映画「戦場のアリア」観ました

読み:せんじょうのありあ
原題:JOYEUX NOEL
MERRY CHRISTMAS
製作:フランス/ドイツ/イギリス/ベルギー/ルーマニア’05 117分
監督:クリスチャン・カリオン
ジャンル:★ドラマ/戦争
【あらすじ】1914年、第一次大戦下のフランス北部デルソー。そこでは数十メートルを隔てて、ドイツ軍とフランス・スコットランド連合軍が対峙していた。やがて迎えたクリスマスの夜、妻と再会し塹壕で歌を披露したテノール歌手のニコラウスは、呼応するようにバグパイプの演奏を始めたスコットランド軍に歩み寄り…。
え、これもしや実話?実話を基にしてるの…?と思いながら鑑賞。マジで実話ですか…すげぇなぁ。奇跡とは人の心から生まれるもんなんだと痛感しました。宗教は争いをたくさん生み出してるけど、純粋な信仰心は奇跡や愛も生み出してるんですよね。戦争に勝つために信仰心を悪用する組織の人たちとの落差にうすら寒くなります。
クリスマスの夜に音楽と信仰心が繋いだ人々の心。死屍累々の戦場で敵味方関係なくクリスマスを祝うくだりは、何とも言えない奇妙な浮遊感がありました。まるで世界から切り離された場所のような。
昨日まで殺し合っていた相手なのに、顔を合わせて酒を酌み交わし話をしてみれば善き隣人なんですよ。相手も自分と同じ人間だという当たり前のことを肌で感じてしまって、戦争という悪夢から目覚めてしまいます。
戦争なんて悪夢のようなもの…。歯車が狂ってしまったのに、食い違いを直さず他の歯車の形を自分に合わせようとするようなものです。それがいかに馬鹿げたことか気付いてしまったら、そう簡単に元の狂った状態には戻れないですよね。
彼らが生み出した奇跡の時間に感動しつつも、そんなに仲良くしたら後が辛いのでは…と不安にならずにはいられなかったのですが、案の定上層部に目をつけられて過酷な戦場へ…。貨物列車の中から響く歌声にやるせなくなりました。
ところどころ誰がどの国の人なのかわからなくて乗り切れなかった部分はあったものの、こういう事実があったこと、美しい戦場のミサ、そしてご近所のにゃんこにドイツ兵とフランス兵がそれぞれ別の名前をつけて可愛がっていたエピソードなどが印象に残りました。
それぞれの国の塹壕を行ったり来たりするくだりはシュールだったなぁ。
観られてよかったです。
■ Comment
もう6年も経っているのに、胸に浮かぶ熱くて暖かい想い・・・。
素晴らしい作品でした☆
>え、これもしや実話?実話を基にしてるの…?と思いながら鑑賞。マジで実話ですか…すげぇなぁ。
私もきっと実話だろうと思いながら見たけど、ホントに実話と知りすげえと思いました☆ まるで同じですね(笑)。
>奇跡とは人の心から生まれるもんなんだと痛感しました。
そうなんですよ~!
奇跡って魔法ではなく、そういうところから生まれるんですよね!
>まるで世界から切り離された場所のような。
最前線とは元々そういう場所だけど、この時はまた格別でした。
>昨日まで殺し合っていた相手なのに、顔を合わせて酒を酌み交わし話をしてみれば善き隣人なんですよ。相手も自分と同じ人間だという当たり前のことを肌で感じてしまって、戦争という悪夢から目覚めてしまいます。・・・以下
宵乃さんの書かれたとおりです。
私たちは実体験として戦争を感じることはなくても
こうして良い映画作品から多くを学べますよね~!
>ところどころ誰がどの国の人なのかわからなくて乗り切れなかった部分はあったものの、
字幕でしたか? 吹き替えだと分かりにくいような気もします。
字幕版では各国語がきちんと使われていました。
>美しい戦場のミサ
美しかったです、音楽の使い方の良い作品でした♪
口パクと責める人も多かったようですが、それは小さなことだと思いました。
>それぞれの国の塹壕を行ったり来たりするくだりはシュールだったなぁ。
>観られてよかったです。
再見したくないことはないけど、もうすっかり忘れてからの方が良いかもしれませんね・・・いろいろと辛くて・・・でもきっといつか再見しようと思えました。
記事を書いてくれて、有難うございました☆
.
こちらにもコメントありがとうございます♪
miriさんのお好きな作品でしたか。6年経っても見た人に何かを残すってすごいことですね。
> 私もきっと実話だろうと思いながら見たけど、ホントに実話と知りすげえと思いました☆ まるで同じですね(笑)。
きっと見た人の誰もが驚くと思います。まさに奇跡!
人類の歴史の中でこんな奇跡を起こせたということが嬉しくなります。
> 奇跡って魔法ではなく、そういうところから生まれるんですよね!
そうですね。魔法なんてなくても、こんなに素晴らしいことが起こせるということを皆に知ってもらいたいと思えました。ファンタジーの中にしか救いがないなんて悲しいですもんね。
> 私たちは実体験として戦争を感じることはなくてもこうして良い映画作品から多くを学べますよね~!
映画はただの娯楽ではなく、多くの人とたくさんのことを共有できるものなんだと痛感します。多くの子どもたちにも見てもらいたい作品ですね。
> 字幕版では各国語がきちんと使われていました。
字幕版でしたが、外国語は等しく右から左へ抜けていく人間なので(汗)
> 美しかったです、音楽の使い方の良い作品でした♪
> 口パクと責める人も多かったようですが、それは小さなことだと思いました。
口パク…そんなこと考えもしませんでした。
口の動きと歌詞が合ってなかったんでしょうか?
できるならそれに越したことはないけど、できないのを無理やりやっても映像の美しさが損なわれますしね~。演技もオペラもできて映像映えする人が、その時代に何人いるんだろうか…。
> ・・・でもきっといつか再見しようと思えました。
> 記事を書いてくれて、有難うございました☆
そう言ってもらえて嬉しいです。
いつかmiriさんに最適な再見のチャンスが巡ってきますように!
ちなみにこのやりとりの間に、枢軸軍連合軍、それぞれに相手の陣地を偵察し、次の日から戦場はさらに地獄になった、というほのぼのできぬ逸話が……。
2020/06/15 18:06 ポール・ブリッツ〔
編集〕
最初から偵察の命を受けていたのか、帰ってきた兵士に話すように命じたのか…。
まあどちらにしろ戦争は恐ろしいですね。でも、そういう場所だとわかっていながら、それでもクリスマスを一緒に祝おうと思えたことが奇跡なんでしょう。
.