製作:日本’77
監督:鈴木英夫
原作:横溝正史
ジャンル:★ミステリー
【あらすじ】昭和22年、集団毒殺で世間を騒がせた天銀堂事件。容疑をかけられていた椿元子爵が遺書を残して失踪、遺体で発見される。娘の美禰子の依頼で椿邸を訪れた金田一耕助だったが、間もなく玉虫元伯爵が殺され…。
オンエアしててわぁ~いと思って録画したものの、2時間だし、続きもやりそうにないし変だなぁと調べたらリメイクのTVドラマでした。古谷さんが老けてるよ!
という訳で、我慢できずに横溝正史シリーズ版を借りて観ました。
今回は出川刑事が登場で、日和警部が目立たなくなってますね。ちょっと残念。
金田一は相変わらずで、事件が起こると妙に楽しそうだし、逆立ちしてたら女中に「はぁ?!」って言われるし、ルーツを探りに旅に出ればその間に死人は増えるしで、いつも通りの金田一で安心でした(?)
人が多くて人間関係は把握し切れなかったけど、あき子と乳母がすごく印象的。
あき子は浮世離れした雰囲気が合ってるというか、もう何も考えたくない感じが複雑な境遇を匂わせてます。
「お嬢様!お嬢様!」と全てのものからあき子を守ろうとする乳母の過保護っぷりも、彼女の弱々しさを際立たせててましたね~。乳母の存在のおかげで、没落華族の時代錯誤な雰囲気も感じられてよかった。
逆に、依頼者でありながら傍観者になっていた美禰子は影が薄いです。表情に乏しいし、何を考えてるのかよくわからなかった。いる意味あったのかな?
ラストは、ドラマ版と違って最後には犯人が母親を許していたのにホッとしました。あき子はたぶん犠牲者だし、悪いのは全部あいつですよ!
そんなこんなで事件の背景はドロドロでしたが、金田一の「はぁ~っくしょい!」で終わらせてしまうのがなんとも(笑)
やっぱりこのシリーズ好きだわ。