読み:すこるぴおんのこいまじない 原題:THE CURSE OF THE JADE SCORPION 製作:アメリカ’01 101分 監督:ウディ・アレン ★コメディ/ロマンス/ミステリー
【あらすじ】1940年、ニューヨーク。腕利き保険調査員のC.W.ブリッグスは、リストラ担当重役としてやってきたベティ=アン・フィッツジェラルドとは犬猿の仲だった。だが、同僚の誕生パーティでインチキ魔術師の催眠術ショーの実験台にされ、ある言葉を聞くと惹かれ合うようになり…。
久しぶりに観たら面白かったです。クスクス笑えてほんわか幸せな気分で見終われて、派手さやアッと驚くような展開はないのに印象に残り続けている作品でした。 ウディ・アレン演じる主人公が不思議なキャラクターで、普通なら絶対にモテなさそうな冴えない白髪の小男なのに、可愛い女の子や美女に妙に好かれていても何故か許せてしまいます。仕事は有能で人付き合いも上手く、善良な楽しい男。嫌味な感じが一切しないのは、天性のものだけでなく処世術の上手さも関係していると思います。もしかしたら、賭けで負け続けてるのもわざとかも? あと、催眠術で操られている時のブリッグスがほわわ~としていてなんだか可愛いかった(笑)
そんな彼が天敵と呼ぶキャリアウーマン・ベティ=アンとの皮肉合戦もクスリと笑えました。なんというか夫婦の痴話げんかみたいで、いがみ合ってるのにギスギスしてません。毎回会うたびにあんな皮肉を考えるなんて、本当に嫌いな相手ならしないですよね。無視するか相手を見ずに悪口を言う方が楽ですし。 そんなゆるさが漂っているので、催眠術で恋に落ちた時「言葉の棘の裏にある愛を感じて」といった言葉に真実味が出てきた気がします。
そして「スコルピオンの恋まじない(原題だと呪い)」によって、ただのロマコメで終わらないところがよかったです。 恋と犯罪と追い込まれてゆく主人公のエピソードが上手くかみ合っていて、割とのんびりな前半に比べて終盤は軽妙でした。一気にもつれた糸がほどけるようにあるべきところに収まるのでスッキリ! なんだかんだでブリッグスが皆に愛されているのがわかって、容疑が晴れてほぼみんな笑顔になっているのが心地よかったです。 ラストのベティ=アンの茶目っ気も光ってました。ドアの向こうで「え?え?」とうろたえてるブリッグスが可愛い。 この二人なら上手くやっていけそうだなぁと明るい気持ちで見終えました。再見して良かったです。
関連記事 「ミッドナイト・イン・パリ」観ました 原題:SOIS BELLE ET TAIS-TOI 製作:フランス’59 103分 監督」:マルク・アレグレ ジャンル:★ロマンティックコメディ
【あらすじ】養護施設を3度も脱走したヴィルジニーは、途中で盗んだ車が宝石盗難事件に使われたものだったために捕まってしまう。警部ジャンは彼女の勘違いを利用して情報を得ようとするが失敗。彼女が無実だと確信したジャンは、彼女を救うためプロポーズし…。
可愛らしい曲芸師ヴィルジニーを救うため(半分は違法捜査?による批判を誤魔化すため)結婚するんだけど、ジャンを信じられない彼女がベビーギャングの友達と逃げ出そうとし…というロマコメ。弱みに付け込んで女をモノにするなんて私の苦手な展開かなと思いきや、愛が溢れてるので楽しめました。
モノにすると言っても一番の目的は彼女を救い出すことで「君がドアをノックしたら、愛を受け入れた合図だ」と自分からは手を出さないし、結婚してからめちゃくちゃ幸せそうなんですよ。 老いた母親も(ヴィルジニーを修道院出だと思ってるとはいえ)刑事の息子にこんなによくできたお嫁さんが来てくれるなんてと幸せそう。
孤児で養護施設を3度も脱走した挙句に刑事と知らずに彼に恋していたヴィルジニーも、愛のある温かい家庭に惹かれつつ自分を騙したジャンに意地を張ってしまったりととても可愛いです。 それに、一緒に脱走した女の子オルガ(スクーターで”カメラ”を密輸するベビーギャング)との友情も大事にしていたので、つい「結婚したくないから密輸の際に外国に逃がして」と頼んでしまい、そのせいでジャンとすれ違ってしまうんですよね~。
密輸に協力してしまったことをジャンに知られないため怪しい男に協力してしまうヴィルジニーと、宝石泥棒と妻に何か関係があるのか感付いてしまうジャック。何気にジャックが優秀な刑事なので、ヴィルジニーの尻尾を掴みそうで掴めないという展開もあって引っ張ってくれます。 そして、彼女の方は曲芸師をやっていたこともあって、屋根伝いに逃げたり塀を乗り越えたり、とある妙技を披露するシーンがあって、そんな様子が猫っぽくてとってもキュート。
タイトルのセリフが使われるラストもロマンティックで、久しぶりにロマコメを楽しめました。後から知ったけど原題の意味は「黙って美しくあれ」だそうで…。ラストのセリフも変えてあるんだろうか? あと、ルルという男がアラン・ドロンかな?と思って調べたら正解で嬉しかったです(笑) 監督は「裸で御免なさい」の人。ヒロインのミレーヌ・ドモンジョはブリジット・バルドーと同世代の女優さんだったんですね。
読み:らぶあげいん 原題:CRAZY, STUPID, LOVE. 製作:アメリカ’2011 118分 監督:グレン・フィカーラ、ジョン・レクア ジャンル:★コメディ/ロマンス/ドラマ
【あらすじ】愛する妻と可愛い子どもたちに囲まれ、順風満帆だと思っていた真面目な中年男キャル。だがそんなある日、25年連れ添った妻から離婚を切り出されてしまう。バーで愚痴りながら飲んだくれる彼を見かねて、プレイボーイのジェイコブがある提案をしてくるが…。
これは面白かったですね~。群像劇みたいな感じで、色んな恋をする人たちがコミカルに描かれ、驚きや感動もある家族の物語。 メインストーリーは、離婚を突きつけられた冴えない中年男キャルが、セクシーな色男ジェイコブに女性の心を掴むテクニックを伝授してもらい、生まれ変わるというもの。 見事に垢抜けて次々と女性をものにしていくんだけど、心は奥さん一筋。最初は”彼女を忘れるため”だったのが、いつしか”彼女の心を取り戻すため”に変わっていくのが好感持てました。 一方、両親のことが大好きで父親を応援する息子や、長年彼の子守をやってる女子高生のヘンテコな三角関係も面白かったし、ジェイコブとの奇妙な師弟関係も楽しい。頬をパンと叩いて気合を入れたり、サウナで真っ裸で講義し続けたり(何故にそのポーズ 笑)。
あと、ハンナの恋模様(というか初デートのくだり)も胸キュンです。 恋人に失望してやけくそでジェイコブの元へ来たハンナだったけど、酔っ払ってるのと躊躇してるのと人柄のせいか、なかなかキスから先に進まない。でも、自分は準備OKよという態度は崩さず、”気まずい間”なんて作らないようにおしゃべりし続けるんですよね。 結果的に短時間で様々なことを話し、距離を縮めていきます。 「ダーティ・ダンシング 」のリフトから、あんな微笑ましいシーンに繋がっていくなんてね~。二人が本気で恋に落ちるまでのエピソードが一番好きです。
そんな恋模様と人間関係が予想外の方向で絡み合っていくのもサイコーでした。終盤の大乱闘は大笑い。 比較的地味なロマコメかと思ってたけど、観終わってみると映画を観たという満足感がかなり大きかったです。脚本が上手いんですよね。ちょっとした台詞や行動で笑わせてくれるし。 映画好きでよかったな~と思えました。
原題:A SONG IS BORN 製作:アメリカ’48 監督:ハワード・ホークス ジャンル:★ロマコメ/音楽
【あらすじ】音楽史編纂のため9年も篭もっていたフリズビーら7名の教授たちは、ある日、自分たちが流行から取り残されていることに気付く。フリズビーは現役ミュージシャンたちに協力を求めるが、そのひとりはギャングの情婦で重要参考人の歌手ハニーで…。
「教授と美女」のセルフリメイクらしいけど、とても良かったです。今年の10月のブログDEロードショーが音楽祭だったら、絶対これ見てたね! もう悪役以外みんな良い人ばっかりで、音楽で繋がった優しい空間なんですよ。そんな人ばかりだとうそ臭くなりそうですけど、主人公含む教授たちは、音楽研究で10年近く篭ってた浮世離れした人たちで、新しい音楽に触れて子供みたいにはしゃぐ姿を見たら、音楽好きなら好きにならずにはいられないと納得できます。
主人公のフリズビー以外はおじさんとおじいちゃんばっかりなんだけども、かなり子供っぽい面があって、ヒロインのハニーに懐く様子はピーターパンの子供たちみたい。…と思ったら、白雪姫の七人の小人をイメージしたんだとか。ディズニー版の小人かな(笑) 彼らの編纂する音楽史というのも面白くて、音楽の移り変わりをフリズビーが集めたミュージシャンと教授たちで演奏したり歌ったりしつつ解説していくんですよ。録音しているから、レコードつきの本として売り出すんでしょうか? このシーンだけでもワクワクして、楽しい気分になれました。この音楽史があるならぜんぶ聞いてみたい!
教授の一人とセッションするくだりも、お堅い教授というイメージに反して、すんなり合わせられるところがカッコいい! そりゃあ、9年間、音楽のことばっかり考えて、様々な時代、地域の音楽を演奏してたひとだもんね~。 本当は身を隠すためだけにやってきたハニーも触発され、教授たちがよく知るオペラをアレンジして現代風に演奏してみたり。歌詞は知らないと言われて、競馬の記事を歌詞代わりにするアイデアが面白い。
彼らを隠れ蓑に使っていた彼女が、だんだんと彼らを好きになって、利用することを躊躇するようになっていくところも良かったです。 ついには結婚ということになり、”ハニーのパパ”の元へ向かう教授たち。自分のことのようにはしゃいで二人を祝福する教授たちは天使のようだと思っていたら、ハニーも彼らを「天使たち」と呼んで複雑な表情を浮かべます。
そして、この後の流れが素敵なんですよ〜。 唯一の既婚者が亡き妻との思い出話でしんみりするところもジーンときたし、ルームナンバーがひっくり返って、勘違いで暗闇の中にいるハニーに不安を打ち明けるフリズビーと、その真心に触れて彼女が恋におちるくだりは胸キュンもの! その後、冷静さを取り戻すために彼がやっていた方法を試すハニーに、思わずニマニマしてしまいました。 すべてバレてしまってからの彼女の言動も好感が持てるもので、「彼が好き。二度と会えなくても、もうあなた(フィアンセ)とは結婚できない」とキッパリ断ったし、助けにきたフリズビーに対しても「他にもいい女性がいるのに私を選ぶなんて」と身を引こうとしたり、けっこう昔の作品なのに流されたりしない、自分をしっかり持った強い女性でした(ヤムヤムには抗えなかったけど 笑)。
あと、”共振”と”置物”の伏線や、彼女が彼にやったように”ヤムヤム”で上手くいく流れなど、脚本も丁寧だったと思います。…まあ、フィアンセを倒しても彼女が共犯者という嫌疑が晴れたわけじゃないので、この後どうなったのか気になるところですが…。 脇役の家政婦さんも良い味出してたし、「たくさんのオペラが愛の必然性を証明している」という台詞もよかったし、音楽好きな方におすすめの作品です。
関連記事 「ハタリ!」観た 第29回ブログDEロードショー「三つ数えろ」 原題:NOTTING HILL 製作:アメリカ’99 監督:ロジャー・ミッシェル ジャンル:ロマンス/コメディ
【あらすじ】ウェストロンドンの片隅にある街ノッティングヒルで、旅行誌専門の本屋を経営していたウィリアム。ある日そこへ、何の前触れもなくハリウッドスターのアナ・スコットが訪れる。わずかな時間で互いに運命を感じる2人だったが…。
彼女と出会ってからキスまで30分くらいカットされてんじゃないかと思ったけど(笑)、コメディ部分は面白かったです。 とくに、記者と勘違いされて彼女とプライベートな会話がほとんどできないどころか、記者の振りをし続ける破目になったくだりは大笑いでした。まったく知らない新作映画の出演者に対し、「馬と猟犬」という雑誌の記者としてインタビューする時の苦し紛れなヒュー・グラントの様子が楽しい。 彼のことはそんなに好きじゃないけど、この優柔不断なウィリアムは合ってました。 あと、居候のスパイクが良い味出してましたね。 あの奇抜な服装が不自然に感じないというか、本当にああいう人なんじゃないかと思える演技が素晴らしい。 どう考えても一緒に暮らすのはゴメンというタイプなんだけども、そんな彼を受け入れているウィリアムだからこそマイペースなアナを受け入れられるという点では納得かも。 お目当ての主題歌はさすが耳に残る名曲だと思います。この作品がここまで有名になったのも、この主題歌のおかげだったり? 「ローマの休日 」へのオマージュもあって、初見時にはまったく気付かなかったのが不思議。こちらを先に観たんだったかなぁ。 一番印象に残ったシーンは、通りをウィリアムが歩いているうちに季節が移り変わっていくシーンですね。 最初に映る妊婦さんが最後には赤ちゃんを抱えていて、とっても上手かったと思います。 彼女との出会いからキスまでのシーンでもやればいいのに(笑)
原題:10 THINGS I HATE ABOUT YOU 製作:アメリカ’99 監督:ジル・ジュンガー ジャンル:ロマンス/コメディ
【あらすじ】転校生のキャメロンは、一目惚れした学園のアイドル・ビアンカをデートに誘おうとするが、彼女の父親は厳しい事で有名だった。だが、ビアンカの姉・カトリーナがデートすればビアンカもデートできるという事になり、彼らは学校のはみ出し者パトリックを雇い…。
出だしは下ネタ全開のおバカな学園ラブコメというノリだったけど、話が進むにつれ「下ネタ?何の話?」とばかりに路線変更する王道学園ラブコメでした(生徒そっちのけで官能小説を書く生徒指導教官が結構好きだったのに、後半影を潜めちゃって残念!)。 ややアンバランスなところもありますが、ウソから始まる恋というベタな展開で気楽に楽しめるし、何よりパトリック役のヒース・レジャーが素敵でぜひイラストを描かねばなぁという気持ちに。 機嫌を損ねたヒロインのため、ブラスバンド部?を買収し、ノリノリで「君の瞳に恋してる」を歌うくだりがキラッキラしてるんですよ~。ヒース・レジャーのファンは必見! あと、太っちょで憎めないお顔のお父さんや、キャメロンの親友マイケルがいい味だしてました。 個人的にマイケルが一番のお気に入りで、親友のために一生懸命なのはもちろん、ジョーイたちも上手くいってほしいと気に掛けているところが優しい! 自分の恋もさりげなく頑張っていて、プロムに誘うため彼女が好きなシェイクスピアにちなみ、古風なドレスと手紙を贈るところが粋。個人的に、このくだりが一番キュンときました。 ちなみに原題の意味は、カトリーナが挙げた”あなたの嫌いな10のこと”で、それに続く劇中のセリフが可愛いです。
原題:WHEN HARRY MET SALLY... 製作:アメリカ’89 監督:ロブ・ライナー ジャンル:コメディ/ロマンス
【あらすじ】大学卒業後、たまたま車で一緒にNYへ行くことになったサリーとハリー。互いに第一印象最悪のまま別れるも、数年後、空港でばったり再会して”何でも話せる異性の友達”に。やがて、お互いの恋人についても相談し合うほどの親友となるが…。
主人公たちふたりが出会ってから、ぱっぱと時間が飛んで、ふたりの距離が縮まっていくのを描いていくんだけど、数年後パートに入る前に、長年連れ添った夫婦へのインタビュー映像が入る構成が面白かったです。 出会ってすぐ惹かれあったとか、一度離婚して数年後に運命の相手と確信したとか…。そんなカップルたちの話を聞きながら、このふたりはどうなるのだろうと見ていくことができました。 このふたりを見ていると、少女マンガなどでよく見かける”幼馴染”と今の関係が壊れるのが怖くて告白できないっていうのを思い出しますね~(笑) 年齢もはじまり方も違うものの、親友になってからはお互い意識しあってるのがバレバレで、それでも踏み出せないのが可愛いです。
あと、わたしの苦手な分割画面も、この作品ではとても上手く取り入れてました。 夜それぞれのベッドで「カサブランカ」を観ながら電話する様子を並べて映して、まるで夫婦仲良く映画を観ているよう。出会った頃にケンカ腰で議論した作品だから、穏やかに話しているのを見ると、ますますふたりの距離が縮まったのが伝わってきます。 他にも、お互いに「こんなのは嫌!」と話していた事をやってしまって、ショックで親友に電話するエピソードも面白い。夫婦になった親友たちのベッドを挟むように、同時に電話をかけてきた彼らの映像が両側に映され、一気にまくし立てるから騒がしさも二倍!(笑) 地味な内容なものの撮影や構成が良くて楽しめました。ハリーは陰気であまり好きになれなかったけど、サリーを演じるメグ・ライアンが魅力的だったし。サリーがカフェで突然…するエピソードは爆笑もの。演技力より、その度胸の方がすごいわ…! ちなみに、原題は「ハリーがサリーに出会った時」。う~ん、邦題も原題もいまいち印象が薄いかな?
関連記事 「スタンド・バイ・ミー」観ました 「最高の人生の見つけ方」観ました 原題:GOING THE DISTANCE 製作:アメリカ’2010 監督:ナネット・バースタイン ジャンル:★ロマンス/コメディ
【あらすじ】NY、音楽業界で働くギャレットは、新聞社のインターンでサンフランシスコから来ていたエリンと出逢い意気投合。後腐れのないひと夏の関係を楽しむ事に。だが、彼女が帰る頃には別れがたいほど愛が深まり、遠距離恋愛がはじまって…。
これは面白かったです! 目新しい事はないし下ネタもあるけど、ふたりの会話は気が利いていた楽しいんですよね。彼らの心情や、惹かれあって愛に変わっていく過程も納得。最後まで応援したいと思えるふたりでした。 キレイごとやご都合主義もなく、しっかり決着つけてくれるのも好感持てます。 エリンを演じるバリモアは(観ている間は気付かなかったけど…)いつもながら良かったですね~。 最初はぱっとしない感じで、寝起きの顔なんて酷かったのに、恋してるモードに入ってから表情が輝き始めます。遠距離の壁に突き当たってからも一喜一憂する様子がキュート。さすがラブコメ女王! あと、ギャレットの友人と、エリンの姉一家がいい味出してました。 変わり者のルームメイトは、薄い壁の向こうからしっかりギャレットの恋の行方を見守ってるし、もう一人の友人も、常識人とみせかけてやっぱり変。ヒゲをはやしている理由が…(笑) でも、ギャレットもエリンもおおらかで、それを受け入れちゃうところがステキでした。 また、姉一家も笑わせてくれます。ギャレットとの出会いのくだりはサイコー! いくら久々の再会で燃え上がっても、姉のお宅の食卓の上ではダメだよね~。電気をつけたらそこには…という展開には大笑いでした。ラストもこのネタでくるとは(笑) OPと彼らが長距離移動するたびに地図上を飛んでいく飛行機など、ペーパークラフトのような手作り感あるデザインもお気に入りです。 ちなみに原題は「最後までやりぬけ」という意味。邦題は「彼女の決断」が微妙にズレてるかな~。
原題:THE PROPOSAL 製作:アメリカ’09 監督:アン・フレッチャー ジャンル:★ロマンス/コメディ
【あらすじ】NYの出版社で編集長を務めるカナダ人のマーガレットは、ある日、ビザの更新が却下され国外退去の危機に。そこへアシスタントのアンドリューが現れ、偽装結婚を思いつく。審査官の目を誤魔化すため、彼らはアンドリューの両親に結婚を報告しに行く事になるが…。
とっても面白かったです。「グリーン・カード 」と「あなたが寝てる間に… 」を足して2で割ったようなラブコメで、サンドラ・ブロックが本領発揮してました。 たぶん、他の人がやってたら都合のいい部分が目に付いていたと思うんですけど、彼女のおかげでまったく気にならず。嫌な上司も許せてしまうし(でも根は優しくてキュートだったりする)、あの短時間でふたりが惹かれあっていくのもすんなり納得できてしまいました。バリバリのキャリアウーマンだったのが、犬を抱えて走りまわったり、家族を前にあたふたりしたり、気弱なところを見せたり、意外な一面をちら見せするのが上手いです。 そんな彼女の次に好演していたのが、アンドリューの祖母と白いふわふわわんこ! このお祖母ちゃんが可愛いくて温かくて、家族の絆パワーを一人で発揮しているようでした。父子の確執もあるはずなのに、彼女がいるとそんな事も些細なものだと思えてしまいます。策略家なところも素敵…老いを武器にするとか(笑) 白いふわふわわんこも何気にふたりを結びつけるために活躍してました。彼女から連絡手段を奪うワシ事件と、刺青から自分の事を話すきっかけになった全裸事件は、このわんこがいなければ起こらなかったでしょう。めっちゃ愛らしい恋のキューピッドで、この作品の胸キュン要素の9割はこの子! この町で雑貨屋もストリッパーも牧師もこなすラモーンもいい味出してました。 ラストは「あなたが寝てる間に…」にそっくりなんだけども、嘘から始まる物語をすっきり爽やかに決着つけるならこれしかないかな。それまでが面白かったから、ハッピーエンドで大満足でした。 原題はプロポーズだけど、この変な邦題じゃなかったら見逃してたかも…!
この動くマネキンが描きたかった!ヒロインの虚ろな瞳も再現(笑)(2013/4/4イラスト追加&単独記事に直しました。この作品へのコメント等は過去記事 に残ってます) 原題:CONFESSIONS OF A SHOPAHOLIC 製作:アメリカ’09 監督:P・J・ホーガン 原作:ソフィー・キンセラ ジャンル:コメディ/ロマンス
【あらすじ】ニューヨーク。編集部で働く25歳のレベッカは、ブランド物の衝動買いが止まらずカード無効になった上、運悪く廃刊で会社をクビに。憧れのファッション誌の編集部に就職しようとするが、何の間違いかおカタい経済誌に決まり…。
買い物の後に罪悪感に襲われた表情をちらりとでも見せていれば、コミカルなだけでなく結構考えさせる作品になったと思うんだけど…。 依存症は怖いですよ。どんなに自己嫌悪していてもやめられないんだから。 金遣い荒いひとか依存症かの境界線は、やめたいのにやめられない、もしくはそれが原因で生活に支障をきたすなどの問題があるかどうかで決まるはずなので、借金まみれの彼女は完全に依存症。嘘をつきまくるのも「依存症とはそういうものだから」と思えます。 でも、自助会での言動やラストの借金取りへの仕返しを見ると、依存症以前に彼女の人間性に問題があるんですよね~。なので、ぜんぜん感情移入できないし、笑えもしませんでした。 最後はちょっと感動したけど、それは受付の男性や自助会の先生、上司や親友、両親の優しさと心の広さにかなぁ。 ウィンドウに並ぶマネキンが動いて主人公を誘惑するという表現だけは、とても素敵でした。
関連記事 映画「ピーター・パン(2003)」感想 原題:MA FEMME EST UNE ACTRICE 製作:フランス’01 監督:イヴァン・アタル ジャンル:★コメディ/ロマンス
【あらすじ】パリ。有名女優シャルロット・ゲンズブールを妻にもつイヴァンは、日々嫉妬に悩まされ続けていた。深く愛し合ってはいたが、行く先々でファンが寄ってきて、ふたりの時間を楽しむ余裕もない。そんな中、シャルロットが名うてのプレイボーイ、ジョンと共演する事になり…。
女優を妻に持つ男ののろけ話だと聞いていたんですが、これが結構面白かったです。 確かに、妻との時間をファンに邪魔されたり、あからさまに妻との対応が違ったり、自分以外の男とラブシーンを演じてたり、それを多くの人に見られたり…いい気分じゃないですよね~。 気にしないようにしても、つい嫉妬してしまうイヴァンなんだけども、そんな彼のためにラブシーンを断ろうとする奥さんが健気です。でも、「私だけさらし者になるなんて嫌よっ!」という一言から、まさかあんな展開になるとは(笑) それを目撃したイヴァンが「妻がカルト教団に入ったんです…。」と通りすがりのおばちゃんに話しかけるくだりは爆笑ものでした。 一応彼も妻の事を理解しようと、小劇団に入ってみるところなんか可愛げあります。いい夫婦ですよね。 でも、劇団の娘たちが妻の相手役の事を「大人の魅力がたまらないわよね~」と話してるのを聞いたら、いてもたってもいられない!嫉妬せずにはいられないんです。 その後の対応によっては彼女も喜んだんでしょうけど…。女優を妻に持つのも大変だけど、嫉妬深い夫を持つ彼女の苦労もしっかり描かれてました。 シャルロット役の女優さんが可愛いなぁと思ってたら、ご本人でしたか。しかも、イヴァンもご本人で、俳優で、監督にも挑戦とは!色々とすごいな…。 彼らに嫉妬さえしなければ、可愛くて楽しめるフランス映画だと思います(笑)
製作:日本’49 監督:木下恵介 ジャンル:★コメディ/ロマンス
【あらすじ】自動車修理業で成功した圭三のもとに、華族の令嬢、池田恭子との縁談が持ち込まれた。彼は興味を示さなかったが、お見合いで実際に会って一目惚れ。結婚の承諾を受け舞い上がっていたところ、彼女の父が詐欺事件の巻き添えで刑務所におり、池田邸も抵当に入っていることを知り…。
主人公の初々しい恋模様が面白可愛いかったです。 冒頭から、断る気マンマンでお見合いに行ったのに、時間が迫ってくるとそわそわして、身だしなみを整えだしたりと微笑ましい。しかも、お見合い相手を見たとたん、もうわっかりやすく一目ぼれしちゃうんですよね~。 お見合いが終わって、「天上の美女に出会った!」と弾けないギターを夢心地でかき鳴らしたり、「俺なんかじゃ釣り合わない。断られるに決まってる…」と落ち込んだり、恋に落ちた男の姿をコミカルに見せてくれます。 原節子のお嬢さんも清楚かつ可憐ではまり役。彼女の甥っ子たちも含めて、本当に育ちのよい優雅な感じでした。 舌足らずなお坊ちゃんが可愛くて、親族が部屋に入ってくるたびに「僕のお母ちゃまです」と律儀に紹介してくれたり、年齢を聞いたら「おじちゃまはいくつですか?」と聞き返したり、ほのぼの笑わせてくれます。 また、彼女をかわいがっている祖母が、あからさまに主人公との結婚を嘆いて見せるところが(笑) 主人公が気にしている”育ちの違い”を、ことごとく刺激してくるという、なかなかの性格でした。 こんな感じで、この時代の邦画にも関わらずハリウッド映画のラブコメのノリを見せてくれます。日本人がこういう役を演じていることも違和感がなく、今観てもぜんぜん面白い! 何気に興奮のハッピーエンドでした。
製作:アメリカ’05 原題:HITCH 監督:アンディ・テナント ジャンル:ロマンス/コメディ
【あらすじ】独自の理論と的確なアドバイスで、恋愛に不器用な男性たちを手助けしてきたデート・コンサルタントのヒッチ。今回も、小太りで冴えない会計士アルバートの恋を手伝う事に。その一方で、彼はゴシップ記事専門の女性記者サラと出会い…。
久し振りに1時間も寝坊したー! なんとか7時頃には朝食をはじめられたものの、一日のリズムが崩れると調子でないですよね…。そんなわけで、軽めに感想いこうと思います。 タイトルからして全く期待してなかったんですが、意外と爽やかで面白いロマコメでした。 ヒッチが指南する冴えないアルバートの奮闘ぶりが可愛いんですよねぇ。ヒッチの「どんな女でも必ず落とせる」という言い方は若干ひっかかるものの、彼のような誠実な人の手助け(勇気付け)をしてると思えば、こんな仕事も必要かもしれません。本気の恋しか手助けしないのがポリシーらしいし。 ヒッチがやった事はほんの少し背中を押す事くらいで、実際に頑張ってるのは彼自身。あのアルバートが吸入器を投げ捨て、彼女の元に戻ってキスをするくだりは痺れました。 ヒロインがあんまり可愛くなかったりするけど、ヒッチの恋のほうもなかなか楽しかったです。他人の後押しは得意でも、自分の恋は思うようにいかないのがセオリー。たまたま彼女のトラウマを刺激しちゃったり、食品アレルギーで顔ボコボコになったり、最低男の逆恨みに遭ったり、ことごとく裏目に。にしても、アレルギー出た時に病院じゃなく、ドラッグストアに駆け込むとは…。 ラストは安心のハッピーエンドで、ヒッチの客を見る目の確かさもあって他のカップルたちも安泰そう。クスクス笑って、気楽に観られる作品でした。
関連記事 「エバー・アフター」観た 製作:イギリス’99 原題:AN IDEAL HUSBAND 監督:オリヴァー・パーカー 原作:オスカー・ワイルド ジャンル:ドラマ/ロマンス/コメディ
【あらすじ】1895年ロンドン。政治家ロバートとその妻ガートルードは、社交界の誰もが羨む理想的なカップル。だが突然、彼の過去の不正を知る女性が現れる。親友で独身貴族のアーサーに相談するが、その女性はアーサーにも近づき…。
中盤の演説でロバートがカッコよく決めて、悪女のチーヴリー夫人が潔く退場する辺りまでは面白かったんだけど、それ以降は、状況がこんがらがって面白く盛り上がるはずが、ちょっと外してしまった感じでした。 チーヴリー夫人の悪女っぷりは最高に素敵だったし、アーサーが親友とその妻を仲直りさせようと策を講じたのに、チーヴリー夫人の見事な間の悪さ(彼女的には最高のタイミング)で更にこじれる展開なんかは面白かったので、本当にもったいないです。 私としては、前半の話をもっと膨らませて演説をクライマックスに。チーヴリー夫人が含みのある笑みを浮かべながら去り、ハッピーエンドかと思いきや「まだ問題があった!どうしよう!」みたいなコメディっぽいノリで終わった方がよかったかな。というか、悪女好きなわたし的にはチーヴリー夫人が中盤で退場した時点でアウトなのよ…。 とはいえ、ウィットに富んだ会話は良かったし、アーサー役の俳優さんの目はセクシーだし、ちょい役のアーサー父と執事のおじいちゃんはいい味出してて、それなりに楽しめました。 原題の意味は”理想の夫”。原作戯曲と同じです。
関連記事 「理想の女(ひと)」観ました(オスカー・ワイルド) 製作:アメリカ’90 原題:GREEN CARD 監督:ピーター・ウィアー ジャンル:★ロマンス/コメディ
【あらすじ】NY、独身者は入居不可の温室付きアパートを借りるため、永住権が欲しいフランス人ジョージと偽装結婚したブロンティー。手続きが済めばもう二度と会わないはずが、移民局の調査が入る。二人は面接に備え、同居生活を始めるが…。
映画を観るようになってからつけていた、観た映画リストの”く”のページの一番最初の作品。お気に入りで、久し振りに観ようと録画してあったのをやっと観られました。 偽装結婚した男女のラブストーリーって言ったら、もう先は読めまくるんですが、それでも楽しめるのが本作。 ジョージが一見ガサツな中年太りの男で、それが共同生活のなかで垣間見せる優しさや温かさによって、だんだんと素敵に見えてきます。最初は「こんな下品な男!」と言っていたブロンティが、しだいに惹かれていくようになる過程が繊細に描かれており、彼女と一緒になってジョージの魅力に気付かされていく感じでした。 楽しかったのが、調査員の目を誤魔化すため、想い出の写真やラブレターの捏造していくシーン。背景が屋上からの空とか温室の植物とか、室内のカーテンだったりして、すぐバレそうな出来の悪い偽物なんだけども、二人が積み重ねていく時間は本物。たった数日の同居生活でも、濃密な時間を過ごしていきます。
見所はブロンティの心を動かしたピアノのシーンでしょうか。デタラメに鍵盤を叩いてみんなの度肝を抜いた後、ブロンティのために即興の詩を披露するのが素敵。でもそれは、奥様が大切にしている庭の植物を寄付するように仕向けるためなんですけどね。ブロンティ自身は温室の植物を寄付なんてしないだろうに…。 まあ、ちょっと自己中なヒロインなんですけど、温室のために結婚するくらいの植物好きがヒロインだけあって、緑のある風景が美しかったです。セントラルパークってあんなに綺麗なところだったんですね~。 ジョージを演じるジェラール・ドパルデューは「ダントン 」と、NHKでやってた海外ドラマ「モンテクリスト伯」の主演のひと。珍しく一目でわかりました。大きくてどっしりした体の彼が、健気に彼女の化粧品類を暗記する姿が可愛い。そんなの覚えている旦那がこの世にどれだけいるんだ?って感じですが(笑) ちなみにタイトルの「グリーン・カード」とは、米国における外国人永住権及びその資格証明書。色が毎年変わり、一番最初のがグリーンだったのが語源だそうです。
関連記事 「ピクニックatハンギング・ロック」観ました 「いまを生きる」観ました 製作:アメリカ’07 原題:LARS AND THE REAL GIRL 監督:クレイグ・ギレスピー ジャンル:★コメディ/ドラマ/ロマンス
小さな田舎町で”Mr.サンシャイン”と呼ばれ慕われている、心優しい青年ラース。兄夫婦も彼が大好きだったが、極端にシャイで恋人もいない事を心配していた。そんなある日、ラースが等身大リアルドール“ビアンカ”を恋人と紹介し…。
ややお伽話的なところもあるんですが、監督が描きたかったのはラースが心の傷を乗り越える過程であって、シビアな周りの反応とかではないから省略したんだと自分に言い聞かせつつ鑑賞。最終的には、たまには優しい世界に浸ってみるのもいいなぁと、じんわりあったかい気持ちになりました。 とにかく皆が優しくてノリがいいんですよ。奇異の目で見ているより、(言い方は悪いけれど)一緒に”ごっこ遊び”に興じるほうが楽しいと開き直っているというか、医者の指示以上にラースとビアンカを受け入れ歓迎します。 それも、ラースを心から心配している兄夫婦の努力があったからなんですよね。彼の病気を身内の恥と考えずに、速やかに町の人々に協力を求めるのが感動的。全部は描かれていないけど、きっと町中走り回って事情を説明し、理解を得たんだと思います。 自分たちもきちんとビアンカを人間扱いして、ラースが見ていないところでも着替えや入浴まで手伝うのだからすごい。相手をただの人形だと思っていれば、こんなことやってられなかったと思います。 とはいえ、受け入れられた一番の理由は、ラース自身がとても優しくて皆に愛されていたから。その優しさが伝わってくるのが映画の後半だったりしますが、彼の心の内がわかってくるにつれて、町の人が彼を優しく見守りたくなる気持ちがわかります。 そして、彼らがビアンカに対して愛情を持って接しているのを観るうちに、最初はただの人形としか思えなかったのが、だんだんと本物の人間に見えてくるから不思議。 原題の意味は、ラースとリアルガール。リアルガールはもちろんラースにとっての”ビアンカ”なんだけど、彼の心の変化によってそれは…。 おおらかな気持で見られるひとなら楽しめると思います。
製作:アメリカ’04 原題:BEING JULIA 監督:イシュトヴァン・サボー 原作:サマセット・モーム ジャンル:★ドラマ/コメディ/ロマンス
1938年、ロンドン。女優として演劇界の頂点に立つジュリアは、疲れ果てて興行主兼舞台監督の夫マイケルに休みを頼む。そんな時、親子ほども年の離れたアメリカ人青年トムが現れ、瞬く間に恋に落ちるのだった。
不倫ものと見せかけて、女優であるジュリアが自分を見つめなおす過程を描いたドラマでした。 不倫のエピソードがあるのに、まったく不快感を覚えなかったというのが驚き。別に彼女に感情移入できるわけでもないし、愚かとしかいいようがないありきたりな不倫なんですけど、何故か彼女をみてると憎めないんですよね。 自分なりにその理由を探ってみたところ、たぶん、イラストにも描いた亡き師ラングトンの存在でしょうか。常に彼女の耳に届く彼の”だめ出し”。彼が生きていた頃、耳がタコになるほど聞かされた言葉達が、呪縛となって彼女を縛り付けています(”幽霊”ではないと思う)。舞台に立つ時も、夫とかけひきする時も、恋に溺れている時も、母親である時も、何よりも意識しているのは師匠であり、女優としての自分自身なんですよ。 女優とはこういうものなのかと、ただ感動に近い驚きが全編通してあって、不快感を覚える暇もありませんでした。 まあ、ラストの復讐は子供じみていてわたし的には微妙でしたが。具体的には思いつかないけど、もっと後味爽やかで”粋”なやり方が良かったです。 原題の意味は「ジュリアであること」。キャッチコピーの”女であること、恋をすること、私であること。”はここからきてるんですね。適当な邦題つけるよりは、原題のままのほうがよかったです。
原題:UNE PARISIENNE 製作:フランス/イタリア’57 88分 監督:ミシェル・ボワロン ジャンル:ロマンス・コメディ
【あらすじ】官房長ミシェルにしつこくつきまとい、遂に結婚にこぎつけた大統領の娘ブリジット。だが、彼の女性関係の多さに腹を立て、最初にそこを通ったひとと浮気してやると宣言。それは国賓のシャルル王子だった。夫は本気にしないが…。
ブリジット・バルドーが浮気性の夫の気を引くため、あの手この手を使う、可愛いロマコメでした。 化粧と服装がちょっとケバイ気がしたけど、BBの魅力が十分に堪能できる作品。役名もブリジットという彼女を観るための映画なんだけど、軽快で楽しくて、彼女のファンじゃなくてもそれなりに楽しめると思います。
関連記事 「気分を出してもう一度」観た 製作:アメリカ’07 原題:GOOD LUCK CHUCK 監督:マーク・ヘルフリッチ ジャンル:★コメディ/ロマンス/エロティック
幸せを掴んだ元カノたちに「彼と寝ると、運命の相手に出会える」という妙な噂を広められてしまったチャーリー。女性が群がるも、誰も自分目当てでないことにむなしさを感じ始めた頃、キャムという女性に出会う。彼は運命を感じるが…。
ちょっとHでおバカなラブコメディということで、観てみました。タイトルは微妙だしお下品だけど、普通に面白かったです。 まず設定が面白いですね。チャーリーが噂を信じた女性たちを利用しているのか、運命の男をゲットしていく彼女たちのほうがチャーリーを利用しているのか。最初は女性をとっかえひっかえする主人公に引いたのに、だんだん彼が哀れに思えてくるのが不思議。それくらい、チャーリーなんて彼女たちの眼中にないんですよ。 そんな彼が真実の愛を求めたのが、チャーミングで超ドジっ娘のペンギン飼育員キャム。歩けば電柱にぶつかり、転べば周りの人を巻き込むようなお笑い芸人体質で、最初からものすごい勢いでチャーリーに巻き添えを食らわせ、彼に運命を確信させるに至りました(笑) 彼女が本当に可愛くて、彼女がいるとお下品な雰囲気も吹き飛びます。普通のラブコメに早変わりするんですよね。チャーリーの悪友スチュという、強烈な歩く下ネタ男がいて、それと丁度バランスがとれる感じ。 主人公が優柔不断で影が薄い分、スチュの印象が強いです。この作品、彼がダメなら楽しめないし、大丈夫なら大いに楽しめると思います。 原題の意味は、そのまま”頑張れ(幸運を)チャック”でしょうか。邦題は「アゲメンに~」じゃなくて「アゲメンが~」のほうが内容に合ってる気がします。 全体的に何も考えず笑えて、下品でもOKという人にはおススメのラブコメでした。
製作:アメリカ’87 原題:ROXANNE 監督:フレッド・スケピシ 原作:エドモン・ロスタン ジャンル:ロマンス/コメディ
【あらすじ】平和な町の消防署長C・Dは、知的で運動神経抜群、ユーモアもあり人々に好かれていた。だが、唯一つ大きすぎる鼻にコンプレックスをもっている。そんなある日、彗星の研究に来た美人天文学者ロクサーヌと出会い、恋心を抱くが…。
鼻のコンプレックスがなければほぼパーフェクトな主人公が、そのコンプレックスのために想い人と頭の軽いハンサムをくっつけようと奮闘してしまう、ロマンティック・コメディの小品。 鼻以外はありがちな話なんだけども、その鼻を使った自虐的ギャグはなかなか。酔っ払いに絡まれて、”鼻がでかい”なんて陳腐な表現だ。と20通りの表現を詠うように言っていくシーンが楽しかったです。 お互いに気になっている若者同士をくっつけようとするくだりも、口下手な青年に無線で口説き文句を教えようとして混線して失敗したりとコミカル。 でも、いつのまにか本気で愛を伝えようとしているのがわかって切ないです。もう、自分の想いを伝えられるだけで満足という表情を見せるんですよね…。 それが成功して、翌日青年の報告を聞く姿も痛々しい! まあ、ロマコメなので結末は言わずもがなですが、ヒロイン役のダリル・ハンナもキレイだし、気楽に観られる作品でした。
<追記感想:2017/09/02> 初見時は地上波でカットされてたので再見。あんまり楽しめませんでした…。まあ★つけてないから再見するほどじゃなかったということなんですが、地上波の編集版の方が良いこともあるからなぁ。 彼が協力する青年があまりにもいけ好かないタイプなので、どうしてそんな奴に協力するんだよ!と思ってしまいました。 「シラノ・ド・ベルジュラック」の舞台を80年代アメリカに移した作品で、元ネタよりかは気軽にみられる作品にはなってます。
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