中国タグを含むお薦め映画

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「あの子を探して」観た

 | ドラマ  com(4) 
Tag:中国 

あの子を探して
原題:一個都不能少
製作:中国’99 106分
監督:チャン・イーモウ
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】中国の田舎の学校で、カオ先生が私用で1ヵ月間学校を離れることに。なんとか見つけた代行は、まだ13歳の少女ウェイだった。生徒が一人も辞めなければ褒賞金を貰えると聞き、彼女は必死に28人の生徒を見張るが、少年チャンが家庭の事情で町へ出稼ぎに行ってしまい…。

中国の都市部と田舎の落差や、貧しいなか必死に生きる人たちのふてぶてしさが伝わってくる作品でした。前半は主人公ウェイの”自分の利益しか頭になく、代行教師としての責任感も能力もないのに偉そう”な様子なのが、鼻につくというかイラつくレベルなんですが、50元のために都会で必死に一人の生徒を探すあたりから印象が変わってきます。

ただ報奨金のためにやってきたはずが、少年が迎えに来た親戚とはぐれて行方不明になっているとわかり、だんだんとお金のことが頭から消えていくのが見ていて伝わってくるんですよね。なけなしのお金で尋ね人のビラを作り、それが役に立たないと言われて諦めるかと思いきや、じゃあどうすればいいと他の方法を尋ねます。ある意味すごく素直な子で、見知らぬ他人に教えてもらった通りにテレビ局を探し、局長に会えるまで空腹に耐えて待ち続けるんですよ。

彼女の心情がハッキリ描かれるわけではないものの、自分が今感じている空腹や疲労、世間の冷たさなどを、自分よりも幼い少年も感じているかもしれない、もしかしたら何か事件に巻き込まれているのかもしれないと、局長を待ち続けている間に色々想像してしまったと思います。
それを乗り越えての涙…、「心配でたまらない」という言葉を受けての少年の様子にも思わずホロリ。

それからは大団円という感じで出来すぎ感はありましたが、冒険を終えて成長した少年少女が、たくさんのカラフルなチョークで生徒たちと一文字ずつ黒板に試し書きするくだりは心温まります。
実話風に終わるのもあって、前半のイラつきはすっかり消えて爽やかな気持ちになれました。
ちなみに、イラストは少年を迎えに街まで歩いていくところ。この時点ではまだ「あのクソガキ、見つけたら引っぱたいてやる!」くらいは思ってそう(笑)

映画「海洋天堂」観ました

 | ドラマ  com(0) 
Tag:中国 

海洋天堂
製作:中国’2010 98分
監督:シュエ・シャオルー
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】中国、チンタオ。妻に先立たれ、自閉症の息子ターフーを男手ひとつで育ててきたシンチョン。だが、自分が癌で余命わずかだと判明し、ターフーがひとりで生きていけるよう生活の術を一つずつ教え始める。そんな中、ターフーは水族館に巡業に来たサーカス団の女ピエロ、リンリンと仲良くなり…。

BGMが久石譲さん作曲だということで、音楽映画祭の1本目はこちらにしました。「菊次郎の夏」と比べると印象に残らないものの、ターフーが泳いでいるシーンなど美しいシーンで使われていてマッチしています。かといって音楽に頼ってる感じはなく、静けさもあって私好みでした。

自閉症の息子と難病の父親なんてお涙頂戴ものかと思いきや、そこら辺は淡々と描いていて、じわっと泣かせるのは純粋に親子間の愛情というのも良かったです。
ターフーを施設に預けて一人になった父親が、ターフーがやっていた行動を真似しているシーンが中盤にあり、終盤で今度はターフーが父親の行動を真似するのには泣かされました。知らないうちに親子で同じことをして、いない相手の存在を感じる姿に涙が…。
父さんは亀なんだと、これから一人で生きていくターフーの心のよりどころになろうと頑張る姿もホロリと来ます。
それに伝えたかったことがしっかり伝わっていて、自閉症で感情を表現するのが苦手でも、きちんとふたりの時間が生きてるのがわかるんですよね。

監督は自閉症施設で長年ボランティア活動をしていたらしく、私は知らないけれど実際こんな感じなんだろうなぁと思わされるリアリティがあります。
ターフーを演じていた方の演技もよかったし、アクションスターのジェット・リーが本当に良い父親を好演してました。ターフーと心を通わせるピエロの女性もキレイで繊細だし、シンチョンと深いところで繋がっているご近所さんの女性も好感。
全体的に静かで、ときどきふわっと明るくなるようなユーモアもあって、とても見やすく透明感ある作品でした。

映画「少林寺2」観た

 | アクション  com(0) 
Tag:中国 香港 

少林寺2
原題:少林小子
製作:中国・香港’83
監督:チャン・シン・イェン
ジャンル:アクション/コメディ/ファミリー

【あらすじ】川を挟んで中国武術の武当派・鮑家と少林派・天龍家が住んでいた。それぞれ8人の娘と息子がおり、天龍家の当主と鮑家の長女は恋仲だったが、技を盗まれると恐れる父親が邪魔をする。三龍をはじめとする息子達は、父親の恋を成就させようとするが…。

2作目は、ファミリー向けのコミカルなアクション映画に変貌していて意外と面白かったです。前作どころか少林寺とも全く関係ない話になってますけどね!(笑)
川の両岸に、8人の娘がいる武当派一家と、8人の息子(孤児)がいる少林派一家が住んでいて、ケンカしたりいちゃいちゃするっていう設定がまずほのぼのします。オープニングがアニメーションだし、監督や出演者は前作と同じなのに雰囲気がまったく違いました。
しかも、リンチェイをはじめとする8人の息子たちが、育ての親に恩返ししようと奮闘するのが可愛いんですよ。出演者の半数くらいが10歳前後の少年少女で、体を目一杯使ってアクションする様子には驚いてしまいました。コミカルな演技も大人顔負けだったし、リンチェイと一緒に物語を楽しく盛り上げてくれます。
目的は育ての親の恋を成就させることなんだけど、成功すればお母さんができると一生懸命。まずは両家の仲直りということで、娘たちの気を引いたり、技を教えようとしたり、息子が生まれれば獅子舞と贈り物で祝ったりと、健気に頑張ります。その間にリンチェイと三女の恋が発展するのもあって、アクションよりラブコメの印象の方が強いかも。
あと、家族の愛情も垣間見えて、とくに三女が川に沈められる罰を受けるくだりはコミカルかつ、ほっこりします。川に沈められるのは線香が燃え尽きるまでなので、一家で必死に息を吹きかけて父親も必死に娘を引き上げるんですよね。…でも、そんな父親の姿を三女は知らないという。
終盤は両家の若者たちと父親が盗賊と大乱闘して、本格アクションではないのかもしれないけど見ごたえありました。
意外と家族で楽しめる作品だったと思います。

映画「我が大草原の母」観た

 | 家族  com(0) 
Tag:中国 

我が大草原の母
原題:額吉(エージ)
製作:中国’2010
監督:ニンツァイ
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】1960年代の中国。飢饉のため親と離れざるを得なかった上海の子供たちが、養子となるため内モンゴルに送られた。シリンゴル草原でつつましく暮らすチチグマは、夫の反対を押し切り、ジェンジェンとユーションの2人を家族に迎える。子供たちはモンゴル遊牧民として育つが、20年後、生みの親が現れ…。

製作は中国だけど、監督はモンゴルの人でモンゴル視点で描いてました。
飢饉で多くの孤児が出て、内モンゴルの人たちが”国家の子供たち”を受け入れるんだけども、その飢饉の事を「あれは酷い災害だった」みたいに言ってたんですよね。
雨が降らなかったのかなと思ってたら、大躍進政策で起きた飢饉の事でした。
人災でそこまで…。
教科書で読むのとはやっぱり違います。
ハッキリ言ってないのは製作が中国だからなのかもしれませんが、後半はこの政策で苦しんだ人たちの気持ちも痛いほど伝わってきました。
子供を愛しているから、少しでも生き残る可能性が高い方に賭けるしかない…。
覚悟してやった事でも、後悔せずにはいられない親たちの姿に胸が痛みます。

もちろん、前半のモンゴル遊牧民の助け合い精神や慈愛の心も丁寧に描かれていて、引き取られた子供視点で、エージ(母親)の愛情に触れ「自分はここにいてもいい」と思えるようになるくだりは涙が…。
お祖母さんの歌になんともいえない心地よさを覚えるというシーンも良かったです。
愛情って音楽でも伝わるんですよね。

映画「子供たちの王様」観た

 | ドラマ  com(6) 
Tag:チェン・カイコー 中国 

子供たちの王様
製作:中国’87
原題:孩子王
監督:チェン・カイコー
原作:アー・チョン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】文化大革命の最中。教師経験もないのに山奥の学校に赴任してきた青年”やせっぽっち”は、校長に言われるまま、毎日子供たちに教科書を写させていた。だが、賢いワンフーの指摘で新しい教育方法を模索する事に。やがて、自分の言葉で作文を書かせるようになり…。

かなりスローテンポだし、ところどころ意味のわからない幻想的描写があったものの、子供たちと笑顔で授業するようになっていく様子に感動しました。
写しているだけで、漢字の意味も内容もよくわかっていなかった子供たちに、短い文を書かせることから始め、自分の気持ちを素直に表現する事を教えていくんですよね。初めての作文はクラスで笑い声が起こるようなものばかりなんだけど、「あったことを正直に書いている」「自分の事だけじゃなく人の事も書いている」と良いところをきちんと褒めて、学ぶ事の楽しさを教えていきます。こんな先生がいたら、わたしも作文が苦手になったりしなかっただろうなぁ。
黒板を書き写す授業がつまらないと言っていたワンフーが、ある事をきっかけに、辞書を写す事に熱中していく皮肉な展開もいい。静かなドラマに引き込まれます。
音楽教師になりたがる姉御のキャラと、ラストの歌もよかった!
ただ、時代背景がわかっていればもっと楽しめたかも。文化大革命が民衆に与えた影響って、こういう詰め込み教育で感情や思想の自由を失ったってことでしょうか?
それと、映像が87年製作にしては汚かったです。中国の美しく情緒溢れる風景が素晴らしかったので、これで映像もクリアだったら…と残念に思いました。
ちなみに、タイトルは”教師を嘲った呼び名”のこと。”やせっぽっち”も悪口みたいなもんだし、ろくな呼ばれ方してないな(笑)

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「さらば、わが愛/覇王別姫」観ました

映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」観た

マイ・ブルーベリー・ナイツ
キスシーンをきちんと描いたのははじめてかも?
製作:香港/中国/フランス’07
原題:MY BLUEBERRY NIGHTS
監督:ウォン・カーウァイ
ジャンル:ロマンス/ドラマ

【あらすじ】NYのとあるカフェ。オーナーのジェレミーが焼くブルーベリー・パイを食べ、少しだけ心癒やされたエリザベス。だが、それでも別れた恋人を忘れられず、宛のない旅に出るのだった。点々と旅する中で、愛を求め愛に傷つく人々と出会い…。

ロードムービーと見せかけて、オムニバスに近かったような?
旅というより2回職場が変わっただけに見えるので、ロードムービーの醍醐味は薄いですが、その2つのエピソードはエリザベスのロマンスよりかは見ごたえあったかも(笑)
まあ、嫉妬深い警官の夫のせいで妻が窒息しそうになるなんて、どこかで観たようなエピソードだし、ギャンブラーなナタリー・ポートマンはしっくりきませんでしたが。
で、メインのロマンスはというと…とにかく相手の男性が可哀そうでした。このエリザベスって女、性質悪くないですか?
ジェレミーが自分に惚れてると確信した上で旅立ち、自分の事を忘れないように手紙を出して気を持たせるんですよ。元彼をきっぱり忘れてから彼と向き合いたいってことなんだろうけど、彼女がどこにいるのか電話をかけまくって探すジェレミーの姿をみたら、「計画通り」とほくそ笑んでいるエリザベスの顔が浮かんできてしまって(笑)
口にクリームつけて寝た振りまでしちゃうし、とんだ”子悪魔ちゃん”でした。
一応それなりに楽しめたけど、このカメラワークというか切り替え?は、せわしなくて好きになれません。

まとめて映画感想

 | まとめ感想  com(4) 
Tag:フランス 中国 
殿方ご免遊ばせ

『殿方ご免遊ばせ:UNE PARISIENNE』(仏’57、ミシェル・ボワロン監督)

ブリジット・バルドーが浮気性の夫の気を引くため、あの手この手を使う、可愛いロマコメでした。化粧と服装がちょっとケバイ気がしたけど、BBの魅力が十分に堪能できる作品。役名もブリジットという彼女を観るための映画なんだけど、軽快で楽しくて、彼女のファンじゃなくてもそれなりに楽しめると思います。

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「気分を出してもう一度」観た

『冬休みの情景:寒假』(2010年中国、リー・ホンチー監督)

冬休みが終わる頃の少年たちの様子を描いているんだけど、これほど内容も観る意味もないと感じたのは初めてかもしれない。淡々としている「JERRY ジェリー」よりも動きがない気がする。

『アヴリルの恋:AVRIL』(仏’06、ジェラール・ユスターシュ=マチュー監督)

修道院で育てられた少女が、生き別れの双子の兄がいると知り、探しに行くお話し。でもメインは探す過程じゃなくて、探すのを手伝ってくれた青年と、兄と恋人の四人でほのぼの過ごし、彼女が変わっていくところ。彼女の描く花のイラストが綺麗だったから、後半でも活かしてほしかったです。あと、ラストが雑。あの状況で抜いたら危険だし!

『もしも昨日が選べたら:CLICK』(米’06、フランク・コラチ監督)

何でも操作できる不思議なリモコンを手に入れた男のお話。似たような作品はたくさんあるので、目新しいことは何もないです。でも、不本意ながら後半は涙腺が緩みました。主人公の性格が悪すぎて苛立ちのほうが大きかったけど。でも、早送りだからハッキリ彼の悪い所が見えてくるのであって、大切なものを忘れて無為な人生を送ってしまう事は多々あることなんですよね。タイトルは、主人公の心の叫びでしょうか。いちおう笑えたけど、スッキリはしなかったです。「50回目のファースト・キス」のアダム・サンドラーが好きなら観ない方がいいかも。

映画「胡同(フートン)のひまわり」感想

 | 社会派  com(2) 
Tag:中国 

原題:向日葵
製作:中国’05
監督:チャン・ヤン
ジャンル;ドラマ

【あらすじ】1976年、北京の下町。文化大革命で強制労働にかり出されていた父親が6年ぶりに帰ってきた。画家の夢を奪われた父親は、9歳の息子シャンヤンにその夢を託す。だが、突然現れたそんな父親に、シャンヤンは反発を強めていく。

病んでる!
自分が手を怪我して(させられて)画家としての道を断たれたから、代わりに息子を画家にしようとするお話。
家に縛り付け、自分で受け止めて決断しなきゃいけない事も勝手にやって、さんざん息子の人生を奪った挙句、病んだ息子の絵を見て満足して「今まで家族のために尽くしてきたから、これからは自分の人生を歩みたい」とかテープを残して蒸発。でも、孫が生まれた日にはこっそり向日葵の花を置いていくという…。
ほとんど自分のために生きていたようにしか見えません!
そもそも、本気で画家になりたかったんなら、手の怪我くらい乗り越えてほしい。怪我したのって利き手のみだった気がするし…。
唐山大地震のシーンが痛々しかったです。

映画「山の郵便配達」観ました

 | 家族  com(12) 
Tag:中国 

山の郵便配達
製作:中国’99
原題:那山 那人 那狗
監督:フォ・ジェンチイ
原作:ポン・ヂェンミン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】1980年初頭の中国・湖南省西部の山間地帯。足を悪くした父親に代わり、息子が郵便配達の仕事を引き継ぐ。それは、一度の配達に2泊3日を要する過酷な道のり。父親は愛犬”次男坊”を連れ、息子とともに最後の仕事へと出発する。

これは素晴らしかったです。即、永久保存決定でした。
父と息子の旅、いいですよ~。一緒に過ごせなかった時間が、すれ違った想いが、旅を通じてみるみる埋まっていくのが伝わってきます。
言葉は少なくても、父親が長年続けてきたことの意味はわかるんです。たった3日の旅だけど、手紙を届けた相手の笑顔、それを一番に考えている父親の行動をみれば、一目瞭然。
この仕事を本気でやりたいというわけでもなかった息子が、父のように人々の想いを届けたいと思うようになる過程。そして、今まで父親らしいことをしてやれず「父さん」とも呼んでもらえなかった父親が、本当の意味で父親になっていく様子。それが、実にあたたかい目線で描かれていました。
美しい山の風景、心洗われるような笑顔、可愛い”次男坊”。すべてが調和していて、深い余韻を残します。
ちなみに、原題の意味は”あの山、あの人、あの犬”です。

すごく落ち込む内容の番組を見てしまって、少しでも気分を変えようと私的「癒し映画」NO.1に輝くこの作品を再見しました。
う~ん、やっぱり”大自然の緑、ロードムービー、親子の絆、可愛くて賢いわんこ”など、心が癒される要素のみをぶちこんだようなこの作品の癒しパワーは半端ないです。
それでいて押しつけがましさを感じないんですよ。もう自分の一部のように懐かしく感じる作品です。

感想はだいたい初見と変わらないものの、一つ違ったのは、彼は父と旅をする前から尊敬する父の仕事を本気でやりたかったのかもということ。ほとんど一緒に過ごせなかった父と息子の距離は、遠いようで案外近かったんだと、父親を出迎えた時(年齢別)の短い回想シーンから伝わってきました。
旅の始めは何を話したらいいのか戸惑っていた二人が、少しづつ少しづつ素直になっていって、今までほとんど話せなかったのが嘘のように自然な父子の姿に変わっていくのがもうね(涙)

とくに、冷たい川を渡る時、彼が足の悪い父を背負ってゆっくり渡るシーンは泣けました。父親を背負えるようになったら一人前だと聞いた子供の頃は、背の高い父を背負えるか不安に思っていたのに、今はちゃんと背負って川を渡っている自分がいる。
そして、背負われている父も、幼い息子を肩車していた頃を思い出しながら、その成長に涙し、そして息子の存在を確かめるように頭に顔を埋めるんです。セリフもモノローグもないけど、「立派になったなぁ…!」という声が聞こえてきそうでした。
終盤になって、今度は息子がこれから村で暮らす父親に処世術を伝授するシーンも面白かったです。もうすっかり仲良し親子だよ♪

そして、不在である母親のこともしっかり描かれていました。彼はほとんど”お母さんと二人暮らし”の状態だったので、やはり傍にいなくても想っているんですよ。仕事に出かけた父を心配していたように、今自分のことを考えているだろうかとか、山里の娘さんと良い雰囲気になっても、結婚したら母さんのように故郷を想い続けるから…と思っていたり。

ラスト、息子の背中と、それを追っていく次男坊を誇らしげに見送るお父さんの表情も素晴らしい。このお父さんを演じた方の存在感が、この作品に厚みを与えていたと思います。
93分の中で、驚くほど家族愛が込められていました。

映画「墨攻」感想

墨攻
製作:中国・日本・香港・韓国’06
原題:A BATTLE OF WITS
監督:ジェイコブ・チャン
原作:森秀樹、酒見賢一、久保田千太郎
ジャンル:アクション/歴史劇/ドラマ

【あらすじ】紀元前370年頃の中国、攻撃をせずに守り抜く”非攻”を信念とする集団”墨家”がいた。趙の大軍10万の兵を前に、全住民わずか4千人の梁城は墨家に援軍を求める。だが、やって来たのは粗末な身なりの男、革離ただ1人だった。

前半が非常にカッコよかったです。
中国戦国時代に実在した、博愛主義の思想に基づき、各地の守城戦で活躍した武装防御集団”墨家(ぼっか)”。そこからやってきた革離が見せる守城戦術がリアルに描かれています。(レッドクリフみたいにCG満載ではない)
ただ、恋愛対象として無理やり登場させたと思われる女隊長が、王の前で普通に発言したりと、一気に現実に引き戻される瞬間もあったり。恋愛要素はあってもいいけど、時代錯誤な女性を出すのをやめてほしい…。
後半は画面が暗くてよく見えないし、ストーリーは中途半端だし、もったいないなぁと思える作品でした。
個人的には、腐敗した墨家のなかで孤立した革離の苦悩とかを描いてほしかったところ。墨家の決定を無視してひとりで助けに来た、だけで済ましてしまうなんて…!
墨家そのものにスポットを当てていれば、もっと楽しめた気がします。

ふと頭をよぎる映画「ただいま」

 | 社会派  com(0) 
Tag:中国 イタリア 

ただいま
製作:中国・イタリア’99
原題:過年回家
監督:チャン・ユアン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】16歳の時、些細な事をきっかけに義理の姉を殺してしまったタウ・ラン。17年後、出所を控えた彼女は旧正月に一時帰宅を許されるが、すでに家は取り壊されていた。女性教育主任シャオジェは両親の家を一緒に探し始める。

気が付くとこの作品について考えている事が多いのに、最近になって「あれ、タイトルなんだっけ?」となって焦りました。とりあえず、観た映画のあらすじ等をまとめてある記録を調べたがみつからず(記録漏れ…)、結局googleさんのお世話になることに。大筋を覚えていたのでなんとか見つかりました。よかった~。
そんなわけで、ネタバレありの感想いってみたいと思います。

家に置いてあった5元をくすね、ばれそうになってタウ・ランの枕の下に隠した父親の連れ子シャオチン。母親にも義父にも信じてもらえなかったタウ・ランは、問い詰めても笑って白を切る義姉を怒りのあまり側にあった棒で殴ってしまうのでした。
たった5元のせいで青春時代を刑務所で過ごす事になってしまった彼女。…些細な事から起こった悲劇にやるせない思いがします。17年後、他の囚人たちが迎えに来た家族と再会を喜ぶ横で、ひとりたたずむ彼女の姿も切ない。

そんな彼女を見かねて声をかけたのが、帰郷しようとしていた教育主任シャオジエでした。
両親は自分が戻る事を望んでいないと落ち込むタウ・ランを励まし、屋台で食事を奢り、歩き疲れ辺りが真っ暗になっても家まで送り届けようとします。やっとアパートを見つけても、怖気づいて部屋に入れない彼女と一緒に訪ねてあげたり、上手く話せない両親と彼女の間で気を使ったりと、最後までつきあってくれるんですよね。自分の仕事に誇りをもち、最後まで見届けようとするプロ意識もあったでしょうが、家族との時間を削ってまで彼女に付き合うシャオジエが素敵です。

そして、17年の歳月を乗り越え、親子の絆を取り戻すラストには涙が…。
しかしその一方で、どうにも納得できないという感情もわきあがりました。タウ・ランが「あの5元は私が盗りました」と涙ながらに謝罪し、父親は「もういいんだ。たった5元のために…」というようなことを言って一言も謝らないんですよ!?
儒教では「親の言う事は絶対」というのはわかるんですけど、そのために”5元を盗んだ”と嘘を付かなければいけないのか。子供を平等に扱わなかった両親は悪くないのかと、その頃のわたしは憤慨してしまいました。
まあ、その”憤慨”があったお陰で、こんなにも記憶に残る作品になったんですけどね。

映画「上海の伯爵夫人」観た

上海の伯爵夫人
つやつやのグランドピアノに映る華やかな社交界
製作:イギリス・アメリカ・ドイツ・中国’05
原題:THE WHITE COUNTESS
監督:ジェームズ・アイヴォリー
ジャンル:ロマンス/ドラマ/歴史劇

【あらすじ】1936年、上海。ロシア革命で故郷を逃れ、娘カティアのためホステスとして働くソフィア。彼女はある日、ある事件で家族と視力を同時に失い、酒びたりの日々を送っていた元外交官ジャクソンと出会う。彼女こそ夢の実現に必要な存在だと確信したジャクソンは、夢のバー”白い伯爵夫人”を開き彼女を迎えるが、やがて日本軍による上海侵攻が始まり…。

抑圧された雰囲気のなか、静謐で気品溢れるラブストーリーが綴られます。
ただ、本当に”抑えた”感じなので、やや盛り上がりには欠けるかもしれません。
片や娘さえ幸せになれるならと考えがちなソフィアと、片やかつて思い描いた夢に逃避するジャクソン…。どちらも”自分の人生”には絶望している気がして、情熱というものが感じられないんですよね。
資金作りが”競馬”というのも投げやりですし、店が完成するまでの過程もほとんど描かれていませんでした。
そんな二人がいかにして最後の壁を取り払うのか…というのが見所でしょうか。
娘のカティアや義妹、謎の日本人の存在感もなかなかのものです。

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「ローズランド」観た

映画「レッドクリフ Part I」観た

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Tag:中国 日本 台湾 韓国 

レッドクリフ Part I
製作:アメリカ・中国・日本・台湾・韓国’08
原題:赤壁
監督:ジョン・ウー
ジャンル:★歴史劇/アクション/ドラマ

【あらすじ】西暦208年、漢王朝が衰退した乱世の時代。朝廷を支配し、劉備・孫権両軍の討伐に乗り出した曹操。わずか2万の劉備軍とそれを慕う民たちは、かろうじて曹操軍から逃げ延びた。軍師孔明は孫権との同盟を進言し、自ら説得に向かう。

ちょうど3~4ヶ月前から初めて三国志(吉川英治著)を読み始め、趙雲が甘夫人を助けたところまで(この本では助かってました)読んでいたので、偶然にも映画の始まりとぴったり合致して感情移入MAXで観れました。
趙雲の戦いぶりに惚れ惚れし、ビ夫人(漢字変換できん!)の悲壮な覚悟に涙し、八卦の陣のわけわからなさに笑い、関羽先生の渋さに痺れました。
なんかもう、私の想像力で補いきれなかったビジュアルとアクションを、この映画で完璧に補完してくれたような気がします。
なので、今回の★も当てになりません。本を読んでなかったら違う感想だったかも。

余談ですが、映画を観たあとに本の続きを読んでみたら、玄徳が我が子を草むらに投げ捨ててました。彼が人肉を食べさせられて感激した時から不信感いっぱいだったんですが、やっぱりこの人訳分からん…。

映画「北京ヴァイオリン」観た

 | 家族  com(0) 
Tag:チェン・カイコー 中国 香港 

北京ヴァイオリン
製作:中国/香港’02
原題:TOGETHER
監督:チェン・カイコー
ジャンル:★ドラマ/音楽

【あらすじ】母の形見のヴァイオリンを3歳から弾き始め、毎年入賞するほどの実力を身に付けた13歳の小春(シャオチュン)。息子の成功を夢見る成は、貧しさにも負けず必死に彼の才能を伸ばそうと奔走する。

とても優しい雰囲気に包まれた御伽話のような映画でした。
息子の幸せを願い、なりふり構わずその才能を伸ばせる環境を整えようとする父親。母を想いながらヴァイオリンを弾き、父と一緒なら何でも頑張れる息子。そして彼らの深い愛情に感化される周りの人々。
ちょっとほのぼの過ぎる感じはありますが、音楽も良いし心温まる作品です。
癒されたい時にはおすすめですよ。

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「さらば、わが愛/覇王別姫」観ました

映画「MUSA‐武士‐」感想

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Tag:中国 韓国 

MUSA武士
イラスト修正(2010/8/21)
製作:韓国/中国’01
原題:MUSA
監督:キム・ソンス
ジャンル:★歴史劇/ドラマ/アクション

【あらすじ】1375年、明の誤解により流刑に科せられた高麗の遺臣団。しかし蒙古軍の襲撃に遭い、砂漠の真ん中で取り残されてしまう。高麗に帰ろうとするも再び蒙古軍に遭遇した彼らは、成り行きから明の姫を救い出し蒙古軍と対立する。

何で「武士」なんだろう、という事をネットで調べると色々出てくるのですが、武士の起源なんてちょっと聞きかじっただけでは分からないので、気になる人は自分で調べてみてください。
他にも「砂漠で遭難してるのに何で昼間に歩くの?」とかいう疑問もあったんですが、(1)昔は情報伝達手段が限られてるので砂漠の知識がなかった。(2)夜は魑魅魍魎や獣がいて危ないと考えた。(3)明かりを持ってうろつくと狙われると思った。(星明りでも歩けそうだけど) …という理由くらいしか思いつきませんでした。
うーん、いったいどういうつもりだったんだろう。
まあそれはそれとして、作品としてはとても良かったと思います。特に姫が好きですね、慣れない状況に迷いを見せている感じが。きっと王族らしく振舞えと教えられてきただろうから、こんな緊急事態で何処までそれを守れば良いのか分からなかったと思うんですよ。だから時々我がまま言ってる事に気付かなかったり。でも基本的にはとても優しくて寛大な人で、助けた村人に「疫病神」呼ばわりされても怒ったりしないんですよ。
今まで闘ってるチャン・ツィイーしか見たことなかったので、ちょっと新鮮でした。

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