忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「チャップリンの殺人狂時代」観ました

チャップリンの殺人狂時代
原題:MONSIEUR VERDOUX
製作:アメリカ’47
監督:チャールズ・チャップリン
ジャンル:★コメディ

【あらすじ】まじめな銀行員アンリ・ヴェルドゥは不況のあおりで失業、足の悪い妻と幼い息子を抱えて新しい仕事を探さねばならなかった。一方、フランス各地で婦人の失踪事件が12件も発生している事に気付いた警察は、殺人事件とみて捜査を開始するが……。

不思議ですね~、やってる事は残酷で許されない事なのに、チャップリンが演じていると時々「怖っ!」とは思うものの(お金を数えるシーンとか)嫌悪感はなくて、クスクスと笑わされることも。
最近、彼の昔の短編をたくさん観て”手癖、女癖、酒癖の悪いチャップリン”に慣れていたので、むしろ必死に生きるために(間違った方向でも)頑張って”仕事”をしている主人公を受け入れられてしまったのかもしれません。
この作品では残酷な面とともに、妻子の前での優しさや消耗した様子も見せていて、早くこの仕事をやめたいと思っているのが伝わってきたのがよかったのかも。あの下品な笑い声の女性とのやり取りなんて、いつの間にか主人公の方を応援してました(笑)
後半、ひとりの若い女性との出会いで彼の運命が変っていく、シリアスな展開にも考えさせられます。
戦争で負傷した夫を守るために盗みまでした彼女に一度は共感したものの、再会した時には軍需会社社長の愛人となって、そのお金で恩返ししたいと言う彼女。それに対し、彼が取った行動、そして彼の言葉が痛烈です。
後悔や反省の言葉でなくあえて「一人殺せば犯罪者、100万人殺せば英雄」という言葉を、連続殺人犯の裁判という大舞台で伝える事が、彼に出来る精一杯の償いだったんでしょうね…。
それを聞く彼女の表情が印象に残りました。
観てよかったです。

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「モダン・タイムス」観ました

■ Comment

緊張感ただようイラストですね~☆

窓もカーテンも椅子の背も、彼と同じ表情に見えます。

>観てよかったです。

いや~全く嬉しいです! ホッとしました☆

>嫌悪感はなくて、クスクスと笑わされることも。
>最近、彼の昔の短編をたくさん観て”手癖、女癖、酒癖の悪いチャップリン”に慣れていたので、

やはりイラストを描きながらの短編めぐりには深い深い意味があったのですね~!
もしそれがなければ、この作品の彼に「嫌悪感」だけを感じられたかもしれない・・・
そうではなかったかもしれないけど、どうしてもそんな気がして・・・

>むしろ必死に生きるために(間違った方向でも)頑張って”仕事”をしている主人公を受け入れられてしまった
>早くこの仕事をやめたいと思っているのが伝わってきたのがよかったのかも。
>あの下品な笑い声の女性とのやり取りなんて、いつの間にか主人公の方を応援してました(笑)

このあたりまでは、私の(高校生の)初見時も同様な感覚だったと思います。
分かりやすい彼の他の作品のギャグや泣き笑いに通じる・・・ところだったと思います。

>後半、ひとりの若い女性との出会いで彼の運命が変っていく、シリアスな展開にも考えさせられます。

しかしドキドキしましたよね~
やるんかい?やらんのかい?と。。。

>「一人殺せば犯罪者、100万人殺せば英雄」という言葉を、連続殺人犯の裁判という大舞台で伝える事が、彼に出来る精一杯の償いだったんでしょうね…。
>それを聞く彼女の表情が印象に残りました。

宵乃さんはシッカリと筋に沿って、書いていらして、きっとそうだと思います。
もう少し引いて見て、スクリーンの向こう側の、
大量兵器を作るヒト売るヒト買うヒト使うヒトに、言いたかったのだとも思えますね~。

イギリス人なのに、フランスに憧れていたような気がします。
可愛いよな・・・そんな感じです♪
見て下さって、素敵なイラストと記事を、ありがとう~!
2013/05/25 14:22  miri編集

>miriさん

> 緊張感ただようイラストですね~☆
> 窓もカーテンも椅子の背も、彼と同じ表情に見えます。

ありがとうございます♪
チャップリンってこんなに悪い顔も出来たんだ~と驚かされました。
コミカルにわたわたしながら、ふとこんな顔を見せられるとゾクッとします。

> やはりイラストを描きながらの短編めぐりには深い深い意味があったのですね~!
> もしそれがなければ、この作品の彼に「嫌悪感」だけを感じられたかもしれない・・・

そうですよね~、ホント短編を観てよかったです(まだ見終わってないけど!)
「モダン・タイムス」を観るタイミングも、もう少し違っていればなぁと思いました。でも、再見する時には心から楽しめそうです♪

> このあたりまでは、私の(高校生の)初見時も同様な感覚だったと思います。
> 分かりやすい彼の他の作品のギャグや泣き笑いに通じる・・・ところだったと思います。

こういう部分があって観やすかったです。やはり連続殺人犯が主役という事で、色々とバランスをとらないと観客の心が離れてしまいますもんね。

> しかしドキドキしましたよね~
> やるんかい?やらんのかい?と。。。

あんな親切顔で近づいて心のうちは…と思うとヒヤヒヤさせられました!
一瞬での心変わりも納得できるもので、一番見ごたえあるエピソードだったかも。

> 宵乃さんはシッカリと筋に沿って、書いていらして、きっとそうだと思います。
> もう少し引いて見て、スクリーンの向こう側の、
> 大量兵器を作るヒト売るヒト買うヒト使うヒトに、言いたかったのだとも思えますね~。

ありがとうございます。ネットで他の人の感想を読んでいたら”メッセージ性はわかるが、映画の中ではヴェルドゥの屁理屈だ”というような事を言っている人がいて、そりゃ違うだろうと思ったので書いてみました。

> イギリス人なのに、フランスに憧れていたような気がします。
> 可愛いよな・・・そんな感じです♪
> 見て下さって、素敵なイラストと記事を、ありがとう~!

こちらこそ紹介して下さってありがとうございました。
ちょっと今調べてみたら、赤狩りの危機に直面した時、フランスにいたピカソに助けを求めたらしいです。本当に憧れていたのかもしれませんね~。
2013/05/25 15:17  宵乃〔編集
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