映画「アメイジング・グレイス」観ました

原題:AMAZING GRACE
製作:イギリス’06
監督:マイケル・アプテッド
ジャンル:★ドラマ/歴史劇
【あらすじ】18世紀。イギリスの収入の多くが奴隷貿易によるものであることに心を痛めていたウィリアム。元奴隷船の船長である恩師が、その罪を悔いて作詞した「アメイジング・グレイス」を心の支えに、彼は政治家として奴隷貿易廃止を懸命に訴え続ける。
奴隷制度が酷かったというのはわかっていたつもりだったけど、ここで伝えているのは想像以上でした。まるで苦しめるためだけに捕まえてきたかのような扱い…。もし映像で見せられてたら、ウィリアムのようにうなされそうです。
冒頭の馬のエピソードがこれから描かれるものの全てを要約してるといってもいいですね。凍えるような雨のなか、体調が優れないのに馬車を止めて馬を助けるウィリアム。誰かが苦しんでいるのを見てみぬ振りをする方が、自分が苦しい思いをするより辛いという彼の性分がわかります。使用人たちが彼と友人のように接しているのも、彼の人柄が伝わってきました。
ウィリアムの現在の苦悩とバーバラとの出会いを描きつつ、理想のために戦った過去を振り返っていく構成が微妙に混乱したけど、二つの時系列がひとつに繋がって、そこから本当の戦いが始まるという展開が熱い。彼に足りなかったのは彼女だった!
ラスト、彼が最期まで不正と戦い続けた事が示され、妻の事は触れられてないものの、彼女が支えたからこそ戦い続けることが出来たんだと思えました。
また、かつて奴隷船の船長で、今は後悔して牧師をしている恩師も忘れちゃなりません。「我々が猿で、彼らだけが人間だった…!」というセリフとか、盲目になって「今なら見える」と涙を流すシーンが印象的。
アメイジンググレイスという曲に込められた想いや、奴隷制度廃止のために戦った人々について知ることができて良かったです。
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■ Comment
昨年12月に見ました☆
BS3はキレイなので録画保存したので、ずっと後で再見したいと思います。
>奴隷制度が酷かったというのはわかっていたつもりだったけど・・・中略・・・
>もし映像で見せられてたら、ウィリアムのようにうなされそうです。
仰るとおりです・・・。
この件ですが、ネットで「映像で見たかった」と書いていた人間がいたので
もう心底驚きました。 想像でさえ、夢に出てきそうなのに・・・。
>・・・彼の人柄が伝わってきました。
彼の人柄は、丁寧に描写されていて、いろんな意味で、その後の事が納得いきますよね・・・。
>・・・二つの時系列がひとつに繋がって、そこから本当の戦いが始まるという展開が熱い。
結構な作品を撮っていらっしゃる監督さんなので、演出力は凄かったです。
>彼に足りなかったのは彼女だった!
もちろんそうなのですが、彼女以外の、周りの人のいろんな力も、信じられました。
>また、かつて奴隷船の船長で、今は後悔して牧師をしている恩師も忘れちゃなりません。「我々が猿で、彼らだけが人間だった…!」というセリフとか、盲目になって「今なら見える」と涙を流すシーンが印象的。
アルバート・フィニー、静かに燃える演技でしたね。
いつも2万の亡霊とともにいるという言葉は、胸を強く打ちました☆
いや~イラスト、素晴らしい、迫ってきますよ~!!!
>アメイジンググレイスという曲に込められた想いや、奴隷制度廃止のために戦った人々について知ることができて良かったです。
私も知らなかった事ばかりでお恥ずかしい・・・
こういう映画で(事実そのものとは少し違うかもしれないけど)
良い意味で、歴史を伝える良作映画が、たくさんできると良いですね♪
2013/07/04 18:54 miri〔
編集〕
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2013/07/04 18:55
いらっしゃいませ!
やっぱり観てらしたんですよね。見覚えがあったので検索して探したんですが、何故か見つからなくて。後で伺います♪
> この件ですが、ネットで「映像で見たかった」と書いていた人間がいたので
> もう心底驚きました。 想像でさえ、夢に出てきそうなのに・・・。
それはそれは…精神的にタフな方のようで…。わたしたちのような鑑賞者に優しい作品でよかったです。映像で観たらトラウマになって、内容を振り返る事もできなさそうだし…。
> 彼の人柄は、丁寧に描写されていて、いろんな意味で、その後の事が納得いきますよね・・・。
> 結構な作品を撮っていらっしゃる監督さんなので、演出力は凄かったです。
ホント、観ていて引き込まれるし印象に残るシーンも多く、自然と当時のことや今もなくならない差別について考えさせられました。
> もちろんそうなのですが、彼女以外の、周りの人のいろんな力も、信じられました。
そうそう、彼に足りなかった最後のものが彼女という印象でした。仲間の誰が欠けても成し遂げられなかったと思います。数少ないコミカルなシーンである、彼女と引き合わせてくれた夫婦も!
> アルバート・フィニー、静かに燃える演技でしたね。
> いつも2万の亡霊とともにいるという言葉は、胸を強く打ちました☆
> いや~イラスト、素晴らしい、迫ってきますよ~!!!
結婚式であの曲を歌うふたりを描こうかと思ったんですが、彼の迫真の演技にやられました。”いつも2万の亡霊とともにいる”というセリフもありましたね。影の主役だったと思います。
> 私も知らなかった事ばかりでお恥ずかしい・・・
> こういう映画で(事実そのものとは少し違うかもしれないけど)
> 良い意味で、歴史を伝える良作映画が、たくさんできると良いですね♪
わたしもこの作品に出会ってなければ、アメイジング・グレイスが流れても「いい曲だな~」で終わっていたと思います。素晴らしい作品でした。
このような作品がこれからもたくさん作られていく事を願ってます!
どうもです。
この映画は知りませんでしたけど、最初にピアノで習った曲が確か、この曲だった気がします。アメリカでよく歌われる賛美歌だと聞いていたのですけど、メロディと和音が凄く美しくて好きな曲ですね。
でも、この曲が生まれた背景までは知りませんでした。ちょっと気になるお話ですね。
いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
新しいピアノブログの方、すっきりしていて見やすいです。イラストやピアノやホームページ制作など、しっかり仕事と両立して頑張ってらっしゃいますよね~。
これからも応援しています♪
> アメリカでよく歌われる賛美歌だと聞いていたのですけど、メロディと和音が凄く美しくて好きな曲ですね。
ピアノで最初に習った曲ですか~、メロディが覚えやすいしテンポもゆっくりだから、ピアノに慣れるのにはちょうどいいのかもしれませんね。
この曲を上手く弾けるようになったら、楽しいだろうなぁ。綺麗な曲だと思っていたけど、この作品を観てますます好きになっちゃいました。
> でも、この曲が生まれた背景までは知りませんでした。ちょっと気になるお話ですね。
わたしも初めて知りました。こういう出来事や想いを風化させずに、このような素晴らしい作品にして伝えられるところも映画の良いところですよね。
機会があったらぜひ!