2009年02月に観たお薦め映画

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「わが谷は緑なりき」観ました

 | 家族  com(6) 
Tag:ジョン・フォード 

わが谷は緑なりき
製作:アメリカ’41
原題:HOW GREEN WAS MY VALLEY
監督:ジョン・フォード
原作:リチャード・リュウエリン
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】19世紀、ウェールズの炭鉱町。炭鉱で働く父や兄たちをみて育った末っ子ヒュー。しかし、不況による影響はこの町にも表れ、賃金カットに抵抗する兄たちは父と対立し家を出る。静かになった家に寂しさを覚えながら、少年は様々な不幸を乗り越え成長してゆく。

不幸の連続ともいえる少年時代なのに、彼の目を通して見る”緑の谷”は美しく輝いていました。
窓辺からのぞく春の気配や、木漏れ日が降り注ぐ緑の谷のシーンでは、まるでその場にいるような感動を覚えます。上のイラストではちっとも伝わってきませんが、モノクロ映画とは思えないほどに鮮やかな印象を受けました。
そして、その映像に負けないくらい登場人物が魅力的で、とくに頑固おやじと肝っ玉母ちゃんのコンビは最強です。ヒューと数学を教わる父親に、「穴のあいた風呂おけに水を入れたりするものか」と母親が茶々を入れるシーンには笑わされました。
こうやって、辛い出来事も美しい思い出として振り返ることが出来るのは、大好きな家族や町の人々との思い出があったからこそなんだなと、しみじみ思いました。

関連記事
「怒りの葡萄」観ました
「バファロー大隊」観ました

映画「怒りの葡萄」観ました

 | 社会派  com(4) 
Tag:ジョン・フォード 

怒りの葡萄
製作:アメリカ’40
原題:THE GRAPES OF WRATH
監督:ジョン・フォード
原作:ジョン・スタインベック
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】仮釈放で4年ぶりにオクラホマの農場へ帰ったトムは、砂嵐と農場主による立ち退き命令で家族とカリフォルニアへ旅立つ。やっとの事で仕事を見つけるトムたちだったが、賃金カット反対ストの首謀者ケイシーが殺され…。

全体的に暗い雰囲気が付き纏うものの、仮釈放のトムを温かく迎える家族にホッとさせられます。仮釈放だと何度も言っているのに、脱獄だと信じて誇ってさえいるのにはちょっと笑えました。この家族が特別仲良しなのか、時代による違いなのかはわかりませんが、現代の日本だったらこの反応はありえないだろうな~という感じです。
その仲良し家族が、土壇場で残ると言い出した祖父を咳止めシロップで眠らせ(眠り薬にもなるの!?)、ぼろいトラックに大荷物と大家族を乗せて故郷を捨てるシーンも、なぜか絶望は感じないんですよね。この家族なら大丈夫だろうと思える力強さがあります。
しかし、十数人いた大家族が、ひとり、またひとりといなくなり、トラックの荷台が広くなっていくのは切なかったです。おそらく先に故郷を旅立った他の家族たちも、彼らと同じ様に辛い別れを経験しているんでしょうね…。
こんな辛い旅のなかで印象に残っているのは、ウエイトレスが1個5セントの飴を2個で1セントと言って売り、それを見ていた客がお釣りを受け取らず去っていくシーンです。ちょっとした優しさなんですが、彼らの苦難を見てきたらその”ちょっと”のありがたさが身に染みます。
ハッピーエンドというわけではない終り方も、家族の強い絆や人々の見せた優しさのおかげで希望を持つことができたと思います。

関連記事
「わが谷は緑なりき」観ました(同監督)
「エデンの東」観ました(同原作者)

映画「波止場」観ました

 | 社会派  com(4) 
Tag:エリア・カザン 

波止場
製作:アメリカ’54
原題:ON THE WATERFRONT
監督:エリア・カザン
原作:バッド・シュールバーグ
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】波止場を不当に仕切るボスに反抗し殺されてしまったジョーイ。それを知らず呼び出すのに協力したテリーは、反感を覚えながら保身のため大人しく従っていた。しかし、ジョーイの妹イディや神父が危険をかえりみず犯人さがしを始め…。

力強いラストが素晴らしいとか、主演のマーロン・ブランドがカッコイイとか、書くべき事は他にある気もするんですが、とりあえず今はハトを殺した少年の事で頭が一杯です。
まず、殺す意味が分からないし。
証言を”密告”と呼び、テリーを”裏切り者”扱いする大人たちを見て、憧れの対象で無くなった事を"裏切り”ととったんだろうという事は想像できます。
でも、ハトは関係ないじゃん!?君も世話してたジャン!!?
あいつの大切なものを奪ってやろうという残酷な気持ちに支配されてしまったんでしょうか。何羽殺しても気が済まなかった…というか、自分が恐ろしいことをしていると気付けなかった事が不思議です。
まあ、子供は残酷なものだし、育った環境によっては動物を殺すことにあまり抵抗ないのかもしれませんが。
…ともあれ、テリーの大切なものを奪ったことには違いありませんし、この後、態度を180度変えてしまった大人たちを見て、彼はどう思ったんでしょう?

関連記事
「エデンの東」観ました

映画「女相続人」観ました

女相続人
製作:アメリカ’49
原題:THE HEIRESS
監督:ウィリアム・ワイラー
原作:ヘンリー・ジェームズ
ジャンル:★サスペンス/ドラマ

【あらすじ】1850年ごろのNY。社交的でも器量がよい訳でもなく、刺繍以外とりえのないキャサリン。父親は亡き妻と彼女を比べては、その行く末を案じていた。ある日、叔母の計らいでパーティに出た彼女は、モーリスという好青年と出会い恋に落ちる。

<ネタバレ注意!!>
地味で内気で世間知らずなお嬢さん(30代)が、愛を失って”氷の女”に変貌するお話。
器量がよくないといっても、笑えば可愛いし、冷たい眼差しを向ければ跪く男も現れそうな女性です。自信がもてず自分から前に出ていけない地味な性格が、彼女の美しさを隠してしまっているんですね。そして、彼女が自信を持てない主な原因が、才色兼備の亡き妻を理想化し、ことあるごとに娘と比べてしまう父親です。
この父親が本当に要領の悪い男で、こんなに”褒めてもらいたいオーラ”をだしてる娘に「お前の母親はもっと~だった…」と追い討ちをかけ、財産目当ての男から見れば”いいカモ”の彼女をパーティで一人にしてしまいます。しかも、彼女から男を引き離そうとするために、”あんな男が刺繍しか出来ず美人でもないお前を愛するはずがない”というようなことを言ってしまう始末。
…まったくも~、男が財産目当てじゃないと言った時に、「じゃあ、遺産は孫に」とでも言っとけば良かったのに。
深く傷つき、憎しみに支配された彼女のささやかで怖~い復讐が見物です。

関連記事
「おしゃれ泥棒」観ました

映画「鉄コン筋クリート」観た

 | アニメ/人形アニメ  com(0) 
Tag:日本 

鉄コン筋クリート
製作:日本’06
監督:マイケル・アリアス
原作:松本大洋
ジャンル:アクション/ドラマ

【あらすじ】宝町を自在に飛び回り、スリやかっぱらいをして生きる少年シロとクロ。彼らは”ネコ”と呼ばれ町を縄張りにしていたが、そこへ昔なじみのやくざ”ネズミ”が戻ってくる。彼らは町の再開発を名目に、謎の男”蛇”を呼び寄せ…。

賑やかな町並みやシロの生みだす幻想の鮮やかな色使い、躍動感あふれるキャラクターの動きなど、アニメーションとしては素晴らしかったと思います。ただ、CMを観たときに感じた涙がこみ上げるほどの感動はありませんでした。(CMに感動しすぎ?)期待しすぎたせいなのか、観終わってどこか物足りなさを感じたというか…つまらなくはないけど響かなかったんですよね。

わたしは映画を観る時、そこに描かれている人・時間・場所だけではなく、それらが無限に広がって生きていると感じられるかどうかを重視していて、それさえあればただの食事風景でもちょっとした挨拶でも至福の瞬間に感じられます。でも、これではそれを感じなかった訳ですよ。宝町の外は白紙の世界しかないような気がするし、シロたちの他人との交わりは一方的で広がっていかない気がします。
まあ、この作品はシロとクロの”目”を通して見た世界を描いているようなので、閉じていて当然な気もするんですが、最後まで”二人だけの閉じた世界”のままで終わってしまう(ように見える)のはちょっと寂しいような。
シロが学校の子供たちをじっと見つめていたのは、その寂しさを知っていたからじゃないのかな?

映画「虎の尾を踏む男達」観た

 | 時代劇  com(0) 
Tag:黒澤明 日本 

虎の尾を踏む男達
製作:日本’45
監督:黒澤明
ジャンル:★時代劇/ドラマ

【あらすじ】1185年。兄・頼朝に命を狙われる義経は、弁慶らとともに山伏に扮し奥州へ落延びようとしていた。しかし、彼らを案内していた強力(ごうりき)から、情報を得た関守・富樫左衛門が待ち伏せていると知り…。

始めは桶狭間の戦いをやろうとしていたけど、馬が用意できず急遽変更したもの。戦時中で物や資金が不足するなか、その制約を楽しむように製作されたそうです。
能や歌舞伎を元にしているということですが、途中音楽に合わせて状況説明された(ミュージカル風?)こと以外は普通だった気がします。と言っても、能や歌舞伎なんて観たことないし、7割くらいセリフが聞き取れず映像と想像力でなんとか観てた状態なんですけどね。オリジナルの登場人物・強力の豊かな表情や動きで、セリフがわからなくても色々伝わってきました。
あと、観ているうちに山伏の衣装がなんか可愛いくみえてくるのが不思議。

関連記事
「乱」観ました
「影武者」観た

なつかしゲーム「ファミコン探偵倶楽部」やったよ

 | ゲーム  com(0) 

うしろに立つ少女
プレイすると宣言していた「ファイアーエムブレム 聖魔の光石」を放置して久しいんですが、Wiiバーチャルコンソールでファミコン探偵倶楽部シリーズが配信されていたので、つい浮気してしまいました。

一作目はファミコンで発売された「消えた後継者」
《あらすじ》 記憶喪失になった主人公は、自分が綾城家の当主の不審な死の調査に当たっていたと聞かされる。記憶を取り戻す為にも事件の調査を再開する主人公だったが、村では綾城家の死者蘇えり伝説が真しやかに囁かれていた。
《感想》 絵がちょっとショボイのと、「聞く」コマンドを使うたびに長いセリフが返ってきたりしてストレス溜まる場面もあったんですが、ストーリーやキャラクターがしっかりしていて面白かったです。この脚本を三日で書いたという話を後から聞いてビックリしました。

二作目はディスクシステムで発売され、その後スーパーファミコンでリメイクされた「うしろに立つ少女」
《あらすじ》 2年前のこと。両親を探していた主人公は探偵・空木と出会い、彼の事務所で助手として働き始める。やがて、女子高生殺人事件を調査することになった主人公は、被害者が死ぬ前に学校の怪談「うしろの少女」について調べていたと知り…。
《感想》 リメイク版だけあって絵が格段に綺麗になりました。聞き込みでも新しい情報がないときは「……」となるのでストレスも減少。遊びやすかったです。また、一作目でも登場していた”あゆみちゃん”との出会いが見られます。きっつい口調の彼女はどこへやら、薄幸の美少女といった感じでしばらく同一人物だと気付きませんでした。(笑)
ストーリーは某探偵漫画にパクられるくらいの出来のよさで、ホラー部分もパワーアップ。終盤、稲妻とともに闇に浮かび上がる恐ろしい形相の犯人にはマジでビビリました。二作あわせても10時間以内でクリアできるのに大満足の面白さだったと思います。

関連記事
やったね「逆転裁判I・II・III」クリア~!
Wii「428 ~封鎖された渋谷で~」クリアしたよ。

映画「ミスター・アーサー」観ました

 | ラブコメ/ロマコメ  com(4) 

ミスター・アーサー
製作:アメリカ’81
原題:ARTHUR
監督:スティーヴ・ゴードン
ジャンル:★コメディ/ロマンス

無職・酒飲み・女好きの小男アーサーは、生まれながらの大富豪の御曹司。父親の決めた結婚が気にくわないが、財産の事を言われると断れない。そんな時、父親に贈るネクタイを万引きしたリンダと出会い、生まれて初めて恋に落ちる。

へべれけ御曹司が恋をして成長するおはなし。
彼を実の息子のように思う執事ホブスンが素敵で、普段はアーサーの戯言をおざなりに聞き流しているのに、彼のためにならないものが現れると途端に厳しい執事に戻るときのギャップがたまりません。アーサーが最初っから最後まで酔っ払っているのにそれほど気にならなかったのは、そんなアーサーを温かい目で見守る彼の存在があったからだと思います。
また、ヒロインのリンダが、アーサーの事をしきりにキュートと言っていて最初は「ん?」と思ったんですが、終りに近づくにつれだんだんそう思えてくるのが不思議です。何気に婚約者にも熱烈ラブコールを受けているし (勘違いお嬢さまだけど)、祖母にも愛されていてモテモテですね。
病床のホブスンを見舞うのに、オモチャやガンマンの衣装や豪華な食事を用意して、彼なりにせいいっぱい今までの感謝の気持ちを伝えようとする姿にうるっときました。

映画「誰がために鐘は鳴る」観ました

 | 戦争  com(6) 

誰がために鐘は鳴る
平和でも常に麺棒を装備してそう。
製作:アメリカ’43
原題:FOR WHOM THE BELL TOLLS
監督:サム・ウッド
原作:アーネスト・ヘミングウェイ
ジャンル:★戦争ドラマ/ロマンス

【あらすじ】クーデターにより独裁軍事政権が開かれたスペイン。義勇軍に参加するアメリカ工作員ロベルトは、3日後の橋爆破作戦の準備を進める。そして、現地の協力者と合流した彼は、反乱軍に両親を殺された美しい少女マリアと出会うのだった。

始まりからして強烈でした。
赤黒い空を背に、負傷した相棒に殺してくれと頼まれ、追っ手が差し迫るなか苦渋の決断を下した主人公。戦争だから仕方がないと慰められても、「殺人は殺人だ」と自分の罪から目を背けることはありません。守るもののために冷酷であろうとする反面、もう戦いたくないという気持ちがあることを、彼の言動の端々から感じ取れました。
それは主人公に限ったことではなく、「戦争が終わったら誰も傷つけない」と言っていた案内係や、「今まで俺が殺した人間すべてが生き返って欲しい」と嘆いていた協力者の元リーダー・パブロなど、戦っている全てのひとに共通していたと思います。
特にパブロには思いのほか感情移入してしまい、戦いを拒んだだけで仲間たちに蔑まれ、裏切るかもしれないから殺してしまえと言われてしまう彼の孤独を考えると泣けてきました。
確かに彼は臆病風に吹かれていたかも知れませんが、だからといって仲間を売るような人間だと決め付けるのは悲しすぎます。そして、そんな風にパブロを見限った彼らも、仲間想いで戦争を憂える普通の人々なんですよね。
疑心がふくれあがり、仲間まで信じられなくなってしまう戦争を、改めて恐ろしいと思いました。
悲痛なラストに胸がつまります。

関連記事
「チップス先生さようなら(1939)」観ました(同監督)
「老人と海」観ました(同原作者)

映画「ナイアガラ」観た

ナイアガラ
製作:アメリカ’53
原題:NIAGARA
監督:ヘンリー・ハサウェイ
ジャンル:サスペンス

【あらすじ】ナイアガラへ新婚旅行にやって来たポリー。そこで、情緒不安定な男と、その妻で浮気をしているらしいローズと出会う。厄介事を避け旅行を楽しもうとするポリーたちだったが、夫がいないとローズが騒ぎだし、その直後に男の遺体が見つかる。

家で埋もれていた未開封のDVDを鑑賞。
パッケージの解説で、女優陣の美しさとナイアガラ観光が楽しめることばかり書かれているだけあって、サスペンス部分は非常にシンプル。登場人物をやたらと怪しく見せたり、緊張感を煽る演出を多用したりするわけでもなく、ある意味とても潔いつくりです。基本は押さえており退屈はしませんが、人物像の掘り下げが少し足りなかった気もします。
売りであるナイアガラの迫力はなかなかのものでした。
それにしても、あのレインコート姿でのキスシーンは微妙に笑える…。

関連記事
「失われたものゝ伝説」観ました
「サーカスの世界」観た

映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」観た

 | ロードムービー  com(0) 
Tag:ドイツ 

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
製作:ドイツ’97
原題:KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR
監督:トーマス・ヤーン
ジャンル:コメディ/ドラマ/犯罪

【あらすじ】末期がんで同室になったルディとマーチンは、海を見たことがないという話になり車を盗んで病院を飛び出す。しかし、その車はギャングのもので大金が積んであった。そうとは知らず、ふたりは車にあった銃で好き勝手始めてしまう。

もう数日しか生きられないふたりが出会い、海を目指しておかしな珍道中が始まります。
このふたり、余命わずかと知っているので気が大きいです。基本的に人を傷つけるような事はしませんが、飲酒喫煙当たり前。柵は壊すは、強盗はするは、パトカーを奪うは、ほとんどノリだけで行動してます。大金を見つけてからも、リッチ気分を味わいつつお手軽な善行をして思う存分楽しんでいました。
銃と大金とマヌケな追跡者のせいで緊張感ゼロのぬるい展開なんですが、ときおりマーチンが苦痛に襲われ現実を思いだしたり、短い時間の中で育まれたふたりの友情を垣間見たりと、ぬるいだけでは終わりません。
ギャングに銃を突きつけられ、二人がギュッと手を握り合うシーンが心に残りました。

追記(2010/8/17)
gyaoでやってたので、つい観てしまいました。
ずっと、ストックホルム症候群と同じ意味で違う名前のがあったけど、何だったかなぁと悩んでいたんですが、これにでてきてました。ヘルシンキ症候群ですね!
ついでに違いを調べてみたところ、ストックホルムは事件が起こった場所、ヘルシンキは研究・発表した大学の場所にちなんで付けられたそうです。映画で何度かヘルシンキ~の方を見かけたけれど、海外ではそっちが一般的なんだろうか?

.