「バラ色の選択」 と「心の旅」 を再見して過去記事に追記しました。
4/18「アライバル-侵略者-」監督:デヴィッド・トゥーヒー B級SF作品。主人公が行動力の化身でガンガン突き進んでいくのが面白かったです。ご近所さんを騙してテレビのアンテナに細工して利用するし(観測に使ってる間、本当にテレビ映るの?)、元同僚が謎の死を遂げても妨害に遭う前に目的を達成せねばと勢いが増すし、いかにも怪しい施設に単身乗り込んでいくし…。一方、彼の行動力に完全についていけてない敵勢力…。事故死に見せかけようとしたり、殺人犯に仕立て上げようとしたり回りくどいことばかりしてます。あの謎の球体の対人向けバージョンとかないの? 突き止めた真相も面白かったんですが、敵地のSFっぽさより、実際にある巨大パラボラアンテナの方にSFらしさを感じてしまったのが不思議でした。
4/19「ピーターラビット2/バーナバスの誘惑」監督:ウィル・グラック 金ローで観たら丁寧に前作のあらすじ紹介から始まって、前作未見でも意外と楽しめました。ピーターが色々と悪いことをしてるけど、信じてもらえなかった寂しさに付け込まれ悪い大人にそそのかされてのことなので納得できたし。おそらく原作(未読)とはほぼ関係ない内容なんだろうなぁと割り切って楽しめました。にしても、ウサギたちが可愛いですよねぇ。モフモフ&つぶらな瞳に抱きしめたくなる。とくに、ぽっちゃり体形のベンジャミンが可愛くて可愛くて…。こんなに可愛いウサギたちに囲まれて暮らしたら、幸せ指数爆上がりだと思う。それに、こんなに賢いんだから農作業を教えれば自分たちで畑を維持できるんじゃないだろうか。「くまのプーさん」のラビットみたいに。いつか前作の方も見てみたいです。
4/20「プーと大人になった僕」監督:マーク・フォースター 大人になったクリストファー・ロビンと娘やプーとのやり取りが結構しんどかったです。仕事で大変なのもよくわかるから板挟みの苦しさもわかるんだけど、それでも娘のことがぜんぜん見えてないところやプーに「僕のこともすてたの?」と言わせてしまうところが…(泣)「完全保存版」の続きから始まるところもウルっときたし、ぬいぐるみなプーがよちよち歩いて昔通りに彼と接しているのにもウルっときて、全体的に涙腺ゆるみまくり。一応マイペースなプーや後ろ向きなイーヨーがクスリと笑わせてくれるシーンもありました。プーの体についた汚れはどこに消えていくんだろうなぁ…。終盤はディズニーらしい展開だったものの、前半が暗すぎるので子供が見て楽しめるのか?吹き替えがアニメと同じところは安心感ありますね。あのプーさんたちのぬいぐるみ、ちょっとほしいなぁ。
「遠い太鼓」監督:ラオール・ウォルシュ 先住民が出てくる普通の西部劇かと思ったら、何気に人間ドラマもあってそれなりに見ごたえありました。ヒロインも添え物じゃなく、きちんと背景や内面が描かれてたし。主人公(ゲイリー・クーパー)と惹かれ合う流れも自然でした。セミノール族の追撃を受けながら湿地帯を抜ける過程では、ワニや蛇なんかも出てきて冒険感あります。あの行程を薄着で歩いてたヒロインは虫刺されやヒルで散々だったんじゃないだろうか(汗)終盤は川での決闘シーンで、まさかの水中戦も見られます。でも、最後こうやって全面対決(双方犠牲者を多数出した後)するなら、最初に制圧した砦に立てこもって迎え撃った方が良かったんじゃないかなぁ…。白人を良く描き過ぎな感じはあったものの、映画と割り切れば楽しめると思います。
「復讐の荒野(1950)」監督:アンソニー・マン、原作:ニーヴェン・ブッシュ タイトルから家族を殺されたガンマンの復讐劇かなと思ったら、父娘の愛憎劇と牧場経営者同士の確執などが絡み合った見ごたえあるドラマでした。まず特徴的なのが、1950年の作品なのに登場人物の女性たちがみんな強いんですよね。主人公である大牧場主の娘バンスからして男顔負けの気の強さで、牧場経営のことなら父親よりも上手くやれる自信があり、兄でなく自分が後継者なのも当然だと思ってます。TCを恨んでいるのを知っていてリップが自分になびくと確信してるところは、ある意味年相応で可愛く見えてしまったり。彼女の他にも、TCの土地に居座るメキシコ人一家の母は銃を持って徹底抗戦の構えだし、TCの後妻は窮地にあってもしたたかさを忘れていなかったし、銀行の頭取の奥さんは真の支配者オーラがすごかったです(笑)一方で、強くなければ生きていけないんだろうなと思える厳しさも描かれてます。序盤で娘との関係が面白いと思っていたTCが、まるで別人のように娘に対して残酷なことをするエピソードにはゾッとしました。口約束なんて信用できないとは言っても、あまりの仕打ちに涙が。これは復讐されても仕方ないわ…。復讐の仕方も今までTCがやってきただろう”相手の足元をすくう”やり方で納得のいく展開。5万ドルの使い方も良かった。すべてを失ったTCの様子も含めて、本当に最期まで彼らしかったです。
「星のない男」監督:キング・ヴィダー、原作:ディー・リンフォード 1作品録画失敗して図らずも西部劇を立て続けに3本見ることに。主人公と彼を慕う若者、そして冷酷な牧場経営者のヒロインの人間性がどうも受け付けなくて、あまり楽しめなかったです。でも有刺鉄線のことに言及してる を考えさせられた西部劇は「シェーン」以来初めてだった気がするので、色々と考えながら見られました。先住民と血で血を洗う争いをしてまで手に入れた土地で、今度は開拓民同士で殺し合い奪い合い、さらには東部から来た冷血インテリが金と法の知識で甘い汁を吸うだけ吸ってポイしてたとか地獄のようだなぁ…。まあ、血塗られた歴史がない国なんて存在しないだろうけど。
2/15「トムとジェリー(2021)」 老婦人の家で飼い猫とネズミが死闘を繰り広げるドタバタコメディを、どう現代風に料理するのかなと見てみました。騒動の原因がトムとジェリーだけでなく、利己的だったり余裕がなくなった人間たちにもあるとすることで終盤の結婚式ぶち壊しへの不快感を軽減しようとしてる感じでしたが、やっぱりそれだけでどうにかなるもんじゃないよねぇ…。とくに食べ物や誰かの大事にしてるものを壊すシーンは不快でした。いちおう騒動後のフォローもあったけど、中国人?の料理長はどうなったんだろう。せっかくのチャンスを壊されたし、ウェディングケーキをぶち壊す姿を目撃した人には”ヤバいひと”認定されてそう。トムたちより人間の方がメインになってて、そのせいで逆に余計なことを考える余地を与えてしまった気がする。実写とアニメの融合は違和感なくて良かったんだけどね。
2/17「幸せへのまわり道」 古いTV番組の導入みたいに始まって、ジオラマの町が可愛らしくて和みました。この番組パートのシーンでは画面サイズも昔と同じにしてあるし、フィルムも若干かすんだような演出で凝ってましたね。ただ、メインのドラマの舞台はどうみても1990年代で、TV番組は1960~70年代風なので混乱しました。ロジャースさんが復帰した際に、番組も元の古いイメージそのまま復活させたのかな?ドラマの内容は結構引き込まれるものがあって、とくに記者ロイドの心情の変化が繊細に描かれていたと思います。何もかも見透かされそうな不安と、それでも惹きつけられて何度もロジャースの言葉がよぎってそうなところとか。記者と取材対象のはずなのに、迷える子羊と牧師(神父?)みたいでした。ロジャースが取材を快く引き受けたのは、ロイドの怒りと悩みに気付いたからだったのかなぁ。カフェで「怒りを抑える方法はたくさんある。自分を愛し培ってくれた人たちを思い浮かべてみて。1分間黙るだけだ」というやり取りが印象に残りました。彼の言葉には身につまされるところもあったり…。始終穏やかだったけど、最後の方で番組後に鍵盤をバーンと弾いたのは彼の言ってた怒りのコントロール法?何にイラついてたんだ(笑)エンドロールで映るご本人の優しい笑顔も良かったです。観終わって実際の記事を自動翻訳でざっと読んだんですが、ロジャースが”143”は”I love you”を示す数字だからと体重143ポンドをキープしていたエピソードが好きですね~。
2/17「胸に輝く星」 ヘンリー・フォンダ演じる賞金稼ぎモーグの役がめちゃくちゃカッコいいですね。若き保安官代理(「サイコ」のノーマンか!)との師弟関係、少年とのほのぼのした交流、そして先住民の妻に「憎しみはそう簡単に消せない」と言いつつ知る前と変わらず接する姿に痺れました。強盗犯の飼い犬を追って行ってしまった少年を必死に探す姿も情の深さが伝わってきてよかったし、洞窟に立てこもる強盗犯たちをその場にある物を使って追い立てるのも、鮮やかなお手並みに惚れ惚れ。町を愛し町人に愛される医者のお爺さんの件はとても悲しかったけど…。クライマックス、弟子の雄姿に嫌がっていた星を胸につけ隣に立つところがいいなぁ。町から立ち去るラストの冒頭との真逆な温かな雰囲気に温かな気持ちになりましました。
原題:LOVE THE COOPERS 製作:アメリカ’2015 107分 監督:ジェシー・ネルソン ジャンル:群像劇/コメディ/ドラマ
【あらすじ】クリスマス・イブ、クーパー家ではこの日に4世代11人が揃って一緒に過ごすのが恒例だ。今年も家族と楽しく過ごす予定だったが、40年連れ添ったシャーロットとサムは離婚を決意しており、他の家族も様々な秘密を抱えていた…。
毎年クーパー家で行われるクリスマス・ディナーに向けて、それぞれが抱える問題を描いていく群像劇。 GYAOで配信中(13日23:59まで)だとお友達のブログで紹介されてたので見ました。 離婚に失業、万引き、不倫&彼氏偽装、反抗期などなど、4世代の大家族それぞれに焦点を当てていきます。久しぶりの群像劇でちょっと情報整理が大変だったけど、割りと普遍的な悩みが根底にあるので共感できるところもありました。喧嘩シーンが多くて、あまりクリスマス向けではないかもしれないけど。
個人的にほっこりしたのは、ダイナーで逢瀬(なんて色っぽいものじゃないが真心を感じる)を繰り返すお爺ちゃんと若いウェイトレスのエピソードすべてと、親の離婚で不安定な兄のために心温まるプレゼントを贈ろうと頑張る弟君、散々なクリスマスを払しょくしようと幼い孫とダンスするシーンですね。
あと、好きなシーンは空港で出会った二人が一緒に音楽を聴いた時の彼の心象シーン。恋が始まってんな~という感じで微笑ましかったです。 補導された姉コンプレックスのエマが、幼い頃の初めての嫉妬心と嫌がらせを思い出し、恥じるところも人間味あってよかったです。 人間たちの様子を理解してるような顔で寄り添ってるワンコも可愛かった。 終盤、病院で騒がしくするのはどうかと思ったけど、「家族の姿に過去と現在と未来が溶け合って見えた」というセリフにはウルっときました。
この作品で知ったFOMO(fear of missing out/取り残されることへの恐れ)という言葉は、クリスマスに取り繕って精一杯幸せの振りをしようとしたクーパー家のみんなもそうだったんでしょうね。それが歪みに繋がっていたと。 ありのままを見せることも受け取ることも難しいけれど、だからと言って最初からあきらめて取り繕っていてはダメなんだなぁと考えさせられました。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 次回はアニメ記事になりそうです。スタバレは別のマップでやり始めたらまた止まらなくなったので、ゲーム記事は先になりそう。あと、キムチを漬けはじめてもうすぐ1年になります。やっぱり白菜キムチが一番好き。
11/7「ザ・デプス」 海洋パニックもの。トラブルの大半が人為的不備によるものなのがちょっとストレス溜まるけど、「くる、くる、くる……来たー!」みたいなノリで見られました。扉に挟まれるシーンとか見てて痛かったし、二人を先に行かせるため(&自らの苦痛を終わらせるため)に浸水させる展開はホロリ。終盤にドクターが赤ん坊の命優先で果敢にモンスターに立ち向かっていくところも格好良かった。あと、精神的に参ってトラブル量産機になってた人(周りの配慮も足りなさすぎ)の死にざまも印象的でよかったです。たぶん実際の死に方とは大分違うと思うけど、特殊メイクなしで減圧なしの危険性を視聴者の記憶に刻みつける演技だった。もう少しモンスターの出番が多ければよかったんだけどね~。
12/16「オルカ」 冒頭のシャチのつがいが泳ぐ海の風景が美しかったです。身ごもった妻を人間に殺されたシャチが、執念深くハリスを追いつめていきます。パニックものに分類されてるけど、結構ドラマ部分が良かったですね。水族館が高く買い取ってくれるからと安易にシャチを狙ったハリスが、自分の浅はかさがもたらした惨い死、そして憎しみの宿ったシャチの眼に己の罪を自覚するところがよかった。また、復讐に燃えるシャチや自分のせいで命を落とした仲間たち、シャチの怒りを鎮めるためにハリスたちを海へ追いやった村人たちに対しても申し訳ないと思っていて(行動は遅かったけど)、決戦に向かうところが漢らしかったです。シャチの生態については、まあフィクションなので横に置いておいて、「白鯨」のような渋い対決と、それらを盛り上げる映像&音楽が楽しめる作品だったと思います。
01/02「ホワイトナイツ/白夜」 内容を覚えてなかったので再見。やっぱりかの国は昔から変わってないんだなぁと再確認できました(本物は数百倍厳しくて恐ろしいだろうけど)。 前衛的なバレエや同じ動きを息ぴったりで踊るのを見ても楽しめない方なんですが、この作品では分かりやすく意味のある使い方で楽しめましたね。祖国を捨てて得た自由なバレエをかつての恋人に見せるシーンの情熱的な様には感動したし、バレエダンサーとタップダンサーが息ぴったりで踊るシーンは、運命共同体となる二人の本気度がうかがえて希望が持てました。自由を求めてアメリカに亡命したバレエダンサーと、黒人だからと戦争で使い捨てにされそうになりソ連に亡命したタップダンサーという正反対の立場にいる二人だけど、根底は同じで踊りたくてたまらないパッションの人間なんですよね。 ニコライの影響でダンスへの情熱を抑えきれなくなり、また愛する妻が妊娠したと知り亡命を決意するレイモンド。不測の事態に自分が残って二人を逃がすくだりは涙が出そうになったし、処刑されるかもしれないと取り乱す本来の弱い部分を見せることで、本当に勇気を振り絞って残ったんだというのが際立ってました。 あとタイトルの白夜が効いていて、人気のない夜中でも白夜だから明るくて逃げる時のスリルが倍増し、明るいからこそ多くの目撃者を作って国際問題にしたくないソ連との駆け引きが成立したというのが上手かったです。エンディングテーマ曲がまた涙腺を刺激して、再見してよかったなぁとしみじみ思えました。製作:日本’2021 121分 監督:細田守 ジャンル:アニメ/アドベンチャー/ファンタジー/SF
【あらすじ】田舎で父親と暮らす女子高生のすずは、幼い頃に事故で母親を亡くして以来、人前で歌えなくなっていた。だが、仮想世界Uに分身となるキャラクター”ベル”を登録したことをきっかけに、Uの世界でなら思う存分歌えることに気付く。瞬く間に歌姫として注目されるようになった彼女は、ある日Uで“竜”と呼ばれるユーザーと出会い…。
この監督の作品どちらかというと苦手なんですが、今回はまあ結構好きだしウルっとくるところもあっておおむね楽しめました。良かったところと悪かったところを箇条書きにしてみたところ、悪かった方が数が多いのに鑑賞後の印象は良かったというのが逆にすごい。
<良かったところ> ・歌が好き。CMでもやってた鯨に乗って歌うシーンなども美しくて良かったと思う。クライマックスも歌の効果でウルっときた。 ・すずの声優がミュージシャンだということだけど声優としてもキャラに合ってたと思う(母親に否定された【と思っている】自分を表に出せない感じとか) ・竜とベルの関係を「美女と野獣」に当てはめたのはアニメ的でまあまあよかった。弟くんのAsが野獣の”魔法のバラ”ポジションなところとか。 ・兄弟のその後を描いてないけど、ベルのフォロワーは数億人(おそらくアンチ含む)で”美談”はすぐ世界に広まったと思う。あのジャスティンにスポンサーが付いてたくらいだし、しばらくはUのユーザーたちの注目の的で酷いことにはならないだろうと思えました。あと女子高生に怪我させてるし、虐待の動画は演出上手な友人が確保してたし、ケイ君は外に助けを求めて立ち向かう決意をしていたし。
<悪かったところ> ・50億人のユーザーがいるUの世界の実態があまり伝わってこない。ベルみたいに大規模ライブを行えるのはフォロワー数で決まるのか、課金すればいいのか(竜を守る城やAIも金かかってそう)。そして他の人たちがこの世界で何をして楽しんでいるのかもほとんど描かれていない。youtuberみたいな目立つ人たちの周りでキャッキャしてるだけ? ・ベルが人気の的になるまでの経過を省略したせいで、すずの感情の機微がほとんど描かれてない。あの事故で自分は母に愛されてなかったと疑心暗鬼になり、母親との絆の象徴だった歌が歌えなくなってしまった彼女にとって、歌うことの楽しさ、解放感は彼女に様々な心境の変化を与えてもよかったのに。 ・竜が狙われた原因が割と擁護できない。対戦相手の分身のデータが壊れるまでボコボコにするとか、人によってはトラウマレベルなので(現実のオンラインゲームでもトラウマになる人がいる)。すずにとってベルはかけがえのないもう一人の自分であるはずなのに、彼が嫌われる理由を知ってなお竜への警戒心より興味の方が強く出ていて違和感。 ・とはいえ、竜を追う正義の味方ごっこ連中のやり方も当然擁護できない。運営ちゃんと仕事してる?スポンサーがついてるのも理解不能。 ・子供たちが竜をヒーロー扱いしている理由が不明。対戦相手がろくでもないやつばかりだったとか、裏でいじめられる子供たちを助けてたとか何かないのか。 ・「美女と野獣」をモチーフにしてるのはいいけど、原点の小説でも今や古典となった童話版「美女と野獣」でもなく、ディズニーアニメの方を意識してるのは二次創作の二次創作みたいで冷める人がいるのも仕方ないと思う。監督が好きなのはディズニー映画の方だから仕方ないけど、キャラデザをディズニーのアニメーターにしたり印象的なシーンを寄せすぎたり匙加減を間違えたのでは。 ・子供の命を救うため我が子の制止を振り切って命がけで子供を救った母親と、子供を虐待から救うため日常の平穏を手放して仮面を脱いだすずの対比が、何も賭けずにすずの背中を押した謎の上から目線男のせいでしっくりこない。この監督の描くイケメンはいつも同じタイプ(無表情クールか影のあるひねくれ男)なんだよな。 ・そもそもあの母子の共通点は母性とか博愛というより猪突猛進という感じがする。監督の手によってお膳立てされた道を脇目もふらずに突っ走ってたので。 ・ネット上の悪意や虐待など嫌な気分になる描写が多いので、そういうのが苦手だと2度は見られない。歌が好みじゃなかった人はとくに。歌が好きなら歌だけ聴くという手もあるし。 ・すずが父親を避け続けてきた理由をわかりやすく提示していないので、すずという人間が伝わりづらい。母親を引き留められなかったことで父親に憎まれているんじゃないかとか、母親に愛されていない【と思っている】自分が父親にも嫌われていたらどうしようと臆病になっているとか、もう少し内面を出して欲しい。父親も娘には時間が必要だと思ってるのか、距離を置き過ぎてる気がする。小さい頃に毎日抱きしめて「愛してる」って言ってれば違っただろうに。 ・社会問題を扱うならテーマを絞って、しっかり取材してから取捨選択して描いた方がいいと思う。
switch版「スタデューバレー」に嵌って映画を見る時間が激減してるんですが、よく考えたら録画自体月に2本くらいだからあまり変わってない?とりあえず、スローライフ牧場生活ゲームなのに、やりたいことが多すぎて毎日朝6時から深夜2時まで働き通しのブラック牧場になってるけど楽しいです。アクション要素があるゲームでまともにプレイしたのは、高校生の頃に遊んだ「クリスタルクロニクル」以来か…。パーフェクション達成して、個人的な目標も達成したら久しぶりにゲーム記事書くかもしれません。
8/15「クロコダイル・ダンディー2」 今回もNYパートとオーストラリアパートに分かれてて、故郷で麻薬組織の連中を迎え撃つ展開が痛快でした。ヒロインの二股がない分、個人的にはこっちの方が楽しかったです。あと、後半のヒロインの服装がすごく似合ってて可愛かったんですよ。帽子とロングスカートを灰がかった緑で揃えていて、白いピンタックのブラウスに蔓か何かで編んだベルトとサスペンダーのセットを合わせていてオシャレ。たぶん大自然を意識したコーディネートで、ワイルドなダンディと並んでいるとまさにお似合いカップルでした(敵を一人ずつ捕縛しつつも、イチャコラしてたし 笑)早く結婚してオーストラリアで暮らしちゃいなよ!
8/18「劇場版シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉 」 家族が録画していたのを横からチラ見してたんだけど、かなり原作の雰囲気は再現してるような気がしました。今見ると性犯罪者にしか見えない冴羽リョウとか、ツンデレ暴力女な香とか。ただ、ラスボスな人が登場時から小物臭漂ってて、ストーリー的には微妙だったかなぁ…。あんなに街で暴れて政府にケンカを売ったら、徹底的に組織を潰そうとするんじゃないだろうか。潰せば最新鋭の兵器の情報も手に入るかもしれないし。あと、組織の人も客も、非合法な取引の場に来るなら信頼できる最高のSPを連れてくるのでは?ちょっと脇が甘いなと思いました。
9/27「友だちのうちはどこ?」 次宿題をノートに書いてこなかったら退学と先生に言われてしまった隣の席の子に、間違えて持ち帰ったノートを返そうとするが住所を知らなくて…というお話。日本にも多いけど、子供は大人の言うことを聞かなければならないと、子供の事情をまったく顧みずあれこれ指図する大人にむかつきました。まあ最後の親切なお爺さんの登場で、そういった大人たちの愚かさが際立ってたけどね。少年も少年で、必死過ぎて足が悪いお婆さんに無理させた挙句に別の手がかりを見つけて放っていったのはどうかと思う。にしても、あの坂道を2往復くらい全力疾走する体力には驚かされました。将来はマラソン選手かな?終盤、お爺さんに案内されてノックもせずに諦めて帰ってきた理由がよくわからなかったけど、ラストは少年の思いやりが実ってよかったです。筆跡の違いも分からない無能教師でよかった。
最近は毎月2~3本しか映画を録画しないし、暑くて見るのも書くのも遅くなってます。でも、頻繁にお腹を壊してた原因が生卵(白身?)だったと判明して、色々食べられるようになったので食事が楽しい。自家製キムチに嵌ってます(毎月2~3kgつくってるよ!)。
6/30「トイ・ストーリー4」 完結したんじゃなかったっけ?と思いながらの鑑賞。バズの言動に違和感があったけど普通に楽しめました。後日談的な作品としてはかなり良くできてるんじゃないだろうか。悪役と思いきや感情移入させられてしまったギャビー・ギャビーのキャラが良かったです。ウッディのボイスボックスを狙ってきた少女のお人形で、従えている腹話術人形ベンソンのホラーっぷりがいい味出してます。きっとベンソンたちもギャビーに同情して従ってたんだろうけど、彼らはアンティークショップにくる前に誰かに所有されていたということかなぁ。愛されたことがない彼女が、迷子の少女を見つめる表情には確かに愛が感じられたし、拒絶されるかもしれないという不安で押しつぶされそうになりながらも、子供に寄りそうことを選ぶところに感動しました。自分をゴミだと思っていたフォーキーや、まるで冒険家のようになったボー・ピープの活躍も良かったと思います。ただ、お馴染みのおもちゃ仲間たちの活躍が少なかったのは寂しかったかな。あとウッディがいなくなったことを知ったら、アンディはどう思うんだろう…。
6/30「ザ・ディープ(1977)」 冒頭からヒロイン(新妻)のダイビング姿がエッッッロ!もう濡れた白Tシャツから透けるおっぱいを撮りたくて映画製作したんじゃないかと疑うわ…。中盤も沈没船調査から手を引かせるために、彼女に謎の儀式みたいなこと(鳥の足に血を付けて彼女のお腹にこすりつける)をして脅迫するし、よっぽど男性人気の高い女優さんだったんだろうなぁと思いながら鑑賞しました。沈没船に隠された宝とかロマンそのものなんだけど、あんまりストーリーが頭に入ってこなかったよ…。ヒロインも怖がってる割に沈没船の謎の解明とかロマンに燃えてしまう体質らしく、その船がどの時代のどこの国のもので、誰がなんのために3重錠付きのツヅラを運んでいたのか推察するシーンは面白かったです。あと大ウツボにあたまかじられるオッサンとか笑う。
8/1「クロコダイル・ダンディー」 懐かしいなと思って再見。ワニに襲われて生還した“クロコダイル・ダンディー”と、女性新聞記者のスーのラブコメですかね?前半はニューヨーカーがオーストラリアの大自然の中でワタワタしながら、彼のワイルドな魅力に惹かれて、後半はNYに招待されたダンディがカルチャーギャップにさらされながらも自然体で振舞う様子が描かれます。なんかヒロインが二股かけてるんだけど、子供の頃の私はそこら辺には興味なかったみたいで覚えてなかった。ダンディとニューヨーカーたちの交流は今見ても楽しかったです。ラストの地下鉄伝言ゲームが好き。
一気に真夏になったようですね。すでに日中は室温33度まで上がるようになって、あわててベランダにシェードをかけました。これで少しは室温上昇を抑えられる…。冷感マフラーと昆布と麦茶で乗り切れるだろうか。完全遮光日傘買おうかな…(外側白、内側黒の砂漠装束カラーが最強らしい)。
6/6「アンダーグラウンド(1995)」 ぜんぜんストーリーが分からなかったんですが、最終的に主人公たちに巻き込まれて亡くなった罪なき人が多すぎて泣くしかなかった…。意味が分からないのに理不尽すぎて涙がボロボロ出て止まらないという不思議な体験。旧ユーゴスラビアの内戦を描いた作品だったんですね?ブラックユーモア満載の反戦映画と紹介している人もいたけど、紛争がなくてもクロやマルコは周りを不幸にして自滅した気が…と直後は思ってたものの、紛争で崩壊した国だと知って色々考えた結果、この作品が紛争を人間関係に置き換えて描いた寓話だったんだと気付きました。親しき隣人と何かをめぐって争い、裏切り、血を流す苦しみ、巻き込まれることの理不尽さ…。そういうものが何もわかってなかった私にも伝わってきたのはすごいことだと思います。 エネルギッシュで目の前のことしか見えなくなり、大事なものをいくつも取りこぼして独りになってしまった主人公。とくに、息子が初めて朝日(太陽)を見た結婚式の日に不注意で死なせてしまうくだりが悲惨すぎます。息子の声に導かれ、泳いで辿り着いた場所でみんなと幸せに満ちた宴を始めるラストは、この前観たアニメ「平家物語」の終盤を思い出しました。彼らがいる大地が切り離され、ドナウ川を流れていくのが印象的です。
6/10「遠い空の向こうに」 再見なのに、なぜか感想がなかった…。後で追記しようと思って忘れたんだっけ?再見して思うのは、多くの人に見てもらいたい名作だということです。若い人はホーマーたちに思いっきり感情移入して自分のやりたいことに挑戦してもらいたいし、大人も自分を見つめ直したり、夢を見る勇気をもらえると思います。今回は泣きはしなかったものの「博士は偉大だけど、僕のヒーローじゃない」のセリフには本当にグッとくるものがありました。数学が苦手だったホーマーがいつの間にかクラスのロケットオタクよりもロケットに詳しくなっていたのも、タフで頑固な父親の背中を見てきたからでしょうね。一度もロケットを見に来ない夫に発破をかける奥さんも良かった。夢中になってロケットを作るホーマーたちを、ずっと温かい目で見守ってきたもんね(ホロリ)。青い空にロケットが飛んでいく終盤は爽やかで、明るい未来を信じたくなります。町のみんなや入院中の先生も見てたし、息子に頼まれて発射ボタンを押した父親も感無量だったはず。エンドロールで流れる実際の彼らの姿に、自分もやりたいことは後回しにせず頑張ろうと思えました。
6/30「ダーククリスタル」 ずっと見たかったマペットで表現されたハイ・ファンタジー作品。本当にこういう世界があるみたいに感じられて、マペットの良さが堪能できました。ストーリー的には、主人公のはずのジェンが流されるばかりで活躍してなかった気がするけど(汗)ハゲタカをイメージしたような悪役たちとか、亀みたいな種族や甲虫みたいな兵、目玉を取り出せる占星術師?、そして亡くなると砂になって崩れ落ちてしまうなどファンタジーならではの世界が魅力的でした。ラストも神秘的で美しかったです。
6/2「クリムゾン・ピーク」 ギレルモ・デル・トロ監督かぁ…。全体的には雰囲気があったし退屈はしなかったんだけど、ヒッチ・コックの「汚名」を軽くパクってるよね?【鍵を盗んだか確かめるためにヒロインの目の前に鍵束を置いて部屋を出る】【毒を少しずつ盛られて動けなくなる】【身内女性の言いなりの犯罪者】【ヒロインのことは本当に好きだった】辺りが共通点で、スパイものとゴシック・ホラーの違いはあるけどアレンジしました感がすごかったです。そこにがっかりしたし、他の印象的なシーンとかも何かのパクリなんじゃないかと疑ってしまいました。あとヒロインがトーマスに惹かれていく過程が薄い。
6/3「グリーンブック」 1960年代アメリカの人種差別をやんわり描いた実話もののロードムービー。直接的な暴力描写は確か白人同士の殴り合い(主人公から一方的?)くらいだったので、今までの重い作品と比べるととても見やすかったです。悲惨な描写がなくても差別の理不尽さは感じられたし、成功した黒人でもこの扱いなんだから”労働者”としてしか見られていない人たちは…と想像させられます。そしてチンピラみたいな主人公トニーと天才ピアニストDr.シャーリーとの距離が縮まっていく過程も丁寧で良かったです。黒人が使ったコップを捨てるようなトニーが、ドクターのピアノを聞いて初めて敬意を抱くシーンが印象的。音楽は易々と壁を飛び越えるんだなぁ。そして用心棒として必要だったからトニーを雇っただけだったドクターも、彼の家族想いな一面や熱い性格を知って心を開いていく。たぶん人種の違いがなくても反発してただろう二人だから、深まっていく友情にほっこりできました。ロードムービーはこうでなくっちゃね。夫の成長を優しく見守る奥さんの存在も輝いてました。タイトルは黒人向け旅行ガイドブックのことで、こんなものがないと旅もできない社会を象徴してるのかな。
6/5「地球の静止する日」 のんびりした雰囲気のSF作品でした。テーマ自体は真面目なはずなんですけど、異星人が地球にメッセージを伝えるのにどうしても全世界に平等に伝えなきゃ嫌だい!と我がままを言ってるのが滑稽で…(汗)そんな科学が進んでるのに全世界電波ジャックとかできないんですか。そもそも最初は通信でメッセージを送って、ある程度信頼関係を築いてから地上に降りた方がトラブルが少ないと思う。それに、どんなに人類が愚かでも自分たちより圧倒的に進んだ技術を持った星の使者を生死問わず捕えろ、なんて命令は出さないでしょう。ラストの使者の演説は”世界の警察官アメリカ”の宣伝みたいで、フォローしたつもりだろうか。人間と見た目は変わらない異星人クラトゥと、地球の少年との交流は微笑ましかったです。最後は少年出なかったけどね。
5/29「ウエストワールド」 ロボットの反乱を描いた作品で、無言で追ってくるロボット役のユル・ブリンナーが不気味でした。シュワちゃんのターミネーターと同じくらいインパクトあります。未来描写が少なくてもSF感があって、なおかつ西部劇のセットなどを流用できるテーマパークの設定も上手い(商売上手!)。ただ、本物の武器を使っているのに(体温がある物には攻撃できない)、コンピューターが設計した部分が一部解析不能なままのロボットを投入するのはさすがにどうなの(汗)あのテーマパークは殺しもセックスもありで、たぶん刺激に飢えたセレブ客が多いと思うので、何かあったら訴えられて負けるのは目に見えてるでしょう。でも、襲ってくるロボットはやられ役や巻き込まれ役など嫌な役目を負うロボットだったっぽいのは、感情が芽生えたのかもしれないと思えてよかったです。終盤に助けられた美女は主人公の善意に対して「水はダメ」としか言わなかったし(エネルギー切れかもしれないけど)、おそらくロボットだと思われるお馬さんも大人しく主人公を乗せてたから。
5/30「3人のゴースト」 「クリスマスキャロル」系は大抵楽しめてたんだけど、今回は主人公がどうにも好きになれなくて入り込めませんでした。どの作品でも嫌な奴が主役だったはずなのに、なぜこれだけ…?ビル・マーレイは好きな方なんだけど、今回はうるさく噛み付いてる感じでした。ヒロインは笑顔が可愛かったんだけどね。それにしても、下水道で亡くなってたらしき人物は誰だったっけ。本当に亡くなってたのか、ゴーストが見せた幻だったのか?
6/1「クワイエット・プレイス」 あまり低予算とは感じさせなかったところは良かったんだけど…。音を出したら殺されるという状況で、幼い子供(おもちゃを我慢させたばかり)を抱っこや手を繋ぐこともなく目を離して先に歩いていってしまう家族の描写に白けてしまいました。そりゃあ死ぬわ。とてもじゃないけど死と隣り合わせの生活を送ってきたとは思えないです。そして時系列はよく覚えていないけど(少なくとも異変後)、こんな状況で妊娠する意味が分からない。せめて今いる二人の子供が一人で生きていけるくらい成長してからにして…。赤ん坊なんて泣くのが仕事なのにどうするのか、生まれた直後に声帯でも切るのか?と思いながら見てたら、地下室で酸素ボンベ付きの箱に入れて育てるつもりらしい。寝てる時と泣いてる時に閉じ込めるの?精神と肉体の発育に悪そうだし、突然泣き出した時点でエイリアンが家に集まってくるとか終わってるでしょ。あと、くしゃみとかいびきとか寝言とかしゃっくりとかいつでも起こりえるのに今までどうやって生きてきのか想像できなかったし、最後にわかる退治方法もそれくらいなら専門家がまだ生きてた頃に試したのではと思ってしまいました。そもそも騒音のある場所では喋っても大丈夫だとすぐわかっただろうし、いくらでも安全な場所を用意できると思う。
6/2「アンネの日記」 観るタイミングが悪かったですね。今も怯えて隠れている人たちがいると思うと気が滅入って…。でも、そんな状況下でも希望を失わないアンネに惹かれたし、可憐に演じた女優さんが素晴らしかったです。密室劇の緊張感やハッとするような映像美もありました。序盤は猫だけが癒し…とか思ってたのに、むしろ猫による緊張感の方が多かったなぁ。
最近ぜんぜん一言感想になってないので「映画まとめ感想」に変更。しばらくは溜まった録画を見ていきたいです。
5/24「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」 見た目のクオリティが高いと評判だったので気になってた作品です。確かにリョウもカオリも違和感ないですね~。元の絵柄があまり日本人らしくなかったので、しっくりくるくらい。原作の内容はそれほど覚えてないものの、見覚えのあるやり取り(主にリョウとカオリの喧嘩)もあって「シティハンターだなぁ」と思えました。原作とテイストが違うんじゃないかと思える箇所もあるけど、序盤からアピールしてるので「あ、これはこういう作風なんだな」と受け入れられます。個人的にはパンチョが無自覚で回りに被害を出してるところが「ひでぇ」と思いながらも笑ってしまいましたね。ジルベールとベッドカーチェイスしてる下りは大爆笑。原作も結構昔ながらの暴力的なギャグが溢れてたので、これくらいでちょうどいいかも。原作へのリスペクトが溢れてました。
5/25「ねことじいちゃん」 心温まる作品でした。岩合さんが監督をしてるだけあって猫がみんな生き生きしてるんだけど、ドラマの方もじんわり沁みる感じでとても良かったです。人間も猫も関係なく、そして年も関係なく人生を楽しんでいいし、喧嘩したっていい。みんな自分らしく生きてもいいじゃないか、というおおらかさを感じました。じいちゃん役の志の輔さんが猫ちゃんと仲良しで、猫ちゃんが人の扱いに慣れてるのか、志の輔さんが猫の扱いに慣れてるのかは分からないけど、本当の家族みたいだったのも良かったです。倒れた時、真っ先にタマが閉じ込められないよう戸に手を伸ばすところは泣けた…。ダンスホールのエピソードと、亡き奥さんのレシピノートにまつわるエピソードも好きですね~。あの島で猫と人が穏やかに暮らす風景が印象に残りました。ゆったりと考える時間を与えてくれる作品だと思います。
5/26「禁断の惑星」 これはすごい。1956年制作でCGなんて使えない時代なのに、質の高いSF作品になってます。当然お金はかけてるんだろうけど、それ以上にセンスがあふれてるんですよね~。とくに遺跡の描写が素晴らしい。石造りに見える扉が開いていって、その奥には高速でエレベーターみたいなのが行き交う空間があってテンション上がりました(説明が下手すぎて伝わらない!)。あと化け物との戦いのシーンも、たぶんアニメーションのセル画を映画のフィルムに重ねて撮っていて、CGにも負けない存在感を発揮してました。表現力高いなぁと思ってたらディズニーが協力してたんですね。さすがすぎる…。ヒロインの扱いは微妙だけど可愛かったし、よちよち歩くロボットのロビーも可愛くて好き。イドの怪物の正体には驚かされたし、これぞSFという満足感がありました。
5/26「底抜け大学教授」 気の抜けるコメディだなぁと思って見てたら、終盤で思いがけず泣かせてくるからびっくりしました。最近、涙腺ゆるすぎるせいかもだけど(汗)「ナッティ・プロフェッサー」がこれのリメイクなんですね。たぶんかなり違っていると思う。どちらかというと雰囲気は「ナポレオン・ダイナマイト」に近いかも…?薬で変身してイケメン&美声になり、教え子に良いところを見せようとするお話でした。最後に本当の自分と向き合って、すべてを告白するくだりにホロリ。教え子との年齢差は5歳くらいの設定だったのかなぁ。
原題:MANDARIINID、TANGERINES 製作:エストニア/ジョージア’2013 87分 監督:ザザ・ウルシャゼ ジャンル:★戦争ドラマ
【あらすじ】旧ソ連のジョージア・アブハジア自治共和国。ジョージアとアブハジアの紛争で多くのエストニア人が帰国する中、残ったイヴォとマルゴスはみかんの収穫を急いでいた。だが、家の前で負傷した両軍の兵士2人を見つけ、彼らを自宅で看護することに。やがて2人は意識を取り戻し敵の存在にも気付くが、イヴォが「私の家で殺し合いは認めない」と宣言し…。
オススメされたこの作品がちょうどGYAOで無料配信してたので見てみました。静かに染み入る作品でしたね…。 さっきまで殺し合っていた敵同士の二人、そして彼らを助け同じ家で介抱するエストニア人の老人イヴォ。イヴォにとって目の前にいるのは怪我人で、国や宗教なんてものは関係ありません。二人を家に置くことで自分の身が危険にさらされるかもしれなくても、近々ここも戦場になると分かっていても、怪我人を見なかったことにはしないんですよね。
そんなイヴォという人間に触れ、敵同士でギスギスしていた二人も次第に相手を敵ではなく人間として見るようになっていきます。この描写が丁寧でとても良かったです。よく知らない国のことで分かりにくい部分もあったけど(たぶん完全には理解できないだろうし)、最終的には”同じ人間なんだ”と素直に納得できました。
タイトルにもなってる”みかんの丘”の所有者である友人マルゴスも、何気ない一言がじんわり響きました。こんな状況になってもみかんを収穫しようとしているのは、お金のためじゃなくて大事に育てたみかんを腐らせたくないという想いからなんですよね。エストニア人の彼がどういう理由でアブハジア自治共和国に来たのかは分かりませんでしたが、その土地を愛し、みかんを育てた日々を愛していたんだなぁというのが伝わってきました。
ラストではイヴォがここに残り続けていた理由もわかり、この作品が一番伝えたかっただろうことをアハメドと鑑賞者に問いかけます。アハメドの質問にイヴォが茶目っ気ある答えを返し、笑い合う二人の姿が印象に残りました。
制作:日本’2020 98分 監督:岩合光昭 ジャンル:ドキュメンタリー/ファミリー
【あらすじ】 ネコの“家族愛”をテーマに、ミャンマーのインレー湖と北海道の牧場のネコ家族を1年にわたって追ったドキュメンタリー。家族の絆と子ネコたちの成長を見つめます。
劇場版第二弾。テレビ版を最近見てなかったので久しぶりにと思ってこちらを見てみました。 テレビ番組の拡大版みたいな印象でしたが、二つのネコ家族を1年追っていくので猫の習性とかわかりやすいよね。印象に残ったのはボス猫のヒメとその息子カーシャの仲睦まじい様子と、ミャンマーの水上(雨季)で暮らす家の子と子猫との絆でした。
ヒメとカーシャについては、猫は近親相姦も普通だと聞いてたから親子であり夫婦なのでは?と思いながら見てたんですが、まあ決定的な場面はないので真相は本猫のみぞ知る…。 でも、ああいう猫の共同保育によって育て親から子へ色々伝わっているなら、子育て中は発情期のオスを全力で追い払うことで近親相姦もある程度防げているのかもなぁと納得できました。子供のうちに親から引き離されて室内飼い(半室内飼い)されてると、こういうのは伝わらないよね…。
まあ放し飼い状態で猫のコミュニティに属していると集団感染が怖いし、弱った個体は群れから離れるor追い出され、自然治癒できなければ孤独に死ぬだけなのでどちらが不幸とも言えないかもしれない。 多様な生き方がある方が種を存続できる可能性は高まるから、猫にとっては自分の居場所を見つけられたかどうかが一番重要なのかも。
一方、ミャンマーの子猫と少年の絆にはただただ純粋に癒されました。 弱っていた子猫を必死に看病してた頃から、額をスリスリする挨拶は彼らにとって特別で、元気になった今も学校帰りの少年を出迎えて額をスリスリするとか…! 言葉がわかっても通じ合えない人間も多いのに、この子たちは通じ合えてるんだと素直に信じられました。
父親も子育てに参加するのは珍しいとのことだけど、水上生活という特殊な環境では子供を闇雲に増やすより、産まれた子にここでの生き方(泳ぎとか)をしっかり教えて大事に育てる方が生存率が高いとかそういう理由かな?
ああ、それにしても猫可愛い…。 人間はもちろん、犬にも牛にも馬にも愛されてるし(もちろん100%ではないけれど)、種族を越えて庇護欲を掻き立てる可愛さが猫の生存戦略なんだろうねぇ。
11/16「ゼロ・グラビティ(ぜろぐらびてぃ)」再見 BSプレミアムだから字幕版を期待してたんだけど、吹き替え版だった…。でもせっかく録画したので今度こそと思い、全力で集中して見ました。そしたらちゃんと楽しめたし感動もできてよかったです。比較的短い映画だから集中力も何とか持ったし、美しい宇宙の様子も堪能できました。やっぱり終盤で一度諦めて、彼が現れてからの展開がいいよね。つかの間の安心感と、それが終わっても一度点いた希望の光は消えないところが。娘のことを彼に伝えるところで、彼女が前向きに生きていけると思えました。やっと帰ってこれた地球で、土を握りしめながら力強く立ち上がる姿に痺れます。ところで、これを見た翌日に「ロシアの衛星攻撃実験」のニュースを見かけてギョッとしました。最近、火球の話題をよく見るけど宇宙ゴミがたくさんあるってことだよね~?
12/30「汚名(おめい)」 久しぶりのヒッチコックでスパイ・ロマンスものです。イングリッド・バーグマンが美しいですね~。モノクロのせいなのかキラキラした宝石がより彼女の輝きを引き立ててました。主演二人の演技も上手くて、恋に臆病で意外とピュアなFBI捜査官と、信じてもらえているのか不安になりながらも彼の役に立とうと奮闘する素人(とは思えない)女スパイにやきもき。そして、彼女に恋する組織の男の嫉妬にもだえ苦しむ姿も何気に切なかったし(真偽を確かめるために鍵を置いておくシーン)、過干渉ながら命を張って息子を逃がそうとする母親の愛情もよかった。そのかいもなく、主人公二人に置いていかれる息子が…。銃を隠し持ってるかもしれない男を、あの状況で車に乗せるのは危険すぎるのは分かるけど、少し可哀そうでした。にしても、デブリンの上司が惹かれ合う二人をすぐに引き離さなかったのは、その方がターゲットの嫉妬心に火がついて冷静さを失いボロを出しやすくなると踏んでのことだろうか…?実際のスパイが映画のようなことをするのかどうかは知りませんが、犯罪者相手とはいえ信頼や愛を裏切って情報を集めるようなやり方は、効率は良くても禍根を残して新たな火種を生むと思うなぁ。
1/14「ドント・ブリーズ(どんとぶりーず)」 空き巣を繰り返していた3人組の若者が、娘を交通事故で亡くし多額の賠償金をもらったという盲目の老人の家に忍び込むが…というお話。今も体を鍛えているらしい退役軍人なので、盲目でもめっちゃ強かったですね。銃の腕も衰えておらず、鋭い聴覚を頼りに反射的に撃ってきます。たぶん犬を二匹飼ってれば、すぐに決着が着いていたと思う。対する空き巣チームは、いちおう同情できる部分もあるものの孤独な盲目の老人を狙った時点で何をされても文句は言えないよなぁ…。でも、真っ先に殺されそうだった彼氏くんが、あの極限状態で彼女を守るために男気を見せたところは格好良かったです。本気で彼女と彼女の妹を救いたかったんだね…。盗みしか選択肢がなかった(教育格差?)というのが悲しい。それなりにまともな家庭で育ったらしいアレックスが何とか真っ当な道へ誘導できればよかったんだけども。そして彼女さんはね、妹想いな一方で強欲というか楽な道を選びがちというか。札束全部持ち出す必要ある?金庫にどれくらいあったのか分からないけど、もし前後に積み上げられていたなら奥の一束だけにしておけばすぐには気付かれなかったかもしれないし、あそこまで徹底的に殺しにこなかったと思う。彼にとって一番大切なのはベイビーとの未来だったわけだし…。しかし、あの老人もとんでもないことを思いつくものです。復讐心がなければ子供を産んでくれる人を雇って、病院で安全に元気な子を出産できたかもしれないのにね。結局のところ「この世に神はいない」と思わせるような理不尽がまかり通れば悲劇が起こるということで、老人も彼女さんも犠牲者だったということでしょうか。
原題:Frozen II 製作:アメリカ’2019 103分 監督:クリス・バック、ジェニファー・リー ジャンル:アニメ/ファンタジー/アドベンチャー/ミュージカル
【あらすじ】 アレンデール王国の女王エルサと妹アナは、王国を治めながら平穏で幸せな日々を過ごしていた。だがある日、王国に異変が起こり、人々が避難する中、エルサは自分だけに聞こえる歌声の主が何か知っているのではないかと会いに行くことに。彼女はアナやオラフ、クリストフたちと声が聞こえる霧の森へと向かうが…。
自分たちのルーツを探すお話でした。 楽しかったし感動するところもあったんだけど、ツッコミどころが結構多かったですね…。以下、ネタバレです。
まず、先住民をイメージしただろうノーサルドラの民に対し、ダムを造って贈ったという話にどう反応すればいいのか…。精霊信仰で自然と共に生きる人たちがダム建設を喜ぶはずがないし、建設を開始した時点で衝突が起こるでしょう。ダムの知識がなくたって、あんな大規模な工事を始めるには石材なんかを運ぶための道から造らないといけないから自然破壊しまくりだと思うし。
あと、過去の過ちを正すために”ダムを破壊する”っておかしいでしょ! 姉妹揃って脳筋にもほどがある。ダムなんだから放流できるんじゃないのか。たっぷり水がたまった状態で流したら王国への被害以前に、森もごっそり流されて酷いことになると思うんですが…。 自然破壊とノーサルドラへの裏切りに怒った?精霊を鎮めるために再び自然破壊してどうするんだという感じだし、アナがダムを破壊した理由は鑑賞者のちびっ子たちに伝わったんだろうか…私もいまいちよく分からないのに。
それとエルサが凍らされたのはアナを試すためだったんだろうけど、第5の精霊はどこに行ったんでしょう。凍った時にすべての力を渡して引継ぎしたということ? 両親ともに人間で、おそらく敵の王子を助けた少女の優しさに可能性を感じた第5の精霊が、勝手にその第一子に精霊の力の一部を渡した挙句、今回本人の了承もなくすべての力を渡して精霊にしたということでしょうか。身内の尻ぬぐいをさせるにしても勝手だよなぁ…。しかも子供の頃から試練続きの人生…。
犠牲なしのハッピーエンドはエルサの超人っぷりに若干しらけましたが、かといって洪水で破壊される様子なんて見たくないのでそれはまあ仕方なかったと思います。オラフの件もエルサが精霊じゃあ文句も言えないし、水には記憶があるという考え方は好き。 姉妹が離れながらも心はひとつというラストは素直に良かったなと思います。
しかし、クリストフの空気読めなさと、トナカイたちに囲まれて哀愁漂わせつつ歌うシーンには笑うしかなかったですね。最後にかっこよくアナを助けるところはさすがでした。
関連記事 「アナと雪の女王」観た 「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝」を見たので、ついでに中間アニメ感想も。
「王様ランキング」 う~ん、やっぱり好きだなぁ。今季アニメで海外の人にも見てもらいたい作品は断トツでこれです。先を知ってても初見みたいに引き込まれるし、登場人物の感情に揺さぶられる。戦闘シーンとか儀式のダンスとかアニメーションならではの魅力も加わってます。OPとEDも大好き。
「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール」 「親子げんか」でついにルディの口からシルフィの名前が出たかと思えば、同時に衝撃の事実が…。まあ発生源であれだから他にも巻き込まれた人がいたんじゃないかとは思っていたけど、想像以上に大規模だったようで。親子らしい関係を築けていなかったことが、ここで一気に亀裂を生むという、とても分かりやすいターニングポイントでした。考えてみると赤ん坊の頃から前世の記憶も意識もはっきりあるのってハードモードですよね。いくら人生経験が少なくても大人が子供らしく振舞うなんて難しいし、子供らしくない息子に親が戸惑うのも仕方ない。パウロは元々嫁がいないとダメなタイプに見えたし、ルディの中身はトラウマ持ちコミュ障で、あそこまでこじれるのも仕方ないかな…?ただ、ルディがパウロの尋常じゃなく憔悴した様子を見ても、家族のことに思い至らなかったのは変な気がしました。
「ブルーピリオド」 話はどんどん進んでいくけど、心の機微は丁寧に描かれていて見ごたえあります。技術面の成長は割と落ち着いてきて、今度は表現という芸術の本質的な部分に迫っていく感じですね。浮き沈み激しくて見てる方も引っ張られるから、主人公が落ち込んでるところで終わると一週間待つのがしんどい…(汗)
「白い砂のアクアトープ 第2クール」 人間関係がほぐれてきて安心感が出てきました。ティンガーラの社長さんがくくるに期待してたのはこういうところだったのかな。あの頑固おやじ上司にも頑張ってきたのが認められて、新しいフロアの担当者に!また一波乱ありそうです。
「吸血鬼すぐ死ぬ(吸死)」 なんだかんだでジョンが可愛い。灰になったドラルクをかき集める姿に癒される…。小学生が喜びそうなお下品ネタも、ジョンがすべて浄化してくれるので気兼ねなく見られます。
「ジャヒー様はくじけない!」 前回書き忘れてたけど夏からずっと見てます。最初の頃は可哀そう(自業自得の面もある)なばかりのジャヒー様だったけど、店長や大家、こころちゃんとの交流で笑顔も増えてきて嬉しい。とくに、こころちゃんにメロメロになってるジャヒー様が可愛いです。魔法少女とも和解(懐柔)し、ついに魔王様登場!なんかもうこのまま近所に魔王城とか作って、みんな仲良くしててほしい。
「最果てのパラディン」 いよいよ旅立ち。育て親3人がもう出てこないっぽいのは寂しいけど、これからどういう風に展開していくのか気になります。布教活動とかするんだろうか…。あとモノローグを多用してて、戦闘中など私にはちょっと聞き取りにくくて困る。声変わりしたら落ち着いた感じになるかな?
「MUTEKING THE Dancing HERO」 家族と一緒に気楽に見てます。ムテキ君の青春っぷりが楽しい。オーロラの正体はやっぱりなぁという感じ。でも指令が下った?時のえっちな声には驚かされました(笑)一体どういう仕組みなんだ…。
「プラチナエンド」 敵は胸糞だけど主人公側がピュアなので見てます。味方が増えてきて少し安心感あるし。そのうちコスチュームを着て活動しそうな流れで笑った。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -」 久しぶりなので細部は忘れかけてるけど、大体TVシリーズと変わらぬ感じでした。人の想い合う気持ちはわかるようになってきたヴァイオレットが、途切れた想いをつなげる手伝いをします。相変わらず絵がきれいだし、ダンスシーンなど気合入ってました。孤児の少女も表情豊かでよかった。でも配達人の男がヒールで歩き回ってるのがどうも受け付けない。彼が一番配達の仕事を舐めてるよね。30代で足腰に不調が出て転職しそう…。
◆もう見てない
「海賊王女」 何故か録画予約が消えてて3話と4話を見逃してたんですよね。で、5話を見たら謎解きで宝探しみたいな状況だったのに、何かに操られたかのようなフェナがぜんぶ一人で解決してしまったという…。しかも、様子がおかしいことに気付いてた雪丸が途中で目を離したせいでフェナ誘拐&絶体絶命とか…。録画できてないのに2週間も気付けなかったくらいだし、もういいや。
「月とライカと吸血姫」 ごめん、私スケート競技の技があまり好きではないんだ…。選手でもないキャラが遊びで滑ってるのに技を決めるのにドン引きしてしまいました。ちょっと上手い子が颯爽と滑ったりクルクル回るくらいの方が可愛いよ。あと普通に演出過剰で笑いを取ろうとしてるのかと思った。
「ルパン三世 PART6」 2話から雰囲気違うと聞いて家族が録画したのを見てみたら、確かに全然違っていたので3話まで見ました。でもやっぱりワトソン君周りが辛気臭い…。たとえ三世?でもコンビの片方が欠けてるのは嫌ということかなぁ。保護プログラムとかで生きてたりしない?
「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」 面白くなる予感がまったくしなかった。
「アタック・オブ・ザ・キラートマト/Attack of the Killer Tomatoes!」 米’78年、ジョン・デ・ベロ
長年見たかった作品。Gyaoでやってたので飛びついたんだけど、ホラーというよりコメディなんですね!? 咬みつくトマトのイメージがあったのに、実際は本物のトマトや張りぼての大きなトマトが転がったり、飛んできたり、潰れたりしてるだけという(笑) あと倒れた人の上を移動する雑なコマ撮りみたいなシーンとか…。 よっぽど低予算なのかと思ったけど、冒頭で小さなヘリが墜落するシーンがあって「どこに予算突っ込んでんだよ!」と思ってたら、このシーンは現場で発生した本物の事故(死者はいない)をそのまま使ったらしい。しかも”撮影中に事故で死者が!”と宣伝に利用するふてぶてしさ。伝説のカルト映画と言われるワケです。
映画としては70年代のコメディらしさもあって、全力で”くだらない”を描いていて普通に楽しかったです。狭い会議室に全員がちゃんと座っていくシーンとかトマトに変装して潜入する男の末路が好き。残酷描写は皆無なのでホラーが苦手な人でも安心! うっとうしい宣伝広告が増えた時代なのか、広告関係のネタが結構多かったですね。緊急ニュースだと言いつつ長々CMが流れたり、画面下に宣伝が流れて色々あったりと遊び心がありました。 突然ミュージカル風になるところも好きです。ラストで捜査官と記者が唐突に愛を歌いだし、記者が小太りな捜査官をお姫様抱っこするシーンは「腕力すげぇ!」と変なところに関心してしまいました。
冒頭でヒッチコックの「鳥」を引き合いに出す図太さや、大量のトマトが犠牲になる(トマト祭りよりかはぜんぜん少ないと思う)のを受け入れられる人なら楽しめると思います。
「リターン・オブ・ザ・キラートマト/Return of the Killer Tomatoes!」 米’88、ジョン・デ・ベロ
前作に比べると良くも悪くも普通クォリティで、愛すべきおバカ映画になってました。懐かしい80年代のB級作品的な。印象も薄くなっているものの(何せトマトがキルしない)嫌いではないですね。 ふわふわトマトのFT(英語では”けばだったトマト=fuzzy tomato”)が可愛かったし、トマトが禁止されて麻薬みたいに裏取引されてるのは笑った。ケチャップの代わりにベリーソースを使ったピザの人気が謎。 あと若かりしジョージ・クルーニーがいっぱい見られます。 途中で予算が足りなくなったからと実在の商品の宣伝をしだすところは「鷹の爪」みたいでしたね。鷹の爪はこれのオマージュだったのかな? ハチャメチャなのに意外と伏線回収は丁寧で、やはり監督の映画愛を感じました。 3作目の「キラートマト/決戦は金曜日」と4作目の「キラー・トマト/赤いトマトソースの伝説」も見てみたいな…。
「バスケットケース2/BASKET CASE 2」 米’90、フランク・ヘネンロッター
一作目を見た時に続編があることを知ってみない方がいいなと思っていたんですが、GYAOで配信してるのを知って見てしまいました(笑) 前作で死んだと思われた二人は実は生きていた!という展開で「おいおい」と思ったものの、これはこれで別物として面白かったです。前作から間を空けたのもよかったかも。 前回描かれていた悲哀はすっかり消え失せて、フリークスという名のクリーチャーがわんさか出てくるブラックジョークのような作品になってます。奇形でそうはならんやろ、というカエル人間みたいなのもいて他の方も言ってるけど完全に”見世物小屋”。 予算がちょっと増えたようで、兄の造形が良くなってるし特殊メイクもやり過ぎなくらいです。ついでに美人も増えました。
そして狂ってるのがベリアルたちを保護したお婆さん。彼らの人権を訴える活動をしてるみたいだけど、実際のところは自分を必要とする人たちとの共依存コミュニティを作りたいだけのような感じなんですよね。殺人容疑で追われるベリアルたちを保護したのも、自分たちの王国を壊そうとする奴を処刑できるベリアルの力が欲しかっただけでしょう。「顔を引き裂いても問題は解決しないわ」と言いつつ、問題解決のために彼の力を利用してるのがその証拠。
地下に集って聖戦のごとく彼らをたきつけるくだりも良い感じに狂ってます。まともそうに見える孫娘さえ、普通に協力的で殺人をやむを得ないことだと思ってるんだもんなぁ。 カメラマンを屋根裏におびき寄せ、フラッシュのたびにフリークスが迫ってくる見せ方は上手かったし、ベリアルが自分と同じような奇形のイブと結ばれる展開には笑うしかなかったです。執拗に描写しすぎ!そして前作の設定を無視しすぎ!(8年経って忘れたのかな…)
また、ドゥエインも恋人を殺されたショックのせいか、それとも頭の打ちどころが悪かったのか、かなりキャラが変わってましたね。さらにラストで色々あって一気に狂ってしまいます。このラストは予想してませんでした。怪力のはずのベリアルを押さえつけられたのは、やはり怒りのパワーが二人の超能力に影響を与えているということでしょうか? 血を吹き出しながら笑うドゥエインの様子はなかなかにゾッとするものがあってよかったです。
「バスケットケース3/BASKETBASKET CASE 3: THE PROGENY」 米’92、フランク・ヘネンロッター
完全に蛇足な三作目。悪趣味なドタバタコメディという感じで、登場人物のほとんどが何も考えてないように見えます(汗) 二作目と同様にルースは”マイノリティの味方”である自分に酔いしれて、ベリアルをいいように使って自分たちの王国を作ろうとしてます。ラストなんて放送局に乗り込み、ニュースキャスターをベリアルに襲わせて宣戦布告してるし…。 面白かったところは、荷台からベリアルの入ったバスケットが落ちたとしか思えないシーン、リトル・ハルの「マァーーーム!!!」、保安官の娘がとんだ変態女だったシーンくらいかな。 相変わらず彼らを見世物にしてるし、彼らがお付き合いするのは”同類”か”美女”の二択。兄弟の事情を知ってる保安官たちが彼らを見て化け物扱いするのは不愉快だったけど、彼らも自分たちとそれ以外の人たちを区別し選民思想的になってて、こんな描き方でいいのだろうか…と思ってしまいました。
関連記事 「バスケット・ケース」観た 地獄の7人(じごくのしちにん) UNCOMMON VALOR、米’83、監督:テッド・コッチェフ ★戦争/アクション
ジーン・ハックマンが、戦争で行方不明となった息子を探し続ける父親を好演してました。彼の中で息子は、雷に怯えていた子供の頃と変わらなくて、きっと今も助けを求めているのにその手をとることができない、というもどかしさが伝わってきます。 アクション映画なのでコミカルな部分や派手な爆破もあり、前半の「七人の侍」みたいな仲間集めと、石油王が用意した現地と同じ収容所で訓練するくだりは楽しかったです。仲間たちが個性的で見ごたえありました。とくに閉所恐怖症の人が好きだなぁ。 ただ、子供を救い出すための作戦を強硬したために、現地の協力者の娘が亡くなるくだりはもう少し掘り下げてほしい気もしました。協力者はなんで協力し続けたんだろう? あと、10年経っても捕虜をあんな風に管理することってあるんだろうか。武装した兵士をあれだけ常駐させるのってお金がかかりそうなものだけど…。 多少気になるところはあったものの、根底にある父親の愛情がしっかり描かれてたので最後はウルウルでした。10年ほっとかれた奥さんが待っていてくれたのも、夫と同じ気持ちで待っていたということなんだろうねぇ。
ブルースチール(1990)(ぶるーすちーる) BLUE STEEL、米’90、キャスリン・ビグロー サスペンス/アクション
タイトルの意味は、錆止め処理を施した鋼のことで、銃にも用いられていることから銃のことを示しているそうです。主人公を演じる俳優さんがぴったりでよかったんだけども、ストーリーはガタガタでした。いくらなんでも警察が無能すぎる…。証拠もないまま突っ走るより張り込みしろよ!そして硝煙反応、返り血、指紋など調べられることがいくらでもあるでしょ!さらには撃たれた犯人が逃亡中なのに、のんきにイチャコラし始めるという…。犯人が撃たれて轢かれても元気に襲ってくるところはギャグみたいだったし、二重人格設定必要だった?
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