
読み:はいじあるぷすのものがたり
原題:HEIDI
製作:スイス・ドイツ’2015 111分
監督:アラン・グスポーナー
原作:ヨハンナ・シュピリ
ジャンル:★ファミリー/ドラマ
【あらすじ】孤児の少女ハイジは、アルプスの山小屋で一人暮らす祖父アルムおんじのもとに預けられる。無愛想ながら心優しいおんじとヤギ飼いの少年ペーターと楽しい日々を送っていたハイジだったが、ある日、叔母に連れられ大都会フランクフルトへ。そこで、足が悪く車いすで生活していたクララの話し相手になるが…。
春の感涙祭で鑑賞第一弾。泣くまではいかなかったけど、ホロリときました。
やっぱりハイジとアルムおんじの家族愛がいいですよね~。アニメ版では結構あっさり陥落した印象だったんですが、この作品では短時間で話が進んだ割にあっさりとは感じなかったです。
ハイジが意外と普通の女の子で、ペーターに「おんじは人を殺したことがある」と聞いて怖くなっちゃうんですよね。でも「噂を信じるかどうかはお前次第だ」と言うおんじの寂しげな横顔を見て、逡巡した後に駆けよっておひさまみたいな笑顔で抱きつきます。その時のおんじの戸惑いと心癒されているのが画面越しに伝わってきて、もうハイジ最強だなぁと目頭が熱くなりました。
その後はすっかり孫にデレデレなおじいちゃんになって、イラストのソリで山下りするシーンなんて本当に楽しそう!
ハイジのおかげで町の人たちと交流するようになるところはだいぶ端折られた感じでしたが、それでも十分二人の幸せな日々が伝わってきて大満足でした。
そして30分経過した辺りでフランクフルト編に突入。
雪のように白い肌をしたクララはまさにクララそのものだったし、使用人の皆さんやおばあ様もイメージぴったりでした。さらにロッテンマイヤーさんはアニメ版の雰囲気もある(この作品はアニメとは関係ありません…たぶん)高慢な美人になっていて、ゼーゼマンの後妻を狙ってるご様子(笑)
ゼーゼマンさんはアニメ版と違って、普通のダメなところもある父親として描かれていたのが好感でした。奥さんを亡くしたことや娘が歩けなくなってしまったこと、仕事を言い訳に向き合えていないことなど、悩みや後ろめたさを抱えていて人間味あります。
ここのエピソードも短時間の中にギュッと詰め込まれていて、クララとハイジの友情や、優しく包み込んでたくさんのことを教えてくれたおばあ様との交流、にゃんこの可愛さなど見どころたくさんでした。
ハイジが山に戻ってきた時のおんじもよかったですね~。ハイジの声を聞いて振り向いた瞬間、持っていた道具を落とし、駆け寄ってハグした後、思わず高い高いしちゃうほど再会を喜びます。目に涙を浮かべるおんじの様子に、またウルウルしてしまいました。もう二人にとってお互いはかけがえのない家族なんだ…!
クララ一行が山に来た時も、すっかり丸くなったおんじが見られてよかったです。クララが立った!のシーンは意外とあっさりだったので、一番印象に残ったのはやはりおんじとの家族愛でしたね。
二人がず~っと一緒にいられたらいいと思うけど、おんじの年齢を考えると…(涙)
きっとその頃にはペーターが頼れる男になってるはず!
鑑賞後、おんじ役の人が「ヒトラー ~最期の12日間~」の総統を演じたブルーノ・ガンツさんだと知って驚いたとともに、本当に良い役者さんだったなぁとしみじみしました。見られてよかったです。
- 関連記事
- 「ハイジ(2005)」観ました
- OVA版「アルプスの少女ハイジ」観ました

原題:L.M. MONTGOMERY'S ANNE OF GREEN GABLES
製作:カナダ’2015 89分
監督:ジョン・ケント・ハリソン
原作:L・M・モンゴメリ
ジャンル:★ドラマ/ファミリー
【あらすじ】カナダのプリンス・エドワード島。働き手が欲しいと、孤児院から男の子を引き取ることにした老兄妹マシュウとマリラ。しかし、やってきたのは空想好きの少女アン・シャーリーだった。新しい家が見つかるまで面倒を見ることにした二人だったが、アンはトラブルばかり引き起こし…。
うあ~、涙腺が…涙腺が最初からゆるみまくって最終的に崩壊…!
アンとマシュウ、マリラ兄妹と心通わせるまでを描いた作品です。
今までアニメや映画で何度か赤毛のアンは見てきましたが、毎回最初は「実際にそばにいたらウザいな…」と思ってしまっていたんですよ。でも、このアンは違いました!
今までのアンは自分の世界に入り込んで、浸ってる感じがあったのに対し、今回の彼女は本当に素直な気持ちで美しい光景などに感動していて、それが見ている人に自然と伝わってくるんですよ。本当の意味で感動を周りと共有しているというか。
演技のことはよくわかりませんが、主演のエラ・バレンタインちゃんがすごいのでは…!?
もちろんマシュウやマリラを演じている方も素晴らしくて、アンが感動する様子を微笑ましいと見守ったり、変な子と呆れた様子だったり、一緒に美しさに気付いて目を瞠ったりと、言葉にしなくても伝わってきます。何度か繰り返されるそれでアンとの距離感が変わってきているのが一目でわかって、彼らの気持ちに寄り添って見られました。
また、アンの親友であるダイアナも可愛らしくて、二人が仲良くしているのを見ると幸せな気持ちになれます。天使のような微笑みを浮かべるダイアナが、アンと想像の世界を共有してるのがもうね…天使かな?という感じなんですよ。二人で手を繋いで美しいプリンス・エドワード島にいるだけで絵になります。
お馴染みのダイアナ泥酔事件でも、二人で貴婦人ごっこをしてるのが可愛らしくて萌えました。
こんな二人を引き離そうとするなんてとんでもない!
終盤はすっかりマリラも陥落して、誰がどう見ても幸せな家族になったマリラ、マシュウ、アンの三人。
そこにアンの引き取り先が決まって、アンのためだから…と送り出す下りは涙なしには見られません。マシュウの体調のこともあって、ここで別れたら二度と会えないかもしれないのに…!
何よりアン自身が二人を愛しているし、プリンス・エドワード島とそこに暮らす人々を愛してるから、いくら良い家庭に引き取られたって大切なものを失うことになるんですよね。
マリラの背中を押すのが、序盤でアンとトラブったマリラの友人というところも良かったです。
アンとマリラの抱擁には涙ボロボロでした。
この作品はここで終わっていましたが、続きが作られたらぜひ見てみたいです!
- 関連記事
- 「赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道」観ました(同一原作)

原題:THE LITTLE PRINCE
製作:フランス’2015 107分
監督:マーク・オズボーン
原作:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
ジャンル:ファミリー/ファンタジー
【あらすじ】母親により勉強漬けの毎日を送っていた孤独な9歳の女の子。名門校の学区内に引っ越した彼女は、隣に住む元飛行機乗りのおじいさんと出会う。おじいさんの書いた王子さまの物語に夢中になり、母親の目を盗んではおじいさんと無邪気に遊ぶ女の子だったが…。
「星の王子さま」の映像化とその物語に触れて成長する女の子のエピソードを絡めたアニメーション作品。ほんとうに大切なものは目に見えない、大切な人はいつまでも心の中にいる、子供の頃に感じた気持ちを大人になって忘れてはいけない、というようなメッセージが込められた作品で「テラビシアにかける橋」を連想するところも。
「星の王子さま」パートはストップモーションアニメになっていて、原作をほとんど知らない私でも感動する完成度。これだけで一つの作品として完成させたバージョンを出して欲しいくらいです。
CGアニメで描かれる本編も、女の子とおじいさんの友情や子供らしさを取り戻していくところが素晴らしく、後半の「大人になってすべて忘れてしまうかもしれない」という不安との戦いを描いたイマジネーションの世界にも違和感なく入れました。ただ、その不安の象徴である「大人になった彼」が…。結構ショックが大きいというか、原作ファンは受け入れられるんだろうかと心配になります。ストップモーションで描かれた「星の王子さま」のエピソードが素晴らしかっただけに、この物語に必要だとしてもあんな姿は見たくなかったという気持ちが…(汗)
ただ、このエピソードは制作者の解釈で「星の王子さま」の続きを描いたというわけではなく、あくまで女の子がおじいさんに教えてもらった物語を今の自分の不安に当てはめて想像した物語という感じなんですよね。
私的にこの作品に出てくる「星の王子さま」は、誰か大切な人を亡くしたおじいさんが悲しみを乗り越えるためにつくった創作物だと思っています。なので、大切な友人であるおじいさんから物語を受け継ぎ、さらにイメージを膨らませて悲しみを乗り越えた少女の成長に、おじいさんとの深い絆を感じられました。
閉じこめられた星がぶわーっと空に舞い上がるのに乗って、飛行機で飛び出すシーンは本当に美しく、幻想的です。
また、ラストで母親がちゃんとおじいさんに「ありがとう」と言って、娘と星空を見上げているのも良かったです。ただの”つまらない大人代表”で終わらず、思い出すことはできると伝えていて…。横にちょこんとキツネのぬいぐるみがいるのもいいですよね。
子供(中高生くらいから?)だけでなく、親御さんも一緒に見てほしいと思える作品でした。
- 関連記事
- 「カンフー・パンダ」観ました

原題:KIT KITTREDGE: AN AMERICAN GIRL
製作:アメリカ’08
監督:パトリシア・ロゼマ
原作:ヴァレリー・トリップ
ジャンル:★ドラマ/ファミリー/ミステリー
【あらすじ】世界大恐慌の波が押し寄せるオハイオ州シンシナティの町。新聞記者になるのが夢の10歳の少女キットは、大好きな父親が職探しのため町を出ている間、母マーガレットや個性的な下宿人たちと暮らすことに。そんな中、巷では強盗事件が頻発し、町に溢れたホーボー(浮浪者)たちに容疑がかかり…。
シリーズの4作目らしいですが、それぞれ独立した話らしく、これが初見でも楽しめました。主演のアビゲイル・ブレスリンちゃんの美少女っぷりも堪能できるし、何気に時代設定が世界恐慌なので、中流家庭がどうやって大恐慌を切り抜けたのか色々わかって興味深い。
あるものは何でも使って、節約できるところはどんどん節約し、商売も始めるお母さんが逞しかったです。鶏のエサ袋に使われている丈夫な布(柄は意外とオシャレ)で可愛いワンピースをつくるなど、家を失うかもしれない状況で、人々が必死になって大事なものを守ろうという姿が描かれていました。
そして、学校では家を失くした子がからかわれ、卵を売り始めたらお前の家も~と心無い言葉が飛び交ったりします。
そんな世界恐慌という時代を、新聞記者を目指す10歳の少女キットの目を通して見ていくんですよね。
変わった下宿人たちとの日常や、仕事を探すホーボー(浮浪者)との交流、家族がバラバラになるかもしれない不安、世間を騒がせる強盗事件と迫害されるホーボーなど、子供らしい素直な視点で記事を書き、自分にできることをしようと頑張る姿が健気です。
なんとかチャンスを掴んだくだりは、自分の努力が認められただけではなく家計の助けにもなると大喜びしていて、本当に良い子!
とくに良かったのが、キットがなんでもできる完璧な子ではなく、きちんと子供らしい姿も描かれていて、そこからの成長が見られるところです。学校でからかわれるのが嫌で、最初は下宿人をとることも嫌がっていたし、たまご売りだけは嫌だとわがままも言います。
でも、父親への手紙に辛いことや悲しいことを書き連ねて「早く帰ってきて!」と書いたところで、「自棄になっちゃいけない」という父親の言葉を思い出し、涙をぬぐって楽しいこと嬉しかったことに書き直すんですよ(イラストのシーン)。タイプライターの故障の伏線が活きてました。
また、キットの親友の少年と父親のエピソードもよかったですね。「君くらいの息子がいる」と話していたおじさんにかけた言葉から、彼の胸の痛みが切々と伝わってきて…(涙)
善い人ばかりのファミリー映画ではあるものの全てがハッピーではなく、こういう人たちもどこかにいたんだろうなと素直に思えました。
後半の犯人との追いかけっこは子供向けですが、全体を見ると大人も十分楽しめる中身のある作品になっていたと思います。
<2019/04/21 再見>
やはり良作でした。感想は初見時とほぼ同じです。
とくに良かったのが、キットの父親が帰ってきてハッピーな横で、自分の父親は帰ってこないとわかっている少年のセリフでした。君と同じくらいの息子がいるんだと言っていたおじさんに「息子さんに手紙を書いてあげて、僕のためにも」と少し寂しげに声をかけるところに思わずホロリ。
原作も素晴らしいんだろうけど、素晴らしい制作陣と俳優さんたちにも恵まれた作品だと思います。

原題:THE SHAGGY DOG
製作:アメリカ’06 99分
監督:ブライアン・ロビンス
ジャンル:★コメディ/ファミリー
【あらすじ】出世に燃え、家族をないがしろにしていた地方検事代理のデイヴ。長女カーリーの社会科の先生が、動物実験に反対して放火した事件を新しく受け持つ。だが、無実を証明しようとしたカーリーが忍び込んだ研究所からむく犬を連れ帰り、デイヴはその犬に噛まれたせいで…。
「ボクはむく犬(1959)」のリメイクだそうで、他にも「帰ってきたむく犬」「ボクはむく犬1994」と何度もリメイクされている人気のドタバタコメディ。監督は「僕はラジオ」「コーチ・カーター」「団塊ボーイズ/WILD HOGS」の製作をしていた方ですね。
ディズニーお得意の動物もので、仕事人間の父親が災難に遭い、やっと自分や家族の問題に向き合うという王道展開。コミカルで犬が可愛く、主演ティム・ロビンと悪役を演じるロバート・ダウニー・Jrの犬演技対決が見物です(笑)
ホント、この犬の癖や習性の演技が面白くて、思わず噴き出してしまうこともしばしば。ガウンの紐を見つけて尻尾を追うみたいにクルクル回ったり、犬食いしたり、猫を見つけて追いかけたり、気に入らない相手に唸ったり、叱られて机の上にあごと両手をちょこんと乗せたり。
元が仕事第一の検事代理だったので、法廷でそれをやっちゃった時のギャップがまた笑えるんですよね。
あと、CGをふんだんに使っていて、多少違和感はあるものの四足歩行で駆けまわる姿が面白いです。猫を追いかけている時の楽しそうな感じとか、スプリンクラーで水を飲むくだりなど、かなり本気で犬の演技を楽しんでいるので、俳優さんすごいなぁと感心しました。
ロバート・ダウニー・Jrの方は終盤しか犬演技を見せてくれませんが、やっぱり楽しそうだし、悪役としても(ディズニーなのにかなりの悪人)インパクトあって良かったです。
また、主人公の家族がバラバラになりそうなのを、犬の姿で一生懸命フォローする姿も健気で可愛い。
前半は自分の状態をコントロールできず、やむなく犬のまま傍にいたりするんですが、そこで今まで自分がしてきたこと、してこなかったことの結果をまざまざと見ることになり、家族への愛情を再確認しながらもフリスビーを追わずにはいられないとか(笑)
結婚記念日にすっぽかしてしまった時のフォローは、奥さんから見たらサイテーだけど、状況がわかってる鑑賞者から見ると意外と切ない。犬の可愛さもあって、前半のダメ親父っぷりも忘れそうでした。
事の始まりが300年以上生きている犬だとか、終盤の裁判所での対決はちょっと雑な感じもありましたが(もっと動物たちも活躍してほしかったなぁ)楽しいファミリーコメディです。
エンディングで登場人物たちの写真と、それを犬化した写真が並べてあり、クレジットは作中に登場した単語をつくるゲームのピースっていうのが洒落てました。

原題:UNACCOMPANIED MINORS
製作:アメリカ’06 89分
監督:ポール・フェイグ
ジャンル:★コメディ/ファミリー
【あらすじ】クリスマス・イブ、大雪で国際空港に足止めを食っていたスペンサーを始めとする5人の子供たち。彼らは好き勝手遊んでいた罰として、乗客管理責任者オリバーに隔離部屋に閉じこめられてしまう。だが、妹へクリスマス・プレゼントを渡そうとするスペンサーのため、彼らは脱出作戦を実行すし…。
なぜこの時期(8月)にクリスマス映画をオンエアしてるんだろうと思ったら、「ゴーストバスターズ」リメイクの監督さんが撮った作品だったんですね。楽しいファミリー映画で癒されました。
「ホームアローン」は大人になってから観たら、少年が悪魔のようでドン引きしてしまったけど、こちらは大人が痛い目に遭うと言っても、あまり痛々しい描写はないし、子供たちがいい子ばかりで安心して観られます。
彼らのキャラが良くて、ベタなのに空港内でのドタバタ大冒険が盛り上がるんですよね~。
とくに優等生の黒人少年が表情豊かで、得意な歌やダンスを披露してくれたり、(売り場などの)サンタさんを見ると気絶しちゃうくらいピュアだったりと面白い。触られるのが大嫌いな女の子と仲良くなって、「君に嫌な思いはさせない!」と手を引くところなんてカッコよかったです(その直後に失敗しちゃうけど 笑)
あと、冴えない主人公であるスペンサーも、いいお兄ちゃんという感じでよかったです。
美人で心配性なお母さんに妹の面倒を頼まれ、嫌々ながら引き受けた様子だったのに、いつも真っ先に思い浮かぶのが妹の心配。サンタが来なかったら妹がショックを受けるからと、仲間と一緒に大人を出し抜き空港を脱出しようとします。
頭脳担当で、意地悪な乗客管理責任者オリバーたちの監視下の元、隔離室から脱出する下りはスパイ映画みたいでした。
4人とは別のところで、おデブの気弱な少年が新しい父親の(結構乱暴な)言葉を胸に、一人クリスマスツリーを探す冒険をしているというのも良かったです。にゃんこと対峙して、変なポーズで追い払うエピソードや、お気に入りのおもちゃでピンチを乗り切るエピソードが微笑ましい(笑)
最後の最後で4人の前に現れ、一人前という顔をしているのがいいね。
終盤、オリバーがなぜクリスマスを毛嫌いするのかわかり、彼と空港に立ち往生するその他大勢のため、楽しいクリスマスサプライズを計画する展開も心温まりました。
彼らのプレゼントを受けてのオリバーの対応も心洗われるものだったし、クリスマスに子供と見たい作品です。
<追記感想:2016/12/29>
やっぱり面白いです。小品ながら空港内での冒険はワクワク感があるし、心温まってほっこりいい気分で観終われます。改めて見ると、”両親が離婚して、クリスマスに子供だけで飛行機に乗る(もしくは家族と過ごせない)子がとても多い”ことを訴えた作品なんですね。お父さんの奮闘もよかったし、子供たちの目線に立った良作だと思います。

製作:日本’94 113分
監督:相米慎二
原作:湯本香樹実
ジャンル:★ドラマ/ファミリー
【あらすじ】神戸に住む小学6年生のサッカー仲間、木山諄、河辺、山下の3人は、人の死に興味を抱き、近所に住む変わり者の老人・傳法喜八を観察しはじめる。初めは子どもたちを邪険に追い払う喜八だったが、次第に優しく接するようになり…。
老人と子供が出会って戦争について聞くという流れの物語はたくさんあるけど、これは説教臭さがなくて抵抗なく観られました。たぶん、出会いやおじいさんのお手伝い&交流を前半でじっくり描いているからだと思います。観察→ゴミ捨て→草むしり→花を植える→家の掃除と修復…というように、かなり段階を踏んで距離が近づいていってたからね~。その過程で、子供たちの得意分野がわかったりするのもよかった。
しかしこの作品、見ていて怖くなるシーンがたくさんあります。ホラーとかじゃなく、危なっかしくて見てられない!
序盤のメガネくんが陸橋の手すりの上を歩くシーンや、家の修復で屋根に登る子供たち、太っちょの子が井戸の蓋の上に立つシーンはマジでゾッとしました。しかも注意する大人がいないという(汗)
台風の夜に家を飛び出した子供3人を、最後まで追いかけてくる親は一人もいないというのも映画の都合ですよね。(自分が植えた花の様子が気になる子供たちにはホロリとしたけども)
困ったのは、キンキン声のメガネの子のセリフがよく聞き取れなかったこと。ただでさえ関西弁で聞き取りづらいのに。
あと、ビデオカメラの少年の存在意義がよくわからなかった。
一番の難点は、おじいさんが倒れた時に胸が上下しているので、通報せずに「なんで死んだんだ~!」と騒いでる子供のミスで死んだように見えること。カメラに映らない(子供が覆いかぶさってる時とか)時に息継ぎ指示できなかったんか…。このせいでちょっとモヤモヤしてしまった。
なんか気になった点ばかり書いてしまったけど、こうみえて感動したんですよ?
戦争の辛い体験のせいで奥さんに会いに行けなかったという気持ちを見抜き、お爺さんのために奔走する少年たちに感動しました。
庭に水を撒いて虹ができるシーンと、井戸から蝶がや蛍が飛び出してくるシーンが美しくて印象に残ります。

原題:HACHIKO: A DOG'S STORY
製作:アメリカ’08
監督:ラッセ・ハルストレム
ジャンル:ドラマ
【あらすじ】遠い日本からアメリカへと送られる途中、駅で迷子になってしまった秋田犬の子犬ハチ。たまたまみつけた大学教授パーカーが保護する事になり、やがてハチは家族の一員に。ハチは毎日駅までパーカーを送り迎えするようになるが…。
「ショーシャンク」で泣けないなら、動物ものでいくしかないと思い、以前ちゃんと観られなかったこちらをチョイス。
…う~ん、まったくジワリともこなかった。やっぱりホルモンバランスがよろしくない時期なのだろうか。
わたしは根っからのネコ派とはいえ、犬がメインの作品も結構好きだし「クイール」とか泣けた覚えがあるのになぁ。こちらは淡々としてたんで、実際に犬を飼っていた人が想い出を投影しやすい作品なのかも?
しかし、この時代or国はリードをつけず一人歩きは普通なんでしょうか。保護されなかったのは運が良かったのか、時代のせいなのか。
ハチの気が済むまでやらせようという奥さんや娘さんは、理解あるようで無責任な気もします。
犬も人間と一緒で、大切な人を失う悲しみが消えなかったとしても、他の大事なもの、自分の居場所があるとわかれば、それを大切にするんじゃないかなぁと思ったり。
時間のある人じゃないと無理だけど、気が済むまで放置するんじゃなく、気が済むまでハチに付き合っていれば(もちろん毎日安全な場所に連れて帰る)、ハチも”彼は帰ってこないし、自分には他にも家族がいるんだ”と思えたのでは。
新しい想い出をつくる努力をしているシーンもほとんど描かれてないし、そもそも納棺&埋葬するところは見せなかったの?
終盤の汚くなったハチの姿を見たら、もっと別のやり方があったのではと考えてしまいました。
でも、以前観た日本の作品よりはまともな家族だった気がします。海外での評判もいいみたいで、アメリカでは大規模公開されなかったというのが謎です。
- 関連記事
- 「セイフ ヘイヴン」観ました
- 「シッピング・ニュース」観た

暖かくなってきたのでイラスト再開。linux版アズペは色がいいね!
原題:FLY AWAY HOME
製作:アメリカ’96
監督:キャロル・バラード
原作:ビル・リッシュマン
ジャンル:★ドラマ/ファミリー
【あらすじ】母を交通事故で亡くし、カナダに住む父親と暮らすことになった14歳の少女エイミー。新しい環境に馴染めずにいた彼女は、伐採された樹木の側でグースの卵を発見する。元気な16羽の雛が孵るが、数ヵ月後には500マイル離れた越冬地まで渡らなければならず…。
久しぶりに再見しました。狙ったわけではないけど「風立ちぬ」に引き続き、実話を基に脚色した飛行機が出てくる作品です。
かなり最初っからウルウルしまくりでしたね。グースを拾って飛行機で渡りを教えるという大筋は覚えていたものの、お母さんにまつわるエピソードはすっかり記憶から抜け落ちていて、初見のように観られました。
まず、エミリーが初めてグースの卵を見つけて、母親のドレッサーに運んで優しく寝かせるように置いていくまでの流れがいいです。卵に触れる手が本当に優しくて、母性に満ち溢れてました。
自分と同じように母親を求める雛たちを、かいがいしく世話する姿はまさに母親。16羽の雛を見分けて名前で呼ぶなんて、私なら人間相手でもあんな短期間では無理かも。
グースたちもすっかりエミリーに懐いていて、後ろを付いてくる姿がとってもキュート。あんまり可愛くて、夢に見たほどでした(笑)
エミリーが母親を想って母の服や口紅で着飾る横で、雛たちが真似するように身づくろいするシーンも上手い。母の死を乗り越える少女の成長を、グースたちとの交流の中に丁寧に描いていたと思います。
そんな彼女をおおらかに見守る父親とその恋人もホントいい人で、「スリーメン&ベビー」でもあったけど、子供がいなくなったり怪我したかもしれないという時の必死な様子や、無事だとわかった時の心底ホッとしたという描写に弱いんですよ~。涙腺ゆるみまくり!
恋人さんの「母親は無理だけど、友達に」とグースを守りぬく事を約束するくだりもよかった。
いい人ばっかりで若干物足りなさもあるけど、子供と観る時や心洗われるような作品が観たい時にはピッタリの作品です。
また、環境保護を訴えるためなのか映像が素晴らしくて、グースたちと飛ぶシーンはもちろん、夕暮れの空や水面に映る影なども美しい。グースが並んで飛ぶ様子はどうやって撮影したのだろうと思ったら、実際にグースたちと渡った彫刻家のビル・リッシュマンさんによる何度目かの渡りの様子を空撮したんだとか。
BGMや主題歌「1万マイル:Ten Thousand Miles」も心に染み渡るようでした。愛する人とのしばしの別れを歌ったもので、グースたちと母親、ふたつの別れにかけているのかも。
あと、映画内では14歳の女の子が一人で飛行機に乗って結構な距離を移動するんですが、調べてみたらウルトラライトプレーンというもので、スカイレジャー、スポーツの位置づけ。免許(年齢制限)や許可が必要ない国(アメリカとか)も多いけど、本作の舞台となるカナダではやや厳しくて、許可が必要だし夜間飛行禁止でした。夜カナダ空軍の敷地内に侵入して、怒られただけで済むのはファンタジーですね(笑)
- 関連記事
- 「ネバー・クライ・ウルフ」観ました

原題:THREE MEN AND A BABY
製作:アメリカ’87
監督:レナード・ニモイ
原作:コリーヌ・セロー
ジャンル:★コメディ
【あらすじ】NYのアパートで共同生活を送る独身貴族、建築家のピーター、漫画家のマイケル、俳優のジャック。そんなある日、ジャックの留守に彼の子供だという生後6カ月の赤ちゃん”マリー”が現れる。悪戦苦闘しながらも男だけの子育てが始まるが…。
懐かしいです。オリジナルのフランス映画「赤ちゃんに乾杯!」も観た事があるはずなんだけど、やはり子供の頃から馴染み深い、こちらの方が印象に残ってます。
今見ると、赤ちゃんをそんなところに置くな~!とか麻薬をそんなところに隠すな~!と叫びたくなるシーンもちらほらありましたが(笑)
でもやっぱり3人の男たちがマリーに振り回されながらメロメロになっていく様子が微笑ましいし、彼女に危険が及びそうになった時の必死さや、突然の別れに心にぽっかり穴が開いたような表情にはウルウルきてしまいました。
冒頭の彼らとはまるで別人で、血のつながりとか関係なく心の底からマリーの父親になってるんですよね。
最初はおしめを替えるのにも悪戦苦闘していたのに、久しぶりに子育てから解放されて自由を満喫するつもりが、電話が繋がらなくて飛んで帰ってきたり、寝かしつけるためにボクシングの記事を優しい口調で語り聞かせたり、夜中に泣き止まないマリーのために3人息ピッタリで歌ったり、彼らの父親としての成長になんだか嬉しくてニヤケてしまいました。
泣きついてきたジャックに、「私があなたのためにしてやれる最高の事は、何もしないことよ。あなたは立派な父親になれる」と言い切った彼の母親も、この様子を見たら泣いちゃうかも?
続編も再見しようと思ったら重なって録画できなかったのが残念です。
にしても、監督は「スター・トレック」のミスター・スポック演じてた人だったんですね…知らなかった。
あと、途中窓の外に人影があって「え?」と思って巻き戻したら写真か何かでした。彼らの家は変なものがいっぱいあるから納得したけど、当時、巷では幽霊がどうのと噂になってたようで。
実際には役者であるジャックの宣伝用ポップだそうです。関連するシーンが削除されて都市伝説が(笑)
- 関連記事
- 「サン・ジャックへの道」観た(同原作者)

原題:K-9: P.I.
製作:アメリカ’02
監督:リチャード・J・ルイス
ジャンル:★アクション/コメディ
【あらすじ】相棒の警察犬ジェリー・リーが年をとり、辞職を決意したドゥーリー刑事。引退パーティーの帰りに強盗事件に遭遇するも、犯人を取り逃がした上に彼が第一容疑者となってしまう。年金を凍結され生活に困った彼は、探偵として開業しつつジェリー・リーと共に独自捜査を開始し…。
元刑事と元警察犬のコンビが大活躍するコメディです。
本当にこのコンビが仲良しで、事件やら恋やらあるんですがメインは彼らの絆。バディムービーですね。
犬好きなら楽しめると思うけど、ピザとか変なもの食べさせてるから、そういうのが気になる人は観ない方がいいかも。
シリーズものの3作目らしいですが、前作を見てなくても普通に楽しめました(3作目だけCSIの監督じゃん!)。くすくす笑ってのんびり楽しむタイプの作品。
辞職した日に強盗事件の容疑者になり、年金を凍結され、生活費を稼ぐためにジャーマン・シェパードであるジェリー・リーが種付けすることになるとか、ちょっと予想外の展開です(笑)
でも、ジェリー・リーの様子がおかしければすぐ病院へ連れて行くし、便秘薬?でおなら臭くても部屋から追い出したりしないし、探偵の仕事の時も息ピッタリだし、一緒にいればいつも話しかけてるし、いい相棒なんですよね。
実際に犬が大好きな俳優さんらしく(「カーリー・スー」の主演のひと)、演技ではない本物の友情が感じられます。
これからは自分たちだけでやっていかなければならないと、銃声が聞こえたら鉛筆をくわえて昔の仲間に電話をかけるように訓練するくだりも楽しかった♪
…探偵もののお約束で、美女に目がくらんだ時はジェリー・リーの警告も伝わらなかったりしますが(笑)
でも、最後はバッチリ絆の深さを見せてくれて、ハードボイルドとは程遠い決着のつけ方もこの作品らしくて良かったです。
ラスト、「この(おならの)臭さはまさしくジェリー・リーの子だ!」というセリフに笑いました。
- 関連記事
- 「K-9/友情に輝く星」観た

原題:JUNIOR
製作:アメリカ’94
監督:アイヴァン・ライトマン
ジャンル:★コメディ
【あらすじ】流産の確率を減らすための画期的な新薬を開発した婦人科医学のアレックス博士とラリー博士。しかし、妊婦に新薬を試す許可を得られず、研究室も追い出されてしまう。そんな折、卵子の低温保存を研究するダイアナ博士が新しく赴任してくる。ラリーは実験のためにある秘策を思いつくが…。
ファミリー企画4作品目。
懐かしいですね、こちらもシュワちゃん&デヴィートの凸凹コンビです。
シュワちゃんが妊夫を熱演。あのガタイで妊婦みたいな言動をしているだけで笑えるのに、後半は女装までしてくれて(笑)
ヒロインの子供を自分の体内に宿したおかげで、彼女と惹かれあうという設定もちょっと面白い。でも、いちいちこんな事になってたら卵子提供者と困った事になりそう…。
腹腔に直接着床させたら危険だとは思うけど、実際に人工子宮で男性が妊娠に成功した例もあるようだし、男性が普通に出産する日も近いのかも?
「ツインズ」の時よりシュワちゃんの印象が強いものの、後半からはやっぱりデヴィートさんが光ってました。
こんな実験をもちかけて数ヶ月の我慢だと言っていた残酷な彼ですが、赤ん坊が育ってくるともう可愛くて仕方がないんですよね。
流産を恐れる余り、他の事が見えなくなってたのかな…。まあ、彼が実験を持ちかけないと話が始まらないか。
「その子はオレの子でもある。」っていうのは、自分が受精→着床をやったからなのか、産科医として自分が診た子供に対していつも思ってるのか知りませんが、おなかを愛おしそうにしている様子にジーンときました。
元奥さんが彼に診てもらいたいとずっと言っていた気持ちもわかります。
奥さんの出産後、「やり直さないか」と涙を浮かべて告げるシーンにウルウルきてしまいました。
ちょっと引っかかるところもあるけど、懐かしくて好きな作品です。
- 関連記事
- 「キンダガートン・コップ」観た
- 「ツインズ」観た

原題:TWINS
製作:アメリカ’88
監督:アイヴァン・ライトマン
ジャンル:コメディ
【あらすじ】遺伝子操作により生まれ、南の島で大切に育てられたジュリアスは、生き別れた双子の兄がいると聞き島を飛び出す。だが、見つけたのは容姿も能力も性格もジュリアスとはまるで正反対の兄だった。しかも、兄ヴィンセントは借金取りに追われており、母を探すという弟をまったく相手にしていなかったが…。
ファミリー映画企画の三作品目です。案外人がたくさん死んでた気もするけど(汗)
シュワちゃんとデヴィートのコンビっていいですよね~。
吹替えがいつもの声優さんじゃなかったので若干違和感を覚えたものの、なんとなく懐かしくて、くすくす笑えて、最後はウルッとさせてくれました。
南の島で愛されて育ったジュリアスと、孤児院で疎まれて育ったヴィンセント…いろいろ違う二人だけど、シンクロしているかのように同じ動きをしてしまうところが妙に微笑ましい。
最初はジュリアスを鬱陶しがっていたヴィンセントが、やがて双子だという話を信じ、今まで一緒にいられなかった時間を取り戻すみたいに兄弟らしくなるのが良かったです。
お母さんと家族一緒にクリスマスを過ごす日を夢見るヴィンセントの表情と、その後の落差も良かったですね。終盤は双子の絆を感じさせる展開で。
でも、あのながーーーーい鎖のギャグはなんなんでしょう(汗)
若干気が抜ける描写もあったし、全体的にダラダラしてた気もするけど、最後の幸せそうな笑顔を見たら何でもよくなってきました。
愛すべき作品です。
- 関連記事
- 「ジュニア」観た
- 「デーヴ」再見しました

原題:THE SORCERER'S APPRENTICE
製作:アメリカ’2010
監督:ジョン・タートルトーブ
ジャンル:★ファンタジー/アクション/アドベンチャー
【あらすじ】亡き善なる魔法使いマーリンの弟子バルサザールは、1000年以上に渡り幽閉している邪悪な魔法使い“モルガナ”を滅ぼせる、マーリンの後継者を探していた。だが現代のNYでついに見つけた“選ばれし者”は、テスラコイルの研究に没頭する気弱な物理オタクの大学生デイヴで…。
やっとこさファンタジー企画最後の参加作品です。ホントは昨日が最後の予定だったんだけど、番組表チェックしたら前から観たかった(けど忘れてた…)この作品がオンエアするとわかり、急遽加える事にしました。ラッキー!
トリにふさわしく、思いっきりファンタジーしてて面白かったです♪
冒頭からテンポ良く、細かいところは気にせず一気に引き込まれたし、いかにも”魔法使いの戦い”という演出で視覚的にも楽しませてくれました。何でもアリという勢いだけど、実際に魔法使いがいたらこんな事できるかも!と思えるんですよね~。
そんな怒涛の展開に巻き込まれながら、主人公のデイヴが自分を見失わないというか、日常の匂いを常に漂わせてるところも良かったです。
魔法には興味があるけど、やっぱり大事なのは恋と研究!
使命や世界滅亡の危機なんかより、恋に対するひたむきさがバルサザールとの共感を生むところも良いなぁ。
物理オタクの彼だからこそできた戦術と、ラストの救いに繋がるところも、きれいにまとめていたと思います。マーリンが予言したとおり、彼こそが選ばれし者なんだと納得できました。
また、この作品のモチーフとなった「ファンタジア」の「魔法使いの弟子」パートのシーンは、ただ再現してるだけでなく、しっかり物語の転機になっているところが好感持てます。
昔絵本を持っていたのもあってワクワクしました。
「ファンタジア」(ファンタジー映画ではない)は録画して忘れてたので、こちらも観なくては!
- 関連記事
- 「ラストベガス」観ました
- 関連記事
- 「クール・ランニング」観ました

原題:THE ADDAMS FAMILY
製作:アメリカ’91
監督:バリー・ソネンフェルド
ジャンル:★ホラー/コメディ
【あらすじ】当主ゴメス、妻モーティシア、子供たちウェンズデーとパグズリー、モーティシアの母グラニー、それに物言わぬ執事ラーチと“手”。このアダムス・ファミリーの財産を狙う顧問弁護士は、金貸しの息子をゴメスの生き別れの兄フェスターとして屋敷に送り込むが…。
もう最初から懐かしさに歓喜しちゃいました。
この家族が好き!彼らを受け入れるこの世界が好き!
子供の頃は気付かなかったけど、ゴメスがやたらとカッコいいです。顧問弁護士をフェンシングでお出迎え。たじたじながら生活のために頑張る弁護士もすごいです(笑)
そして、モティーシアとのラブラブっぷりがいいねぇ!
冒頭でからくり仕掛けのアダムス家の屋敷がでて、ゴメス人形とモティーシア人形がキスするのかと思いきや彼女が避けたから「え?」って思ったんですが、あれって体を反らしてキスしてるところだったのね(笑)
人目もはばからずいちゃいちゃしてるものの、きちんと家族を見守るモティーシアは良い奥さんでした。
そしてそして、大好きなウェンズデーちゃん。相変わらず可愛いです。彼女は永遠にこの姿のまま心に焼きついているよ!
クリスティナ・リッチを知ったのはこの役だったはずなのに、今では同一人物だとは思えないというか、ウェンズデーはウェンズデーであって、他の何者でもないんです!(断言)
弟をいじめているように見えて、超仲良しなのも可愛い。あの服装で2人揃ってるのが可愛い。とにかく可愛い。
ハンド君はとっても素晴らしい手です。手しかないのに何でも出来ちゃうし、手なのに愛嬌がある。
彼がアダムス家のためにバイトをするシーンはすっかり忘れてました。次々と郵便物を投げていく姿がステキ。そして、彼の能力を認めて雇った人と握手したい。
→以下ネタバレ注意!
そうなんですよ~、この世界はどんな人でも受け入れちゃうんです。悪役のごうつくババアでさえ、利用するためとはいえ?強面の男を息子として育てたんですからね~。素敵な世界だと思います。
あと、フェスターの態度の変化も面白かったです。あのババアと一緒に暮らしていて、普通の人間の感覚に染まっていたから、最初はアダムス家でおっかなびっくりしてるんですよ。それが、次第に元の感覚を取り戻し、体が覚えていたかのように一家に馴染んでいきます。
自分が手伝った子供たちの劇を観に行くくだりなんて、完全にアダムス家の一員でした。
弁護士の嫁なんか、本当に生まれてからこれまで”普通”に暮らしてきただろうに、恋によって一気に変身してしまいますからね。モップの言葉をわかるようになるまでの数シーンが好きです。
そして、終盤の悪役退場もスマートで面白かった。やっぱりこの子供たちいいわぁ。
すべてが懐かしく、新しい発見もあり、再見できてよかったです♪
復刻バンザイ!!
<2019/12/1 アダムス・ファミリー2:ADDAMS FAMILY VALUES>
前作に比べるとやはりパワーダウンは否めないものの、クスクス笑えるシーンは多くて楽しめました。物足りないのはウェンズデー&パグズリーがサマーキャンプで家族と別行動してること。ウェンズデーの毒舌と無邪気な処刑がデビーに向かわないのまま不完全燃焼した感じでした。
とはいえ、サマーキャンプで別の強敵と戦うことになるんですが…。他の子と馴染めない彼女たちを、ディズニー映画無間地獄で矯正させるエピソードあたりからが見どころ。ふらふらとお仕置き小屋から出てきたウェンズデーが、引きつりつつ笑顔を作って”善良な人々”に下る姿が可哀想で(笑)
でも、それで終わらないのがさすがアダムス家の一員といったところ。アメリカの白人にとっての心地よい西部開拓時代を描いた劇を、抑圧され否定される少数派の側の立場で乗っ取って燃やし尽くすのが痛快でした。
アレルギー体質の少年との淡い恋の様子も微笑ましかったし、新しい赤ちゃんは嫌っていても(抹殺しようとするほど)フェスター伯父さんのことは大好きで心配してるウェンズデーが可愛い。あとは相変わらずラブラブなゴメスとモティーシアさんの情熱のダンスが素敵でした。
- 関連記事
- 「バラ色の選択」観ました

原題:CATS & DOGS: THE REVENGE OF KITTY GALORE
製作:アメリカ’2010
監督:ブラッド・ペイトン
ジャンル:コメディ/ファミリー/アクション
【あらすじ】警察犬をクビになったディッグスは、イヌのスパイ組織にスカウトされる。極悪非道なキティ・ガロアの陰謀を阻止するため、宿敵であるネコのエージェント・キャサリンや、ハトのシェイマスらと立ち上がるのだが…。
ネコ派を取り込む作戦で、人間に好意的なネコ組織(人間の優しいお友達”ニヤオ”)が登場。前作は印象薄くて期待せず観たわたしも、、ネコの可愛さに見事にやられちゃいました(笑)
007シリーズや羊たちの沈黙、バットマンにターミネーターなど、パロディも満載。
笑いあり友情ありの王道展開で、可愛い犬猫がカッコいいスパイ道具を使いこなし、アクションを決めてくれるという、犬猫好きなら大人でも子供でも安心して楽しめる作品だと思います。
スパイモノだとヒロインとの恋愛がつきものだけど、こちらでは種族を超えた友情と、ネコ全般への意識の変化を、ちょっとキュンとする感じで上手く描いてました。
あと、悪役のキティがいいんですよ。犬との戦いで、除毛クリーム製造工場で大釜に落ちて毛が生えなくなった上に、その姿が気味悪いとクリスマスの夜に飼い主に捨てられて、犬と人間を憎悪するようになったという設定なんだけど、見た目は怖いのに脅威は感じないというか。妙に不運でちょっと応援したくなっちゃいます(笑)
今はオネエ系の手品師に飼われていて、種も仕掛けもわかってないのに、キティと危険なマジックに挑もうとしたり…。悪気がないぶん余計に性質が悪い。
ペットのはつかねずみジューシーちゃんをいたぶり可愛がりたくなる気持ちもわかるかも。(何気にジューシーちゃんが一番可愛い!)
遊園地での激闘は意外と見ごたえあったし、ラストはみんなハッピーで、家族で気楽に観るには丁度いい作品でした。

原題:BECAUSE OF WINN-DIXIE
製作:アメリカ’05
監督:ウェイン・ワン
原作:ケイト・ディカミロ
ジャンル:★ファミリー/ドラマ/コメディ
牧師の父親と2人でフロリダ郊外に引っ越してきた10歳の少女オパール。友達ができず寂しい毎日を送っていた彼女だったが、スーパーマーケットで出会った野良犬を、店名にちなんでウィン・ディキシーと名付け飼うことに。やがて新しい友達もでき、彼女は明るさを取り戻すが…。
アナソフィア・ロブちゃん主演の心温まる作品でした。私でも一目で「テラビシアにかける橋」の子だとわかって嬉しかったです。もう笑顔がおんなじ!
父親を”牧師さん”と呼ぶ少女オパールが、犬のウィン・ディキシーのおかげでたくさんの出会いを得て成長していくというオーソドックスな物語なんですが、地味ながら心に染み入るんですよね~。
自分と同じように孤独や悲しみを抱えている人がいる事、自分の目で見て心で感じた事を信じる事の大切さを知り、やがては友達と喜びを共有したいと思うまでに成長して、じわじわと感動させてくれます。
また、オパールの想像の映像演出も作品世界にぴったりで、人の言葉がわかるかのようなウィン・ディキシーや動物たちなど、ちょっぴりファンタジーな存在もなじんでました。(教会ではネズミを殺さず捕らえる空気の読める犬 笑)
町にともだち(居場所)が増えるたびに色鮮やかに書き込まれていく手描きの地図などの小道具も良かったです。
児童小説が原作らしく、優しく詩的なセリフが印象的でした。
「旅立つものは引き留められない。優しくできるのはそばにいる間だけ」
「人生はリトマス・キャンディーに似ている、甘さと悲しさが混ざってて分けることができない」などなど…。
隠し味は”悲しみ”というリトマスキャンディをちょっと食べてみたくなりました。
- 関連記事
- 第8回ブログDEロードショー作品「スモーク:SMOKE」

原題:LE PETIT NICOLAS
製作:フランス’09
監督:ローラン・ティラール
原作:ルネ・ゴシニ 、ジャン=ジャック・サンペ
ジャンル:★コメディ/ファミリー
【あらすじ】優しい両親と仲の良い友だちに恵まれ、楽しい毎日を送るニコラ。ところがある日、自分に弟ができると察してしまう。そうなれば自分は森に捨てられてしまうかもしれないという不安に駆られ、仲間たちに相談するニコラだったが…。
風邪は治ったけど本調子ではないので、とりあえずいつもの映画感想。「おおかみこども~」は午後に観て、明日から他のファンタジー映画も観ていく予定です!
原作の絵本は知りませんが、OPから可愛らしくて思わず口元が緩みました。
弟が出来たら自分は森に捨てられてしまうかもしれないと悩むニコラもカワイイ。見た目がお人形さんみたいな子で、いかにも本気でこういう事を悩みそうな感じがするんですよ。
そして、ニコラを取り巻く個性的な子ども達が面白かったです。
がり勉で授業で当ててもらうのが大好きなメガネのちびっ子、食べるの大好きでみんなもそうだと思ってる小太り少年、事業家のお父さんが大好きな仮装大好き坊ちゃん、いつもぼーっとして怒られてばっかりな赤毛少年、弟ができて不安を抱える憂鬱顔の少年など、見た目からしてそれぞれのキャラクターにぴったりで、このメンバーが揃うと妙にしっくり!
身体測定や代理の先生、視察のエピソードでは、わたしのお気に入りのメガネ君と赤毛君が大活躍で、思いっきり笑わせてくれました。「セーヌ川!」と答えてクラス中が感動の嵐に包まれるとこなんてサイコー。
割とシャレにならないこと(サボテン事件や怪力薬)もしてたけど、コメディと割り切って観られたので、ずっと笑いっぱなしでした。
一方、ニコラの両親も負けず劣らず面白い!
社長夫人を食事に招いた時のお母さんの空回りっぷりがね~(笑)
大人パートはシニカルな笑いがあって、子どもパートと絶妙なバランスでした。
勘違いに勘違いを重ねての大騒動も大満足だったし、ラストにニコラが出した結論には思わず感動してしまいました。こうくるか~っていう驚きはあるのに、納得の流れ。
大好きな作品です。
<2018/11/21 再見>
5年ぶりに再見。内容をすっかり忘れていて初見時のように楽しめました。
感想もほぼ同じだったので付け足すことは三つしかないですね。
冒頭でニコラが皆の「将来なりたいもの、なりたかったもの」を紹介していくんですが、最後にママの紹介の時の「ママのなりたかったものはぼくのママ。そうじゃなきゃ嫌だ」と全国のママさんがメロメロになりそうな殺し文句が素敵。
あと、ママが運転免許の試験を受けている時、事故に遭いそうになって華麗なる縦列駐車を決めるところがカッコいい!
最後に、このタイミングで再見して本当に良かった!
なんと「コーラス」のマチュー先生が登場するんですよ。名前は出てないけど完全にマチュー先生でした。教育委員会の視察で出しものをすることになり、このまとまりのないクラスで何ができるか…と色々試して合唱の練習をするシーンです。セリフは一言だけでしたが「コーラス」を見た後だったのもあり歓喜してしまいました。思わず写真を撮ったんですが、実際に映画を見て確認したい人もいると思うので見たい人だけ↓のリンク先をご覧ください。このシーンの後に、いたずらっぽく笑いかける感じが可愛かったです。
マチュー先生の登場シーン
あとニコラのお父さんも顔に見覚えがあると思ったら、体育教師のシャベールでした。
監督が同じというわけでもないし「コーラス」がそれだけ愛されているということでしょうね。
- 関連記事
- 「モリエール 恋こそ喜劇」観た

原題:THE GREAT RACE
製作:アメリカ’65
監督:ブレイク・エドワーズ
ジャンル:★コメディ/アドベンチャー/ファミリー
【あらすじ】宿命のライバル、レスリーとフェイトは、様々なチャレンジで記録を打ち立てていた。レスリーがNYからパリにかけてのカーレースを開催、出場すると聞き、いつも苦汁を舐めているフェイトは大張り切り。また、女性記者として名を上げたいマギーも参加を決め…。
いきなり主人公の歯がキラーンで笑いました。目だって光るんだぜ。古き良き時代だなぁって感じが心地いいです。
フェイト教授と助手のコンビがいい味出してますね。レスリーに勝つことしか考えてなくて、あきらかに失敗してても「あいつはこんなこと出来まい!」ジャジャーン♪となるのが可愛いです。彼が作るメカの数々も童心を呼び覚ますものがありました。
助手(P・フォーク!)もどうしてそんなに忠実なのというくらい健気で、途中さすがに愛想が尽きてきたかと思いきや、やっぱり最後まで一緒なとこがいい。
チキチキマシン猛レースは見たことないけど、ケンケンとご主人が彼らをモデルにしてるというのはなんとなくわかる気がしました。他の作品への影響もそこここで感じられます。
そんな彼らが本気で古典的ギャグを連発!最初からクスクス笑い通しでした。
ただ、160分もあれば当然なんだけど、後半は飽きてきてしまいます。いきなり漂流したり、他国の王位継承問題に巻き込まれたり、どんどんレースとかけ離れていって。パイ投げはさすがにうんざり…(あの量!)
それでも、終盤のマギーと主人公の恋の駆け引きでは、思わず笑顔になっちゃうし、フェイトの負けず嫌いな性格(というよりずっとレスリーと競い合っていたいんだよね)がわかる提案も後味爽やか。何より最後のエッフェル塔で、ぜんぶ許せてしまいます♪(笑)
愛すべきスラップスティックコメディでした。

原題:MRS.DOUBTFIRE
製作:アメリカ’93
監督:クリス・コロンバス
原作:アン・ファイン
ジャンル:コメディ
【あらすじ】子煩悩だが失業中の俳優ダニエルは、一家の家計を担いつつ家事もこなしていた妻ミランダに、ついに離婚を告げられる。養育権を奪われ、週一度限られた時間にしか子どもたちに会えなくなった彼は、初老の英国婦人ミセス・ダウトファイアとなり家政婦として子どもたちに会いに行くが…。
ロビン・ウィリアムズの女装は見事でしたね~。再見だけど、こんなに品のある老婦人になれるなんてと驚いてしまいました。
その中身が、良い意味でも悪い意味でも子供心を忘れていない主人公で、素が出てしまう時のギャップが笑えます。…やりすぎで笑えないところも多かったけど。
でも、こういうところがあるから、あのラストで最高のハッピーエンドというのがとても納得できるんですよね。
ミセス・ダウトに心を許したミランダが、夫には話せなかった(真面目に聞いてくれなかった)話をするシーンが印象に残ります。
「夫といるときの自分が嫌になったのよ。子供にとっても、こんな母親じゃ悪影響でしょう…。」
ミセス・ダウトになってからは、馬鹿をやめてミランダを支えることもできたダニエル。本当に子どもたちの幸せを考えていたなら、もっと早く妻の苦悩に気付いていたはずです。
最後まで「”自分”が子供と一緒に楽しく暮らしたい」という想いが優先してしまった彼にとって、このハッピーエンドが限界だよなぁ…と思ってしまいました。
.