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素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「名探偵ピカチュウ(めいたんていぴかちゅう)」

 | アドベンチャー  com(6) 

名探偵ピカチュウ
原題:POKEMON DETECTIVE PIKACHU
製作:アメリカ’2019 105分
監督:ロブ・レターマン
ジャンル:★アドベンチャー/ミステリー/ファンタジー

【あらすじ】かつて敏腕刑事だった父ハリーが事故で亡くなり、荷物を整理するためライムシティにあるハリーの部屋へきたティム。そこでハリーの元相棒だった記憶喪失の喋るピカチュウと出会った彼は、父親がまだ生きている可能性に賭け調査を始める。やがてポケモンを狂暴化させる薬物Rの存在を知り…。

ピカチュウ可愛い~!!
モフモフで目がウルウルしてて動きまくるんですよ。ハリウッド実写化でここまで忠実に再現しようとした作品って珍しいのでは?
まあ、ピカチュウ以外はモンスター的な部分が強すぎるのが多かった気がしますが。とくに暴走エイパム怖すぎ。子供が泣きそう…。

でもピカチュウの可愛さで大体のところは許せてしまいますね。カフェイン中毒で自称名探偵でジェスチャーゲームが苦手な中身おっさんでも溢れ出る可愛さ。ティムにはオッサン声に聞こえるのに、他の人達にはアニメのような可愛い鳴き声で聞こえるのとか反則でしょう。
あと上目遣いとかあざと可愛いし、表情豊かで見てて飽きなかったです。表情もモーション・キャプチャーでライアン・レイノルズさんが演じていたとは驚きでした。

そんな感じでピカチュウの可愛さが全面に出ていた作品ですが、初登場シーンは映画が始まって20分ほど経ってからなんですよね。キャラの可愛さだけではなく物語で勝負しようという気概か、それともピカチュウが登場したらその可愛さで説明がまったく鑑賞者の頭に入らないことを危惧したのか…。私なら間違いなく頭に入らない(笑)

全体のストーリーは特筆することはないものの(ビル・ナイがいつも通りすぎ)、ピカチュウとティムとの絆は良かったし、ポケモン愛と原作へのリスペクトが伝わってきたので素直に楽しめました。…最後に相棒だった時のピカチュウじゃなくなってしまうのが寂しかったですが。
せめて録画を残しておいて、たまに名探偵?なピカチュウを堪能したいです。

映画「トラッシュ! -この街が輝く日まで-」観た

トラッシュ!
読み:とらっしゅ!このまちがかがやくひまで
原題:TRASH
製作:イギリス・ブラジル’2014 114分
監督:スティーヴン・ダルドリー
原作:アンディ・ムリガン
ジャンル:★サスペンス/犯罪/アドベンチャー

【あらすじ】リオ郊外のゴミ山で暮らす3人の少年ラファエルとガルドは、ある日ゴミの中から1つのサイフを見つけ出す。警察がそのサイフを血眼に探していることから裏があると睨んだ二人は、街に詳しいラットを加えてサイフの秘密を探り始め…。

殺伐とした雰囲気の冒頭で暗いサスペンスものかと思いきや、子供たちが知恵と勇気と友情で魅せるジュブナイルなサスペンス・アドベンチャーでした。
「リトル・ダンサー」の監督さんだったんですね。子供を撮るのが上手い訳だ。

ゴミ山漁りで生計を立てる貧しい子供たちが、秘密が隠された財布を拾って持ち帰ったことから始まる大冒険。のさばる悪徳警官たちの目をかいくぐり、財布から得た手がかりを元に事件の核心へと迫っていくのがスリリングに描かれます。
中に入っていた鍵から、駅のロッカーを割り出し、そこからさらに手紙、宛先の人物、暗号を解くカギの聖書…と子供3人を中心に謎解きしていくのが気持ちいい。児童文学原作にしては洒落にならない怖い追手たちでしたが、ブラジルの貧困街が舞台なので仕方がないよね…。

そんな子供たちを優しく見守るボランティアのお姉さんと老神父も良かったです。子供を守ろうとする大人たちがしっかり描かれているからこそ、子供たちがお金よりも正義のために行動するようになる展開も説得力ありました。
後半になって、彼らを動かしていたのが手紙に込められた想いだったのだとわかるシーンが印象的です。子供が暗記した手紙の内容に涙。

終盤上手くいきすぎる感はあったけど、子供たちの友情が本当に端々から伝わってきて多少の都合の良さは気になりませんでした。
家族愛も描かれてるし、彼らの行動が周りを、そしてブラジルで踏みつけにされてきた人々を動かすラストも明るく希望を持てます。
僅かな路銀を手に旅だった4人の子供たちが、これからも笑顔でいられるんだと思えるラストでした。

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映画「グーニーズ」観ました

グーニーズ
原題:THE GOONIES
製作:アメリカ’85 114分
監督:リチャード・ドナー
ジャンル:★アドベンチャー/ファミリー

【あらすじ】ゴルフ場建設のため引っ越しを余儀なくされていたマイケルは、屋根裏で片目の海賊ウィリーの宝の地図を見つける。宝を見つければ町を守れると考え、グーニーズを名乗る仲間たちと宝探しを始める。だが、印の場所にあったのは、凶悪犯フラテリー一家の隠れ家で…。

小学生の頃に学校や家のテレビで何度も見たこの作品。大人になった今でも楽しめるかな…?と不安を抱きながらもファミリー企画で見ることにしました。
いやぁ、杞憂でしたね。最初から最後までドキドキワクワク、そして感動の114分間でした。
なんてったって王道の中の王道、子供たちだけで海賊の宝探しなんて子供の頃に誰もが夢見たシチュエーションです。しかも、宝までの道のりには数々の罠が待ち受け、後ろからは凶悪犯一家が追いかけてくるなんてワクワクしないわけがありません。

登場人物はみんな個性的で、とくにおデブのオオカミ少年チャンクがいい味出してました。彼がいなかったら、あんな大冒険をすることなくフラテリー一家にやられていた、もしくは宝の地図を手にすることすらなかったかも?
チャンクは触れたものを何でも壊してしまうドジなところがあり、地図を手に入れたのもわざわざチャンクに額縁を持たせて、落として割れたところを「あーあ、仕方ないなぁ」という体で手に入れたものだし(笑)
その後も、体格の違うマイキーの兄を質量で押さえつけ、チャンクを怒らせてドアを破り、ウォーターサーバーを割って地下の存在に気付き、フラテリー一家に捕まったことで強力な仲間を得ることになるんですよね~。このチャンクとスロースのチョコレートバーから始まる友情も好き!

しかも、この作品の笑いどころも結構な割合で彼が頑張ってます。アイスクリームの匂いを嗅ぎ当てる(いい笑顔)とか、死体と一緒に何度も閉じこめられたり(おっさんもいい仕事してる!)、警察に電話したら信じてもらえず「また水で増える変な生き物か」と「グレムリン」のことを言ってたり。一味に捕まって泣きながら懺悔ショーを始めるところなんて、一味がぽかーんと聞き入っていて長男に気に入られるところが笑えます。
こんな感じで、死体とか犯罪者に子供が捕まるとか普通ならシャレにならない展開なのに、チャンクのキャラのおかげで楽しく笑えるシーンになってるんですよ。うるさいくらいの「あぁ~~~!」という叫び声が印象的で、この作品の一番の功労者だと思いました。

もちろん、主人公のマイキーも決めるところはビシッと決めていて、彼がみんなの心を一つにしたから冒険をやり遂げられたし、ノスタルジーを感じられる夢のある冒険物語になってるんですよね。
そもそも海賊のお宝を探そうと思ったのは、町の開発でみんながバラバラになるのを阻止したいという理由から。みんなが何度も「冒険なんてやってられない」と帰ろうとするのを、彼が情熱と友情で引き止めます。
とくに井戸と繋がった場所での演説が素晴らしく、「僕たちの手で親を救うチャンスは、そのバケツに乗ったら消えてしまう」と訴えかける姿に思わずウルウルしてしまいました(でも、あの位置からだとアンディのパンツ見えるよね?とも思った 笑)。「明日見る空は、この街の空じゃない。試験を受けるのも違う学校のクラスだ」というのも名言です。
やっとウィリー(骸骨)と対面した時に、まるで旧友に会ったかの如く語り掛ける姿もグッときました。「その金貨は彼の取り分だ」とマウス(?)を止めたところもカッコいい!
それが伏線になっていて、ラストの爽やかな海の風景に繋がるんですよね。アレを見つけて迷わず教えてくれるお手伝いさんいい人!

他にも、序盤のカーチェイスの横で子供たちの日常生活を見せていくところや、庭の門を開くための無駄に凝ったギミック(ピタゴラスイッチ?)、シンディーローパーが歌う「The Goonies "R" Good Enough」、不安がる弟が抱きついてきたのをそのまま引きずって家に入るお兄ちゃん、ステフが「誰かの願いが込められたコインなのよ」と止めるところ、暗闇のキスシーン、骨々オルガン、スロースのスーパーマン、岩を持ち上げてみんなを逃がすところ、データの父親が「父さんの最高傑作はお前だ」というセリフなどなど…どのシーンも子供の頃のワクワク感や感動がよみがえってきて良かったです。
フラテリー一家も悪党なのにキャラが立ってて、なんか憎めないし。…悪役が魅力的な作品っていいよね。

DVDにはカットされた巨大タコとの戦いシーンがあるらしいし、大人になったマイキー達が集まって思い出話に花を咲かせるDVD特典映像も収録されているらしく、いつか機会があったら見てみたいです。あと懐かしきテレビの吹き替え版も見たいかなぁ。今回のオンエアは地震速報入っちゃったし…。
ついでに名作らしいファミコンゲームも見てみたい!
ちなみに、グーニーズは「まぬけな連中」という意味と、町の名前「グーンドック」をかけたもの。
メンバーのあだ名と本名も気になったので調べてみました。

  • マイキー(マイケル):喘息は完治してるのに薬が手放せない?チームのけん引役。「ロード・オブ・ザ・リング」のサムだったのか!
  • チャンク(ローレンス):食いしん坊で虚言癖があり、関わった物を破壊するデストロイヤー。あだ名の意味は肉の塊。
  • マウス(クラーク):スペイン語ができるお調子者。あだ名の由来は「口は禍の元」を身をもって示してしているから。「スタンド・バイ・ミー」の眼鏡の子をやってる。
  • データ(リッキー):物知りで発明家の男の子。名前の由来は大人顔負けの知識を持っているから。インディジョーンズに出てたよね?
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映画「王になろうとした男」観た

王になろうとした男
原題:THE MAN WHO WOULD BE KING
製作:アメリカ’75 127分
監督:ジョン・ヒューストン
原作:ルドヤード・キプリング
ジャンル:★アドベンチャー/ドラマ

【あらすじ】秘境カフィリスタンに富を求めて旅立った二人の男、ドレイポットとカーニハン。彼らはヒマラヤを越え、未開の部族に英国式の軍事訓練を施して次々と村や町を制圧していった。そして、ドレイポットの胸にかけられたメダルを高僧が認めたとき、彼らは神としてあがめられることになり…。

前半は二人のキャラがよくわからなくて入り込めなかったけど、雪山でのやり取りあたりから二人の友情に惹かれるものがあって楽しめました。未開の地で英雄になればただの軍人でも王になれるという発想がすごいね。さすが英国人。「裸足の1500マイル」なんかを思い出しちゃうと英国人の傲慢さが鼻につくかもしれないけど、彼らは意外と憎めないキャラだし(神様扱いされた時の反応とか)、そこで新しく作った法律は彼らにつかの間の平和を与えていたりで、こんな王様ならいいかもなと思えました。

でも、やっぱり女で身を滅ぼしてしまうんですね。王位への固執だけでなく民を捨ててはいけないというのもあっただろうけど、彼らの事を考えるなら「お前たちはもう私なしでもやっていける」と自分の像でも立ててから去った方がよかったんだろうなぁ…。
彼が神じゃないとわかってから、せっかくまとまった国が崩壊してしまうのが目に浮かんで哀しくなりました。最後まで壊れなかった友情にホロリ。

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映画「プリンセス・ブライド・ストーリー」観ました

プリンセス・ブライド・ストーリー
原題:THE PRINCESS BRIDE
製作:アメリカ’87 98分
監督:ロブ・ライナー
原作:ウィリアム・ゴールドマン
ジャンル:★アドベンチャー/ファンタジー/ロマンス

【あらすじ】風邪をひいた孫を見舞いに来た祖父が、父親が息子に読み聞かせてきた本を持ってきた。それは中世を舞台にした冒険活劇だった。最初はそっけなかった孫も、物語が進むにつれ引き込まれ…。

とっても面白かったです。
風邪をひいた孫に本を読んであげるお祖父ちゃんを演じているのがピーター・フォークで、生意気な孫とのやり取りが微笑ましいんですよ。キスシーンはもう嫌だから飛ばして!とか、死んじゃうなんて変だ、敵は誰が殺すの!?とか、意外と変化球でくる物語にいちいち反応してくれるんですよね。
そのたびに物語パートが中断するんだけど、流れが悪くなるどころかメリハリがついている気がします。
本の展開はどちらかというとのんびりしたもので、殺せと命じられた相手が無事に崖の上まで登ってくるまで待っていたかと思えば、早く勝負したいからとロープを投げて手伝ったり、挙句の果てには疲れているだろうから休めと、敵の目の前で身の上話を始める始末。
そんなゆるゆるの雰囲気だから、物語に熱中している少年が「先の展開を待ってられない!」という風に声を上げることで、なんとなく体感時間が変わるというか…。「ネバーエンディング・ストーリー」程ではないけど、読者が物語に没入していく感覚が伝わってきました。

そして、物語の中の登場人物もとても魅力的なんですよね~。
とくに敵として登場した剣士イニゴと巨人フェジクが魅力的で、どちらも善人でアンフェアなことが嫌いなのに、それぞれ理由があってビジニという子悪党に従っています。
イニゴの敵討ちに対する情熱と、フェジクの素朴な優しさが、終盤をグッと盛り上げていたと思います。
そして一番の悪役も悪賢くって良かったです。全体的にのんびりした雰囲気だったのが、彼のあくどさが顕わになっていくにしたがって物語も引き締まってきます。
それでいて奇跡屋マックスとのやり取りや、引きずられ状態の主人公ウェスリーなど、コミカルさも忘れてはいません。絶妙なバランスで最後まで見せてくれました。

多少気になったのは、ヒロインの名前が”キンポウゲ(バターカップ)”で可愛いのか?と思ったのと、王子との結婚を承諾したヒロインをウェスリーが責めたこと。あの時代設定で王子の要求を断れって、死ねと言ってるのと同義のような…。まあ、小さなことなのですぐに忘れましたが。
ラストのキスシーンのくだりの孫とのやり取りも楽しかったです♪
観ているとほんわか幸せな気分になれる作品でした。

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映画「モンテ・クリスト-巌窟王-(2002)」観た

モンテ・クリスト-巌窟王-(2002)
原題:THE COUNT OF MONTE CRISTO
製作:イギリス・アイルランド’02 131分
監督:ケヴィン・レイノルズ
原作:アレクサンドル・デュマ
ジャンル:★アドベンチャー/ドラマ/ロマンス

【あらすじ】1814年、港町マルセイユ。船長となり婚約者メルセデスとの結婚を控えたエドモンは、何者かの陰謀で罪人として牢獄に幽閉されてしまう。やがて獄中でファリア司祭と出会い知恵を授けられた彼は、自分の身に起きたことを理解し復讐を決意。脱獄のうえ、司祭に託された巨額の財宝によってモンテ・クリスト伯となるが…。

巌窟王は、以前海外ドラマと深夜アニメで観てから気になってた作品です。映像化は何度もされているのに、今回ディーライフのおかげでやっとまともに観られました(アニメは息子目線だったし、ドラマはもう忘れた)…と思ったら、再見でした。観ている間、気付かなかった!(笑)
まあ初見は印象が薄かったようですが、131分の中でよくまとまってて面白かったです。
3人の性格や関係も短時間で伝わってきたし、獄中で司祭と出会ってからもぐいぐい引き込まれます。

とくに、脱獄という希望と、復讐という目的を得て、エドモンが眼に輝きを取り戻すくだりがいいですね。食事の時間には自分の房にいなければならないので、ギリギリで戻ってきて皿をスパーンと扉の前に投げるシーンとか、博識なフェリス司祭の知識すべてを吸収していったり、「酔拳」みたいな修行シーンで剣術を身につけるくだりなど、緊張感のある生活をそれなりに楽しみ始めるんですよ。
横から映したトンネルが延びるのと、彼の学ぶ内容が難しくなっていく描写で、時間が過ぎていったのを伝えるところも上手いと思いました。

ただ、ここで学んだ知識を活用する場面が後半ほとんどなかったのと(剣術はあった)、13年でやつれて別人のように風貌が変わってしまったというのが表現できてなかったのは残念だったかな。あれで恋人以外一目で気づけなかったというのは無理がある(笑)
ちなみに、海外ドラマ版についても調べ直したら、主演がジェラール・ドパルデューだったので、さぞ肉付きの良いモンテ・クリスト伯だったんだろうなぁ。こちらもいつか再見したいです。

そして、私的に一番の見どころは、血も凍るような復讐劇…ではなくて、彼が成り行きで命を救ったヤコボの漢っぷり。ホントもうカッコいいんですよ。
復讐で己さえも破滅しようとするエドモンに対し「オレは命をかけてあんたを守る。あんた自身からもだ!」とキッパリ言い切るところに痺れました。剣の腕では彼に全く敵わないと知っているのに、一歩も引かないんですよね。
ハッキリ言って、この作品で描かれる復讐劇は甘っちょろくて、おそらくアニメ版の方が原作にかなり忠実だったと思うんですが、ヤコボが素敵なのでこの作品はこれでいいと思います。(復讐劇はあんまり好きじゃないし…)

あと、フェルナンの動機が、恋というよりクソ貴族のプライドからというのも良くて、メルセデスの彼への仕打ちもクソ野郎だとわかっててやったんだからまあいいかと思えました。何も知らない善良な誰かを利用するよりかはマシ。
ただラストはさすがにね~、原作とは違うというだけじゃなく、このメルセデスに魅力を感じるか?と疑問に思いました。息子にほだされたのかな…。ここら辺はアニメの方が好みかも。
思いの外楽しめたので、いつか別の「巌窟王」も観てみたいです!

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映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」観ました

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
原題:LIFE OF PI
製作:アメリカ’2012 127分
監督:アン・リー
原作:ヤン・マーテル
ジャンル:★アドベンチャー/ドラマ

【あらすじ】小説のネタを探していたカナダ人作家は、パイ・パテルというインド人男性を訪ねる。インドのボンディシェリ動物園を営んでいたパイの家は、彼が16歳の頃にカナダ移住のため動物たちと船に乗った。だが、途中で船は沈没し、パイは救命ボートに乗り移ることができたが…。

とてもよかったです。ぐいぐい引き込まれました。
円周率を暗記して”パイ”というあだ名を定着させたエピソードや、リチャード・パーカー(虎)の肉食獣としての恐ろしさを知るくだり、3つの宗教に興味を持ち「どれも信じるということは、何も信じないのと同じだ」と父親に言われるとこなど、序盤の父と子のエピソードから良かったです。仲の良い家族や子供の素直な目線の描写ってほのぼのします。…お兄さんの影が薄かったけど(汗)

そして、ファンタジックな冒険譚が始まってからがまた面白くって、CGと知っていても見ているうちに忘れてしまうリチャードの存在感には感動してしまいました。
漂流する船の上の出来事メインなのに、獰猛な虎と一緒というだけで全く退屈しないんですよね。今にも噛み付かれそうなシーンや、狭い舟の中で逃げ回るシーンは迫力あります。
見る前はいかにもCGという映像にガッカリするんじゃないかと不安もあったものの、蓋を開けてみれば、このファンタジックな冒険譚の味付けとして必要不可欠な要素でした。目を瞠るような、幻想的な海の描写も素晴らしかったです。

あと、パイがあれこれ試行錯誤して虎を大人しくしようとするくだりが面白い。最初は救命胴衣などでいかだを作って、舟とつないで身を守っていたんだけど、舟を揺らして虎を酔わせ、おしっこで縄張りを主張してみたり、自分の身を守るために魚を釣って与えてみたり。
一度は舟から降りて戻れなくなった虎を見殺しにしようとするものの、幼い頃に思った「トラにも心はある。目を見ればわかる」という事を思い出したのか、仕方なく助けてしまうところでますますパイが好きになりました。
リチャードの方も、自分では獲物を捕まえられないとわかったし、パイが魚や水をくれると理解して、少しづつ共存関係が築かれていきます。終いには、パイが虎に背を向けて寝っ転がっていてもぜんぜん襲ってくる気配がなくて、完全に大きいにゃんこになってるし(笑)

嵐の後、やつれて力ないリチャードの頭を膝にのせ、優しく抱き締めるシーンでは涙ボロボロでした。
そんな感動があっての、あっけないクールな別れも痺れます。
そして夢のような冒険譚も、ラストで違う一面を見せて…。最後までニクイ演出でした。
私はカナダ人の作家さんみたいに、夢のような冒険譚の方を信じたいです♪

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映画「ハタリ!」観た

ハタリ!
原題:HATARI!
製作:アメリカ’62
監督:ハワード・ホークス
ジャンル:アドベンチャー/ロマコメ

【あらすじ】猛獣の生け捕りを取材するため、女性カメラマン・ダラスがアフリカにやってきた。ハンターたちを束ねるリーダー・ショーンは過去の恋の痛手から女性を遠ざけていたが、我が道をゆくダラスには通用しない。ペースを乱されながらも、ショーンはやがて彼女に惹かれていき…。

スリルを楽しむためにやってるハンターってあんまり好きじゃないんですが、この作品は大迫力の生け捕りシーンと、登場人物の描き方やコミカルな作風のおかげで楽しく観ることができました。
ロマコメというには恋愛の描き方が大雑把なものの、我が物顔で他人のベッドに寝ているというヒロイン登場シーンや、恋愛に臆病になっている男を振り向かせるため、「どんなキスがすき?」と色んなキスを実演してみせる小悪魔ヒロイン・ダラスが魅力的に描かれてます。
彼女が親を亡くした小象を助けたら、次々小象が現れて「象のお母さん」とマサイ族に呼ばれるようになってしまうくだりは大笑いでした。豹のソーニャも子猫のように懐いてしまうし、動物に好かれるヒロインなんですよね。

そんな彼女の恋愛相談に乗ったり、乗ってもらったりするポケッツも個性的なキャラで、こんな仕事をしているのに動物が大の苦手というのが面白い。自分もみんなの役に立とうと発明品で猿を大量捕獲する展開はマンガみたいなノリ。肝心な時に目を閉じていて、自分の発明品が大活躍したところを見逃してしまうのも彼らしい。
チップスとカートとの友情もいいですね。恋に破れた者同士、仲良くなって。出会いからして印象的で、怪我した仲間の代わりに雇ってほしいと現れたチップスとケンカになって、でも仲間に輸血できるのがその場に彼しかいなかったというもの。
基本的に登場人物の描き分けや印象づけが上手なので、顔を覚えるのが苦手な私でも最初からストレスなく観られたのが一番好感でした(笑)

ただ、事故の怪我人より柵から落ちた”ダーリン”を心配するブランディちゃんの描かれ方や、ヒロインが終盤、情緒不安定な無責任女になっていたのは残念。あと30分短くしてスッキリ終わってれば最高だったんだけどなぁ…。
ちなみに、タイトルの「ハタリ!」はスワヒリ語で「危ない!」という意味。ホント、コミカルなノリに騙されるけれど、危ないことばっかりやってました。

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映画「トレジャー・プラネット」観た

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Tag:ディズニー 

トレジャー・プラネット
原題:TREASURE PLANET
製作:アメリカ’02
監督:ロン・クレメンツ 、ジョン・マスカー
原作:ロバート・ルイス・スティーヴンソン
ジャンル:SF/アドベンチャー/ファミリー

【あらすじ】惑星モントレッサで母と暮らす15歳の少年ジムは、冒険に出ることを夢見ては、トラブルばかり起こして母を困らせていた。そんなある日、不時着した宇宙船から瀕死の男を助け、莫大な財宝が眠るという伝説の“トレジャー・プラネット”への地図をもらう。だが、それを狙うサイボーグの男が現れ…。

「宝島」の映像化作品を観るのはこれで3本目だったと思うんですが、個人的にはこれが一番好きです。「宝島」は冒険の話というより、戦争の縮図みたいな印象で、子供が主役だとどうも引いちゃうんですよね。「ハリポタ」も似たようなものだけど、小説を先に読んでたから大丈夫だったのかな?
この作品は最初から登場人物が少なく、仲間が何人も死ぬということがない(一人宇宙に流されていったキャラがいるのが切ない…)ので、私みたいなヘタレにはちょうどいい作品でした(笑)

まず、舞台が宇宙船の行き交うどこかの星なので、ディズニーアニメのファンタジックな映像が堪能できます。光る帆に煌く銀河、宇宙を泳ぐ巨大魚など、なかなか幻想的でした。
主人公は15歳で他の映像化作品より年上だと思うし、シルバーとの絆が深まっていく様子も、オリジナル設定を入れつつ、音楽にのせてわかりやすく描かれています。
父親が自分を置いてどこかへ行ってしまったというトラウマや、母親が自分の夢を理解してくれない寂しさがあって、シルバーとの出会いによってそれを克服できたと納得できるんですよね。

あと、シルバーが誰かを殺すシーンがないのも受け入れやすい。おかげで、「オレはなんて馬鹿なんだ!」と悪態つきながら、お宝を諦めてジムを助けるくだりは素直に感動できました。たぶんディズニー映画の登場人物の中でも、かなり魅力的なキャラになってると思います。
いつもシルバーやジムくっついてる、スライムみたいなペット・モーフや、トレジャープラネットに取り残されていたポンコツロボット(山ちゃんの声がピッタリ!)もいい味出してる。
それに、やさぐれた目をした主人公ってディズニー映画では新鮮ですよね。もしかしてジェームス・ディーンを意識してたんだろうか(笑)
彼の得意なソーラーボード(空飛ぶスケボーみたいなの)を使って大活躍するくだりも見応えあったし、シルバーとの別れも思わずホロリ。
「宝島」の世界は厳しすぎると感じる方にはお勧めです。

映画「白鯨」感想

原題:MOBY DICK(HERMAN MELVILLE'S MOBY DICK)
製作:アメリカ’56
監督:ジョン・ヒューストン
原作:ハーマン・メルヴィル
ジャンル:アドベンチャー/ドラマ

【あらすじ】1841年、マサチューセッツ州ニューベドフォード。安宿で知り合った銛打ちと意気投合たイシュメイルは、冒険を求めて捕鯨船ピークォッド号に乗り込む。だが、その船の船長エイハブは、かつて“白鯨”に片足を喰いちぎられ復讐に燃えていて…。

勝負映画ということで、録画しておいたこちらをチョイス。クジラとエイハブ船長との勝負です。
このエイハブ船長を演じるのが、「アラバマ物語」の弁護士お父さんを演じたグレゴリー・ペックなんですね~。狂人じみたエイハブ船長とはだいぶイメージが違うけど、もはや白鯨しか見えないという雰囲気は出てたし、船員をまとめ上げるカリスマ性もありました。
あと、結構古い作品にも関わらず、捕鯨のくだりはかなり迫力あります。たぶんミニチュアを使ってるはずなのに、水しぶきやクジラの躍動感、引っ張られるボートのスピード感とかよく出てるんですよ。
1956年にこれだけのものが撮れるのはすごいなぁと感心しました。

ただ勝負映画として観ると、このエイハブ船長、私から観るとすでに完敗してます。
「諦めない限り負けない」とか少年漫画の主人公がよく言ってますが、彼の場合は負けを認めるのが怖くて、そんな自分の弱い心を無視するために白鯨を追ってるように見えました。すでに白鯨にも自分の弱さにも負けてる、みたいな。
片足をもってかれたというのも、どうせクジラに食われたんじゃなくて、ロープに足をとられて千切れたんじゃないの?
だいたい、なりふり構わず人間らしさも人生も捨てて追いかけるエイハブと、悠々自適に海を泳ぎ回り、人間がチクチク攻撃してきてもザブーンで振りほどける白鯨とじゃ、勝負にならないですよね。
勝手に悪魔とか言われて、いい迷惑です。
最後に張り付けになった船長が手招きしてるように見えるシーンは不気味で良かったけど、後味が悪くて好きになれませんでした。
まあ、観たのはTVカット版で(DVDも短いバージョンしかない?)かなりダイジェストっぽい部分があったので、そのせいで楽しめなかったのかも…。

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映画「スーパーマリオ/魔界帝国の女神」観た

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スーパーマリオ/魔界帝国の女神
原題:SUPER MARIO BROS.
製作:アメリカ’93
監督:ロッキー・モートン、アナベル・ヤンケル
ジャンル:★アドベンチャー/ファンタジー

【あらすじ】ブルックリンで配管工の仕事を請け負うマリオとルイージの兄弟は、化石発掘チームのリーダー・デイジーと知り合う。だが親しくなったのも束の間、彼女が誘拐され、追っていった二人は地下世界に広がる恐竜人の帝国を発見し…。

Gyaoで観賞。昔観たことがあって”思いっきりB級”という印象だったけど、再見したらアドベンチャーとしてふつうに面白かったです。
マリオの世界とはまったく違うのに、意外とすんなり入れちゃったんですよね。モンスターみたいなキャラと人間っぽいキャラが共存している理由もしっかり物語の一部として機能してたし、ぶっ飛んでるものの発想が面白い。
マリオとルイージの冒険もコミカルに描かれていて、頭空っぽにして楽しめました。…マリオがおっさんな上に、敵の造形がリアルすぎて子供向けではないけどね~。クリーチャー好きな私には可愛くてたまらないです。
とくに、リアルヨッシーは普通に可愛いと思うんだけどなぁ。当時は「可愛くない!」と言われたそうで…。可愛いだけじゃなく、造りも動きも素晴らしかったです。
笑えたのがマリオブラザーズの本名で、マリオ・マリオにルイージ・マリオで「そうかマリオ兄弟っつったら苗字だよね~」と目からウロコでした。

<以下ネタバレあり>
ルイージとデイジーのロマンスも描かれていて、この二人が電波でお似合いカップルなんですよ。恐竜世界にはキノコ菌が蔓延してて蜘蛛の巣みたいになってるんだけど、落ちそうになった時それに引っかかったり、小さいキノコが行く先にあったり、ボー爆弾(ボム兵)が引っかかってたりすると、ルイージが「キノコが助けようとしてくれてる!」とキノコの意思を感じ取ります(笑)
しかも、そのキノコはデイジーの父親が退化された姿で、ベタベタの気持ち悪い球体になって胞子を撒き散らしつつ、娘を助けるためにマジでルイージたちを手助けしていたのでした…。
デイジーと(この状態の)父親の対面も案外すんなり済んだし、ルイージに嬉しそうに紹介できるところがすごい。
それを見てもひるまないどころか、『お会いできて光栄です』と挨拶できるルイージにも脱帽です。無理してじゃなく、普通に恋人の父親に挨拶する感じで。

あと、クッパやコクッパのイギー、スパイク(ガボンの米国名)は、人間の姿をしてるのに爬虫類っぽさをかもし出していて、キャスティングが良かったです。クッパの髪型が結構好き。
クッパに逆らうと逆進化銃で退化させられ、従順な手下のグンバ(クリボーの米国名)になるというのもエグくていいですね。グンバにされた音楽家トード(キノピオの米国名)は、他のグンバより可愛く見えました。目がキラキラしてるの。
クリーチャー好きとB級作品好きにはお勧めの作品です♪

映画「海底2万マイル」観た

海底二万哩
この船のデザインがカッコいい!
読み:かいていにまんまいる
原題:20,000 LEAGUES UNDER THE SEA
製作:アメリカ’54
監督:リチャード・フライシャー
原作:ジュール・ヴェルヌ
ジャンル:SF/アドベンチャー

【あらすじ】19世紀半ば、世界各地の海で謎の怪物による沈没事故が続発していた。海洋生物学者アロナックス博士、忠実な助手のコンセーユ、銛打ちの名人ネッド・ランドの3人は、米政府の調査艦に乗船し出港するが…。

原作を読んだ事がなく、「海底二万マイル」ってこういう話だったのかぁと思いながら鑑賞。
ネモ船長の過去とか主張とか予想外に重い内容だったんですが、ディズニー映画なのでカーク・ダグラス演じる銛打ちが妙にコミカルで、中途半端なノリでした。
とはいえ、ネモに殺されかけた銛打ちが、からだが勝手に動いてピンチに陥った彼を助けてしまうくだりや、ネモのペットのアシカと音楽で仲良くなっちゃうところはお気に入りです。
ノーチラス号が暗い海を進む映像や、ネモ船長の部屋のデザイン、巨大イカとの闘いのシーンなども素晴らしいですね~。これを観られただけで満足です。TVカット版だったせいか、あのパイプオルガンを演奏するシーンがあまり観られなかったのが残念!
ただ、ネモ船長の言動は独裁者と大差ないし、どうやってあんなものを作ったのかいまいちわからなくて感情移入できませんでした。あれって原子力潜水艦?
「正しく使えば人類を救う」というセリフに時代を感じます…。

<再見:2017/02/23>
初見はTVカット版だったようなので、字幕フル版を再見。パイプオルガン演奏シーンもちゃんと観られました。感想は初見時とほとんど変わりません。
それにしても、ネモが船をぶっ壊すシーンでは強制労働者が乗ってないかきちんと確認したのだろうか。乗ってなかったとしても、その後船が来なくなったら労働者たちをどうするつもりだったんだろう?
妻子を殺されたから、で納得してしまう教授もなんだかなぁ。

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映画「ミクロの決死圏」観ました

ミクロの決死圏
原題:FANTASTIC VOYAGE
製作:アメリカ’66
監督:リチャード・フライシャー
ジャンル:★SF/アドベンチャー

物質の縮小技術の問題点を克服した東側の科学者が、亡命の際に襲われ意識不明となる。科学者の命を救うには、医療チームを乗せた潜航艇を縮小して体内に注入し、脳の内部から治療するしかない。チームの中にスパイが紛れ込んでいると考え、特別情報部員グラントも同行する事になるが…。

ちらほら見覚えあるけど、ほぼ初見です。
これいいですね~。合成がちゃちなのも気にならず、すぐに物語に引き込まれました。
いきなり小さくなれとか言われて拒否権もない可哀相な主人公なんだけども、美人科学者コーラも同行すると聞いて乗り気になってしまうところが素敵です(笑)
こんな彼に大事な任務を言いつける大佐も度胸があるけど。
滅菌処理のシーンではつい「アンドロメダ…」と比べてしまって「え、それだけ?」と思ってしまいましたが、小さくする過程は緊張感がありました。
第一段階で潜水艇ごと5cmくらいに縮められ、第二段階では何故か人間が装置を運んできて(土台と同じで部屋に備え付けの方が安全のような?)、静か~にゆっくりと水面に浮かべます。その時の艇内からは巨大な人間の足が見えて、一緒になって踏まれやしないかとハラハラしてしまいました。
そして、水面というのが巨大な注射器に入った生理食塩水で、第三段階で注射器ごと小さくするというのもいいですね~。これを真剣に作ってる様子を想像するだけで楽しいです。
また、体内に入ってからはうって変わって幻想的な世界に感動してしまいました。手作り感があっても、想像力を刺激する魅力があるんですよ。ふわふわ流れる血球に、ひらひら漂う謎の物体、ぼんやりと光る細胞壁!
彼らがついロマンティックな事を言ってしまう気持ちもわかります。
でも、大佐?が砂糖に寄ってきたアリンコをつぶそうとして、ふと思いとどまるシーンが一番のお気に入りだったり。
ラストは要人の生死なんて頭から吹っ飛んでいる様子で、そんな大佐の様子に感動してしまいました。
原題にあるとおり”幻想的な旅”を楽しめる、お気に入りの作品です。

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映画「三銃士(1993)」観た

 | アドベンチャー  com(10) 

三銃士(1993)
製作:アメリカ’93
原題:THE THREE MUSKETEERS
監督:スティーヴン・ヘレク
原作:アレクサンドル・デュマ
ジャンル:★アクション/アドベンチャー

【あらすじ】銃士隊に入るため、パリへ上京したダルタニアン。だが、銃士隊はリシュリュー枢機卿によって解散させられていた。国王に忠誠を尽くす三銃士アトス、ポルトス、アラミスと出会った彼は、国王暗殺を企てる枢機卿らの陰謀に立ち向かう。

例の人形劇でガックリきたのもあって、とっても楽しめました♪
とにかく目まぐるしいくらいの展開の速さで、冒頭で地元の有力者の息子?と決闘してたかと思えば、馬で追いかけっこが始まり、途中でコンスタンスと出会って恋に落ちて、フランスに着いた途端に三銃士と決闘の約束。そこにロシュフォールが現れ、捕まり、枢機卿の陰謀を聞いてしまい…と、本当にサクサクと話が進んで行って、逆に気持いいくらい。
主人公は好青年だし、アクションシーンも楽しめるし、強引さも気にせず彼らの冒険譚を堪能できました。
他の登場人物たちも魅力的で、アトスは普通に渋くてカッコよかったです。ポルトスがちょっとアブナイ人だったり、アラミスが女たらし(原作を知らないので原作通りなのかしれないけど)だったのには驚いたけど、このテンポの速さならこれぐらいの個性がないと目立てませんよね(笑)
王妃と陛下が想いあってるところも嬉しかったし、妖艶なミレディや強欲枢機卿や黒尽くめのロシュフォールなど悪役も華があります。
気楽に楽しめる娯楽作でした。

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映画「ハックフィンの大冒険」感想

 | アドベンチャー  com(2) 

ハックフィンの大冒険
製作:アメリカ’93
原題:THE ADVENTURE OF HUCK FINN
監督:スティーヴン・ソマーズ
原作:マーク・トゥエイン
ジャンル:ファミリー/アドベンチャー

母の遺産を狙って戻ってきたならず者の父親から逃れるため、強盗に殺されたと装い村を出たハック。一方、その殺人騒ぎのどさくさに紛れて、黒人奴隷ジムが逃亡する。そんな彼らは互いに自由を求めてカイロに旅立ち…。

前回のまとめ感想に入れようかと思ったんですけど、中途半端に長くなるので単独で。
冒頭から父親にガチで殺されそうになったり、悪党どもが裏切り者を始末する場面に出くわしたり、名家同士の確執でお世話になった一家が皆殺しになったり、父親の死を知ったり、親友も自分も死にかけたりしたのに、いつも明るく乗り切ってしまうハックが異様でした。
しかも、せっかく養子になって平和に暮らせることになったのに、また一人で旅に出るとか!
16歳以上ならまだしも、10歳くらいでしょ? 時代が違うんだろうけど、ちょっと理解できません。
でも、イライジャ・ウッドのハックは可愛いし、奴隷制度を乗り越えたジムとの友情にも涙。コメディ調じゃないほうが素直に観られた気がします。

映画「トゥー・ブラザーズ」観た

トゥー・ブラザーズ
製作:フランス・イギリス’04
原題:TWO BROTHERS
監督:ジャン・ジャック・アノー
原作:アラン・ゴダール
ジャンル:ドラマ/アドベンチャー

【あらすじ】遺跡で暮していた虎の親子の前に、冒険家エイダンが現れて親を殺した。幼い虎の兄弟のうち、兄はサーカスに引き取られクマルと、弟はラウールという少年に引き取られサンガと名付けられる。やがて成長した二匹は闘技場で再会し…。

やはり虎は美しいですよね~。冒頭の虎の家族の様子はもちろん、さらわれた兄弟を必死で追いかける姿や、再会して忘れていた過去を取り戻す瞬間、目と目で通じ合う気持…兄弟で故郷を目指す道のりと、思いがけない再会。彼らの言葉はわからないけれど、純粋で美しい愛情が満ちていて、何度もこみ上げてくる涙をこらえるのが大変でした。

そんな美しい家族愛をみせる虎たちに対し、人間はもちろん悪役。
とくに、虎たちを苦しめた諸悪の根源エイダンが、虎が主役のファミリーモノでは深く描けるはずもないのに中途半端に主役っぽくて嫌でした。最後まで罰らしい罰もないし、虎に感情移入している身としてはスッキリしません。
スリルから金儲けに走った冒険家崩れが、虎の縄張りに侵入して”正当防衛”で親虎を殺し、飢え死か人間を襲うようになるだろう子虎を”良かれと思って”捕獲。さらに残った親虎も捕獲し、お偉いさんのご機嫌取りに利用。逃した虎の代わりの皮を探してサーカスの虎が殺され…。
この兄弟に起こった悲劇のほとんどが彼のせいなのに、最後はハンターをやめて”愛する人と故郷へ帰り、小説を書いて暮す”、じゃあ納得いかないです。せめて自然・動物保護ために活動でもしてくれればいいんですけどね。
個人的には、よその国の動物や遺跡を食い物にする輩は嫌いなので、完全に悪役として描いてばっさり倒してくれた方が気持ちよかったです。
でもまあ、彼の微妙な立ち位置のおかげで、出番が少ない少年の純粋さが際立っていました。もっと子虎との交流を描いてくれてもよかったのに!

映画「穴/HOLES」観た

 | アドベンチャー  com(6) 

穴/HOLES
製作:アメリカ’03
原題:HOLES
監督:アンドリュー・デイヴィス
原作:ルイス・サッカー
ジャンル:★アドベンチャー/ドラマ/コメディ

【あらすじ】ひいおじいちゃんのせいで一族の男が呪われた、と聞かされて育ったスタンリー。運悪く無実の罪で捕まった彼は、砂漠の真ん中にある少年矯正施設に入れられる。だが、鬼所長ルイーズによって、毎日ひたすら大きな穴を掘らされ…。

ちょっと気になっていた作品なんですが、普通に面白かったです。なんで未公開?
一族にかけられた呪い、子供たちに穴を掘らせる女所長、女教師とたまねぎ売りの黒人青年の恋、伝説の女盗賊、逆から読んでも同じになるstanley yelnatsという主人公の名前などなど、様々なエピソードが次第に収束し、バラバラだったピースがぴたっと嵌ってパズルが完成する心地良さ。なんとなく先が読めても、許せてしまいます。
砂漠で穴掘りという絵もよかったですし、全体に漂うほのぼの不思議な雰囲気もマッチしていました。
ただ、観る前から鬼所長の怖~いイメージが出来上がってしまっていたせいか、実際はそんなでもなくてちょっとガッカリ。もう少し誇張された面白みのある悪役でもよかったかな?
主人公の地味さもあって、ややインパクトに欠ける気がしますが、ラストの「あとの穴は想像力で埋めてね」という一文に、子供の頃わくわくしながら冒険ものの児童小説を読んだ時のような感覚がよみがえってきました。
愛すべき作品だと思います。

映画「飛べ!フェニックス」観ました

飛べ!フェニックス
製作:アメリカ’65
原題:THE FLIGHT OF THE PHOENIX
監督:ロバート・アルドリッチ
原作:エルストン・トレヴァー
ジャンル:★アドベンチャー/ドラマ

【あらすじ】アラコブ石油会社の輸送機が、砂嵐のために砂漠の真ん中に不時着した。航路を離れたために救助隊は期待できず、飲料水はみるみる減っていく。体力的にも精神的にも不安を感じ始めた頃、とんでもない脱出方法を考え出し…。

以前「フライト・オブ・フェニックス」を観てそこそこ面白かったので、いつか絶対オリジナルを観ようと心待ちにしてました。
やはりオリジナルの方がいいですね。なんでリメイクで安易に女性を加えるのか…。あの陽炎のような幻の踊り子が唯一の女性というのがいいのに!
暑い砂漠に男だけなのが非常に暑苦しいのだけど、そこで繰り広げられる葛藤がまたいいです。誰もかれもがどこかしら欠点を持っていて、刻々と迫る死に脅えながら対立したりするんですよね。
わかっている人とわかってない人、そしてわかりたくない人…。
登場人物は少ないけれど、それぞれ個性がよくでていて楽しめました。とくに模型飛行機の事を力説する男や、「帰ったら水中毒になりそうだ」と笑うアル中の副操縦士がいい。
人間同士はいがみ合っても、お猿さんに優しかったとこも好きです(みんなの心のオアシス?)
最後に飛び立った瞬間、ぐっと拳に力が入りました。

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映画「この道は母へとつづく」観ました

 | アドベンチャー  com(0) 
Tag:ロシア 

この道は母へとつづく
製作:ロシア’05
原題:ITALIANETZ
監督:アンドレイ・クラフチューク
ジャンル:★ドラマ/アドベンチャー

【あらすじ】ロシアの孤児院。イタリア人夫婦がやってきて6歳の少年ワーニャを気に入った。彼が新しい生活を心待ちにしていたある日、すでに養子に出された子供の母親が現れる。自分の母もと考えた途端、会いたい気持ちが抑えられなくなり…。

前半のロシア孤児院の現実が想像以上に辛いもので、悲壮な結末だったらどうしようと心配してしながら観賞しました。実話を基にした作品だそうです。
この孤児院は養子斡旋業者から大金をもらっていて、孤児を養子に出すことで私腹を肥やしています。少子高齢化が進むイタリアでは養子を望む人が増え、正式な手続きを踏んでいては何年も待たされてしまうので、大金を払ってでも早く子供を迎えたいという金持ちが多いらしいんですよね。
院長はこれが子供たちにとっても最適な方法だと割り切っているし(割り切れないから酒に溺れてる?)、子供たち自身にとっても優しくて裕福な夫婦に気に入られることが夢であり希望でもあります。もちろん、怖いひとだったら…という恐怖心も持ってますが、売れ残りの年長組のすさんだ生活(アルバイトの他に、盗みや売春)を見ているので他に夢見ることもありませんでした。
それが、ある事件をきっかけに”ほんとうの母親が自分に会いたがっているかもしれない”という新たな夢を見つけることになります。
ひたすら母親を求めるワーニャに対し、周りの人々は少年を想うからこそ手助けしたり邪魔したりして、そのどちらの言い分にも一理あって考えさせられました。

後半の逃走劇はちょっとしたアドベンチャーで楽しめます。やり手の女ボスがぐんぐん迫ってくるし、少年も機転が利いてギリギリのところで逃げ延びる。ハラハラしながら、いつしかワーニャが母親に会えるよう心の底から応援していました。
ワーニャの表情が輝いていくラストシーンに、静かな感動と余韻を残します。

ちなみに、結局母親はワーニャを一度は捨てたんでしょ、とどうしても考えてしまうのですが、映画の中で手放した理由は最後まで明かされません。というわけで”看護学校時代。娘が未婚の母になることを恐れた両親が、ちゃんと卒業するまで赤ん坊は知り合いに預けると、ワーニャを奪い孤児院へ。卒業してそれを知った母親は、両親と訣別。ワーニャを探してあの孤児院を突き止めたが、すでに別の孤児院に移されていて…”というようなストーリーを勝手に想像してます。事実を基にしてるといっても、それはそれ、これはこれ。自分の好きに解釈してもいいですよね。

映画「失われたものゝ伝説」観ました

失われたものゝ伝説
読み:うしなわれたもののでんせつ
原題:LEGEND OF THE LOST
製作:アメリカ/イタリア’57
監督:ヘンリー・ハサウェイ
ジャンル:★アドベンチャー/ロマンス

【あらすじ】仏領スーダンの町。裕福な旅行者ポールが、喧嘩で留置場に入れられていたジョーを案内人に砂漠へ出る。後から追って来た娼婦ディタを加え、彼らは10年前にポールの父親が見つけたという”消えた都”を目指す。

襲ってくる悪の組織がいるわけでもなく、匠の技が光るトラップが待ち構えているわけでもなく、砂漠の渇きや人間の弱い心とたたかう地味~なロマンティック・アドベンチャーでした。
登場人物も少なく、消息不明になった父親の志を継ぎ、消えた都の宝を見つけて世の中のために使おうと張り切る、紳士的な青年ポール。彼の財布をすり捕まりそうになるが、彼に助けられ生き方を変えようとする町の娼婦ディタ。案内人として雇われ、顔なじみのディタがポールに好意的な事に焼きもちを焼くジョーの三人くらいしかいません。

広大で美しい砂漠を彼らは突き進み、毒虫や砂嵐からディタを守るうちにポールは彼女に惹かれ始め、それが気に入らないジョーは何かと宝探しを諦めさせようとします。衝突を繰り返しながらついに遺跡に辿り着き、3人の心も一度はひとつに纏まるものの、あるものを見つけた事でポールは打ちひしがれてしまうのでした。
はっきり言って、ここまで観れば誰でも先が読めるような分かりやすい展開ですが、それでも彼らの変わりようは楽しめます。
派手さが全くなくてもアドベンチャーとして成り立つものなんだと妙に感心してしまいました。

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