ロバート・アルドリッチタグを含むお薦め映画

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映画「ロンゲスト・ヤード(1974)」観た

ロンゲスト・ヤード
原題:THE LONGEST YARD
製作:アメリカ’74 121分
監督:ロバート・アルドリッチ
ジャンル:アクション/スポーツ/コメディ

【あらすじ】かつてアメフトの花形選手だったが、落ちぶれて堕落した生活を送っていたポール。車の窃盗罪で捕まり刑務所へ送られ、アメフト・チーム育成に熱を上げる所長ヘイゼンの元へ。言うなりになるしかない彼は、看守チームの練習相手となる囚人チームを育成することになり…。

内容を思い出せなかったので再見。
登場人物の印象が話が進むにつれ変わっていくのが上手いですね。飲んだくれの最低野郎だと思っていた主人公ポールがいつの間にか好い奴に見えてくるし、横暴な看守長がスポーツに目覚め、そしてラスボスはドス黒い本性を現す…。
ラストはその後のことを考えると苦難の道しか思い浮かばないのに、楽しそうに仲間と肩を組み、フィールドを後にする後姿の爽やかなことと言ったら!
これぞスポーツものだなぁと思える後味でした。

でも、「七人の侍」のように仲間を集めてチームを結成するところはともかく、刑務所ものらしく密告や殺人なんかも起こるし、試合中は反則の嵐で相手が首を折ったりもしてたんですよね。
正直、反則で相手を殺しかけたところはコメディ調でもまったく笑えなかったです。
それを忘れられたのは、八百長をしたことがある主人公の葛藤と(便利屋に打ち明けるシーンはしんみり)、最後の決断があったからだと思います。
所長を殴って30年くらっても後悔してないという言葉に、初めて本気でアメフトを楽しんだ主人公がカッコいい!
所長の言いなりだった看守も、そんな主人公の姿に本気を出して、それぞれしがらみなんて忘れて試合を楽しんでいました。

個人的に苦手な画面分割を試合の最初に多用していたことと、殺人が起こった後、犯人が分かるはずなのに誰も何もしようとしない強引な流れもあったものの、見応えある作品でした。

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「北国の帝王」思い出し感想

映画「北国の帝王」思い出し感想

北国の帝王
製作:アメリカ’73
原題:EMPEROR OF THE NORTH
監督:ロバート・アルドリッチ
ジャンル:アクション/ドラマ

【あらすじ】大恐慌の1933年、オレゴン。列車にタダ乗りし各地を移動する失業者たちホーボー。彼らは、ハンマーでホーボーを叩き落す19号列車の車掌シャックを恐れていた。やがて、”帝王”と呼ばれる一人の男が彼に挑戦状を叩きつける。

なんというか、とにかく凄い映画でした。世界が違いすぎてついていけないし、好きではないけど、印象には残ってます。
大恐慌のさなか、自由に行きたい所へ行くことを誇りに思う”タダ乗り常習犯”と、そんなやつらを片っ端からハンマーで叩き落す”鬼車掌”。二人のプライドを賭けた車上ガチバトルが楽しめる作品です。
でも、プライドを賭けた闘いといっても、ガキ大将の意地の張り合いみたいに見えてしまうのは私が女だからなのか、それとも大恐慌の大変さがわかってないからなのか。
怖いくらい鬼気迫るラストバトルは確かに凄いんですが、格好つけてプライドを語る二人が滑稽に見えてしまう瞬間がありました。
あと、途中で主人公がタダ乗りの技を若造に伝授している時は、妙にほのぼのしてしまって浮いている気がします。
そういう点が気にならないひとには、たまらない作品なんじゃないでしょうか。
狂気じみた鬼車掌の表情が脳裏に焼きついて離れません…。

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「ロンゲスト・ヤード(1974)」観た
「飛べ!フェニックス」観ました

映画「飛べ!フェニックス」観ました

飛べ!フェニックス
製作:アメリカ’65
原題:THE FLIGHT OF THE PHOENIX
監督:ロバート・アルドリッチ
原作:エルストン・トレヴァー
ジャンル:★アドベンチャー/ドラマ

【あらすじ】アラコブ石油会社の輸送機が、砂嵐のために砂漠の真ん中に不時着した。航路を離れたために救助隊は期待できず、飲料水はみるみる減っていく。体力的にも精神的にも不安を感じ始めた頃、とんでもない脱出方法を考え出し…。

以前「フライト・オブ・フェニックス」を観てそこそこ面白かったので、いつか絶対オリジナルを観ようと心待ちにしてました。
やはりオリジナルの方がいいですね。なんでリメイクで安易に女性を加えるのか…。あの陽炎のような幻の踊り子が唯一の女性というのがいいのに!
暑い砂漠に男だけなのが非常に暑苦しいのだけど、そこで繰り広げられる葛藤がまたいいです。誰もかれもがどこかしら欠点を持っていて、刻々と迫る死に脅えながら対立したりするんですよね。
わかっている人とわかってない人、そしてわかりたくない人…。
登場人物は少ないけれど、それぞれ個性がよくでていて楽しめました。とくに模型飛行機の事を力説する男や、「帰ったら水中毒になりそうだ」と笑うアル中の副操縦士がいい。
人間同士はいがみ合っても、お猿さんに優しかったとこも好きです(みんなの心のオアシス?)
最後に飛び立った瞬間、ぐっと拳に力が入りました。

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「北国の帝王」思い出し感想
「攻撃」観ました

映画「攻撃」観ました

攻撃
製作:アメリカ’56
原題:ATTACK!
監督:ロバート・アルドリッチ
原作:ノーマン・ブルックス
ジャンル:★戦争ドラマ

【あらすじ】1944年ベルギー戦線。中隊長クーニー大尉が臆病風に吹かれ、小隊を見殺しにした。上官バートレットに訴えても、彼はクーニーの父親のコネ目当てに責任を追及しない。怒ったコスタは、今度同じことをしたら殺すと彼を脅すが…。

コスタの憎悪と執念のこもった表情が印象に残りました。
作戦とも言えないような作戦を立て、いざとなると「小隊一つのために中隊を危険に晒せるか」と見殺しにしてしまう上官。そんな上官に従わなければならない不条理。そんな無能な人間を指揮官に据えてしまう”家柄”重視の軍組織。
こういう”組織の腐敗”は戦争に限らず、あらゆるところで蔓延しているものなので、ただの戦争映画では終わらず、広く訴える作品だと思います。

クーニーやバートレットの憎たらしさ、コスタの迫力、彼らの板ばさみになっていたウッドラフの最後の決断…。
なんとも力強い作品でした。

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「飛べ!フェニックス」観ました
「フリスコ・キッド」観ました

映画「フリスコ・キッド」観ました

フリスコ・キッド
製作:アメリカ’79
原題:THE FRISCO KID
監督:ロバート・アルドリッチ
ジャンル:★西部劇/コメディ

【あらすじ】ラビになるためポーランドから旅立ったアブラム。しかし、アメリカに着いた途端に身包みはがれ、一文無しで言葉も通じない状況に。そんな時、人のいい銀行強盗フリスコ・キッドことトミーと出会い、気が合った彼らは一緒に旅を始める。

さて、今回はまたしても西部劇です。
内容は、ラビ(ユダヤ教の教師)になるべく旅立ったアブラムと、方向音痴な彼を放っておけないお人好し銀行強盗トミーの熱い友情物語です。
その熱い友情がどれ程のものかと言うと、トミーの共犯だと思われ追われる破目になってもアブラムは彼を責めませんし、追っ手が迫ってるのに「安息日」だから馬には乗らないと言い張るアブラムをトミーは見捨てません。目的地を前にトミーが去って行こうとした時も、アブラムは「初めての親友なんだ」と引き止め、トミーも「親友」と呼ばれたことに感動し共に行くことを決めました。そして、初めての親友に心底嬉しくなっちゃった二人は、”えらく恰好悪い肌着姿”で子供のようにはしゃぎます。

…とまあ、こんな感じで二人は麗しい友情を育んでゆくわけですが、この後にある事件が起きてしまうんですね。
その事件のせいで、アブラムは自分にはラビになる資格はないと思いつめ、そんな彼をトミーは一喝します。
『そんな事二度と言うな!ラビになるためにここまで頑張ったんだろう』
…親友のために真剣に怒るトミーの姿に、思わずうるっときてしまいました。
評判はそこそこのようですが、わたし的には笑いあり涙ありの珍道中を大いに楽しめました。男の友情が好きな人には良いんじゃないかと思います。

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