フランスタグを含むお薦め映画

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ハウンター」観ました

ハウンター
原題:HAUNTER
製作:カナダ・フランス’2013 97分
監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ
ジャンル:★ホラー/サスペンス

【あらすじ】ある朝リサは、自分が誕生日の前日を何度も繰り返していることに気付く。家族に訴えても信じてもらえず、いつもと違う行動をとっても結局は同じ繰り返しに。外に出ることすらできない彼女は、この家で起こる怪現象に注目し…。

Gyaoで9月11日まで。きもだめし企画で観た最後の作品です。
これは個人的に好きですね~。主人公の黒髪少女が眼力あって素敵だなーと思ってたらアビゲイル・ブレスリンちゃんでびっくり。頑張ってるようで嬉しいです。
「CUBE」の監督さんのホラー(どちらかというとサスペンスファンタジー)作品ですが、グロは一切なしの安心設計。考えるな、感じろ!という流れは見る人を選ぶものの、家族や自分と同じ年頃の女の子たちのために必死で戦うヒロインが好きなら楽しめると思います。あとは、ストーリーのある悪夢を何度も繰り返してみるタイプの人にお勧めな作品。リアルな悪夢感を楽しめます。

私はそういうの大好きなので思いっきり嵌りましたね~。最初は「またこのタイプか」と思ったけど、それが明かされてからが本番!
なんだかよくわからない曖昧なルールを、フィーリングと意志の力で解き明かして、道を切り拓いていきます(笑)
正直、ヒロインの行動やセリフで初めて「あ、そういうことなの?」となったこともちらほらあったものの、繰り返す一日、薄暗い洗濯室、洗濯機の裏にある小さな扉、通気口の向こうから聞こえるクラリネットの音と声、濃霧で何も見えない家の外…など不気味でミステリアスな雰囲気に身を任せて楽しめました。
相手の持ち物を通じて呼びかけるとか、クラリネットの演奏でシンクロするところとか、自分のためよりも誰かのために頑張るヒロインの気持ちが伝わってきて感動的。
悪役も実に悪役らしい奴なので、彼女を素直に応援できるんですよね~。色んな役を演じ分ける渋い俳優さんも良かった!
ラストは彼女と家族の笑顔が見られて思わずホロリ。思わぬ拾い物でした。

映画「ミスター・ノーボディ」観た

ミスター・ノーボディ
原題:MY NAME IS NOBODY
IL MIO NOME E NESSUNO
製作:イタリア・フランス・西ドイツ・アメリカ’74 115分
監督:トニーノ・ヴァレリ
ジャンル:コメディ/西部劇

【あらすじ】伝説の老ガンマンの前に現われた風来坊。彼は無敵と謳われたガンマンを自分の手で倒したいと語りながらも、老ガンマンとの対決を何故か避けようとする。そして150人のワイルドバンチを倒して伝説となるようお膳立てをはじめ…。

先が読めないユーモアあふれる作品。序盤で風来坊が雑魚敵に言われる「てめぇはツケが利くほど長生きしねぇ」というセリフから痺れました。画づくりもカッコいい!
とにかく主人公?の風来坊が何考えてるかわからないんですよ。伝説の老ガンマンと戦いたいのか、彼に150人のワイルドバンチと戦って死んでほしいのか、それとも…?

老眼鏡で目をしばたかせてる伝説の男が、150人の馬に乗ったガンマンたちと戦わなきゃいけないという状況に陥ったシーンの絶望感がすごかったです。主人公はサイコパスだったのか!?と、あの笑顔が怖く見えてきたり。
最後はそういうことか、と笑顔になれますが、ホント先が読めなかったです。

あと、途中出てくる遊園地みたいなところが面白かったですね。あの時代の西部って、意外と凝った出し物が多かったのかな。ミラーハウスでの対決とか、若干長かったけど西部劇としては斬新。
しかし、お墓にサム・ペキンパーって名前が…(笑)
ちなみに、ワイルドバンチは「荒くれ者」の意味で某作品のタイトルを意識しているだけでなく、アメリカ西部開拓時代末期に実在したギャング団の俗称らしいです。

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映画「映画ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~」観ました

映画ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~
原題:HAUN THE SHEEP THE MOVIE
製作:イギリス・フランス’2015 86分
監督:マーク・バートン、リチャード・スターザック
ジャンル:★コメディ/ファミリー

【あらすじ】イギリスの片田舎にある羊の牧場。変わり映えしない毎日に退屈したショーンは、眠った牧場主を古いトレーラーに移し、自分たちだけで伸び伸び過ごそうと考える。だが、ふとした拍子にトレーラーは走り出し、大都会へと向かってしまう。あわてて後を追うビッツァーとショーンたちだったが…。

いいですね~、思わずホロリとさせられました。牧場主とあんなに深い絆があったなんて!
っていうか、若い頃から牧場主は牧場主だったんだと驚いたり。考えてみれば脱サラしたタイプには見えないし、親が牧場経営していて小さい頃から動物と一緒に育ったんでしょうね。
その割にはやる気なさげだけど(笑)

トレーラー大暴走のアニメ的表現が相変わらず躍動感あって、ストップモーションということを忘れます。
都会についてからは、動物アニメなどで定番な保健所の恐怖展開と、牧場主が新たな才能に目覚める予想外の展開が並行しつつ、牧場主を取り戻すために必死に頑張るショーンたちがしっかり描かれていて見ごたえありました。

笑いどころもたくさんあって、保健所で常に狂気の眼で見てくる犬とか(その正体はエンドロールで!)、人間に化ける羊たちの見事な変装ぶりとか、牧場主のカリスマ性とか最高でしたね。今風にインスタグラムでシェアされて、一気に時の人となって看板にも彼の写真が。刈り方がお客さんに対するものじゃないけどそれでいいのか(笑)

そして、「ウォレスとグルミット」シリーズでもお馴染みのサスペンスホラー展開もバッチリ。ショーンたちと牧場主が絆を取り戻すきっかけにもなって、ラストはジーンとしました。
ショーンとビッツァーのほっぺにチュッチュしちゃって、ホントに仲良しなんだなぁ。
「ひつじのショーン」が大好きになる映画です。

映画「最強のふたり」観ました

 | 伝記/自伝/実話  com(10) 
Tag:フランス 

最強のふたり
原題:INTOUCHABLES/UNTOUCHABLE
製作:フランス’2011 113分
監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
ジャンル:★コメディ/ドラマ

【あらすじ】失業手当をもらうため不採用の証明書をもらいに来た黒人青年ドリスは、パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった大富豪のフィリップの介護人として採用される。遠慮なく本音で接するドリスにフィリップは心を開き、いつしか2人は固い絆で結ばれていく。

感涙祭第二弾は前から観たいと思っていたこちら。面白かったし清々しい感動がありました。
実話を基にした作品なんですが、スラム街に暮らすドリスと大富豪フィリップの接点は本当に偶然でしかなくて、でも出会うべくして出会った二人という感じがして運命ってあるんだなぁと思いました。
ホント、彼をよく採用しましたよね。脚に熱湯はヤバすぎ(笑)

まあ、そんなことが小さく感じられるほど周囲の反応にうんざりしていたということなんでしょう。ドリスは馬鹿ではないから教えればちゃんとできるし、何より忍耐強さがプロ並みかそれ以上。最初はお金のためだったろうけど、最終的には友達相手限定の忍耐強さだったろうし、フィリップとの友情がそれだけ深いというのが伝わってきました。

富豪のフィリップには心から素直になれる相手なんてほとんどいなかっただろうから、ずけずけ言うだけでなく人間としても裏表ないドリスに心を開いていくのも納得できます。パーティでクラシック音楽を聴きながらお互いのイメージの違いを楽しんだり、ドリスの好きな音楽でみんな盛り上がって、それを眺めているフィリップも幸せそうなのが印象的でした。ドリスにはその場の空気を変えてしまう才能があるのかも。

あと、絵画のエピソードも面白かったです。フィリップとの出会いで彼も得るものがあったというのを、わかりやすく伝えるエピソードですよね。ちなみにあの絵はドリスを演じたコメディアン・オマールさんが映画のために描いて、実際に1万1000ユーロの値がついたんだとか。

全体的にとても素晴らしい作品でしたが、娘のことは少し気になりました。じっくり描いたら別の映画になっちゃいそうなので、これくらいがちょうどいいんでしょうけど。
泣けはしなかったけども、ラストのドリスの心憎い配慮にはウルっときました。見られて良かったです。

映画「青春群像」観ました

 | 青春  com(8) 
Tag:イタリア フランス 

青春群像
原題:I VITELLONI
製作:イタリア・フランス’53
監督:フェデリコ・フェリーニ
ジャンル:★青春/ドラマ

【あらすじ】アドリア海沿岸のとある町。美人コンテストで優勝したサンドラは、突然の不調で遊び人ファウストの子を身篭ったと確信した。彼の厳格な父親のおかげで、めでたくふたりは結婚。だが、間もなくファウストの浮気の虫が騒ぎ出す。それを心配そうに見守るサンドラの兄モラルドだったが…。

邦題どおりの内容で、話の中心にもなってるファウストはクズ野郎なんだけども、なんだか目が離せなかったし最後はホロリときました。
色々と印象に残るシーンもあって、とくに故郷を去るモラルドの目に浮かぶ、友人たちの眠るベッドが次々と過ぎ去っていく光景は良かったです。どうしようもないところもあるけど、やっぱり自分を形作ったものはすべてここにあるんだ…という感じで。
あとは、天使像を預けられた浮浪者?が、それを海岸に立ててにっこり微笑むシーンとか、モラルドが駅で働く少年と語らうとこ、レオポルドが老俳優にからかわれたり、労働者を馬鹿にして追いかけられるくだりなども印象に残ってます。赤ちゃんも可愛かったし。

それに、浮気症のファウストの心理が意外とわかりやすく描かれてて、浮気してしまう理由ってこういうことなのか~と納得できました(誰もが彼と同じ理由とは限らないし、納得できたからといって許せるわけじゃないけど)
とりあえず彼の場合は、結婚してから家庭のことでも仕事のことでも惨めで満たされない状態にあって、代わりに別の何かで満たそうとした時、彼にとって一番手っ取り早いのが浮気だったということなんでしょうね。女好きというだけじゃなく、女性に評価されることで満足できる、みたいな。
失敗を盗みや嘘で取り繕うとするのも、彼にとって他人の評価が大きく、評価してもらえるなら中身がともなってなくても構わないという事だと思うし、中身がともなってないから自信が持てず、他人の評価を気にしてしまうという負のスパイラルはわからないでもないです。
後半はしみじみ「こいつクズだなぁ」と思いつつ、彼を突き放せないモラルドの気持ちもわかる気がしました。

浮気癖はそう簡単には治りそうもないけど、「次は私がぶん殴る」と宣言したサンドラと「それでいいんだ」と嬉しそうに笑うファウストを見たら、そんな心配は必要ないようで(笑)
ふたりとも社交的だし、小さな民宿でも始めればいいんじゃないでしょうか。美人のお客に見惚れるファウストに、3倍くらい横に大きくなったサンドラが「何よそ見してるのよ!」バシーン!!みたいな未来を想像したら楽しかったです♪
ちなみに、原題は”雄牛、乳離れしない仔牛”のことで「のらくら青年」を表すリミニ(フェリーニの故郷)の方言なんだとか。

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映画「見知らぬ医師」観ました

見知らぬ医師
原題:WAKOLDA
製作:アルゼンチン/フランス/スペイン/ノルウェー’2013
監督:ルシア・プエンソ
ジャンル:サスペンス/ホラー

【あらすじ】1960年代のアルゼンチン、パタゴニア。自然に囲まれた町で民宿を営むことになった夫婦は、最初の客としてとあるドイツ人医師を迎え入れる。彼は、実年齢よりも幼く見える12歳の娘リリスに興味を示し、彼女も彼を信頼するようになっていくが…。

<ネタバレあり>
ミステリーではないけど、ミステリアスな雰囲気のある作品でした。
まあ、ナチスに詳しい人なら早い段階で医師の正体はわかるんだろうけど、最初から最後までとある少女の目線で描かれているので、彼が何をした人間なのか詳しいことは描かれず「本当はとても怖いおじさんだった」という曖昧な不気味さだけが漂ってきます。
彼が言葉巧みにその家族に近づいていく姿に、何か恐ろしいことが起きるのではないかとハラハラしながら見てました。

ホラー的な描写はないのだけど、”少女や胎児を実験体としか見てない”という静かな狂気に、背筋が寒くなってきます。彼の手帳に描かれた詳細なスケッチやメモからも、”実験体”が自分と同じ人間であるということを一切意識してないのが伝わってくるんですよね。
そんな彼に丸め込まれ、良かれと思って自ら”実験体”になってしまう母娘が危なっかしい。
それと比べると父親はかなり冷静で警戒しているものの、やはり長年の夢に出資してくれるとなると油断してしまいます。…その金がどこからきたものなのか、考えもしなかったでしょう。

その父親の夢というのが人形の大量生産で、機械的に作られていく人形のパーツを満足げに眺める医師のシーンは、上手い暗喩だったと思います。「人形は全て同じにした方がいい」と彼を説得していたのも印象的でした。
実は、原題のワコルダはリリスのお気に入りの人形の名前で、彼女と医師の出会いも人形を拾ったのがきっかけ。
その人形は胸に心臓のからくりが埋め込まれた父親のオリジナル作品で、彼女は他と違うからその人形を選んだと言います。成長が遅れていて背が低い自分と同じだから。
だからこそ、それを治療してくれる”先生”を慕って信じてしまうんですよね…。
彼に限らず、悪意を持つ者はこうやって簡単に忍び寄ってくるのかもしれません。

淡々としながらも、じわじわと恐怖が迫ってくるのは、これが実話に基づいているからでしょうか。実際に逃亡中に実験をしていたかはわかりませんが、正体を隠してアルゼンチン人の一家と暮らしていたというのは事実だそうです。
鑑賞後、死の天使と呼ばれたナチス将校ヨーゼフ・メンゲレについて調べると、もっと恐ろしくなるかも。

映画「さよなら子供たち」観ました

 | 戦争  com(6) 
Tag:フランス 西ドイツ 

さよなら子供たち
原題:AU REVOIR LES ENFANTS
製作:フランス・西ドイツ’87
監督:ルイ・マル
ジャンル:★ドラマ/戦争

【あらすじ】1944年、ナチス占領時代のフランス。パリからカトリック寄宿学校に疎開している12歳の少年ジュリアンの学校に、ジャン・ボネという少年が転入してくる。ジャンはなかなか級友たちと馴染もうとしなかったが、次第にジュリアンに心を開き始め…。

観ていて「ルシアンの青春」を思い出したけど、同じ監督の作品だったのか…。どういう気持ちで「ルシアン~」を撮ったんだろう。戦争さえなければ…という感じかな?
「さよなら~」の中では、生きていくためにゲシュタポに密告する人が描かれていて、ジュリアンは怒りを覚えるものの、たぶん憎んではいません。心のどこかで「生きていくためには仕方ない」という彼らの気持ちを否定できないんだと思います。…だって、誰だって貧困やゲシュタポは怖いもの。
森で迷子になった時は、ドイツ兵が学校まで送りとどけてくれたエピソードもあり、きっと戦争がなければ、みんな善き隣人だということを実感していたんでしょう。

しかし、終盤のゲシュタポのおじさんの怖いこと!
一瞬で生徒の中から真実を知るジュリアンを見つけ出し、不安を煽ってボロを出すように仕向けるんですよね。背中を向けているのに、ジュリアンがついボネの方を見てしまったのを見逃さない!
彼の中では「自分のせいで」とわだかまりが残っただろうけど、あれは仕方ないよ…。相手はプロだもん。

ラストの別れには胸が張り裂けそうになりました。ピアノ連弾や「チャップリンの移民」を笑顔で(終盤は物語に没頭して)観ていたシーンなど、幸せなふたりの様子が目に浮かんで、涙せずにはいられません。
静かに涙を流しながら、決してボネから目を離すことができない…。無言で手を振るジュリアンと、扉の前でじっと彼を見つめるボネ…。
冒頭で「ママと別れて疎開するなんて嫌だ」と、おでこのキスマークも気にせず今生の別れのように涙してたジュリアンが体験した、本当の別れ。
「この日のことは死ぬまで忘れないだろう」というモノローグに、この作品を撮らずにはいられなかった監督の心情がうかがえます。

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映画「世界の果ての通学路」観ました

 | ドキュメンタリー  com(1) 
Tag:フランス 

世界の果ての通学路
原題:SUR LE CHEMIN DE L'ECOLE
   :ON THE WAY TO SCHOOL
製作:フランス’2012
監督:パスカル・プリッソン
ジャンル:★ドキュメンタリー

【あらすじ】危険な道のりを毎日何時間もかけて学校に通う子どもたちの通学風景に密着した教育ドキュメンタリー。世界の過酷な通学路4つを紹介し、それでも学校に通い続ける子どもたちと家族の想い、そして教育の意義を見つめていく。

想像してたよりはるかに危険でビックリしました。
毎日がアドベンチャーでロードムービー。映画を何本も作れるレベルです。
週に何日通ってるのか知らないけど、10歳前後の兄妹がサバンナを15km小走りで通うとか…。2時間かけて水とカバンと木の棒をもって通う様子は、本気で冒険の旅に出てるようにしか見えません。
途中、象の群やキリンの群がいたら遠回りしていかなければいけないし、とくに象は何人も通学中の子供が襲われてるらしく、うっかり出くわせば命に関わります。
撮影中も一度出くわして、必死に逃げて岩陰に身を潜めるという状況に。
象が去った後、泣きじゃくる妹にサボテンの実をみつけ、それを食べたらにっこり笑って、ふたりで「天の神さま、地の神さま~♪」と歌うシーンが印象的でした。
学校に行くだけでこの大冒険、日本で暮らしている私たちには想像もつかない世界です。

また、馬に二人乗りして登校する兄妹や、険しい山道を毎週(寄宿学校に)通う女の子、歩けないお兄ちゃんのボロ車椅子を押して通学する3兄弟など、”通学”というより”試練”みたいな道のりをゆく彼らに驚かされました。
それでも頑張って通うのは、勉強することで自分の夢を実現できると信じているからなんですよね。家族とともに貧しい暮らしから抜け出すためでもあるし、学校で学ぶことが希望の鍵なんです。
家族にとっては子供たちが希望で、教育ママのように押し付けるのではなく、夢や希望を信じる心を育てつつ子供たちを支えているのが伝わってきました。

印象に残ったのは、寄宿学校に通う女の子が鶏を1羽手提げ袋に入れていて、たまごを食べるのか、それとも授業料?と思ってたら、大量のお菓子と交換したところ(笑)
一週間かけて、友達と交換したりしながら食べるのかなぁ。どこの国でも女の子はスウィーツが大好きですね!

あと、車椅子のお兄ちゃんを押して、道なき道を行く弟二人が健気でねぇ。「急げ、遅刻するぞ」とか「道が悪いから倒すなよ」とか声を掛けてるだけのお兄ちゃんを大変慕っています。
タイヤを直してもらっている時(修理代は?)も、兄は末っ子はおしゃべりし、しっかり者の次男だけがお店の人の相手をしてる。(その後、末っ子と一緒にタイヤを直せるようになっているところはさすが!)
そんなお兄ちゃんだけども、勉強して将来は立派な医者になると決めていて、痛いのを我慢してストレッチや歩行練習をしています。
障害を前世の悪行の結果だと考える人が多いインドですが、そんな彼の頑張る姿を見ているから、みんな応援してくれるんですよね。

やらせっぽいところもあったものの、学ぶことの大切さや、自分がどれだけ恵まれているか気付かせてくれる作品でした。

映画「シェルブールの雨傘」観ました

シェルブールの雨傘
原題:LES PARAPLUIES DE CHERBOURG
製作:フランス’63
監督:ジャック・ドゥミ
ジャンル:ミュージカル/ロマンス

【あらすじ】フランス北西部の港町シェルブールで、自動車修理工の若者ギイと傘屋の少女ジュヌヴィエーヴが恋に落ちた。だが、まだ17歳のジュヌヴィエーヴを心配する母親は、娘の幸せを願うあまり口やかましくしてしまう。そんなある日、アルジェリア戦争の徴集礼状がギィに届き…。

Gyaoで7月3日まで。
すべてのセリフが歌になってるミュージカルには抵抗ありましたが、ロマンス映画として楽しめました。
といっても、ストーリーは今観ると陳腐と言えるくらいありがちなもので、先が読めるんでちょっと飽きそうになったり。でも大筋は読めても、物語の中心が人物ではなくシェルブールという舞台に固定されているという面白さや、心理描写の丁寧さのおかげで、歌に慣れてきてからはグイグイ引き込まれました。
しかも予想を裏切る善人揃いだったんですよね~。

てっきり母親は「ロミオとジュリエット」の父親のようなタイプかと思ったら、確かに金持ち男が現れた時に期待はしてたと思うものの、実際に求婚されたら面食らってしまうんですよ。そして、口うるさく「ギイの事は忘れなさい」と言いつつ、彼からの手紙を捨てるような卑怯な真似はしません。(絶対捨てると思ってた私が荒んでる?)
それどころか、縁談の邪魔になる孫の誕生を喜んでおり、産着を買ってきてウキウキしてるほどです。子離れできないながら、いいお母さんだと思いました。

そして、お目当てだった「ローラ(1960)」の後日談がまた良いんですよ。
何を隠そう、ジュヌヴィエーヴに求婚した男というのが、失意の後、宝石商として成功したローランなのです。ずっとローラへの気持ちを引きずっていたのに、ジュヌヴィエーヴを一目見て世界が変わったとか、「超面食いなだけかよっ!」と思わないでもなかったけど、大人の余裕で断っても10年くらいは待ちそうな一途さでしたね(笑)
これは「ローラ」を観てると、彼を応援せずにはいられないと思います。でも、結局宝石で釣るのはどうなの!?

そんな彼に見初められたジュヌヴィエーヴも全然悪い子じゃなかったです。
この作品は浮気物だと聞いていて身構えていたんですが、こんなの自然の摂理であって浮気じゃないでしょ。借金抱えた家の17歳の娘に何を求めてるんだ!(17歳には見えないけど)
妊娠するような事をした時点で、妊娠した場合は子供のためにも側にいられない男が身を引くのは暗黙の了解だと思う。というかあの時、ギイが叔母さんにジュヌヴィエーヴを紹介してれば流れも変わってたのでは?
…まあ、若いから仕方ないけど。
とにかく、彼女の選択は愛する人との子供のためだし、思いっきり悩んでいるところが描かれていたので、むしろ彼への愛が深いものだったと思えました。

あと、おそらく昔から密かにギイを愛していたマドレーヌもいい子で、ジュヌヴィエーヴの結婚式を見て、喜ぶわけでも怒るわけでもなく、ギイが傷つく事を想って悲しみの表情を浮かべる控えめなところが好きです。
失意のギイを立ち直らせるための厳しさや、変わらぬ献身、長らく彼を見てきたからこその不安など、ギイと結ばれるまでの機微が、短時間で丁寧に描かれてました。
彼女には幸せになって欲しいですね。

ラストの再会と別れも切なくて余韻に浸れます。二人の子供がそれぞれフランソワーズとフランソワなのがね…(ホロリ)
ここで彼女は不幸そうだと思う方もいるようですが、彼女は最初から好きな男と離れている時は憂鬱そうにしてたし、クリスマスなのに夫は出張中?みたいだし、あのべったりだった母を亡くしたばかりで精神的に参ってたんだと思いたいです。でなきゃ、雪の降る寒い夜に、幼い娘を窓全開の車内に残したりしないでしょ。相当疲れてますよ、事故りそうですよ!
思い出に引き寄せられてシェルブールに寄ったら、幸せそうなギイに会って憂鬱MAXになってただけで、夫が帰ってきたら可愛い娘と愛する夫と、人が変わったみたいに幸せを満喫してるに一票!
だって、そうじゃないとローランが不憫だもの…。
たぶん「ローラ」を先に観てるかどうかで印象が変わる作品だと思います。

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「ローラ(1960)」観ました

映画「100歳の少年と12通の手紙」観た

 | ドラマ  com(1) 
Tag:フランス 

100歳の少年と12通の手紙
原題:OSCAR ET LA DAME ROSE(OSCAR AND THE LADY IN PINK)
製作:フランス’09
監督・原作:エリック・=エマニュエル・シュミット
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】白血病を患う10歳の少年、オスカー。周りの大人たちが腫れ物を扱うように接する中、デリバリーピザの女主人ローズが見せた遠慮ない態度が彼の心を掴む。院長に彼の話し相手になってほしいと頼まれた彼女は、オスカーを励ますためにある提案をし…。

GyaOで観賞。気になっていた「地上5センチの恋心」の監督(&原作)作品ということで観てみました。
難病ものではあるけどお涙頂戴にはなっておらず、キュートな映像表現とユーモアに溢れた作品になってました。まあ、少年はあまり病気に見えないし(演技は上手いけど)、ちょっと無理があったり無茶しすぎなシーンがあるけど…半分ファンタジーみたいな作品なので。
でも、12日間で生きる意味をみつけ死を受け入れていく少年と、周りの大人たちの変化を描いた哲学作品でもあって、よく覚えてないけど「ソフィーの世界」の読後感と似た印象を受けました。

ややネタバレあり!
ローズの提案で1日を10年と考えて過ごすようになったオスカーは、12日間で人生を疑似体験していきます。それはもう濃密な12日間で、恋や修羅場、結婚。ローズを娘に迎え、両親とは仲直り。死への恐怖を克服し、毎日の美しさに気付き、人生の長さよりも毎日をどう生きたかが大切だと悟ります。
そんな彼の心境の変化を知るために、ローズが毎日書くようにアドバイスした神様への手紙もいい。同じ病院に入院する女の子が手術することになって、自分のことより彼女の無事と健康を祈る手紙にはホロリときました。
一方、愛や優しさを表に出せずにいたローズも、オスカーと接するうちに変化していきます。最初は人生の先輩、母親のような存在だったのが、最後には彼の友人であり娘でもあるという状況に。見方によっては、オスカーとは逆に人生をさかのぼり、なくしてしまったものを取り戻していくかのよう…。
愛する家族にも見せられなかった一面を、彼女が恐れた”病気”の子供に見せるのは、自分と似た匂いを感じたからでしょうか。彼女が語るプロレスのエピソードは「ビッグ・フィッシュ」みたいで、深い愛情と優しさを感じます。
ラストで驚くほど悲しくないのは、彼もローズも幸せを見つけられたからなんですよね。
若干説教臭く感じたり、宗教色が強いと感じる人もいるかもしれないけど、フランス映画好きの人には意外とおすすめな作品です。

映画「ニュー・シネマ・パラダイス」観た

 | ドラマ  com(18) 
Tag:フランス イタリア 

ニュー・シネマ・パラダイス
原題:NUOVO CINEMA PARADISO
CINEMA PARADISO
製作:イタリア・フランス’89
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】シチリアの小さな村で生まれ育った映画監督サルヴァトーレ。かつて慕っていた映写技師アルフレードの訃報を聞き、映画館パラダイス座が世界の中心のようだった頃の思い出がよみがえる。彼は帰郷を決意し…。

最初にみたのがこの124分版で、完全版のオンエアがあった時は評判を知らずに喜び勇んで観たらガッカリした記憶があります。で、久しぶりに完全版じゃないこちらがオンエアされたので、また喜び勇んで観ました。
…びっくりするほど感動しなかったです。あれ?
別に退屈したわけではなく、トトとアルフレードの交流なんかは微笑ましくてニマニマしてしまったし、いろんなシーンでノスタルジーを感じたんだけども、それだけだったなぁと。
初見時は感動した気がするのに、いろんな映画を観るようになって感性が変わったのか、それとも完全版によって修復不可能なくらいトトのイメージが壊れてしまったのか…自分でもわかりません。
そんなわけで、わりと冷静に見てしまったので変なところが気になりました。
時代だから仕方ないものの、九九ができずに教師に耳をつかまれて黒板に叩きつけられるシーンは洒落にならないですよね。周りの子が笑っているのが怖い…。
あと、父親の写真が燃えて母親が怒るくだりでは、「缶の中の写真とフィルムが燃えたという事は、妹がランプにフィルムを近づけすぎて火がつき、驚いて缶の中に落とし、蓋を閉じるとか濡れふきんを被せる、水をかけるなどの対処法が思いつかないままに燃え上がる缶を持って外に出たの???」と状況を考えてしまったり。あの子が火のついたものを持って外まで行くとは考えにくいから、母親がパニクって適切な対処が出来なかっただけのような気がする。
また、アルフレードが試験でズルするところは、きっと失明してから後悔したんだろうなぁとか。外の壁に映画を映すくだりでは、2箇所同時に映写できる構造を具体的に知りたいとか。キスシーンフィルムを繋げたのはトトにあげると約束した後なのか、目が見えなくなった後なのか、その時の気持ちと形見として遺すことにした時の気持ちを考えたり。
それと、兵士のエピソードってオチがついてないような…。完全版では最期の日に去った兵士の気持ちについて結論とかでてましたっけ?
「愛のテーマ」は良いとは思うものの、お涙頂戴もののドラマや映画で似たような(影響を受けた)曲が多い気がして、こちらも素直に楽しめなかったです。
一番印象に残ったのはライオンの口が動くシーンですね。幼いトトにはあの映画館自体がファンタジックで夢一杯な場所だったというのが伝わってきます。
あの映画館を完全再現すれば、結構な観光スポットになる気がする(笑)

追伸:後からじわじわ喪失感が…。楽しめなかったことが地味にショックです。

映画「しあわせの雨傘」観ました

 | コメディ  com(8) 
Tag:フランス 

しあわせの雨傘
原題:POTICHE
製作:フランス’2010
監督:フランソワ・オゾン
原作:ピエール・バリエ、ジャン=ピエール・グレディ
ジャンル:★コメディ/ドラマ

【あらすじ】1977年フランス。雨傘工場を経営するロベールの貞淑な妻スザンヌは、優雅な毎日を送りながらも満たされずにいた。そんなある日、工場でストライキが起こるもロベールが心臓発作で倒れ、彼女が経営を引き継ぐことに。彼女は労働者たちの心を掴み、業績を大幅に改善させるが…。

これは面白い、ありがとうGYAO!
フランソワ・オゾンの作品は最近観てなかったんだけど、「8人の女たち」とか再見したくなっちゃったなぁ。あと、名前は良く知ってる「シェルブールの雨傘」へのオマージュを捧げているシーンもあったらしいので、こちらを忘れる前に観てみたい。
熟年夫婦に離婚の危機という始まり方なのに、こんな展開を見せるとは思わなかったです(笑)
従順な妻から自立した女性に変身していくカトリーヌ・ドヌーヴと、自分が世界の中心だと思っているような男から人畜無害な魂の抜け殻みたいになっていくファブリス・ルキーニの演技が素晴らしい。筆頭株主の座を奪った時の、「今日からあなたが飾り壺よ、きっと楽しいわ」的なことをいうスザンヌの生き生きとした様子と言ったら!
この展開は多くの主婦にとって痛快でしょう。
もちろん、ジェラール・ドパルデューもいつも通り存在感ありました。自分の地位が危ぶまれている時に、夢のような出来事で舞い上がる様子とか、その後の真実を知ってからの手のひらを返したような態度とか、さすがの演技力。
マザコンな息子の出生の秘密や、ロベールの愛人なのに敵であるはずのスザンヌに心酔していく秘書とかも面白かったです。
あと、最後に何故か歌うスザンヌと、それを家で見ていたロベールが孫達とリズムに合わせて体を揺らすくだりはもう笑うしかない。かなり”ツボ”にはまった作品でした。
ちなみに、原題の意味は「飾り壺」。美しいが夫の陰に隠れ、自分の意見を持たない女性という意味で、軽蔑的に使われる言葉らしいです。娘に「ママは飾り壺(お飾りの妻)なのよ」と言われたのがきっかけで変わってゆくんですね~。

映画「ジャック・ソード 選ばれし勇者」観た

 | 歴史・実録ドラマ  com(0) 
Tag:フランス 

ジャック・ソード 選ばれし勇者
原題:JACQUOU LE CROQUANT
製作:フランス’07
監督:ローラン・ブトナ
原作:ウジェーヌ・ル・ロワ
ジャンル:★歴史劇/ドラマ/アクション

【あらすじ】1815年フランス。革命により貴族たちが国に戻り、村人たちはごう慢な態度をとる彼らに日々不満を募らせていた。農夫の子として生まれたジャックは両親と共に幸せに暮らしていたが、ナンサック伯爵の無慈悲な行動により両親は命を落とし…。

GYAOで鑑賞。こんな邦題だけど農民一揆を題材にした歴史劇です。
原題「JACQUOU LE CROQUANT」の意味は「百姓ジャック(ジャクー)」。ジャックという人物はフィクションっぽいですね。CROQUANTはこの映画の時代のちょっと前に一揆を起こした農民たちの事。
フランス版ロビンフッドと紹介されていて、アクションはたいしてなかったけど、とても見やすく150分の長編でも集中して観られました。
長くてもムダなシーンは一つもなかったし、衣装とかダンス対決が素晴らしい。
ダンス対決と書くと馬鹿っぽいけども、相手は伯爵ですからね。人前で貴族に恥をかかせるのがどういう事かわかっててやってるんで、にらみ合いながらプライドを賭けて勝負するくだりはやたらと緊張感があって引き込まれました。
しかも、ダンスの時に流れる音楽が超私好み!
好きなゲーム「クリスタルクロニクル」とよく似た雰囲気の曲で、あのゲームはフランスのあたりの民族音楽を参考にしてたのかなぁ。

その後、伯爵に捉えられて下水に落とされたジャックが、ボロボロになりながらもそこから脱出するくだりや、平民を舐めるなと言わんばかりの城攻めはぐいぐい引き込まれたし、彼らしい決着のつけ方にも納得。
この時代は平民も裁判を受ける事ができ、貴族も平民も法の前では平等ということになっていても、実際には権力を持つ者が勝つのが現実で、彼が成し遂げた復讐はその形ばかりの裁判への復讐とも言えるかな。
裁判の様子を窓からのぞく子供たちに、悲しい子供時代の記憶を重ねる描写に目頭が熱くなりました。
そして、何よりも素晴らしかったのがヒロインです。
正統派幼馴染ヒロインもいいけど、主人公に命を救われたことがある(危機に瀕した原因も主人公だけど最後まで打ち明けなかった 笑)伯爵の娘がツンデレで、乗馬と弓が得意な男装美女とかわたしのためにいるのかというくらい好み。
ラストの爽やかさもこのふたりがいたからこそだと思います。

にしても、この邦題とパッケージの残念なことと言ったら…。剣なんてほぼ持たなかったと思うし、パッケージで剣を持ってるのは合成。本国のパッケージではジャックの”J”が草刈用の鎌になってるんですよ。
彼がいつも使ってたやつ。どうして変えたのかなぁ…。

映画「髪結いの亭主」観た

 | ファンタジー  com(9) 
Tag:フランス 

髪結いの亭主
原題:LE MARI DE LA COIFFEUSE
製作:フランス’90
監督:パトリス・ルコント
ジャンル:★ファンタジー/ロマンス/コメディ

【あらすじ】子供の頃から女の理容師と結婚したいという願望を抱き続けて来たアントワーヌは、中年にさしかかった頃、ようやくその夢を実現する。優しくて綺麗なマチルドを娶った彼は、幸せな日々を送っていたが…。

gyaoでやってたので久しぶりに再見。なんか好きなんですよね~。
またもやファンタジーに分類してしまったけど、ほぼ中年の妄想なんだからいいと思う(笑)
この中に描かれている登場人物の妄想じゃなくて(それでもいいけど)、普通の生活を送っている中年男性、中年女性が、こんな燃え上がるような恋いいなぁと思うような妄想が描かれてます。
だって、働かないで綺麗な理容師の奥さんといちゃいちゃ過ごす毎日とか、何年経っても運命の恋人のように扱ってくれる旦那とか(美貌が衰えない自分とか)そうそういないでしょ。
唐突なラストも、妄想の世界から現実に引き戻すためっていうか。
そんなわけで、非現実的な事がいくら起こっても全部許せてしまいました。

アントワーヌのマセた子供時代が可愛いです。憧れの理容師さんに少しでも近づきたくて、しょっちゅう伸びてない髪をカットしてもらいに行くという。その理容師さんが太めで肉感的なのも、いかにもな感じで良いです。
かがんだ時に頬に胸が当たるのが至福の時だったとか、彼女の体臭にうっとりしたとか、横チチ目撃して半日呆然としてたとか、ここはたぶんリアリティあるんじゃないでしょうか。監督の体験談だったり?
そんなわけで女理容師と結婚するのが夢なんだけども、それを言ったら父親にひっぱたかれるんですよ。
前に観た時は意味がよくわからなかったけど、「髪結いの亭主」というタイトルの意味が「ヒモ」のことなんですね。確かに働いてなかった!
でも、理解あるお父さんで、その後謝って「お前のなりたいものになっていい」と認めてしまうという…。
それが実現した時にショックで…な展開も笑えます(妄想なので)。
で、肝心のヒロインなんですが、これがもう中年男性にはたまらない色っぽさなんじゃないでしょうか。とにかく一挙一動が官能的です。ウェディングドレス姿でお客の髭を剃る姿も綺麗でした。
ラストの寂しげな雰囲気は、真面目にこの作品を観た人には痛々しく映るんだろうけど、ぜんぶ彼の妄想として観ると違う意味で痛々しいです(笑)

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「列車に乗った男」観ました

映画「天井桟敷の人々」観ました

 | ドラマ  com(9) 
Tag:フランス 

天井桟敷の人々
原題:LES ENFANTS DU PARADIS
製作:フランス’45
監督:マルセル・カルネ
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】1840年代パリのタンプル大通り。パントマイム役者バティストは、美しいガランスに恋をする。だが、犯罪者でありながら文才のあるラスネールや女タラシの俳優ルメートル、金持ちなモントレー伯も彼女に夢中だった。一方、座長の娘ナタリーは自分とバティストは結ばれる運命だと信じていて…。

ずっと観たくて、NHKのBSシネマに2回くらいリクエスト出したんですが、先月やっとオンエアがあって期待しながら鑑賞。195分の長編にも関わらず最後まで一気に観られました(最近気を抜くとすぐ寝ちゃうのに!最近って言っても5/31だけど…)
ただ、今回はストーリーよりそれぞれのキャラクターの方に注目してしまったので、感想もそれぞれのキャラクターについて書いていこうと思います。

まず、イラストに描いた古着屋ジェリコがいいんですよね~。
たぶん生まれた時から貧しくて、信じられるのはお金だけで、才能といえば金の匂いを嗅ぎつけて人の心の隙につけ込む事だけ。当然、友達はいないし皆に嫌われていて、孤独で寂しくて虚しくて、でも自分は変えられないから(自分の事も信じられない)、不幸という形でもいいから他人の人生に関わろうとしてる…。そんなふうに見えました。
最初はただ哀しい人だなぁと思ってたんですが、巻き戻してイラスト用のシーンを物色していたら、色んなシーンで登場して「あれ、もしかしてこの人が流れをコントロールしてる?」と思ったり。
コントロールとまではいかないかもしれませんが、おそらく彼らがどのような運命を辿っていくのか予想はついていたんじゃないかな。それを傍観してほくそ笑んでる時だけ、孤独を忘れられるのかもしれません。

次に、ヒロインのガランスがクールで、やっぱり哀しいひとでした。
生きるためにいろんな事をしてきたんだろうけど、いつも正直なんです。でも、それは受け身な正直さであって、自分が何かをしたいという能動的な正直さではありません。
生きるためならモントレー伯との結婚も受け入れるけれど、自分の心は別にあるとハッキリ告げるんですよね。多分モントレーもそれを承知で結婚(偽装結婚 笑)したから、後半の彼女の行動もまったく気になりませんでした。子供もいないし、むしろルールを破って多くを求めたのはモントレーの方だろと。
ただ、こんな女性はカッコいいけども、女優さんが極妻の岩下志麻に見えちゃって…みんな熟女好きなのね(笑)

バチストは男としては頼りないけど(ナタリーと結婚しちゃうし!)、パントマイムの才能は本当に素晴らしくて、彼の舞台だけで一つの作品として観られるんじゃないかという感じでした。
俳優経験のないガランスのために、何も喋らずほとんど動かずに彼女が輝ける役を用意するところが素晴らしい。クスクス笑えるシーンもあって、なおかつ自虐的ストーリーから彼の自信のなさが伺えます。
押しの弱い男と受け身のガランスじゃ、どう考えてもハッピーエンドは無理!

そして、一番カッコいいのが女タラシの俳優ルメートルですね。恋の痛みを知ってそれを演技の糧にする…俳優の鑑です。バチストの事もその才能を認めて尊敬していたし、脚本家になったラスネールの才能も称賛していて、人はともかく才能をみる目はあります。心から舞台を愛してるんでしょう。

一方、世界一の道化役を演じたモントレー伯もね…哀れなくらい間抜けで、イラつく男なのに憎めません。
そんな世界一の間抜けすら羨む自分が道化だと理解してるラスネールさんもよかったですね。いっそ彼女が優雅な暮らしで変わり果てていれば良かったのにという気持ちが切ない!
愚かしいくらいに夢を信じたナタリーも、もう少しバチストという男をしっかり見ていればこんな事にならなかったのかも。これから息子にベッタリな過干渉な母親になりそうで怖いです。

こんな感じで、メインの登場人物たちがみんな個性的で存在感があって、最後までこの物語を堪能できました。原題の意味は「天国の子供たち」だけど、意味がよくわからんなぁ(ウィキペディアに書いてあった!あの一座で天井桟敷の人々をそう呼んでたんだね)。今度再見する時はそこら辺も考えつつ全体のストーリーを楽しみたいです。

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