ。姉妹愛を劇的に描くための踏み台にされたクリストフのこともあるし…。まあ、あの時クリストフとキスしても魔法は解けなかっただろうから(自分を犠牲にしても構わないほどの愛をアナがクリストフに抱いていたとは思えない)、アナが痛い目みようがクリストフが可哀そうなことには変わりないんですが。
あと、あっさりオラフが復活するのは「もう少し溜めろよ」と思ってしまったものの、まあ納得できました。なんたってエリサの能力があるので、助けられなきゃおかしくなってしまう。
それに、両親がしっかり描かれていたなら、あれは子供を想う両親の願いから生まれた天使的な存在だと解釈していたところですが、この作品の場合はアナとエリサの絆が無意識に生み出した魔法という感じで。彼女らが必要とする限り存在する妖精みたいなもんですよね。
…心が汚れた大人視点で言えば、グッズ展開するのに消えてもらっちゃ困るというのもあるでしょう(笑)
続けて見た「アナと雪の女王/家族の思い出」でもオラフが大活躍してました。完全にエルサとアナの子供。
思ってたよりもぜんぜん楽しめたので、見て良かったです。
- 関連記事
- 「アナと雪の女王2」感想